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[一言]
 大河ドラマでは詳しく描かれない西国大名達の栄枯盛衰が書かれており素晴らしい。
「信長の野望」等の戦国ゲームが好きな私は嬉しくて堪りません。
 朝鮮出兵は秀吉の海外情報不足と、司令官クラスが小西行長・加藤清正・宇喜多秀家と若造で心許ない。
 文中書かれてましたが、家康・利家の大老が総司令で渡海し、外交交渉も任されていたら結果は違う物になったでしょう。緒戦の圧勝を糧に上手く運べば早期終結も可能だったかも。
 島国故か、敵を知らず空気を読まない外交下手は日本の弱点。第二次大戦の悲劇も此れに通じると感じます。
 作品の完成度は高く、正式に出版されても良いレベルだと思う。持ち込みされては如何です?発売されたら勿論買います。
  • 投稿者: IPSILON
  • 男性
  • 2010年 08月29日 00時54分
ありがとうございます IPSILONさん。確かに大河でも小説でも、あれいはアニメでも西国大名は滅多にとりあげられませんね。自分は戦国時代なら西国の動向が一番面白いと常々思っています。最も島津義弘や島津家を大河にするとしたら、朝鮮云々をぬきにしても、些細な事も含めて問題山積みかも……。日本の外交下手は古代からのもので、昨今の鳩や管を見ても実に稚拙きわまりないものです。出版云々については今後検討してみたいとおもいます。それではまた機会があったら会いましょう。
  • 2010年 08月31日 17時52分
[良い点]
・文章と作品世界がきちんとマッチしていて、とても雰囲気があります。
・プロローグがすごくいいです。物語の幕開けに相応しく、小説としての品を感じました。
・敗者の側に属する女たちが、自決の道を自ら選び、身投げするシーン。非常に簡潔に書かれていましたが、効果的だったと思います。
・妖妃(笑)とも言える奈多姫がキャラとして迫力がありました。いやぁ、こういう女性っていいですねぇ(笑)
[気になる点]
・初出の固有名詞及び人名(特に下の名前)にはルビがあった方がいいかと。名前の読めない人物には感情移入し難いものですし、なにより読みづらいです。もちろんこれは私の知識不足ゆえなんですが、しかし、私含め読者ってそれほど有識とは限りませんので……。もちろん、すべての人名ではありませんが。
・「プロローグ」より。「先頭を駆ける~」の文頭にスペースを。
・「夕陽に紅に染まりきった」という表現ですが、「に」が続くため、若干の違和感があります。「紅に」ではなく「紅く」にしてみては?
・「三州統一編其の一」など、一章丸ごと説明文に終わっているところは改善の余地ありですね。小説として、純粋に面白みに欠けます。
・「三州統一編其の三」より。「南の果ての空はまだ薄暗ぐ、」→「~薄暗く」に。
・「自ら射的の名人である~」←ここは「自らも」の方が。また、「全身あふれるばかりの」も、「あふれんばかりの」の方が、より勇猛果敢なイメージを駆り立ててくれる感じがします。
・「この登り坂じゃ敵を消耗させるのじゃ」←「登り坂じゃ」で一旦句点か読点を入れた方が。
・「戦場の酷さ」は表現として甘さを感じます。「戦場のいかに悲惨魔道なるかを」等、ここはあえてオーバーなほど扇情的な文で締めた方が適切ではないでしょうか。←拙い例文で申し訳ありません(汗)
・「其の四」より。「将兵達の前から姿を消してしまい、将兵達は驚き~」という一文ですが、同文中に二度「将兵達」という語が出てくるので、少々違和感を覚えます。前者をいっそ消して「酒席から姿を消してしまい、残された将兵達は~」とつなげるかした方が自然かもしれません。
・「良重は間諜の知らせを聞き、驚き」という箇所ですが、同じ音が続くので、「聞いて驚き」等にした方がいいかもしれません。
・「其の五」より。「九月二十一」←「日」が抜けてますよね。
・「恐悦至極の至り」←表現の重複では?
・「苦戦をよぎなくされた」→「~余儀なく~」に。
・「其の六」より。「また菱刈氏の~また島津氏との戦いで」←「また」が続きますので、どちらかは削除した方がスッキリします。
・「軍師が、」←この読点は不要かと。
・「介添えをする者が貴久に鎧や冑を着用させ、軍扇を手にした貴久は」の文ですが、読点でつなげるよりは「着用させる。」で一旦切った方が自然に思います。
・「合戦の火蓋は~幕を明けた」ですが、「火蓋」であれば「切られた」が正しいですね。慣用句ですので。
・「チェストォォォォ!」という掛け声ですが、これって時代的に……どうなんでしょう?
・「できるこれは人間業ではない」←「できる」で句点を入れた方が読みやすいです。
・「大友義鎮後の宗麟でだった」←「で」を削除してください。また、語が詰まって見えるので、句点か読点で区切るか、()でくくった方が。
・「其の八」より。「鑑連は若い頃雷に打たれた以来」→「打たれて以来」に。
・「すく側で」→「すぐ側で」に。
・「其の十」より。「兼続はかなり酒が強く、すでに酔いが回りきっていた」という一文ですが、酒に強ければ飲んでも飲まれることはないと思うので、「かなりの酒好きで知られ、この時もすでに~」等の方が自然ではないでしょうか。
・「なんと忠将が死んだ…」←三点リーダ、他所にならって二個セットにした方が。
・「おやめ下され兄上!味方は~」←「!」のあとにスペースを。
・宣教師の台詞の中に、「優しい」「教え」「喜んで」等、平仮名が数箇所交ざっておりますが、イントネーションの乱れを表現するため等、わざとでしょうか?
・「ナウ型ポルトガル船(5~600トン乗員300名片舷17~18砲門)」←表記を漢字に。
・「其の十一」より。「壇ノ浦」「早鞆ノ瀬戸」←ルビの位置がおかしいです。確認を。
・「すでに海峡は~」「すでに前哨戦は~」と、同じ副詞が続きますので、どちらかを削除するか、後者をたとえば「前哨戦は早、始まっている」とするなど変えてみてはいかがでしょう。
・「義鎮は自身ありげに」←修正を。
・「其の十二」より。「わし自ら討つて出る」→「~討って」に。
・「其の十三」より。「美女をはびらせ」→「~はべらせ」に。
・「足利義輝でである」←修正を。
・「其の十四」より。「戦国の世に島津家を富強たらしめたものに、島津家独特の軍事システムとして外城制度というものがあった」の一文ですが、「~もの」が連続しますので、たとえば「富強たらしめた一因に」等、少し表現を変えてみてもいいかと。
・「其の十五」より。「仏教の戒めをに対し」←修正を。
・「肝に命じて」→「胆に銘じて」。
・「其の十六」より。「我等を愚弄するにもほどがある!新納忠元とか申す者」←「!」のあとにスペースを。
・「時間がかからなかった」ですが、「時間はかからなかった」の方が自然かと。
・「其の十七」より。「ほおり捨てて」→「ほうり捨てて」に。
・「殿も他の戦線に謀殺されており」ここは「忙殺」ですね。意味からして。他にも同様の箇所がありましたので、チェックを。
・「がぶりを振った」→「かぶりを振った」に。
・「其の十八」より。「なにをもたつておる」→「なにをもたついておる」に。
・「水脈を絶てばあれいは」→「~あるいは」に。
・「津波にように」→「津波のように」に。
・「其の十九」より。「全身殺気あれいは」→「~あるいは」に。
・「故あってだだ今より」←修正を。
・「最終章 一」より。途中、祐安が梅を捕らえるシーンが入りますが、前後の場面接続に拙さを感じます。文章が抜けているのかと思ってしまいました。
・「最終章 二」より。「どげんしようかい?こん九州には~」←「?」のあとにスペースを。

[一言]
ご依頼をお受けしましたnakonokoです。大変遅くなって申し訳ありません。三州統一編完結まで拝読させていただきました(全編となるといつ書き込めるかわかりませんので、キリのいいところで)。

驚くほど完成度の高い、大変すぐれた作品だったと思います。
文章そのものも基本的には完成されており、直すべき箇所はほとんどなかったかと。
ただ、さらに突っ込んで言わせていただくなら、特にそれまでの状況を説明する地の文ですが、「教科書風」なんですね。ソツのないきれいな文調なんですが、同時に「つかみ」が弱いです。先を読みたいと思わせる力に欠けているというか、もう少し煽情的に書いてみてもいいんじゃないかと感じました。

また、「歴史好きな読者」のみを想定して書かれているような甘さも正直感じました。上述の、経緯について語る地の文の部分など、延々説明が続き、読みづらさが露骨に出てしまっているように思いました。登場人物にしてもあまりに多すぎて、正直覚え切れません。
そういう作品もありだとは思いますが、どうせなら、歴史に興味がなくても先を読みたいと思わせるような演出をしてみてはいかがでしょう。←言うは易しで、かなり難しいですが……。たとえば「○○尺」も、メートル表記等で毎回フォローしてみるとか。
「読みやすくしよう」という心遣いがあるだけで、読者側の受け入れやすさはだいぶ変わってきます。全体に、その点で損をしているような印象を受けました。

最初に申し上げたとおり、私、歴史にはかなり疎い人間ですので、そういう方面のツッコミができません^^; そういう意味で、ストーリーにはほとんど言及する余地がなかったと思います。申し訳ありません。
それでは、以上です。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2010年 08月26日 04時10分
管理
高い評価に感謝します。なるほど……自分では知らないところに誤字脱字というものは隠れているものですね。早速訂正していきたいと思います。奈多姫に関しては、基本色気というもののないこの小説の中で、そこそこうまく描けていたかどうか?正直あまり自信がありません。女性キャラを書いていくというのは以外と難しいものです。
文章が教科書的というのは確かにいえていると思います。なんといいましょうか?史実の枠組みにはまったものではないストーリを作る力が筆者にありませんでした。初期の頃は、もう少し伝奇小説風なスタイルも入れてみたいとも考えたのですが……。文章に関しては、あまり特定の人物に感情移入しすぎたり、情緒的になりすぎると、そういうものに嫌悪感を感じる読者もいると思いますので、できうる限り淡々と話を進めていくことにしました。「つかみ」が弱い面は修正していきたいとおもいます(筆者の力量で果たしてそこまで到達できるのはいつになるかわかりませんが)
「歴史好きな読者」のみを想定して書かれているような甘さ、確かにこの物語はあまり取り上げられることのない、九州の戦国史を題材としたもので、恐らく関心をもってくれるのは、その点に注目してくれている方が多数だったでしょう。従ってそういう人向けに物語を進めていったつもりでいます。まあプロの作家さんが書いた作品でも、この点は以外と難しいとは思います。
ふりがなやメートル表記に関しては、意外と自分は怠惰な面があり、面倒くさかったり、資料まる写しにしたりすることもありました。面目ないはなしです。
それから「チェストォォォォ!」というかけ声ですが、これに関しては薩摩独特の『猿声』といわれるもので当時の薩摩人がこう叫んだという記録は確かにありますので問題はありません。
とりもなおさず、今回は実に参考になりました。感謝する次第であります。
  • 2010年 08月28日 21時01分
[良い点]
 まずもって、この題材選びが素晴らしいです。上杉、武田、織田、徳川……と東国の大名を扱った歴史小説はやまほどありますが、西国を舞台にしたものは比較的少なくそれだけで希少価値です。
 加えて構想の雄大さもこの作品の長所だと思います。薩摩島津氏の四兄弟を軸にライバルの大友義鎮や龍造寺隆信、安芸毛利氏等の動向まで詳しく書きつくされていて、しかも豊臣氏の九州平定から朝鮮の役に(秀吉没後までも!)まで話が延びて行くとは……お見事というほかありません。
 そして取材の密なことといったら、これもまたかなりのもの。恐らく亀さんは「資料」のみでなく、相当「史料」も読み込んでおられるのでしょう。ほとんど「資料」のみで書かれた薄っぺらな歴史小説とは格の違いが出るのは自明の理です。
 いわゆる名場面もきちんと描かれていて、戸次川の合戦などは島津氏の奮戦振りだけでなく、もう一方の主役である豊臣方諸将の悲壮感漂う決意などもあまさず描かれていて、読者も興奮しきりだと思います。
 文章も簡潔にして的を射ており、歴史小説にふさわしい文体です。

[気になる点]
 史実が土台にあるので突っ込む所が少なくて困るというのが私の正直な思いですが、以下やや意地の悪い指摘です。
 まず物語の面で。島津氏に主眼を置こうという視点がやや弱いです。島津が主人公というより「九州の動乱を無軌道に書いていったら、最終的に島津氏の覇権になるので島津氏を主役にした」という感じを受けました。
 これは大友や龍造寺の動きに筆を割きすぎたためではなく、島津氏を「主役」たらしる描写が少ないせいです。例えば戸次鑑連や立花宗茂などと比べて、義久や義弘が格別印象的かと問われると素直に肯首しがたいです。史実にない要素でもかまわないので、より島津の兄弟を魅力的にするエピソードや心情を盛り込むと良いと思います。特に朝鮮の役に入ると、もう人物が多くなりすぎて焦点がぼやけてしまっています。登場人物はいくら多くても構わないのですが、小説的に島津義弘を他の人物とは格別な役割を持たせることが重要ではないでしょうか。そうでないと単なる「西国軍記のまとめ小説」で終わってしまうかもしれません。
 次に文章について。無駄な修飾もほとんどなく問題は少ないです。しかし一部に勢いに任せて筆が滑ったような箇所が気になりました。例をあげますと、

「千載一遇の捲土重来の機会とうつった」

これは「道雪散る」の章からですが、四字熟語を連続して使っているので変な調子になっています。どちら一方にするか、「またとない捲土重来の好機とうつった」程度にとどめた方がくどさがなくなります。

「官兵衛という、例えば宇喜多直家のように、根底から腹黒い男ではないが、知恵が回りすぎ、どこか常人に薄気味悪い印象すら与える人物は、この時も島津方の動きを目ざとく読んでいた」

「根白坂の合戦」の章より。この文の主語は「人物」で「読んでいた」が述語です。「人物」より上の文はすべて主語を飾る表現になっていて明らかに修飾過多です。文を短く切っても良いのですが、「動きを読む」こととあまり関係のない説明なので黒田孝高の解説は他の箇所に廻してすっきりさせるのが最良だと思います。

 それと同じような演出がしばしば繰り返されるのも少し残念でした。具体的には夢幻能のように死人が現れたり幻視をする場面が多すぎるのです。他に情緒の示しかたがあっても良いと思います。


 あとは些末事になりますが、以下の二点に配慮していただけるとより読みやすくなると思いますので、参考程度にご覧下さい。

一 人名・地名で難読と思われるものには初出の際だけでもふりがながあると取っつきやすいです。(やはり「新納」とか「沖田畷」とかすんなり読める人ばかりではないと思います。戦国ファンは読めてしまうのでしょうが……)
一 「!」の後に文字が続く場合は、一文字分の空白を入れるのが正書法での記号の使い方です。これは疑問符「?」も同様です。
[一言]
最新話まで読ませていただきました。香坂です。いやこんなに本格的な歴史小説に「小説家になろう」で出会えるとは、正直驚きです。一言でいえば面白かったです。ですが面白い小説ほどより多くを求めてしまうのが普通の読者だと思い、色々と書かせて頂いた次第です。
 最後に一つ気になったのが「日新斎死す」の章で義久が「叔父上」と忠良のことを呼んでいますが、これは何か事情があるのでしょうか。忠良は義久の祖父なんですよね? 私はなんだかんだ言ってもあまり詳しくないので誤記なのかどうか断定できず、この項目でお訊ねします。
 では、今後関ヶ原までは確実に続くであろう薩摩隼人たちの活躍を期待しつつ失礼します。

  • 投稿者: 香坂
  • 18歳~22歳
  • 2010年 04月05日 20時58分
高い評価に感謝の至りです。正直題材選びは自分も色々と考えました。小早川隆景……、九鬼嘉隆……、黒田如水……etcですが今回はあくまで合戦をメインに物語を書きたかったので、一番軍事色の強い島津家を選びました。ただ東国の武将というのはあまり考えませんでした。どうしても地方での小競り合いで物語が終わってしまうという印象が強いからです。(こういう言い方は失礼かもしれませんが)自分は武田や伊達、上杉より本当は島津家のほうが政治・軍事・外交その他の面で優れているのではと思います。これはやはり、とりもなおさず九州が異国からの文化接収も窓口であることとおおいに関係あるのでしょう……。
 余談はこれくらいにして、まずご指摘のとおり、この物語では主役であるはずの島津家は影が薄いです。自分もこの件に関しては連載のかなり早い段階から、ずっと気になっていました。なにしろさして深い考えもなしに連載を始めてしまったので……最初は島津義弘単独の主人公で物語を進めたかったのですが、後で気付いたのは義弘という人物は、実はいわれているほど活躍していないんです。特に三州統一後から九州平定を目指す戦いの頃になると、弟家久の活躍のほうが目立ち、義弘の影が薄くなります。従って途中から島津四兄弟全てが主役という形に路線変更しました。それでもなお物足りなかったことは否定できません。まあ、自分自身島津家を主人公にしながら、他の登場人物に感情移入しすぎた面もありますし……正直いってこればかりは筆者の力不足です。今まで短編は何度か書いたことはありますが、初めての長編で、少々計画性が欠けていたといわざるをえないでしょう……。
 それから死人が度々登場する描写ですが、確かにマンネリ化しすぎていたかもしれません。その時、その時で劇的な場面を描写するということの難しさを痛感している次第であります。
 あと文法上の問題点は誤ってる箇所は直し、同時にさらに文章の質を上げていくつもりであります。日新斎死すの項については、こちらの誤りです申し訳ありません。

 とりもなおさず今回は実にためになるご指摘に感謝する次第であります。この物語もあとわずかになりましたが、完成したあかつきには是非ご一読くだされば幸いと存じます。それでは失礼します。
  • 2010年 04月06日 14時09分
[一言]
面白いです。続きが楽しみです。
  • 投稿者: 山本山
  • 2009年 09月24日 11時36分
ありがとうございます。今後も頑張ります。
  • 2009年 09月29日 10時56分
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