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[良い点]
 様々な未来技術がこれでもかと盛り込まれ、新しい技術が登場するたびにわくわくしました。いいなあ三次元映像、最適化……デザインド、高知能性人類……ぽわぽわ。
 こんなに長く感じた十万文字は初めてです……。一個一個の話は短いのにものすごい情報の密度で、終始圧倒されていました。楽しかったです。
[気になる点]
 構成として、ちょっと読みにくいかな、と思いました。
 ショートショート形式で様々な時間軸から展開していく、という試みはとても面白いと思いますし、開示されていく情報の制御が自在にできて書く手法としてもすばらしいと思います。
 ですが、序盤から十年時間を飛ばしたと思ったら五話目でいきなり戻って、結構混乱しました。話の題名を見ていれば確かにわかりますが、それだけだと読者が話の整理ができず、いらずらに混乱させてしまうことに繋がります。
 せめて、あらすじの部分でその辺のアナウンスをして頂けると読む側として助かります。

 一人称で、複数の人間からの視点を描いていることも、混乱を招く原因になっていると思います。一人称で描くほど情緒を重視しているわけではないのなら、多人数での一人称描写は避けるべきです。読者はそんなに多人数に感情流入できるわけではないですし。

 もしこの形式を使うのならば「なぜ読者はこの人物からこの話を聞いているのだろう」という背景があったほうが、SF的な素敵設定にも繋げやすいと思います。
[一言]
 読んでいるうちに、呼び声の物語、という言葉が浮かんできました。
 開幕の統計を考察するシーン、新しい人類の誕生、少しずつ変化していく人間と新しい知性体たちの関係。
 現代でも同じようなことが言えて、例えば、少子高齢化、国際化、少しずつ上昇していっているCO2濃度など諸々。
 それらはわたしたちに「何か」を伝えようとしているけれど、あまりに茫漠としていて、うまく伝わらない。けれど、確実に何かが進んでいる。
 そんな不安感というか、緊張感が印象的でした。

 「より良い理性をあなたに」というキャッチコピーに対するサイモンの考察。それは人類と、知性と呼べるのか、という懸念は、彼がそれだけ人間の「知性」の部分を重要視しているのかよくわかる場面だったと思います。

 人間のブライトたちに対する態度。人間は「取り残されること」をすごく恐れているんじゃないかなと思ってみたり。すでに今の状態は既に自分のコントロールの外にあるのではないか、という恐怖なのかも(というかもともとコントローグ外)。
 恐怖というのは、とても動物的な、必須の機能で、それらが全面に押し出されれば、そりゃ彼らは見向きもしなくなりますよね……。
 そういうのって、人間の精神と肉体の不可分と無関係ではないと思うので、その辺の話も見てみたかったなと思ってみたり。

 長い上に取り留めのない感想でごめんなさい……。久しぶりにガッチガチで深いSFを読んだのでちょっと興奮してしまいました。
 それから空想科学での感想ありがとうございます。DNAコンピュテーションの話、とても興味深かったです。じっくり調べる時間が無かったので、また後日ゆっくり咀嚼させていただきます。

 ちょっとハードな夢とロマンをありがとうございます。陰ながら応援させていただきます。

感想ありがとうございます。

構成についてですが、もともとmedium.comにて思いついた順番に書いていたものを、意図的にこの構成にしています。

「プロローグ」は、主な登場人物の紹介部分としています。そのため、サイモン→チャーリーの流れから、戻ってモリヤの紹介としています。「8年め」は「サイモンもブライトである」ことを「15年め」のサイモンの考察(?)に場所として近づけるためにプロローグ内で後ろに持ってきています。

「ヒトたち」が問題になる箇所かと思いますが2つの意図があります。
1つは、若い年の方が世代交代を迎えるまでの流れと、話そのものの結末に向けての流れという2つの流れを並行にしたいというものです。世代交代を流れ、あるいは最後の方の一つにしているのは、別の世代交代を書いているためでもあります。
もう1つは、「並行にしたい」の理由でもありますが、伏線の発生と回収が近くなるように並べたいというものです。

また、最終話でエピローグの最後から遡っていますが、118年めを最終話にするとあまりに悲しいため、希望を残すために98年めを最終話としています。

まだまだ筆力、構成にも至らない点は多々あると思いますが、また修行して行きたいと思います。
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