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[一言]
なんとも切ないお話です。

序盤は、少女の妖しい魅力にドキドキしつつ読みました。
高飛車なようだけど実は努力家、その裏には残酷さもある危険な女の子って、いいですね。

途中からは、王様うらやましい! と思いながら読み進めました。

悲劇ではありますが、登場人物の行動の根底が、全て愛に基づくものであるのがよかったです。
王様が段々と妃より娘を讃えるようになっていったのも、親としては当然の愛ゆえでしょうし、白雪姫が母からもらった林檎を食べてしまったのも、子として当然の愛ゆえ。

ただ妃だけが、今ではなく過去の愛にこだわり過ぎてしまっていた、ということでしょうか。

もし妃が母性に目覚めたり、王様に可愛がられる白雪姫に幼い頃の自分を重ねて、よかったねと思えたりしていたら。
結末は変わったのかな、なんて思いました。

母の愛を受けられず、母に殺されてしまった白雪姫。
その遠因は、妃が、父の愛に執着していたこと。
そのあたりが、皮肉な感じで、気に入りました。

何となく、やっぱり親から子への愛情は大事だな、なんてことも考えました。
感想ありがとうございます。
改めて自分の書いたものを考察されるというのも、なんだか照れ臭いですね。
ですが、こんな掌編でも何かを感じていただけたなら作者冥利につきます。
いつか親になった時には子供を愛せる良い親でありたいものです。
  • 葉船
  • 2015年 04月27日 19時27分
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