感想一覧
▽感想を書く[良い点]
優雅で野蛮。そのひとことにつきます。わたしはつねづね、少女とは優雅で野蛮な生き物だと感じていました。澄んだ瞳に世界中のあらゆるものを映して、美しさのなかに秘められた醜さを見抜いて暴露してしまう。少女とは、美しく残酷で気高く理不尽なもの。そしてその美にはつねに、優雅さと野蛮さがおなじ比率で存在している。だからわたしは、少女に憧れながら、少女が怖いのです。美しいものしか赦せない彼女たちが。醜さのなかにさえ、美を発見してしまう彼女たちが。醜ささえ、おのれの美に変えてしまう彼女たちが。
これはそんな《少女》という観念を結晶してしまったようなお話だと思います。自分がいつか綴ってみたいお話の、ひとつのかたちがこの作品にあらわれていて、羨望すら感じるほどです。
[一言]
こんばんは。吾子さん。
わたしがなろうに帰ってきた理由のひとつはあなたであり、この作品にあります。わたしはずっとこの物語とあなたの文章を忘れがたく想っていました。だから復帰してはじめての感想を、この作品に捧げます。……なんていったら、おおげさかしら。吾子さんの作品、これからまた一作ずつ読ませていただきますね。
優雅で野蛮。そのひとことにつきます。わたしはつねづね、少女とは優雅で野蛮な生き物だと感じていました。澄んだ瞳に世界中のあらゆるものを映して、美しさのなかに秘められた醜さを見抜いて暴露してしまう。少女とは、美しく残酷で気高く理不尽なもの。そしてその美にはつねに、優雅さと野蛮さがおなじ比率で存在している。だからわたしは、少女に憧れながら、少女が怖いのです。美しいものしか赦せない彼女たちが。醜さのなかにさえ、美を発見してしまう彼女たちが。醜ささえ、おのれの美に変えてしまう彼女たちが。
これはそんな《少女》という観念を結晶してしまったようなお話だと思います。自分がいつか綴ってみたいお話の、ひとつのかたちがこの作品にあらわれていて、羨望すら感じるほどです。
[一言]
こんばんは。吾子さん。
わたしがなろうに帰ってきた理由のひとつはあなたであり、この作品にあります。わたしはずっとこの物語とあなたの文章を忘れがたく想っていました。だから復帰してはじめての感想を、この作品に捧げます。……なんていったら、おおげさかしら。吾子さんの作品、これからまた一作ずつ読ませていただきますね。
- 投稿者: 退会済み
- 2017年 03月19日 20時24分
管理
感想ありがとうございます。
このように暖かい感想を頂けて、私は本当に果報者です。
今までに色々な方とお話をする機会があって、その中で私は自分自身の書いた作品に対する愛情が比較的に弱いらしいということを知り、この作品に対してもそれは同様でした。ただ、特にこの作品は様々な方に読んで頂けて、感想などを頂くことで愛情を深めていったという経緯があります。
今回の由芽さんの感想は、そうした感情をさらに強めて下さいました。私だけでなく、この作品も喜んでいると思います。
少し短いですが、この作品がそうであるように、万感の思いを込めてこの返信を書かせて頂きました。ありがとうございました。
このように暖かい感想を頂けて、私は本当に果報者です。
今までに色々な方とお話をする機会があって、その中で私は自分自身の書いた作品に対する愛情が比較的に弱いらしいということを知り、この作品に対してもそれは同様でした。ただ、特にこの作品は様々な方に読んで頂けて、感想などを頂くことで愛情を深めていったという経緯があります。
今回の由芽さんの感想は、そうした感情をさらに強めて下さいました。私だけでなく、この作品も喜んでいると思います。
少し短いですが、この作品がそうであるように、万感の思いを込めてこの返信を書かせて頂きました。ありがとうございました。
- 雨宮吾子
- 2017年 03月20日 19時55分
[良い点]
なんて陶酔的な文章なのでしょう。
雨宮さんの小説を拝読させていただくのは、これで二作目ですが、作品によってこうも異なる相貌を見せてくれるのか、と恍惚としてしまいました。その筆力に、ひたすら頭が下がる思いです。
腐食性の月の光が淡く皮膚を浸蝕してゆくような、そんな恐ろしいほどの美しさが、繊細で巧緻な刺繍を織りあげるように綴られた文章の背後に聳えていました。そう、まさに「情景」がまざまざと浮かんでくる描写に、ただただ至福の溜息をこぼしてしまいました。
[一言]
『輪転』で雨宮さんのファンになり、この作品で完全に心を奪われてしまいました。 ほんとうに素敵でした。
なんて陶酔的な文章なのでしょう。
雨宮さんの小説を拝読させていただくのは、これで二作目ですが、作品によってこうも異なる相貌を見せてくれるのか、と恍惚としてしまいました。その筆力に、ひたすら頭が下がる思いです。
腐食性の月の光が淡く皮膚を浸蝕してゆくような、そんな恐ろしいほどの美しさが、繊細で巧緻な刺繍を織りあげるように綴られた文章の背後に聳えていました。そう、まさに「情景」がまざまざと浮かんでくる描写に、ただただ至福の溜息をこぼしてしまいました。
[一言]
『輪転』で雨宮さんのファンになり、この作品で完全に心を奪われてしまいました。 ほんとうに素敵でした。
- 投稿者: 退会済み
- 女性
- 2016年 03月07日 12時38分
管理
感想ありがとうございます。
様々なお褒めの言葉、この上なく嬉しいです。この掌編に込めた想いは過去の私にしか分からない部分もありますけれども、夏野さんのように感じて頂けたのなら本望だと思います。そしてまた、この作品はそうした方に読んで頂くべく生まれたものかもしれないと、そんな不思議なことを感じたりしました。
まだ未熟なところの多い私ではありますが、ご期待に添えるように頑張っていきたいと思います。
夏野鈴生さん、ありがとうございました。
様々なお褒めの言葉、この上なく嬉しいです。この掌編に込めた想いは過去の私にしか分からない部分もありますけれども、夏野さんのように感じて頂けたのなら本望だと思います。そしてまた、この作品はそうした方に読んで頂くべく生まれたものかもしれないと、そんな不思議なことを感じたりしました。
まだ未熟なところの多い私ではありますが、ご期待に添えるように頑張っていきたいと思います。
夏野鈴生さん、ありがとうございました。
- 雨宮吾子
- 2016年 03月07日 23時15分
[良い点]
紙応えのある文章、纏った空気、十二分に堪能させていただきました。
二段落目の描写により、鏡に映る光景を非常に受け入れやすく、描きたい世界と文章の一致に心を込めて執筆していらっしゃるのだろうと強く感じました。
「まるで老優のような手慣れた仕草で」
という箇所から私にとって少女はとても不気味な存在で、「可憐」「夢見がちな少女」という語は歪に聞こえる一方「象牙のように野蛮」「にやついた」「ナイトガウンを脱ぎ捨てる衝動」などの言葉を引き立てています。引き立てられる呼応関係にあるからこそ、歪な箇所も二面性として魅力的で、作品全体を引き締めているように感じました。
[一言]
はじめまして。
かなたさん経由で訪問させていただきました。
「まず短編を」と拝見させていただきましたが、有意義な時間を過ごさせていただきました。
個人的には蘭 郁二郎や氷川瓏、久生十蘭など戦前探偵小説の流れを汲む怪奇趣味的作品の味わいがしました。
時間を見つけて他の作品を拝見したいと思います。
またお気に入りに登録させていただきます。
何卒宜しくお願い致します。
紙応えのある文章、纏った空気、十二分に堪能させていただきました。
二段落目の描写により、鏡に映る光景を非常に受け入れやすく、描きたい世界と文章の一致に心を込めて執筆していらっしゃるのだろうと強く感じました。
「まるで老優のような手慣れた仕草で」
という箇所から私にとって少女はとても不気味な存在で、「可憐」「夢見がちな少女」という語は歪に聞こえる一方「象牙のように野蛮」「にやついた」「ナイトガウンを脱ぎ捨てる衝動」などの言葉を引き立てています。引き立てられる呼応関係にあるからこそ、歪な箇所も二面性として魅力的で、作品全体を引き締めているように感じました。
[一言]
はじめまして。
かなたさん経由で訪問させていただきました。
「まず短編を」と拝見させていただきましたが、有意義な時間を過ごさせていただきました。
個人的には蘭 郁二郎や氷川瓏、久生十蘭など戦前探偵小説の流れを汲む怪奇趣味的作品の味わいがしました。
時間を見つけて他の作品を拝見したいと思います。
またお気に入りに登録させていただきます。
何卒宜しくお願い致します。
- 投稿者: 退会済み
- 男性
- 2015年 04月10日 18時03分
管理
感想ありがとうございます。
お褒め頂き恐縮に思います。
この作品は「すこし・ふしぎ」な作品を目指して、辞書から拾い上げた単語を、偶然性を骨格にして肉付けをしていったものです。ですからそこにもちろん意図があるわけですが、私自身が理論よりも感覚で書いていく種類の人間ですから、良い塩梅に仕上がっていたのだとしたら幸運に恵まれていたのだと思います。
ただ、この感想を頂いて久しぶりに本作品を読み返し、新たに発見したこともありました。私は小説を書くにあたってテーマやメッセージといったものを明確に定めることは今までしてきませんでしたが、上述の通りこの作品では明確な意図を以て書き進めた、書き進めることができたということを心に刻み、今後の推進力にしていきたいと感じました。
そのことに気付かせて頂いたことに感謝致します。
また、お気に入りに登録して頂いてありがとうございます。こちらも時間を作ってそちらの作品を拝読させて頂きます。残念ながら感想を書くのは苦手ですのでそこまでは至らないかと思いますが、何らかの形で反応は示したいと思います。こちらこそよろしくお願い致します。
多田 燈さん、ありがとうございました。
お褒め頂き恐縮に思います。
この作品は「すこし・ふしぎ」な作品を目指して、辞書から拾い上げた単語を、偶然性を骨格にして肉付けをしていったものです。ですからそこにもちろん意図があるわけですが、私自身が理論よりも感覚で書いていく種類の人間ですから、良い塩梅に仕上がっていたのだとしたら幸運に恵まれていたのだと思います。
ただ、この感想を頂いて久しぶりに本作品を読み返し、新たに発見したこともありました。私は小説を書くにあたってテーマやメッセージといったものを明確に定めることは今までしてきませんでしたが、上述の通りこの作品では明確な意図を以て書き進めた、書き進めることができたということを心に刻み、今後の推進力にしていきたいと感じました。
そのことに気付かせて頂いたことに感謝致します。
また、お気に入りに登録して頂いてありがとうございます。こちらも時間を作ってそちらの作品を拝読させて頂きます。残念ながら感想を書くのは苦手ですのでそこまでは至らないかと思いますが、何らかの形で反応は示したいと思います。こちらこそよろしくお願い致します。
多田 燈さん、ありがとうございました。
- 雨宮吾子
- 2015年 04月10日 23時00分
[一言]
初めまして、虚白と申します。
新規登録後、「yoursf」企画を知り、読んでいこうと思った次第であります。「歳晩の三日月」、読了致しました。
短いながらも文章全体から湧き出す神秘的な雰囲気と、冒頭の鏡台の描写に芥川の「雛」を思い起こしました。SF=少し不思議という解釈のもと展開された少女と月の物語は、漱石先生の「夢十夜」を思わせる儚い雰囲気に包まれていました。
読了感がいいな、と思います。あまり読まないタイプの文章で、新鮮でした。素敵な時間をありがとうございました。
初めまして、虚白と申します。
新規登録後、「yoursf」企画を知り、読んでいこうと思った次第であります。「歳晩の三日月」、読了致しました。
短いながらも文章全体から湧き出す神秘的な雰囲気と、冒頭の鏡台の描写に芥川の「雛」を思い起こしました。SF=少し不思議という解釈のもと展開された少女と月の物語は、漱石先生の「夢十夜」を思わせる儚い雰囲気に包まれていました。
読了感がいいな、と思います。あまり読まないタイプの文章で、新鮮でした。素敵な時間をありがとうございました。
初めまして、感想ありがとうございます。
偉大なる先達の作品を想起されたとのこと、嬉しく思います。掌編ながらも何かしら心に届いたものがあるのだとすれば、これ以上に嬉しいことはありません。
ただ、書き手としてもそうですが、読み手としても不勉強でして、恥ずかしながら「雛」も「夢十夜」も読んだことがないのです。ですから、今回こうして感想を頂けたことを一つの契機として、それらの作品にも触れていき、素敵な作品を作っていけるように努力していこうと思います。
虚白さん、ありがとうございました。
偉大なる先達の作品を想起されたとのこと、嬉しく思います。掌編ながらも何かしら心に届いたものがあるのだとすれば、これ以上に嬉しいことはありません。
ただ、書き手としてもそうですが、読み手としても不勉強でして、恥ずかしながら「雛」も「夢十夜」も読んだことがないのです。ですから、今回こうして感想を頂けたことを一つの契機として、それらの作品にも触れていき、素敵な作品を作っていけるように努力していこうと思います。
虚白さん、ありがとうございました。
- 雨宮吾子
- 2014年 12月14日 17時36分
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