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[良い点]
奇抜な設定でありながら、安易な展開に走らず、人の心を繊細に描き出した作品だと思いました。
人物の描写が幅広く、とても勉強になりました。印象深いのは佑と菜々ですね。菜々視点は、拝読していて頭が痛くなるくらいでした。でも、こういう人物も物語に深みを与えて素敵だと思います。虎斑さんは強いですね。飄々としていながら、一本の太い芯が入った人間性を感じます。
[一言]
今晩は、更新分まで拝読させていただきました。
プロローグを拝見して感じたのは、面白い設定だな、ということです。冒頭から読者を引き込む展開が素晴らしい。異能というワードを見て、まさかバトル展開があるのかな、と思ったのですが、そういうこともなく安心しました。
佑は何故、自分を苛めていた少女達に恨みの感情を綴らなかったのでしょう。この一番大切なはずの自分自身を傷つけられても、子供である鳩が死んでしまったとしても、怒ったり泣いたりすることがない。私的な意見ですが、彼女は自分自身も自分が生きる世界にもあまり愛着を持てなかったのではないかと、想像してしまいます。
幸助は不憫ですね。親も自分の力の虜になり死んでしまい、仕事の同僚なども彼の力を期待して擦り寄ってくる。誰も彼自身を求めてくれたことはない。そう考えると、天使という存在は本当に天涯孤独だと感じてしまいます。と、思ったら友人普通に良い人で苦笑してしまいました。良かった。
主人公である二人が邂逅するところは、わくわくしました。これで佑の心が分かるのかと思いきや、より混沌としたものを感じてしまいました。相手に優しすぎるが故に、自分を犠牲にする少女なのだと思っていた矢先、突如傘で殴打しだす。難しい人物ですね。中々、その内面を窺い知ることができません。
異形化が幸助に何をもたらすのか。不吉な予感がしますが、友人の存在に救われました。

感じたことを長々と書いてしまいましたが、文学というジャンルがこれほど適切に感じた作品はありませんでした。描写の一つ一つに深みを感じて、台詞の一つ一つに感心させられました。読んでいる、というより教えられている、という気持ちを抱きます。私の表現力の関係により上手く文章にできませんが、非常に奥深い人間の心理を描き出した作品でした。これからも拝読させていただき、勉強させてください。それでは、また。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 07月26日 19時20分
管理
 景さん、感想をありがとうございます。そして更新分まで読んでいただき、恐悦至極です。

 桃岡について物語に深みを与えるととらえていただけて本当に嬉しいです。ただの「障害物」ではなく「物語に関わった者」として描きたくも難しかったので、そういっていただけると苦心が報われた思いです。本当にありがとうございます。
 虎斑は作者的にも作中でかなりメンタルが強い部類と考えながら書いています。ただ「人間的な強さ」の観念は人によって異なりますので、やはりそう受け取っていただけるか不安でした。
 作者がほかのキャラクターを動かして「そういう性格だ」といっても、読み手の方にとってそうだと思えなければずれた描写になってしまいます。やはり感想としてうかがえますと思わずガッツポーズをしたくなります。

 あくまで現代を基本としたファンタジーですので、現代でそんなにドンパチすることはまずないし、この作品の方向性として無理にねじ込む必要もないかなあと…。物足りない方もいらっしゃるかも、と思っていたので、そういっていただけて私も安心しました。
 佑が何故恨みの感情を見せなかったのか。いったいどういった人物だったのか。すでに亡くなっているため、ひたすら影を探し求めるしかありませんが、エピローグまでにその答えの一端でも表せられれば、と思っています。
 うれしい感想をいただくとつい語りたくなってしまいますが、あまり語るのも野暮ですよね。ただ、幸助にとって友人は非常に重要なファクター。二人の関係について言及していただけて嬉しいです。

 実はジャンルを「ファンタジー」か「その他」か「文学」で迷ったというのはここだけの話…。

 鳩は佑に対して導き出す答えとは。異形化が始まった幸助と友人の選ぶ選択。見守っていただければ有難く存じます。
 非常に勇気づけられる感想、改めてありがとうございました。
[良い点]
限りなく現実世界に近いながらも、異質と言える天使が奇妙な感覚で世界観に収まっている様が興味深い作品です。天使という存在の性質、親という概念をきちんと設定されているが故に物語で語られる人間心理があまりに鮮明で、意図して読者に共感をもたらして興味を持たせる牽引力は凄まじいです。

僕個人、人間が無意識に感じる、もしくは感知しているからこそ、なかなか形容出来ない光景、動作、真理を描き出した作品が大好きでして。作者様のプロフィールからもそういった描写に心血を注いでおられるのだろうとは思っていましたが、予想通りの想像以上。素晴らしいです!

よく感想にて、その作品の気に入った一文をピックアップするのが僕の趣向というか、やりかたなのです。そして、取り上げたい言葉を見つける度に「額縁に飾りたい」などと一人呟いてしまうものなのですが、この作品は特にその個人的習性が顕著に表れる内容でした。

その中でも気に入ったのが、

「どうして自分から思い出を追うような真似をしてしまうのか」

という一文でした。
言われてみれば「それはあるよなぁ」と思ってしまう、数多の人間にとって共感を得るべき感覚なのですが、無意識であるが故に意識しないとこの感覚は捕まえられないように思います。特筆すべき点ではない、と思われるかも知れませんが――僕はこの一文で作者様の眼力に確信を持ったのです。なので、作者様の力量に対する評価の裏付けとしてこの一文を特筆させて下さい。

個人的に集めている「素敵な言葉コレクション」が増えました(笑)


しかし、こういった些細な部分にはっとさせられる言葉が含まれている一方、考えさせられるシーンも盛り込まれていて、立ち止まって思考を強いるだけのメッセージ性も素晴らしいものがありました。幸助が職場で異能を用いて欲しいという要求を述べる同僚に対して、感じた部分ですね。

「どうにも義理を考えると落ち着かない生き物なんだな」

これですね。

さきほども語った人間にとっての共感を示す部分を逆手にとったようなエピソードで、思わず巧いなと感嘆の声を上げてしまいました。施しに対して相応の対価を払いたいと感じるのを義理だと考えるのは少し美化なのかなと考えてしまいますよね。何だか、あくまでも対等であろうとするというプライドのような部分で、相手に一方的にイニシアティブを取られまいとする人間心理なのかな、と。
さらりと読者の思考に呼びかけるテーマが盛り込まれているのが素敵でしたね。


とまぁ、何だか筋書きとは関係ない部分ばかり語ってしまいました。

しかし、作中の内容として特筆したいのは「佑」の形容し難い存在感ですよね。皮肉な話、天使が存在している世界観において、彼女が逆に人間味を欠いた存在として提示されているというのがユニークでした。そんな一方で、幸助の親は随分と人間味に満ちていて。この二人の親がある意味では対象的だなぁと思い読み進めていました。

そういえば、幸助が煙草に興味を持つ描写。アレも素晴らしかったですね。職業を考えればあまりにも皮肉で。そういえばその辺りの描写に「手間をかけてまで不真面目をアピールする」という言葉があったはずで、そこにも惹かれましたね。……何か、そんな話ばかりしてるなぁ。

とはいえ、この二つの視点を抱えた作品で読者が当然考える、「どのタイミングで交差してくるのか?」という点を期待しながら読んでいたのですが――なるほど、こういう風に接点を持たせてくるのかと。


[一言]
どうも、浅間雅です。

感想を頂いたという事で、室木柴様はどんな作品を書いている方だったかなと思って作品をちらりと拝見した瞬間、凄まじい勢いで作品に引きずり込まれたという感じで読み進めてしましました。相互の順番を無視する形になってしまい、他の方に怒られそう……そこは本作の罪作りな完成度のせいにしておきましょうか。(こらこら)

異世界ものやファンタジーとなると、慣れない作風で読むのに時間が掛かってしまうのですが、本作は舞台が現実世界であったり、描写が心理面を中心としている事もあって個人的に好みな作風だったのでノンストレスで読み進められました。(ファンタジーにストレスを感じているという意味ではありません)

何だか、もっとシナリオ面に言及したかったのですが、素敵な言葉に満ちた作品に触れた際の僕の感想はどうしてもこうなってしまいます。また、更新を追うにつれてそのあたりに関しての感じた言葉を感想として、いずれはレビューなんかでお届けできればな、と思います。


今回は相互を受けて頂いてありがとうございました。
ではでは。
 浅間雅さん、コメントをありがとうございます

 自分はちょっとした隠喩や小ネタを仕込んだり、仕込まれている作品を見てアレコレ考えるのが好きなのですが、言い方は正しくないかもしれませんが浅間さんにも『小ネタ探し』を楽しんでいけたようで嬉しいです。
 
 この物語は終始人の心によった物語ですので、心理描写をほめていただけると本当にホッとしたような、天にも昇るような気持ちになります。
 それに加えて過分なお褒めの言葉、何度も感想を読み返してしまうほど有難く、つい小躍りしてしまいました。
 浅間さんのコレクションを増やすという栄誉も賜り、ますます言葉づかいには注意していこうと奮起しております。

 あくまで彼らの考えに共感したり、あるいは発見したりを楽しんでいただける物語になれば、と思っておりますので、
『読者の思考に呼びかける』
という結果を出せているのであれば、作者が思ったよりも思った通りの執筆ができているという喜ばしいことなのでしょう。
 そしてそれができるのは、浅間さんたちのように楽しんで、考えることを楽しみながら読んでくださる方々のおかげだと思います。読み手の皆様に頂くエネルギーがなければ、必死に頭をひねったり、新しいことにたどり着いたりはできなかったはずです。

 もうすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この作品では手法の一つとして『対比』が多いです。ですので、そこに目をつけていただけて本当に嬉しく思います。
 もしかして自分は謎を増やし過ぎ、頼りすぎなのでは?と不安でしたので。てへぺろ。

 重ね重ね、素敵で有難い感想を本当にありがとうございます。
 歓喜のあまり、長々とした返信になってしまい、申し訳ございません。感極まりすぎて、つい物語の内容を喋ると興ざめになってしまいそうですので、こうした淡泊なお返事になってしまい、申し訳ない限りです…。
 ですが、もし楽しんでいただけたのなら、未熟ながらもひとりの物書きとして本当に、本当に嬉しいです。
[一言]
チャットの方でも何度か言及させて頂いていますが、室木さんの繊細な感性がいたるところに生かされた、素敵な作品ですね。
佑の過去が次第に明らかになり、鳩が本当の彼女の姿と向き合うときが近づいているのかな……などと考えながら、更新通知が入るのを楽しみにしています。

個別のシーンで好きなのは、墓参りのところ、それから夢の中で佑と再会するところです。
いずれのシーンもしっとりと美しく、細やかな描写が光っていますね。
特に夢の中の雨の描写などは幻想的、とは少し違うかもしれませんが。不思議な感じが良く出ており、逆にリアルな印象を受けました。

課題が忙しくなり、スタートダッシュの効果も切れて来る頃合いかと思いますが、せっかくの素敵な作品ですから、うまいことモチベーションを管理して最後まで乗り切ってください!

 白えんぴつさん、コメントをありがとうございます。
 いつも相談に乗っていただいて本当に感謝しています。コメントまで…すみません。
 また文章に関するお褒めの言葉、恐縮です。
 彼が目をそらし続けていた『本当の佑』との対峙。そして彼が選ぶ答えが納得のいくものになるよう、頑張りたいと思います。

 個別で好きなシーンまでいっただけて、作者冥利に尽きます。
 お墓のシーンは白河姉弟にとって重要なシーンにしたつもりです。わからなくても問題のない程度の、ちょっとした小ネタを挟んだり。創作でそういう「もしかしてこういう意味かな」的な小ネタを挟むのは結構楽しかったりします。
 
 夢のシーンは不思議さと胸にしまっていた心に迫るようなイメージで書きました。逆にリアル、というのは不安定で予測しづらく、形のないものを「リアル」といっていただけたのは、それなりにきちんと書きたいものを描くことができた、ということなのかな、と。
 ひとまずのラインを突破できたようで、気力になりました。

 楽しみにしているといっていただけて、本当に嬉しいです!
 更新速度こそ落ちてしまっていますが、この先の展開も考えてありますので、書き方に悩んでも先が思いつかなくてエタるということだけはならないようにします。なりません!

 有難いコメントをありがとうございました。
[良い点]
①読み易い文体
②考えられた設定と展開
[気になる点]
①謎の多さ
その他の細かな点
[一言]
 秘密基地の掲示板でご依頼いただきました酔狂なアヒルの子です。
 最新話(2015.6.29現在)の「跳ね飛ぶ彼女(2)」まで拝読しましたので感想を書かせていただきます。
ただこの作品の方向性を鑑み、連載途中である現在ではその内容面においての言及はなるべく避けさせていただきます。作者である室木 柴さまからご依頼いただいた以上、読者が読み取るだけの情報は揃っているとは思うのですが、すべてのピースが出そろっているのかもわかりませんし、私の読解力では正直、現状で室木 柴様の意図を読み切れていません。ここで私の予想ともいえる考えを述べたところで、正誤を問わずネタバレを求めるものになってしまいますので……
結果として、非常に表面的で中身の薄い感想になってしまうこと、お詫び申し上げます。


良い点について
①読み易い文体
 このなろうというサイトにおいては、やや硬めの文章で紡がれているこの作品ですが、心理面に重点を置いたものであることからも、今の文体は決して違和感を覚えるものではなく、物語の雰囲気に適合したものであったと思います。所々に心中のセリフや比較的軽めの会話が混ざることもあり、さほど重たいとも感じず、むしろもっと硬くしてもよかったのではと個人的には思いました。
 
 
②考えられた設定と展開
 室木 柴様が非常に設定を深く考えられているであろうことが、各所から伝わります。物語全体の構成も、行き当たりばったりではなく、しっかりと創られていると感じます。
「天使の存在とは血管とは何か」「その異能の意味は」「虎班の一人称とその意義」「佑の最後の手紙と虎班の行動」などなど、書ききれないほど多くの謎が物語の中心に向かっていく構成は、読者の興味を引くものでした。
 明確にこそなっていませんが、テーマを読者に提示して考えさせるという構成も、一歩踏み込んで作品を考えられているように映りました。



悪い点について
 皆様に申しあげている通り、以下は私の完全なる個人的見解であり、誤読や読み落としを多く含んだものである可能性も高いものです。また、非常に抽象的な見解も含むため、わかりにくいうえに室木 柴様の意図とずれていることも多々あるかと思いますがご容赦いただき、一読者の私見としてご覧いただければと思います。


①謎の多さ
 上記とやや矛盾する部分もありますが、個人的にはこの「謎の多さ」が気になる部分でもありました。勿論、室木 柴様は意図して配置されたものなのでしょう。
 「他者を通して見る(探す)自身、またその逆」とでもいうべき心理面を追う物語軸に対し、『天使』というファンタジー的要素を組み込んだことにより、上記に数例挙げたような「天使の存在やその異能の示唆するもの」など、設定上の謎ともいえる疑問が数多く生まれてきます。それらの謎は最終的に物語の核に集約されていくのでしょうが、現状ではまだ明らかになっていないと感じます。それらが佑と鳩、正生と幸助の関係や各個の人格、心などに直結し、全体に影響を与えてしまうため、読者としてはスルーするか仮定して読む、という形式になります。
 そのためでしょうか、「謎」が表に出てきすぎてしまい、物語軸を通して鳩や幸助の心情を追うのに、仮定に仮定を重ねた設定を投影したり、その謎を追う推理物のような印象を受けたり、という一面を感じる読者もいるかもしれません。事実私はそうでした。
「物語の中の謎を追うのに、設定面から何から、全ての謎を推理する必要がある」といえば私の感覚は伝わるでしょうか。抽象的で申し訳ない限りです。
 これは意図的なものであるかもしれませんが、室木 柴様がこの作品で読者に「本当に考えたり、目を向けたりしてもらいたいもの」ではない気がします。それはまだ作中では具体的に描かれていないと私は感じていますし、完結時に読み直して明らかになるものなのかもしれません。私が読み取れていないだけの可能性も大ですが。

 深いテーマを描こうとされている上に、まだ連載途中での感想なのでこのように書きましたが、完結時に通して読むことで、すんなりとはまるものなのかもしれません。ですので、決して手直しが必要だなどと申し上げているわけではなく、現状で私はこう感じた、というものを正直に述べております。読者の受けた印象が室木 柴様の意図と合致しているのか、ずれているのか。その一例としてお知り置きくだされば幸いです。


その他の細かな点
1.誤字脱字
 プロローグに始まり、数ヶ所見受けられました。指摘は避けておきますが、硬い文体で紡いだ文章になると、逆に目立つことになる危険性もあります。

2.心中の言葉
 時折、人物の心中の台詞が描かれますが、地の文で表されることもあれば、( )を用いられることもありました。違和感を覚えるほどではなかったのですが、何らかの意図が隠されているのでしょうか。少なくとも私が読んだ限りではその必要性を感じることはなく、統一感を欠いたように映りました。

3.口調の軽さ
 上記とも関連するかもしれませんが、やや幸助と同僚・友人(サカノ)の口調が物語全体の雰囲気に比べ、軽すぎたように感じました。桃岡が極端に緩和させている感もありますが、物語の雰囲気よりやや浮いた印象です。『少年の日の思い出』『走れメロス』などの表現もそう感じた一因かもしれません。もしかすると『少年の日の思い出』の「ぼく」のように、虎班に代表される登場人物が一歩引いた位置で自分を見ていることの示唆なのかもしれませんが。
 尤も、これは個人的に気になっただけであり、悪い点ではありませんし、サカノの位置づけの変化や「幸助の異変」の対比としてそのように描かれている可能性もありますので、お気になさらずともよいかもしれません。

4.桃岡の夢と綿菓子の夢の件
 「彷徨う誰か(4)」のこの辺りの件はわかりにくく、混乱を招くものでありました。
 初めて来た集団(桃岡含む)、一般的な少年少女、月一で来る少女、佑に関係した一団。それぞれの夢が語られた上で、

 >綿菓子の夢を見せ終れば、起こす為に桃岡の元へ向かわねばならない。

と、出てきます。このあたりは一瞬、桃岡=月一で来る綿菓子の夢の少女、との錯覚を覚えます。きっと月一で来る少女も同時に店内にいたのでしょう。理解までにやや時間がかかりました。その後の記述で桃岡の夢は幸助の視点からは語られず、幸助の夢への干渉シーンが描かれ、その描写が綿菓子の海に近いものがあることも混乱の一因かもしれません。
 


 非常に中身の伴わない、そして誤読を多く含んだであろう感想になってしまいましたこと、お詫び申し上げます。
 この作品はしっかりと構想を練られて描かれていることが伝わってきます。作者である室木 柴様が読者に何かを語りかけ、それを読者に考えさせる構成を採られているのでしょう。未完である現状では諸手を挙げて賞賛する、とはいきませんが、テーマを掘り下げる点において、非常に興味深い作品になっていると感じます。
 このようなスタイルの作品はここ、なろうでは正直に言って人気は出ないでしょう。ですがあえてこの作品をお書きになっていることからも、室木 柴様の思いのこの物語への思いの深さを感じることもできます。
 感想欄を汚しただけになりましたが、完結まで是非描き切ってくださるよう、応援に代えての感想と受け止めていただきましたら幸いです。

 末筆ながら、室木 柴様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。


追伸(深い意味はありません)
「お前は室木 柴様のところへ行かなければなりません。そして自分で『ちゃんとした感想が書けなかった』と言わねばなりません。そして許してもらえるよう頼まねばなりません」
 本当に申し訳ない……
  • 投稿者: 酔狂なアヒルの子
  • 2015年 06月29日 13時24分
 酔狂なアヒルの子さん、丁寧なコメントをありがとうございます。
 困らせてしまったようで申し訳ございません…。掲示板で依頼募集を拝見し、とある方が「とても的確な意見を下さる」とおっしゃっていたので、これを逃すのは惜しいと思ってしまいました。
 それでもこうして有難く素晴らしい感想を下さり、本当にありがとうございました。

 文の硬さについては、自分の癖と物語の雰囲気、読み手への配慮の試行錯誤でしたので「もっと硬くしてもいい」とのご意見は嬉しい驚きでした。
 自分はテーマや書きたいことを決めないとうまく進まないので、「ならないように!」と気を付けても、思想の押しつけや鬱陶しい主張になりすぎていないかと不安でしたので 読む側でも考えられるようになっているようでしたら本当に嬉しいです。

 悪い点ですが、「成程、そういうこともあるのか」ととても参考になります。
 「天使の存在や異能の示唆するもの」は確かに、現状あまり目立たないものになっているかもしれません。あるからには積極的に使用したほうがいいのかもしれませんが、今回は今回の方向性として異能は「補足説明」「強調」に近い位置づけになっています。
 あまり詳しくいうとネタバレになってしまい、大変申し訳ないのですが、一幕が終了したあとは活動報告や最終話のあとがき欄で簡潔に補足できればな、と思っております。
 ですので、仮定するか? スルーするか? ということでしたら、「読み手の好み」になってしまいます。より多く、さまざまな面から考えたい方にも意味のある見方ができ、仄かな驚きがほしい方には物語上のスパイスとして。

 全体として「好きなところ・気になったところ、いろんな面からヒントや物語、結末を覗ける・考えられる」という、『読み手によっていろんな読み方ができる』ように、と思ったのですが、確かにそれが『謎が多すぎる、その気になると情報過多で細かな点も全体推理の為にあげることができる』という、読みにくさに繋がってしまったのかもしれません。

 心中表現に関しては、この作品では非常に心理描写が多いので、結果心中描写も多くなってしまい、()が多くなりすぎる箇所があり、それが「目障り」と感じてしまったからです。一方で()を節約すると我ながら「中途半端な時もある」とも思ったことがありました。
 すぐに直してしまうと今のままになってしまいそうなので、少し時間をおいてまた色々考えてみてから、直してみようと思います。

 幸助、友人、桃岡の口調ですが、こちらに関しては申し訳ございません。
 確かに彼らは口調が軽めです。もし複数名が集まったとして、全員が全員、冷静で真面目、硬めの口調であるのは逆に不自然ではないか? という意図から、三人は軽い口調にしてあります。
 既に書かれており、ネタバレになる範囲ではないと思うので書かせていただきますと、真面目な鳩や虎斑に対し、幸助や友人は少し不真面目なところもある性格というのもあります。特に桃岡は考えることに重きを置かない人物です。
 他の点についてはごもっともなのですが、この点は変えられません。本当にすみません。

 誤字脱字に関しましては……申し開き、言い訳のしようもございません。
 後日、頑張って丁寧に見直し、訂正させていただきます。

 彷徨う誰か(4)に関しても、その通りです。
 人間が沢山でてきたなかで、桃岡がメインにでてきたなかで実際に行った行動において具体的な明示もなく、他の人物がいることになっている。確かにわかりにくかったです。
 ご指摘、ありがとうございます。

 最後に。「少年の日の思い出」に着目していただけて、実は結構嬉しかったです。そして追伸、『ぼく』のお母様…!
 謝らないでください、こちらこそ本当に申し訳ございません。
 こんなに具体的で明確、丁寧なご指摘・ご意見を頂けて本当に嬉しかったです。中途半端な時期であるにもかかわらず頼んでしまいながら、快く読んでくださって 重ね重ねありがとうございました。
 
 せっかく素晴らしい感想をいただいたのに、不備のある感想になってしまったかもしれません。お詫び申し上げます。
 ご指摘と嬉しい応援のお言葉を胸に、これからも頑張っていきます。必ず完結させます!
[良い点]
SFチックでどこかファンタスティックな物語設定と、静かで、且つ迫力のある流れがいいと思います。『親』と『天使』の血が繫がっていなくて、それでも関係が保たれているという設定もいいです。タイトル「天使の血管」には、考えさせられるものがありますね。
[気になる点]
「彷徨う誰か(1)」の鳩が、「プロローグA」の天使である説明がもう少し必要かな、と思いました。
[一言]
遅くなり申し訳ございません。
今後も執筆活動、応援しております。
  • 投稿者: ataru
  • 2015年 06月27日 21時21分
 ataruさん、コメントをありがとうございます。
 あまり派手な物語ではないと自認しておりますので、迫力があるといって頂けてうれしいです。
 もし他の同じ存在がそうしていて、なおかつ自分の出生がわからなかったら一番関係の濃い人間に、言い方は悪くなりますが執着しやすいと思います。
 タイトルにもちゃんと意味がありますよー!
 成程。確かに彼がその天使である描写は冒頭から少し進んだところですからね。見直して付け加えられそうなら加えておきます。
 ご指摘、ありがとうございます。
[一言]
相互感想依頼の掲示板から来ました。

作品を読ませて頂いて、最初に抱いた印象が「しっかりした文章だな」と思った事です。
小説家になろう、でよく見かけるタイプの話ではないのだと気づくのに時間はかかりませんでした。
ライトノベルチックでありながら、ある意味で純文学的な思想が入っているのだと気づいてからは、結構すらすら読んでいくことが出来ました。
物語のすじやキャラクターの動きも充分に理解できたし、言いたい事にも頷ける部分がたくさんありました。

ライトノベル系統ばかりだったので、久しぶりに芯のある作品を読んだような気がしました。

また物語に関してですが、少々思想的な傾向が強いように感じられたので、具体的にあーだこーだというのは控えようと思います。
ただ、繰り返しになりますが……描写がしっかりしていたので物語の流れやキャラクターの動きはちゃんと理解できました。

芯のある物語をありがとうございました。
また、続きを読みに来ます。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 06月18日 22時15分
管理
  HiraRenさん、コメントをありがとうございます。

 テーマがテーマなだけに力が入り、少々硬めの文章になってしまっているのかもしれませんが、この作品においては概ねこんな感じで続けていくだろうと思っています。
 勿論、よりわかりやすく、よりよい文章が思いついた場合は、すぐそちらに致しますが。

 この作品を書く際に多大な影響を受けた作品に「ブギーポップ」シリーズがありまして。異能という要素を取り入れつつ、人の心についても書いていけたら、と思っております。
 「天使の血管」は書いている人間が一人なせいで、一つの考えの根拠を深く追求しがちかもしれません。ですが、もちろん押し付けるつもりは全くないのです。作中でいっているように『考え方のサンプル』を提示しているつもりです。

 読んでくださった方の形にならずにモヤモヤしている気持ちに、形を与えるヒントになったり、「自分だけがこんな思いを抱えて変なのではないか」といった不安にちょっとした安心感を与えたり。
 かつての自分がかんじ、お世話になった仄かな暖かみを与えることができたなら。そういった作品を目指して書いています。
 そのため、「感情」「心」によりすぎているのかもしれません。

 ですが、また読みに来てくださるとおっしゃってくださって、本当に嬉しいです。
 私は私なりに、これからも「芯」を意識して、頑張っていきます。
 背筋がシャキッとのびるようなコメントを、ありがとうございます!
[良い点]
天使という特殊な種族の存在と、『親』に関する謎が、物語を面白くさせていると思います。子供でも『親』になれる、という発想も斬新でした。後半分の『親』にたいする鳩の心理描写が秀逸です。
 文章が綺麗な印象を受けました。
 物語の中に作者様の信念のようなものが感じられ、読んでいて『作者様の考え方』に直接触れられたような気分になりました。
[気になる点]
 特に序盤の部分の物語に、唐突な描写が多かったように思えました。私が純文学系を読みなれていない為だと思いますが……。その為か、後半ではうまく心理描写できていて色々な事柄に共感したり物語に入っていけますが、前半部分では唐突な印象を受け、物語を頭の中で思い浮かべる事が少し困難な場面がありました。
[一言]
 丁寧に読んだつもりです。が、序盤が少し難しい印象を受けました。少しもったいない気がします。先ほども書きましたが、私が純文学的な物語を読みなれていないせいだと思います。偉そうな事を書いてしまいまい、すみません。私が感じたままの感想なので、的外れなところもあると思います。
 これからも頑張ってください。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 06月16日 10時29分
管理
ロージアさん、コメントをありがとうございます。

《親》はあくまで成長の過程で優先的に参考にする相手ですので、子どもでも《親》になることがある、というかんじになります。
「跳ね飛ぶ彼女(1)」の見解にたどり着くため、丁寧に下地を敷いてきたつもりでしたので 楽しんで頂けたのならば光栄です。
基本的に「かきたいこと」をきめないと迷走してしまうので気合い入れて書きましたが、なんだかちょっと恥ずかしいですね。

序盤が読みにくい、というのは自覚がありまして、ようやっと新しい書き方を思いついたので 帰宅後、「プロローグA」を大幅に書き直すつもりです。遅れてしまってすみません。
純文学というより、硬く書いてしまう癖のようなもので私の問題点だと...。少しずつ試行錯誤しながら、この作人における最良の形を模索していきます!

[一言]
非常に読み応えのある物語ですね。読みやよく程よい間隔の文章が内容を引き立てていると感じました。
文章力がすごくていいなと正直おもいます。見習いたいです。
登場人物たちの個性が分かりやすく表現できているのもいいですね。

今後も期待させていただきます。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 06月15日 23時07分
管理
 鐘馗さん、コメントをありがとうございます。

 一幕ではとにかく登場人物の心の動きに力を入れていることもあって、登場人物の個性がわかりやすいといっていただけてよかったです。
 文章に関しましては、よく言えば読みごたえがある、悪く言えば読みづらい、かたいといったところで……。
 そういっていただけて少し自信になりました。
 勿論、まだ未熟なところはたくさんありますので、精進していこうと思います。
 心理描写に力を入れ過ぎて、力んでわかりにくくなってしまっていたらすみません。

 今後もがんばっていきます。少しでも「面白い」と思っていただければ嬉しいです!
[一言]
拝読させて頂きました。

読み易く綺麗な文体。
小説を読み進めていると、どこかしらで違和感を感じ、ピタリと止まる瞬間があるのですが、この作品は水を飲むようにするりと頭の中へ入って来ます。

二つの物語がつながり始めたので、
起承転結でいうところの『承』と『転』の間あたりでしょうか。
ここからさらに物語が動き出すのかと思い、
展開が気になるところです。
鳩ルートが好みですね。
自分もまた純粋な性格をしているだろうに、自覚が無さそうなところがとても好感が持てます。

ああでも。
一押しキャラは『桃』岡さんでお願い致します(笑)
  • 投稿者: 人人
  • 2015年 06月14日 02時46分
 人人さん、コメントをありがとうございます。

 前に「ストーリーの流れが不自然」と指摘されたことがあり、今回は気を使ったつもりです。一方で展開がややスローリィにならないよう気を付けます…。
 読みやすいとのこと、よかったです!

 あまり話し過ぎるとうっかりネタバレしてしまいそうで怖い…すみません…。
 読者のなかにはこの先の展開が読めている方もいるのではと内心怯えています。 
 鳩ルートは、人のことはよく見えても自分のことはよく見えない…みたいな感じですね。彼はまだまだこれからなので、少し動きが遅かったのですが、好感が持てるといっていただけてうれしいです!

 『桃』岡の謎人気に全私が混乱しております
[一言]
幸助くんの振り回されっぷりが面白かったです!
あと、桃岡ちゃんがすっごく強いw
橘 悠夜さん、コメントをありがとうございます。

さすがの幸助もエネルギーの塊にはタジタジです。
桃岡の作戦名は「ガンガンいこうぜ」。「逝こうぜ」や玉砕! 粉砕! 大喝采! の可能性を考えていない所が弱点でしょう。
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