感想一覧

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[一言]
企画が終了しましたので、こちらに感想を書かせていただきます。

読み終えて、心を打つものがありました。
失声症と聾唖という、難しい物を扱いながらも、ゆっくりと、じっくりと丁寧に言葉を紡いでいて、まるで自分が沙奈になったような気持ちで読み進めました。

自分がその立場だったら。と、よく考えるのですが、やはり健常者は健常者、その域を出られないなと思うことが良くあります。
私の周りにも、聾ではありませんが、知的障害やダウン症をもったお子さんを持つ方が何人かいらっしゃいます。
自分では気を遣っているつもりでも、相手はそうは思っていないかもしれない。同じ高さで話す、同じ時間を共有するというのは、今のところ理想論でしかなく、毎度、どうすべきだったのか、ひとり反省会をしてしまいます。

声が出せないという、共通の障害を、ふたりがどう捉えていたのか。仲間意識があった一方で、詩織は常に、その関係がいつか終わるのだと覚悟してたんでしょうね。そう思うと、やるせない。

障碍者の支援は、一過性ではダメだと聞いたことがあります。同情でも、ダメだそうです。でも、私たちは普段、どうだろうか。
そんなことを、考えながら読みました。

耳が聞こえないながらも、みんなと同じ高校に通う詩織に、難聴でも聾学校に行かなかった母のことが重なりました。詳しいことは一切聞いたことがありませんが、見えない苦労が沢山あったのだと思います。

企画中、ギリギリになってしまい、感想掲示板には書き込めませんでしたが、この話を読めて良かったです。
ありがとうございました。
  • 投稿者: 天崎 剣
  • 30歳~39歳 女性
  • 2014年 10月11日 08時57分
 まず、セリフのないお話にしするという条件を作り、あれこれと考え、選んだ題材が 『声を失った主人公と声を知らない友人』 の物語でした。
 ですので、難しい題材に挑戦したというよりも、書き始めたら難しい題材だったというのが正直なところです。
 
 聾唖や失声症に関係した本やドキュメンタリーなどを資料替わりにしたのですが、知れば知るほど自分の想像とのギャップをつきつけられて、少なからずショックをおぼえました。

 このまま書いて良いのかと迷いもしましたが、とにかく自分の手が届く範囲で書けることを書こうと決め、結果、このようなお話となった次第です。
 
 リアリティという意味では、かなり甘め。感想掲示板でも似たような指摘がありましたが、おっしゃるとおりです。
 もし心に触れるものがありましたら、それは私の技量というよりも、読み手さんの感受性のおかげでしょう。素敵な読者さんに恵まれました。
 これを糧に、少しでもレベルが向上すればと思っております。

 
 企画終了後にもかかわらず身に余る感想をいただきまして、ありがとうございました。こちらに感想をいただけるとは思っていなかったので、嬉しい限りです。

 思いついたことを感覚的に書くため、ジャンルがまるで定まりませんが、気が向いたときにでも、またお立ち寄り下さい。
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