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[一言]
美しいおはなしですね。溜息が出ます。
でれすけさん

お久し振りです。
拙作へのご感想どうもありがとうございます。

私としても今までで完成した作品の中では一番長く、それだけ力を入れた作品ですので、美しく感じ取っていただけたのならば嬉しいです。
[一言]
面白かったです。

吾妻さんの作品は言葉に対するこだわりというか、繊細さがあっていつも勉強になります。
例えば、日生が両親を「おが、おど」と呼ぶだけでもぐんと彼のイメージが湧きましたし、作中の歌の意訳も話の筋とぴったりマッチして素敵でした。

ストーリー全体も日生の優しさや、弱さ、悲しさのバランスが良いので、彼が羽衣を隠している間も「狡い奴だ!」みたいな気持ちは湧きませんでした。むしろ一緒になっていつ秘密が知れてしまうかドキドキし、罪悪感を感じました。最後の「どうしてなんだ」は、ただただ切ない!

ハッピーエンドにして下さってありがとうございました。そうじゃなかったら日生のために泣いていたと思います。割とまじめに。
  • 投稿者: 青砥緑
  • 2014年 07月23日 21時55分
蘭さん

ご高覧及びご感想どうもありがとうございます。

この作品、閲覧数は今までの作品と比べても多い方なのですが、ナツさんからご感想をいただいた後は書き込みがなかったので嬉しいです。

閲覧数が増えても具体的な反応がないと、「敢えてコメントを残すほどの作品じゃなかったってことなのかな」と不安になるんですよね。

それはさておき、ご賢察の通り、日生の話し言葉については書く上で作者なりに工夫したつもりです。

字の読める人の方が珍しかった時代の中国の山村育ちで、しかも幼少時から貧しく不遇に暮らしている青年なので、私が子供の頃に聞いた東北地方の昔話に出てくる人たちの会話文を意識して書きました。

ちなみに、私は福島出身ですが、この地域は今でも全般に濁音の多い話し方ですので、昔話風の呼び方というと、「おとう、おかあ」より濁った「おど、おが」の方が個人的にしっくり来ます。

作中の歌に関しては実際には二十世紀に入ってから作られた曲なのですが、ここでは歌詞を民謡風に意訳しました。

ちなみに、原曲は漢民族の青年がチベット族の美女に恋して作られたものだそうで、そこにも本来は異種である人間の日生と天女の綸裳との類似を感じて、引用するに至りました。

ご明察のように、本編は日生の置かれた現実の過酷さや彼の哀歓にウエイトを置いた構成になっています。

おとぎ話の貧しい夫は何の迷いもなく羽衣を家に隠しますが、常識的な感覚からすれば、光り輝く衣は異世界のものですから、日生にとっては現実的な交渉の道具ではなく、むしろそれ自体が畏怖の対象なのです。

天女の綸裳にとっても、直に体験する地上の暮らしや事物は驚異の連続だとも言えますが。

実を言うと、日生と綸裳の最後のやり取りが一番最初に書き上げた場面でして、この場面に着地させるべく全体のストーリーを作っていった感じですね。

「置いていかないでくれ」と相手に懇願するよりも、全てが彼にとっては制御不能な境遇にいることを示したかったので、「どうしてなんだ」と言わせました。

描写の上で日生に共感してもらえるように力を注いだので、蘭さんのご感想は書き手としては本当に嬉しいです。
[良い点]
とにかく文章が端正で美しい!!
羽衣を思わず隠してしまった日生の孤独が、ひしひしと伝わってきて切なくなりました。

[一言]
とっても素敵なお話、ありがとうございました!!
いや~、企画して良かった゜*。(*´Д`)。*°
吾妻さまが丁寧に紡いだ「天女の羽衣」のリメイク作品に、陶然とした気分を味わわせて頂きました。

もしかしたら吾妻さまの意図されたところとは違う捉え方かもしれませんが、私はハッピーエンドだと感じました。
投稿、本当にありがとうございます!!

  • 投稿者: ナツ
  • 女性
  • 2014年 07月19日 11時45分
ナツさん

早速のご高覧及びご感想どうもありがとうございます。

艶麗な天女と精悍な青年の物語なので、地の文と擬音語と会話文の組み合わせにはかなり悩みましたが、端正な文章とおっしゃっていただけて嬉しいです。

昔、絵本の「羽衣天女」を読んで、
「さもしい男が羽衣を隠した挙句、強制結婚に持ち込んで、結局は当然のごとく逃げられてしまいました、バカですね(笑)」としか読めないストーリーに「どこが面白いの、これ?」と不満を覚えました。

また、今回の企画に参加した他の方の作品を見る限り、お姫様が王子様と結婚する西洋のおとぎ話に関してはもうネタとして書き尽くされていて、私が新たな切り口で書ける自信はありませんでした。

それで、今回は中国を舞台にして(実際、『羽衣天女』に出てくる天女の服装は、古代中国の女性の衣裳が基になっています)、天女と結婚する平凡な人間である夫にウエイトを置いた描写の作品にしました。

全体としては、「羽衣天女」に「鶴女房」的な要素も加味した感じですね。

書き手としても、この話はハッピーエンドのつもりです。

そもそも夫側が無理強いした結び付きである「羽衣天女」にしても、一応は双方が愛し合った「鶴女房」にしても、夫が取り残される悲哀には変わりありませんから。

実際、ネットで検索したところでは、「羽衣天女」にも複数のバージョンがあり、「夫も妻を追って天に昇り、そのまま星になった」という織姫と彦星の伝説を混ぜ合わせたパターンも伝わっているそうです。

「日生」という男主人公の名は「日々を生きる」という意味合いもありますが、まず、「星」の字を分解して作った命名でもあります。

こちらこそ、素敵な企画をありがとうございました。

私はどうしても持続力がなくて、今まで創作としては10000字以下の短編しか完成させられなかったのですが、今回は完成作品としては初めて15000字を超える分量になりまして、自分の中では「中編」を書けたという感覚です。

人様の目には取るに足らない作品と言われるかもしれませんが、この数日間、作者としてはずっと書いていて消耗しましたし、何度も「こんなの私の自己満足でしかないのだし、やめようか」と思いました。

しかし、「せっかくナツさんに参加すると言っておきながら、出さないなんて失礼過ぎる」とも思い直し、それが最後まで書き上げるモチベーションにもなりました。

むろん、ナツさんとしてはそのようなおつもりはなかったと分かりますが、私としては本当に感謝しています。
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