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[一言]
オズくんは語りたい4
(さーて、シリアスはちょっと置いときまして)(シルネの特訓が始まりますよ)(目指せスーパースター!)




「ボク、頑張るね!」
「ああ」

シルネはフンスっ!と気合を入れて建物へと消えていった。程なくして図上から『オズっち!』と声が掛かれば上を見上げるオズワルド。

「見ててね!」
「落ちるなよー」

胸の前で握りこぶしを固め、何やら小声で聞こえる。
『よし』と覚悟が決まったのかソロソロと足をロープに掛け、ギシッと揺れるロープ。続けて2歩目を踏み出し、両手を広げワタワタと揺れながらバランスを取る。3歩目を踏み出そうとしたその時、ピタッと動きが止まり

「わわわっ!ひっ!」

目をギュッと瞑ったかと思えばバランスを崩し体はロープの外へ。

「ウソだろっ!」
「きゃあああ!」

ズザザザッ!ガシッ!

そのまま地面に激突するかに見えたシルネは、間一髪オズワルドがキャッチしていた。

「何してんだ!」
「ご、ごめんっ!」

思わず声を荒らげたオズワルドに、泣きそうな顔でシルネは謝る。泣きそうではなかった。目尻に大粒の涙が溜まっていた。

「わた、ボ、ボク…ホントは…高い所が…」
「え?もしかして?」
「高い所が怖いんだよぉぉ!うわーん!!」

大粒の涙は堰を切ったように流れ出し、わんわんと泣きじゃくるシルネ。
自分の腹の上で大声で泣くシルネの様子にあたふたし、しかし、どうすればいいのか分からず困惑するオズワルド。

「お、落ち着けって。ケガはしてないか?」
「…うん。大丈夫…って、あ!ご、ごめん!重いよねっ!」
「いや、そこまで重くはない…。どうした?」

実際、スライディングしながらキャッチした時から、シルネの体重は気にならなかった。むしろ、痩せすぎではないかと思うぐらいだった。
いそいそと、オズワルドの上から退くシルネの顔は真っ赤になっており、思わず問い掛けても何も返さないシルネ。
頭に疑問符を浮かべても、どうでもいいかと頭から追い出し、一応シルネの体にケガがないかを確認してオズワルドは一息ついた。

「シルネ。当たり前の事を聞くぞ?高い所が苦手なのになんで?」
「あ、えっと、そうなるよね?えっと…」

胸の前で指をいじいじしながら、しどろもどろにシルネは話す。
要約すれば、それまで団の中で雑務と前座ぐらいしか出番がなかったシルネは今回の話が出てくるまで、自分が高所恐怖症だとは知らなかった。しかし、先輩と団長の期待に応えたくて高所恐怖症を隠して練習していたらしい。

「…はぁ。誰も知らないのか?」
「うん…。皆の前ではバランスを取る練習だけで、ロープの上でとかは隠れて…」
「だから、誰も通らないようなこんな場所で、か」

改めてオズワルドは周囲を見回す。
それなりに大声とか物音がしたとは思うが、周りの建物から誰か出てくるような気配はない。魔王国の首都とはいえ無人の建物はある。

「えへへ。昔から秘密基地に使えそうな場所を探すのは得意なんだ」
「そんな偉そうに言われてもな…」

疲れがドッと押し寄せたかのように、オズワルドはため息を吐く。

「オ、オズっち?」
「とりあえず、いきなり高い所からやるのはダメだ。まずはバランス感覚を鍛えろ。ロープを使った練習はそれからだ」
「え?」
「え?じゃない。返事は『はい』だ」
「は、はい!ちょ、ちょっと待って!練習に付き合ってくれるの?」
「そう言っただろ?本番はいつなんだ?」
「10日後、だったかな」
「時間ないじゃないか!ほら、さっさと始めるぞ!」
「は、はい!」



「お前…体力無さすぎだろ」
「はぁ、はぁ、はぁ…」

地面の上に大の字で寝転がるシルネを、呆れた顔で見下ろすオズワルド。

「だ、だって…、いきなりこんなに激しくするんだもん…体がもたないよ…」
「う、時間がないんだろ?じゃあ、やれる事からやらないとだな…」
「それにしたって、もうちょっと、優しくしてくれても…」

息荒く、頬を紅潮させながら言うシルネの言葉にドギマギするオズワルド。

(バカっ。なに男相手にドキドキしてるんだ!)

自身の頭をガシガシ搔くオズワルド。
気付けば、空高くあった日もだいぶ落ちて来た。

「日が暮れて来たから、続きは明日だな。明日も今日と同じぐらいの時間でいいか?」
「え?あ、うん。あの、その…」
「なんだ?」

寝転んだまま動こうとしないシルネを見下ろすオズワルド。
すると、スっと両手をオズワルドに差し出すシルネ。

「起こして欲しいなぁ、なんて…」
「は?…ああ、もう」

シルネの両手を掴み、そのままおんぶの格好になる。

「ひぇ!あわわ!だ、大丈夫だよ!自分で歩けるからっ」
「ここまで追い込んだのは俺だから、近くまで運んでやるよ。今日だけだからなっ!明日は歩いて帰れよ?」
「あ、ありがとう!オズっち!」

ギュッと後ろから抱きつかれ、フワッと甘いようななんとも言えない香りが漂う。

(だからっ!男相手に何をっ!)

何も考えないようにして、オズワルドはシルネの案内で団が寝泊まりしている宿の近くまで歩いて、さっさと別れてオズワルドも城へと帰っていった。足取りが軽かったのは気の所為だっただろうか。

---

「オズっち、やぁさぁしぃぃ〜」
「やめてって、主さん」

オズワルドの頭を撫でるレナ。
顔を真っ赤にしながら抗議の声を上げるが、優しく撫でる手を払えないでいた。

「でも、いくら時間がないって言っても、優しくしないとダメだよ?」
「は?厳しくするのは当然だろ?」

しかし、レナは何も答えずオズワルドの頭をなでなでしながら、『んふふ』と満面の笑みを浮かべただけだった。
  • 投稿者: 鳴鳳
  • 2021年 05月07日 12時35分
[一言]
大精霊じゃなかった?劇を見るためだけに?
  • 投稿者: tks6280
  • 2021年 05月01日 10時19分
感想ありがとうございます!
大精霊ですからある程度自由意志が尊重されますし、レナを中心にパトリシアたちにも非常に感情移入していますので、はりきっちゃったようです!
[一言]
更新有り難う御座います。
今回も楽しく読ませて頂きました。

……冒頭から十行以内で既にハマル節が炸裂!
シリアスと確信(?)を挟みながらハマル視点で……。

運動神経が(過去(召還時以上に))残念な娘だった……!?
……あぁ、そう言えばレナちゃんは
召還に”巻き込まれた”感じでしたもんね?
  • 投稿者: yana
  • 40歳~49歳 男性
  • 2021年 05月01日 09時43分
感想ありがとうございます!
いつもありがたく読ませてもらっています。゜゜(*´□`*。)°゜。

ハマル節が出てくると非常に書きやすいですw

レナさんは、勇者召喚の儀式の実験(未熟)にまきこまれておりますね><
さてはてお兄さんはどんな状況なのか、作者のラナシュインタビュー力の見せどころ!(頑張りまーす!)
[一言]
いつか召喚されるとは思ってた!…けどそれが記憶障害の原因とは……
  • 投稿者: 眠り猫
  • 2021年 04月30日 23時54分
感想ありがとうございます!
ここまで長かった……!引っ張ってる間は書いててしんどかったです〜^^;

お兄さんの存在がすっぽりとラナシュに来ちゃって
地球上にレナさんを覚えている人がとても少なくなり(失踪長かったので友達も結構心離れ気味で)

レナさんの記憶がバグりました。

近しい血族のお兄さんが来ちゃったことで
地球とラナシュの間で繋がっていたものがなくなっちゃったんですよね。

あくまでバグなので
取り戻す手段はあるはずです。探しに行ってもらいます!
[一言]
オズくんは語りたい3
(○○っち、てよくあるあだ名の付け方よね)(○○やん、と悩んだけどなんか違う)(あだ名を考える二次創作ではないのだ)




「ところでさ」
「ん?なにオズっち?」
「…はぁ。こんな所でなにしてたんだ?」

ニッコリ笑顔で答えるシルネ。訂正はすでに諦めたオズワルド。

「あ〜、えっとね。練習、してたんだ」
「練習?なんのだ?」
「あれ」

そう言い、シルネは頭上を指差す。オズワルドはつられて見上げれば、そこには建物と向かいの建物を繋ぐ1本のロープが目に入る。高さは大体3メートルぐらいだろうか。

「ボクね、旅芸人の団員なんだよ。街から街へ渡り歩いて芸を磨いて、その芸を披露したり。団員としての活動がない時はその時々で色々したりするけど」
「…ふーん」
「んでね。団員の中でも先輩にあたる人が旅の途中でケガしちゃって。先輩は軽業師でさ、ロープの上でのパフォーマンスが得意だったんだ。それもケガのせいで出来なくなって、団長と先輩がボクを指名したんだよ」

シルネのように旅芸人として活動する者は少なくない。しかし、単独で街を渡り歩くのは困難で、団を結成して行動を共にするという者達がいるのをオズワルドは知っていた。
しかし、知識として知っていても実際に現役で活動している人を見るのは初めてで、しかも自分とそう変わらない、もしかすれば自分よりも幼い子供が、となれば思うところがない訳でもない。
だが、子供とはいえ、危険が付き纏う事だとしても、自分が決めた生き方や在り方をとやかく言う気にもなれなかった。

オズワルドは黙ってシルネの話を聞いていたが、先輩とかいう人がケガをしたという所になってシルネの表情が暗くなっていたのを見過ごさなかった。

「その先輩ってさ、シルネにとっての兄弟みたいなものだった?」
「あ、う〜ん…。兄弟ていうか、親?代わりみたいな感じかなぁ。団に拾われてから先輩に色々教わったから」
「拾われた?」
「うん。ボク、孤児なんだ。団に拾われる少し前に、お父さんもお母さんも流行り病で死んじゃったから」

なんでもない事のように話すシルネ。逆に戸惑いを隠せないオズワルドは、聞いてはいけない話を聞いてしまった事に内心で舌打ちした。

「ごめん…」
「ううん。大丈夫だよ?死んじゃった事は悲しいけど、先輩や団長とか他のみんながいるから。大変な事もあるけど、いまは辛くも悲しくもないもん。変な話しちゃって、こっちこそゴメンね?」
「いや、なら、いいんだ」

シルネの言葉に甘える事にしたオズワルドは、いらない考えを捨てるように頭を振る。
その様子がおかしかったのか、シルネは声を上げて笑う。

「そういうオズっちこそ、なんでこんな場所に?」
「俺?…なんとなく、ただブラブラしてここに来ただけ」
「え?ブラブラ?友達と遊んだりしないの?」
「そんなのはいない。いつも1人だから」
「そっか…」

オズワルドの言葉を受けて、目に見えて落ち込むシルネ。しかし、

「じゃあ、ボクと友達になってよ!団の人達は忙しそうだから、ボクの練習に付き合ってくれる人いないんだ。あ!別に団の人達の代わりとかじゃなくて…!」

ワタワタと早口になりながら説明するシルネの様子に、オズワルドはずっと張っていた肩の力が抜けたような感じがした。

「まぁ、友達になれるかは知らないけど、練習を見るぐらいなら。体動かすのとか得意な方だし」
「ホント!?嬉しい!よろしくね、オズっち!」
「…ああ、分かった」

オズワルドの手を取りブンブンと握手を交わすシルネ。
もう一度だけ『オズっち』呼びをやめてくれないかと頼んだが、とても悲しそうな顔をされたので諦めたオズワルドだった。

---

「シルネって、中々ハードな経験してたんだね」
「本人はなんともないように言ってたけど」
「それだけ明るく振る舞えてるなら、やっぱり団の人達が寄り添ってくれてただろうね」
「団の話になるとすごく生き生きしてたから、そうなんだろうと思う」

色々と思うところはあれど、いまのレナにはどうする事も出来ず、ただシルネの両親の事を悼む事しか出来ない。
身も知らぬ、オズワルドの話で聞いただけなのに、誰かの死を哀しむ事が出来るレナの姿を見て『ああ、優しくて、いい人なんだな』と誇るような気持ちになったオズワルド。

「まぁ、シルネの練習に付き合う事になったんだけど、さ…」
「ん?どうかしたの?」
「いや…。シルネは実は」

苦笑いしながら告げたオズワルドの言葉に、レナも唖然とするしかなかった。
  • 投稿者: 鳴鳳
  • 2021年 04月30日 21時49分

オギャーーーいいシリアス……シリアスっていうか、じんわりとくる切ない気持ち……切なくても温度があって人が人を想う気持ちは尊いなあというかんじです;;
シルネさんもオズっちもささやかな言葉や仕草から本質を見るようないい子ですね;;
ドラマを見させてもらいました(五体投地)
[一言]
オズくんは語りたい2
(比較的明るめの二次創作をお送りします)(オズワルド以外の登場人物は少なめ)(幼少時のオズワルドの思い出話ですね)



オズワルドは魔王の子として生まれた。
正統な血筋として、ゆくゆくは魔王になるものとして様々な教育を物心がついた頃から施された。
戦闘訓練は言わずもがな、一般教養から始まり政治方面の教育まで。

オズワルドは優秀だった。
全て、そつなくこなして教師陣の目を丸くさせるほどだった。
その為か、オズワルドは比較的自由な態度をとっても誰からも阻まれる事はあまりなかったのだ。
父である魔王ドグマ自身が『好きにさせておけ』と言った事も大きいだろう。

オズワルドが住んでいる王宮はとても広く、広いが故に働く使用人や出入りする人達が途切れる事はない。だから、ぶらぶらとうろついても大抵は誰かがいる。
しかし、オズワルドはいつも孤独を感じていた。
王宮はとても広く感じるのに、どこに行っても人はいるのに、オズワルドはひとりぼっちだと感じていた。

『おお!ご子息様ではありませんか!ご機嫌うるわしゅう』
『次の魔王はオズワルド様で決まりですな!』
『ええっ!私なんかが坊ちゃんの、け、結婚相手だなんて!荷が重すぎますっ』

他人がオズワルドを見た時、『オズワルド』ではなく『魔王の息子』と見られるのがほとんど。
それは当たり前だと頭では分かってはいたが、オズワルド自身やるせなさや疎外感を払拭する事が出来ず、度々王宮を抜け出す日々が続いた。

とある日、オズワルドは王宮を抜け出し街を歩いていた。
目立たないようにフード付きの服は地味な色味で、フードを目深に被っている。
抜け出したものの、特に行きたい当てがある訳でもなく、ただブラブラと街の喧騒を横目に歩く。

(いい気なもんだよな)

道端で数人の子供が集まってボール遊びをしたり、追いかけっこをしたりしている様を見ると若干の苛立ちを覚える。
子供たちが悪いわけではない。ただ、どうしても自分と子供たちを比べてしまって、その自由に振舞っている様子になんとも言えない感情が出てくるのだ。その感情の名前はオズワルドは分からないでいた。

短く嘆息を吐いて足早に離れる。
角を曲がり、暗く狭い路地を進む。すると開けた場所に出た。
日が差し込み、そこだけ切り取られた空間のように感じて思わず立ち止まる。
一瞬だけ立ち止まった足はまた歩を進める。とその時

「わわわ!そこの人どいてぇー!!」
「え?」

上から声がしたと同時にオズワルドは後ろへと飛んだ。

ビターン!

何かが落ちてきた。人である。
突然の状況にオズワルドは困惑した。

「いたた…、うぅ」
「…大丈夫、か?」

地面に強かに身体を打ったようで、ヨロヨロと上体を起こして顔をさする人物。見た感じ、まだ幼さが抜け切らない子供のようだった。
オズワルドの声にハッと気付いた子供はオズワルドを見上げる。

「ご、ごめんなさい!ケガはなかった?」
「いや、俺は大丈夫だけど、鼻」
「はな?」

オズワルドは自分の鼻を指差しながら、持っていたハンカチを差し出す。
タラリと鼻血が流れていた。



「洗って返すね」
「いや、いい」

オズワルドに背を向け、声を掛ける子供。
頭部の耳がへにょんとなっている。

(犬の魔人族かな。髪の色が白い。白っていうかクリーム色?)

そんな事を考えながら様子を見ていたオズワルドは、どうでもいいかと考え直し立ち去る事に決めた。

「じゃあ、」
「シルネ!」
「え?」

座り込んでいた子供はザッと立ち上がり、オズワルドの言葉に被せるように叫ぶ。
クルっとオズワルドに向き直り、お辞儀をしながらまた同じ言葉を放つ。

「わた、…ボクの名前はシルネ。キミの名前は?」
「なんで教えないといけないんだ?」
「ちゃんと謝らないといけないから知りたいんだ」
「…オズワルド」

シルネと名乗る子供の妙な迫力に押されてオズワルドは自分の名を告げる。

「オズワルド、オズワルドかぁ…。なら、オズっちだね!オズっち!迷惑かけてごめんなさい!あと優しくしてくれてありがとう!」
「……は?『ち』?」
「うん!オズワルドだからオズっち!」

とてもいい笑顔で言い放つシルネに、口元をヒクつかせるオズワルド。

その後、いくら呼び名を変えるように言ってもシルネは『やだ』の一点張りだった。なかなか頑固な性格らしかった。

―――

「オズっち…。ぶふっ!」
「主さん、笑わないでよ」
「ごめんごめん!しかし、なかなかどうして強い子なんだね。オズくんに面と向かって言えるなんて」
「まぁ、今までいなかったタイプなのは間違いないけど」
「でもさ、シルネだっけ?人通りが少ない場所で何してたんだろ?」
「ああ、それは…」

続きが気になるレナに応えるように、茶を一口飲んで渇きを癒したオズワルドは続きを話し始めた。
  • 投稿者: 鳴鳳
  • 2021年 04月24日 14時18分
ま た 引 き(くわっ!)

えー!なんだか可愛い出会いでドキッとします(*´艸`)
オズくんの婚礼関係がちらりと出たのでもしかして小さな恋の歌なのか、はじめての友達未満のおはなしなのか、どっちも好きだから最高です(最高です!!!!)

鳴鳳さんの綴るお話は芯に優しさを感じるので、どのような内容のときでも、心を寄り添わせてどっぷり浸かって読むことができます。心が傷つけられないというか。

今回もありがとうございますっっ!!!!(*´艸`)
[一言]
……何処ぞのドMストーカーの気配が!!
  • 投稿者: 眠り猫
  • 2021年 04月24日 00時09分
感想ありがとうございます!

気配が濃密ですね!ƪ(˘⌣˘)ʃ
[一言]
更新有り難う御座います。
今回も楽しく読ませて頂きました。

……あからさまに怪しい奴は逆に怪しくない!



と、見せかけて、やっぱり怪しい?(ドッチやねん!)
  • 投稿者: yana
  • 40歳~49歳 男性
  • 2021年 04月23日 23時26分
感想ありがとうございます!

クー「怪しいやつ!逆に怪しくないような気も」
イズ「おちついて?そのものがやってる行動を見てみよ?」
クー「怪しいやつ!怪しくないやつはそもそも怪しい動きをしない!」
イズ「それなー!それなー!」
ルカ「コミュニケーション能力不足という線も」
クーイズ「「コミュニケーション能力不足の怪しい奴」」
キラ「従魔の大半が当てはまるからやめましょう?」


[一言]
オズくんは語りたい1
(またまた始まりました二次創作のお時間です)(明るいような暗いような)(まぁ、楽しんでくださいな)



「オーズーくん!だーれだっ」
「え?何してんの、主さん」

スカーレットリゾート内に咲き乱れる花を、ボンヤリと眺めていたオズワルド。不意に視界が遮られようとも慌てる事はしなかった。
ボンヤリとしつつも、周囲の気配は感じていた為、ソロリソロリと足音を殺して近付く気配はバッチリ感じ取っていた。その気配を発する人物も。

「もぉー、何で分かるかなぁ。声色変えたのに」
「いやいや。声色変えたっていっても低音になっただけでしょ?」

イケボはダメだったか…、なら少年風?などとブツブツ言っているのはオズワルドの主人である、魔物使いの藤堂レナ。
レナの声が変わろうとも、気配のみならず犬特有の嗅覚で匂いを嗅ぎ分ける事が出来る。

ずいぶん前に、従魔たちで『レナ当てクイズ』なるものが開催された。出題が『カーテンの向こう側にいるのは誰?』の時、オズワルドは「匂いで分かるじゃん」と言ってしまった途端に、女性陣から全身が凍りつきそうな視線を飛ばされたのは記憶に新しい。特にキサとシュシュの視線が怖かった。
その事を思い出し、口を噤んだオズワルドは学習出来る子だった。

「まぁ、いっか。で、何してたの?」
「特に、なにも」
「私も隣で見てていい?」
「…好きにしたら」

オズワルドはレナと2人並んで花を眺める。
風に揺られながらフラワーマッチョマンの千変万化するマッスルポーズに苦笑したり、影の魔物とスィーツモム達が庭の手入れをしたり、ステステコロコロンとモム達が転げ回ったりするのを眺めていた。
しばらく無言だったが、ふいにレナがゴソゴソとマジックバッグを漁り始めた。

「オズくん。お腹減ってない?こっち来て一緒に食べよ?」
「…うん」

近くに長椅子とテーブルがあり、2人はそこに移動し、大きめのランチョンマットを広げティーセット、お菓子など満載のバスケット、取り皿等を取り出す。

「主さん、これ…」
「ふふん。オズくんが最近気になったものや好きなものをチョイスしました!私のオススメもあるから食べてみてね!」
「ありがと、主さん」

口数は少ないが、オズワルドの耳としっぽがせわしなく動いているのをレナは眺めて満足そうだ。

「で?本当の目的はなに?」
「あれ?バレちゃってた?」
「何かあるんだろうなとは思ってたけど。俺の好きなものばかりだし…普段は他のみんなの好物入ってるでしょ」
「あはは〜。あのね、みんなとお出かけしたでしょ。で、そこで別行動したじゃない?」

特に何をするでもなく、今日はぶらぶらと街にお出かけした日だった。それぞれ思い思いに店に入ったり、露店を見たり買い食いしたりと。
何人かのグループに別れて少しだけ別行動を取った時間があった。
また集合してみんなと一緒に帰ってきた後に、レナはレグルスに呼び止められていた。

「レグルスから『オズワルドの様子が途中から変だった』て聞いてね。ルーカさんに聞いたら『体調を悪くしたみたいでもないし、大丈夫だろう』て言ってたけど、やっぱり心配になって」
「そう、か」

パリッと焼き菓子を頬張りながら、オズワルドは目線を逸らす。
紅茶を啜り、焼き菓子を飲み込んで頭をワシャワシャ!とかいてオズワルドは口を開く。

「…別行動した時に、旅芸人の出し物を見たんだよ。曲芸とか色々。小さいけど舞台装置もあってさ、けっこう手の込んだ事もやってた」
「あ、チラシ配ってたね。へぇ、私も見たかったなぁ」
「それでさ、昔の事を思い出してさ」
「昔の事…」

オズワルドはあまり自分語りをしない。
『自分を語るほどの事なんてない』とは言うものの、オズワルドが時折見せる表情や感情は、他者に踏み入らせない何かを感じさせていた。
レナは見守る事を優先し、もし何かあれば力になるし解決する手助けをしたいと願っていた。

「辛いことだった?」
「辛い…とは違うかも。良くもないけど」
「そっか」

そして、レナも焼き菓子を一口頬張る。

「聞いてこないんだね」
「いつか話してくれると思ってるし、そのタイミングはオズくん次第だからね。でも、早めに聞かせてくれると助かるかなぁ」

オズワルドはレナとの距離感を気に入っていた。近くも遠くもなく、だけれどちゃんと見てくれているのが分かる距離。

「…何年前だったかな。いつも城を抜け出して街をブラブラしてた時、アイツに出会ったんだ」

そして、ポツリポツリとオズワルドはとある魔人族の少年と出会った話を始めたのだった。
  • 投稿者: 鳴鳳
  • 2021年 04月17日 00時02分
引 き が 良 過 ぎ
鳴鳳さんほんと文章上手いのでするする引き込まれて読ませてもらってます。すごい……!!!!

オズくんとレナさんの絶妙な距離感が、んああああってなってました₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑
んああああ〜〜安心のある空気感だけどちょっとムズムズする、気になっちゃう感じです(*´ω`*)
[一言]
更新有り難う御座います。
今回も楽しく読ませて頂きました。

……この様に、本人の預かり知らぬ所で布教活動が!

(ピコーン!)[衰え(不況)知らずの布教活動!]
  • 投稿者: yana
  • 40歳~49歳 男性
  • 2021年 04月16日 23時46分
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