感想一覧

[良い点]
かぐや姫が実はそこまで美人ではなく、それゆえに本人が噂に戸惑いを覚えている描写、「竹取物語」と「アラビアンナイト」という異質なおとぎ話を組み合わせる発想に斬新なものを感じました。

＞こうして私はあらじんと一緒になりました。
　おじいさんの屋敷からお嫁に出たのですが、何故かそれが月からの迎えと勘違いされていたようです。　そう噂で聞きました。
　私自身は全然おとぎ話ではなかったのですが、あらじんの話はおとぎ話のようでした。
　ですから、こう締めるのが正しいのでしょうか。
　それから２人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
　めでたし、めでたし。　

噂と真相のギャップに最後まで付き纏われるこのモノローグが秀逸です。

確かに、「かぐや姫」の舞台となった当時の日本人にとってアラビア風の衣裳などは「月の国からやってきた人」とでも思いそうですね。

その辺りのリアリティの出し方が巧いです。
[気になる点]
＞……侍女たちの情報網をして、『かぐや姫は美人ではない』という情報を流してしまえば、とも思ったのですが。
　そんなの、女の矜持が許しませんっ。

＞　私に結婚の意思がないことをおじいさん、おばあさんも汲んで下さり(だって、まだ14才ですし)、しつこく残る５人の求婚者に無理難題を伝えて頂きました。

前段をずっと読んできて、「かぐや姫は当時としても適齢期であるばかりでなく、現在の年齢に直してもある程度大人なのだろう」と思っていたので、「14才」という年齢を見て、驚きました。

この当時は数え年ですから、「14才」といっても現在の満年齢に直せば「12、3才」のヒロインということになります。

「女の矜持が許しませんっ。」というモノローグからしても、17、8才くらいが妥当なのではないでしょうか。

＞春は花を摘み、夏は蛍を見に屋敷を抜け出し、秋になれば栗やカキを探し、冬は朝早くから凍った手桶に歓声を上げていました。
　野歩きに疲れて見つけた泉の水を、わざわざ三々九度の真似をして飲んだこともありました。
　懐かしくて大好きだった男の子。

それまでの描写だと、上流階級のおじいさんの家で時折、竹藪に行く以外は箱入り娘として育てられた印象なのに、この部分になって、急に自由に外で遊んで育ったような記述が出てくるので違和感を覚えました。

これならば、成長後の「あらじん」を登場させる前に、「（適齢期になるとそうも行かなくなったが）自由に外に出て遊べた子供時代には好きな男の子もいた」程度の伏線を入れるべきではないでしょうか。
[一言]
花ゆきさんとナツさんの「童話パロ企画」のリンクページでこの作品について知り、拝読しました。

一貫してかぐや姫のモノローグで描き切った描写力には敬服します。

[一言]
筒井筒の君が〇〇〇〇だなんて！！゜*。(*´Д`)。*°

とってもキュートなかぐや姫のお話、ご馳走様です！！
噂だけが先走って、どうするよコレ、ってあわあわしているかぐや姫がものすごく可愛かったですっ。

そして、ココ♡
祝言の真似事までした女を、むざむざ他の男なんかに取られてたまるかよ＞

きゃあああああ～～！！かっこいいよおお～～～！！
……ハッ！　すみません。取り乱しました。

えっとプライド＝矜持（きょうじ）で変換できます。←照れ隠し

企画参加、本当にありがとうございました（*´ω｀*）