感想一覧

[一言]
完結おめでとうございます。
企画のために何度も読みこんだこの作品は我が子、とは言いませんが近所の仲のいい子供を見るような気持ちで見ていまして。
結末が読めてとても嬉しいです。

女の子よりも可愛くて、でも想い続ける芯の強さはやっぱり男の子なんだなと思ったりして。
正直なところ賛否両論あるかもしれませんが、私は一番アップル君らしい決断だったと思いますし、剛力君の決断もまたそうだったと思います。
この二人をよく表した結末だったと思いました。

[一言]
「父の願い」のところまで読ませていただきました。
が、正直言うとこれ以上読み進めたいと思えず、この部分で途中で読書を中断しました。

最たる理由は剛力君のキャラクターです。
彼がいかに完璧超人であるかがズラーーッと描写され、実際完璧な人間なのですが…あまりに完璧過ぎて嘘っぽいキャラクターになっているように思いました。
そして彼、全ての人に平等に接してるような雰囲気ですが、結構人を選んでますよね。
「男の生き様」でそう感じたのですが、アップル君とのデートのため、予定を全部ドタキャンします。いやいや予定は大事じゃないのかよ。アップル君が可愛いから予定をキャンセルしちゃったの？
仮に「お話していただけませんか」とやって来たのがモブの女子生徒でも、彼は同じように予定を全キャンセルするのでしょうか。もしモブが相手でも予定をキャンセルするのなら、生徒会長として仕事に対する責任感が無さ過ぎるし、キャンセルしないのであれば、彼はアップル君のビジュアルで行動を決定したことになります。
仕事に対する情熱はしっかり書かれていたので、やはり彼はアップル君が可愛いから予定をキャンセルしてまで時間を割いたんですよね。
もう一つ気に入らなかったのが、ケーキ屋の前で剛力君が「アップルはたぶん俺に惚れてる」という場面。コイツ、どんだけ自分に自信があるんだよ、と。事実なんでしょうけど、いくらイケメンでも、こういうところはイライラします。
あと、「彼女を悲しませたくない」と「アップル君も悲しませたくない」という相反する二つの感情で揺れるシーンがありましたが、その結論が「アップルが恋愛感情を持ってないことにかける」って、無いわぁと思いました。それと関連しますが、剛力君の行動原理が「他者への思いやり」ではなく「自己保身」が強いと感じたのは気のせいでしょうか。
どうでもいいけど、礼儀正しい人って女の子に「お嬢さん」って声かけるんでしょうか？昭和のチャラ男みたいで気持ち悪いです。


アップル君にも似たようなことを感じました。このカマ野郎の悲劇のヒロイン感がわざとらしすぎて、読みながら引いてしまいました。
なぜカマ野郎という言葉を使ったか。男でありながら男を好きになるって、よほど勇気が必要だしリスクもあります。この辺りで揺れ動くアップルの心はもっと書いた方がいいんじゃないでしょうか。心の深い部分にある苦しみを鮮やかに浮かび上がらせることが出来れば、アップル君は魅力的なキャラクターになるでしょうが、今のままだとおめでたいカマ野郎って感じです。
現状、「男が男を好きになる」という特殊な設定が機能せず、だったらアップル君は女の子でもいいんじゃない？と思いました。

ちょっと厳しいことも描きましたが、作者が楽しんでいる感じはすごく伝わってきました。その気持ちは大切にして下さい。