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[一言]
楽しく拝読いたしました。
読んでいると光景が頭の中に浮かんできて、わくわくしました!

わくわくしながら、印象的なシーンの数々に、ひょっとしたら作中のここの部分はこういう意味合いも含んでいるんだろうか? とか。
(実際には違ってたりすると思いながらも)、私はここのシーンでこう感じた、こういう連想が浮かんだという所が沢山あって。とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

ここから良かったら、感想を少しお話させてください。
(「ソーディリアンfimale」拝読前の感想で、私、色々おかしな解釈してるかもなのですが…)


物語の始まりに、何となく西部劇のような色彩が思い浮かびました。
主人公の中年の男はすっかりと疲れ果てていて、未来に希望が持てず、酒と女に溺れてすさんでいるみたいだと思いました。
「金が底を尽きると同時に男は冷たい路地に放り出された」のところ、酒場の目的はあくまでお金で、お金が無くなると放り出されるのは切ないなと感じ、男の心を想うと胸が痛くなりました。

酒場に現れた不思議な中年男からの不思議な話に。
どういう事だろう? と思っていたら、話し終えた中年男は席を立ち、姿を消し。

その後、主人公の男が遭遇した巨人に。
アクション映画のような迫力と、ファンタジー映画のようなワクワクを感じました。

巨人の瞳の穴に落ちた男。
落ちていった暗い穴の先の場所に、巨人のお腹の中に落ちたみたい。お腹の中の世界は、母親のお腹の中みたい。男は母親の胎の中にいるのかも、と連想しました。

ふたつの小さな鈴は、まるで希望の光みたい。
ふたつ、だから、「男」と「女」みたいに感じる。
ふたつの鈴は、伴侶みたい。と思いました。

現れた「滑稽なほどスカートを膨らませて白い髪の毛を高く結い上げた女」は、今男がいるお腹の持ち主(女性)みたい、と連想しました。
馬、狼、武人は、女を巡って争う男のライバル男たちのようだ、と連想しました。

武人に襲い掛かられて追い詰められた男が「もう駄目だと思ったとき」に「星が生まれ」、「ふたつの小さな鈴」になり、「今しも襲いかかろうとしていたもの達が鈴の音の振動に共鳴し、さらさらと銀色の光の粒に還っていった」ところ。
ふたつの小さな鈴は、男を守る光のような存在なのかもと思いました。追い詰められたときに助けてくれる、希望や夢のような印象を受けました。

男を脅かす武人たちが消え、守ってくれる鈴が現れ。
男は、胎の中で他のライバルたちに勝ち抜き、鈴に選ばれたのかもと思いました。そこにいていいよ、みたいな。生命の誕生のような、祝われている感じの…。

橋を渡った先の白い世界で、男は胎の中で生まれたばかりの胎児なのかも、と思いました。
メトロノームは、母親のお腹の中で出産まで過ごしている時間なのかも、と連想しました。

人形たちが男に切りかかり、男の命を脅かすのは、胎児の命を脅かす病気や事故なのかも、と。宿っても無事に産まれてこれるかは戦いなのかもと思いました。

人形たちに追い詰められて、「なかば半狂乱になっていった」男のシャツの胸元から、再びふたつの鈴が現れて。
また守ってくれて。

その先の「青い光があたりを照らす狭い空間」は、男がこれから胎を出て、いよいよ新しい世界に産まれようとしているのかも、と連想しました。

鏡に映った女性は、男がこれから生きていく新しい世界での伴侶かもと。

同時にこの女性は、男が元いた世界で過去に恋した女性で。
結ばれることを夢見ていたけれど、結ばれずに別れてしまった人で。
新しい世界でこの女性と伴侶になるということは、本来起こりえない、夢の「もしも」の世界で。
そんな世界に旅立つということは、男は元いた世界から消える=死ぬことなのかも、と思いました。

生と死が、表と裏みたいな関係になっていて。ねじれて繋がっていて。メビウスの輪みたいだ、と感じました。

思い返すと、始めの方に酒場で出会った不思議な中年男は、それまで希望がなくすさんでいた男を、新しい幸せな世界に連れて行ったからまるで天使のようだけど、結果的に男を元いた世界から消してしまっているので死神のようでもある、と。
天使と死神、ここも表と裏みたいな関係で、メビウスの輪みたいだ、と感じました。

「ソーディリアンmale」、とても楽しく面白く拝読させて頂きました。ありがとうございます。

いろどり みかん様

感想ありがとうございます。


とても古くて思い入れのあるファンタジー作品を読んで下さって、とても嬉しいです。

maleとfemaleは対の作品です。femaleを読んでいただけると、もっと楽しんでいただけるのではないかと思います。

この作品を書いてすでに30年経とうとしています。
大学生だった頃に書いた作品で、書けなかった長編のエピソード0に当たるお話です。

今はありきたりな設定になってしまったけれど、女剣士、人間だった剣の話を書きたかったのです。今でも頭の中に大まかな設定が残ってます。

でも月日が経って、名前やいろいろと細かなところを忘れてしまいました。
小説をノートに書いていた時期なので、どこかに創作ノートがあったらと思ってます。

楽しんでいただけて嬉しいです、ありがとうございました。
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