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[一言]
感想②

遅くなって申し訳ありません。
そう言えば、なんかのタイミング読了だけして感想②を書いてなかったようです。わたくし気分屋なもので。
時間が経っていたので軽く読み返してみましたー。

良い点は、
テーマとは別に見所がたくさんあるところだと思います。
探索パートなんかはその典型で、推理小説というよりは刑事ドラマ。明かされていくというよりは、試行錯誤するみたいなところがこの小説をエンターテイメント的に、そして幅広いものにしていることと思います。

人物造形については、悪役を悪役として描いていまして、敵役二人には最後まで良いところが一つもなく、この徹底っぷりは、何故だろうかと考えながら読んでいまして、あとがき(かな?) を読んで、なるほどと。
つまり伝えたいことをより伝わりやすくする為だったのですね。
たしかにそれによりこの家庭の問題点が凄くわかりやすかった。

ローファンタジーとしては、キーアイテムが出てくるところらへんから、「ああ、そう言えばファンタジーやった」と再認識。このタイミングは賛否両論に分かれると思いますが、ぼくは早すぎず良かったと思います。

あと良い点と言えば、ここだけは黒い白百合と同一なのですが、終盤の力と気迫のこもった文章、とてもお見事でした。
終盤のネット掲示板の直後くらいから、凄く好き。
無能力者ですね。たしかに。

気になる点
ちょびっとスロースターター気味だったかもしれません。
冒頭自体はとても好きで、探索パートも、友人と楽しく過ごすパートも、フリマパートも楽しげで希望がもてる。ただこのテーマ自体が苦手な人も多いと思います。目を背けたるなるような現実ですので。
作者様の書きたいことと食い違ってしまうかもしれませんが、楽しげなパートまで少し駆け足でも良いかもしれないな、と思いました。

勿論目を背けたくなったりせず、非常に面白かったのですが、楽しいワクワクパートがもっと欲しかったというわがままです。




 いえいえ、とんでもない。きっつい話を読み返してくださってありがとうございます。
 あとがきにもあります通り、なろうのレーティングとは別のベクトルでR15、大きいお友達向けのお話でした。

 自分で書きながら、これ、いいのかな? と思うところが色々あったので、良い点をたくさんみつけて下さってホッとしています。そう言っていただけて助かりました。
 悪役二人にもいいところがある方がリアルな造形になると思ったんですが、話の性質として、それに絆される読者が出ると却ってよくないと思って、いい面は削りました。

>ちょびっとスロースターター気味
 まったくおっしゃる通りで、他の話も全体的にそうなので、なかなかテンション上がらないのがネックだなぁと思っています。序盤のテンションが低いとなかなか続きを読んでもらいにくいですよね。でも、どうやって初っ端から飛ばしていけばいいのか、今のところ思いつかず、ぐだぐだ試行錯誤中です。

 「82.警察官」の「最後に聞くけど、お母さんに早く帰ってきて欲しい?」に対する答えが、一番書きたかった要素を濃縮した台詞です。このシーンは、あの判決書いた裁判官は通り魔と同居してみればいいんじゃないかな、と思いながら書いてました。
 ここに向かって話を流したので、そこにつながる「75.掲示板」辺りからは勢いがついて書きやすかったです。

>楽しいワクワクパート
 そうですよね。結局、幼馴染の須磨さんや、同級生の塩屋さんのどっちとくっつくのか、くっつかないのか……と言う辺りも、第一話から気になってた人には消化不良だったと思います。メルアド交換しただけ。

 ニュースを見て思いついたイヤな話なので、なるべく読んでる人が胃もたれしないように気を遣いました。でも、おっしゃる通り、まだまだオブラートに包み切れてない感じがありますね。
 テーマ自体が重いですし、実際、厳しい状況に居る人が目にした時に、少しでも楽になれるように、現実に使える制度や公的機関などを混ぜたので、魔法使いとか出てくる割にシビアな現実が濃くなってしまったみたいです。

 何もかも許してみんなで幸せに。だって家族なんだから、分かり合えない筈はない。お母さんとお兄さんは心を入れ替えてやさしくなるよ――と言う方向性なら、もっとストレスの少ない展開にできたと思いますが、それでは現実の役には立たないなぁと思い、こういう方向性に落ち着きました。

 現状から逃げる方法を探している人の背中を「逃げることは悪いことじゃない」と押して非常口の扉を開けて、闘う意思を持つ人に「周囲の人は全くの無力ではないから、相談して助けを求めよう。一人にならないで」と呼びかける話なので、読者の想定がものすごく狭いです。
 目を背けたくなって途中で読むのを断念する人は、まだ読む時期が来ていないか、そもそも読む必要のない人かも知れません。
 「自分の家では特に何もないけど最後まで読んだ人」の中から一人でも、作中の近所の人のように匿名で通報するとか、何か少しでも行動を起こせる人が増えればなぁと思っています。

 橋本紡先生の「猫泥棒と木曜日のキッチン」は、かなりやさしい表現で真綿に包んでありましたが、似たようなテーマを取り上げていて、家族や人間の良心に希望を持たせるファンタジックで夢のあるストーリーです。
 木曜のキッチンの方が万人受けするので、流石プロだなぁと思っています。

 丁寧に読み込んだご感想をありがとうございました。
[一言]
感想①

あ、どーも。もぐらです。
2本目に来ました。
こちらは一人称でスラスラ読めますね。登場人物も小出しで、脳にとても優しいです。
さて肝心の内容ですが、おおお、社会問題!
もしかしたらこのシリーズそのものが、現代社会と隣合わせというコンセプトなのかも!っと、ふと思いした。
そして、これをそのまま書くと、暗く辛気臭いくなりがちなのですが、明るい一人称の語りで、それを感じないのは、非常に良いところだと思います。

また、あまり喋りませんが、なんとなく「姉」がその背景から凄く魅力的です。三人の名前意図的なドキュンネームかもですが、物語の印象付けとしては、もぐらは好きだったかもです笑

地の文は口語的、まだ三十数話ですが、上手く話が転がって楽しく読めました。
内容自体も凄く良いのですが、一見軽い文体にぐんぐんと引きつけられました。

引き続き楽しく読ませて頂きます。

 どうも、こんばんは。
 二本目にも早速のご感想、ありがとうございます。

 こっちはキャラが少ないので小出しです。それでも前半に家族紹介を詰め込み過ぎた感がそこはかとなく。

 この話と「汚屋敷の兄妹」は明確にテーマとターゲットを絞って設定とストーリーを練りました。
 ニッチ過ぎて読む人少ないですが、必要としている人に読んでもらえて、役に立つまでは行かなくても、少しでも励みになれればなぁと思って書きました。

>これをそのまま書くと、暗く辛気臭いくなりがちなのですが、明るい一人称の語りで、それを感じないのは、非常に良いところ
 なるべくポジティブに、未来を明るくできるようにを目指したので、そう言っていただけて嬉しいです。頑張った甲斐がありました。

 他のはあんまり深く考えていませんが、経験やニュースをヒントに書くと社会派っぽくなりますよね。

 意図的なDQNネームで、母親の趣味全開にしてより一層イヤな感じになっています。
 リズム、メロディ、ソウルがそれぞれ一人っ子で、親が割と普通の人なら、今時ちょくちょく見かける名前で「難しい字なんだねー」で済みますが、この話では……

>引き続き楽しく読ませて頂きます。
 ありがとうございます。ありがとうございます。(大事なことなので二回言いました)
 姉は後半で活躍します。
[良い点]
『野茨の血族』に登場した友田くんが主人公ということで、とても興味がありました。
突然引越しが決まって、引越し先を明かせないその理由を知りたいと思っていたのですが、まさかこんな問題を抱えていたとは……!
まず、『野茨の血族』での彼に抱いていた印象とは違い、政晶くんに対してかなり辛辣だったことに驚きました。
それから、ぼっちを貫き通している理由や“バレンタイン事件”のことも気になって、気が付けば次々とページを送っていました。
彼の家庭環境を知れば知るほど、友田くんの性格の良さが顕著に現れ、頑張ってほしい、と読みながら力が入りました。
そして、悪人と善人の描き方が絶妙です。“こんな人いないだろう”ではなく、実際にいそうな人ばかり。
占い師のおじいさん、お姉ちゃんのバイト先の店長さん、八百屋のおばあさん。彼らを助けてくれる人がいて、心の支えになる人がいて、本当に良かったです。

タイトルも素敵です。
「碩学の無能力者」は、ペンダントのことだけでなく、そういう意味だったのかと納得。
それに気付いた友田くんの気持ちが伝わってくるようで、胸が熱くなりました。

魔法使いや呪術が存在するファンタジーな面もありながら、(これまで拝読した同シリーズもそうですが)現実にある社会問題や人間関係にもスポットを当てて描かれていて、とても考えさせられます。
それがまた、お話を深く面白くしているのだとも思います。
ただ魔法を使えば済むという話ではない。性根が腐っていてはどうしようもない。
そんなことを思わせてくれます。
シリーズを通して、魔物よりも人間の心のほうが怖い、というテーマを感じました。
(間違っていたらごめんなさい)
[一言]
悪女本人が痛い目をみるのは当然と思うのですが、親兄弟がお気の毒でした。
(本人に支払能力がないからどうしようもないのですけどね)
手に負えないから放置⇒成人したからもう知らない
では済まされない。早い段階での矯正が必要なんだなぁとしみじみ思います。

友田くんとお姉ちゃんには幸せな人生を歩んでほしい。
そう願わずにはいられませんでした。
腕輪とのお別れのシーン、とても好きです。

友田くんは人の好意には鈍感……(笑)
それも仕方がないことなんだろうなぁ、と思いますが、女の子たちは気付いてもらうまでが大変でしょうね(笑)
ちゃんと見ていてくれた人がいて、引越す前にそれに気付けて良かったです。
希望に満ちたラストで、温かい気持ちになりました。

高校生になった友田くんのお話もあるとのこと。楽しみです。
読ませていただき、ありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2017年 03月31日 17時38分
管理
 良い点にたくさん挙げていただいて、ありがとうございます。

 友田家のえげつない家庭の事情。
 そんな環境から政晶を見れば、「甘ったれんな!」ってなって当然かなぁ……と思って書きました。思っても口に出して言わない辺り、友田君は大人です。
 さりげなく助けてくれる人がいるから、酷い環境でもくじけずに生きてゆけます。だから、「自分にできる範囲のことで、そっと見守って支えてくれる大人」を描きました。彼らは地味な脇役ですが、その辺、感じ取っていただけて嬉しいです。

 題名の意味も読み取って下さって、ありがとうございます。そういう意味でした。
 タイトルにはルビを振れないので、高校生くらいだと読めない人が多そうなのがネック……

>魔物よりも人間の心のほうが怖い
 その通りです。
 ご指摘の通り、野茨の環のシリーズは、ファンタジーの皮を被って何か別なことを言おうとしている話が多いです。

 「碩学の無能力者」は、所謂キラキラネームで困っている子にスポットを当て、嫌なら後で改名できることを周知して、子供にとって有害な親とは最悪の場合、縁を切ってもいい、と言う趣旨で書いた話です。
 勿論、今風の名前をつける親御さんが、全てアレな感じの方とは申しません。これはフィクションで、極端な例です。

 その辺も、とっつきにくさの原因で、R指定とは別な意味で、大きいお友達向けと申しましょうか……おもしろいと言っていただけてありがたいです。

 身内にこんなのがいると、親類縁者一同、大迷惑ですよね。
 刑事事件の損害賠償は、踏み倒されるケースが圧倒的に多いです(殺人・傷害致死事件は約70% 2000年 法務省調べ)
 逃げ得を許さない為に、国は新しい制度を模索中ですが、なかなか……
 そうかと言って、「碩学の無能力者」のように事件とは無関係だった犯人の親族に賠償させるのも……と言う難しい問題。このお話では、親族間のもめごとだったので、こういう決着のつけ方をしましたが、現実には身内間だからこそ、事件化すらされず、賠償もなく、泣き寝入りするDV事例や児童虐待の事例が多いです。

 女の子たちや支えてくれる人、頑張りに気付いて応援してくれている人の存在に気付けば、「世の中、まだまだ捨てたもんじゃないな」と一気に世界が広がった感じで、生きる希望が湧いてくると思って入れたエピソードでした。
 彼は、今まで全力で目を背けてきましたから、そのクセを修正するのに、まだ時間が掛かりそうです。

 ラスト、腕環のデーレヴォとの別れのシーン、そう言っていただけて幸せです。

>友田くんとお姉ちゃん
 この二人は、それぞれ幸せになれます。
 でも、「虚ろな器」には残念なお知らせがあるので、あまりお勧めできず……ゲフンゲフン

 途中経過がエグい話なので、どうかと思っていたのですが、お口に合いましたようで嬉しいです。
 こちらこそ、心温まるやさしいご感想をありがとうございました。
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