感想一覧

[一言]
　はじめまして、恵生と申します。たまたま御作を見つけ、拝読させて頂きましたので感想を書かせて頂きます。

　読めば読むほど完成度の高い作品だなと感じました。一話導入部で、穏やかな空間で暴走する主人公という独特な空気感に引き付けられました。てっきり最初はバトルものになるのかなと思っていたので、良い意味で予想を裏切られました。
　短い作品ではありながら、洋々が周りの人との関わりの中で成長していくのも御作の魅力であると感じます。ほのぼのと穏やかな雰囲気でありながら、読者を飽きさせないのは流石であると思いました。
　終わり方もとても良くて、温かい余韻の残る終わり方だと感じます。大人向けのエンターテイメントとして良質であるように思いました。
　
　また穏やかな登場人物のやり取りや、優しい世界観とも合わさって、とても雰囲気が素敵です。父や錦に見守られ、大切に洋々は育てられてきたのだなという感じを受けました。優しくて魅力的な台詞も拝読していて、参考になります。
　主人公の洋々は優しい性格ですので、右腕のせいでこれから先も苦労が多くはなりそうですが、上手く腕と付き合っていって欲しいなって思いました。

　文章につきましては、ダラダラと書かれてなく整っていて非常に読みやすいと感じます。鮮やかな文章で、素晴らしいと思いました。また、キャラが台詞で見分けがつくのも、作者様の技術の高さを感じられました。

　最後にいろいろ長々と乱文失礼いたしました。思ってた以上になろうにはないタイプの作品でとても面白かったです！楽しい時間をありがとうございました。

[良い点]
「荒ぶる右腕」という黒歴史で見かける設定を実際に題材にするという発想が面白く、まず興味をひかれました。
右腕の巻き起こす小さな事件や、その時の周囲の対応が描かれることで、書かれている部分だけではなく、父親や錦といった周囲の人々に優しく見守られてきた13年間全体を想像することができました。
また、最後に母親が繊細なだけの存在ではなく、洋々を疎んじているわけでもなかったと分かったことで、温かな気持ちになることができました。
不穏な雰囲気とほのぼのとした後味を同時に味わえる、バランスの良い作品だと思います。今後の創作活動を応援しております。

[一言]
＞優しくされればされるほど、己の至らなさをひしひしと感じた。
という部分に身をつまされる思いになりました。何か事を起こしたあとに怒られるのではなく、優しくされるとどうにも居場所がない気持ちになるのに似ていたからかもしれません。
殴る僕が、これからどうやって腕と折り合いをつけていくのか、いかないのか。非常に楽しみです。

これからも頑張ってください。
また、読みに来ます！