感想一覧
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[良い点]
秘境駅の宗谷本線に続いて読ませていただきました。中々に興味深かったです。
百人一首の成立と承久の変、定家と後鳥羽院の関係がわかり歴史にちょっと詳しくなりました。
中学時代活動で文芸クラブに入ってカルタ取りをしたので懐かしかった。大江山の一句は百人一首の中でもずば抜けていると思います。詳しく紹介されて嬉しく思いました。
百人一首を10枚x10枚に並べる方法は以前何かで見ましたが、本作でかいつまんで説明されあらためて興味を引きました。どうして百人一首につまらない句がいくつも含まれているのか、理解できた気分になりました。
関連として「いろは歌の謎」はお読みになりましたでしょうか。いろは歌は意味を考えるとはげしい恨みの歌で「咎なくて死す」の字が隠されています。権力の座を追われ石見に流され獄死した柿本人麻呂がいろは歌の作者であるという説です。百人一首の歌人の山部赤人と猿丸太夫は人麻呂の別名であるとのこと。とすると同一人の歌が3首も含まれていることになります。3番あしびきの、4番田子の浦に、5番奥山にの3首です。東宮太夫だった人麻呂が無実の罪で名誉を奪われ柿本猿に貶められ、ある秋の日に憂いの奥山をきょう越えて石見に流され、50音を使った「あめつち」と「いろは歌」を残したというものです。定家はこれもご存知だったのでしょう。
アナグラムで句に容疑者の名前が隠されているトリックは面白かった。(逆にアナグラムから人物名をひねったのでしょうけど)ちょっと見かけない不自然な人物名だったので、それだけで、もしかしてこの人が犯人かなと疑ってしまいました。しかし伏線が見当たらないので違うと思いました。
もし素人と上級プレイヤーが対決したら、下手は頑張れば1枚ぐらいなら取れるでしょう。妥当な結果だと思います。
蝉丸と坊主めくりの話題にもちゃんと触れてあります。
競技者は歌の意味などすっぽかし、上の句の決まり字以降の不要な字句もすっ飛ばし、いきなり下の句にワープしていると言うのは本当です。歌をじっくり鑑賞しないと文芸の名に値しませんが。
[気になる点]
後鳥羽上皇で思い出すのが浅見光彦シリーズの最初の大事件、光彦には警察トップの優秀な兄の他に女子大生のかわいい妹がいましたが、上皇が流されたルートをたどる旅の途中、広島の山中で薬物により自由を奪われ無残にも殺害されてしまいました。どうしてガードが固い妹が罠に落ちたのか。犯人がよく見知った人物だったからです。
本事件の犯人もその線かと疑いましたが、読んで行っても伏線がないのでどうも違う。マスターキーということでホテル関係者、あるいは競技を主催する側とか考えましたが、読み進めても何もないのでその線も違いました。それで自殺説が強くなってきました。
優秀な競技者たち、それも現役の国立大生が何人も死んでしまったのでカルタ界に悪影響が出そうです。大会に出れば青葉ちゃんの天下が来るんでしょうが、陰惨な事件があってライバル不在ではカルタ競技から手を引くかもしれません。
読者の想像にお任せでしょうけど一番悪いやつの断罪の場面がありません。作品の仕様でしょうけど、その点は後味が悪かったです。
[一言]
無駄な伏線を減らしてよくまとめてあり、推理の部分が手短で読み易いです。作品の魅力は、トリックや推理部分より、探偵とヒロインらの軽妙なやり取りや旅情や薀蓄などにあり、競技カルタや捜査において現実とやや異なる部分はありましたが、個人的に関心のあるジャンルについてミステリー作品を投稿していただき、ありがとうございました。楽しく読ませていただきました。他の作品も読んでみたいと思いました。
秘境駅の宗谷本線に続いて読ませていただきました。中々に興味深かったです。
百人一首の成立と承久の変、定家と後鳥羽院の関係がわかり歴史にちょっと詳しくなりました。
中学時代活動で文芸クラブに入ってカルタ取りをしたので懐かしかった。大江山の一句は百人一首の中でもずば抜けていると思います。詳しく紹介されて嬉しく思いました。
百人一首を10枚x10枚に並べる方法は以前何かで見ましたが、本作でかいつまんで説明されあらためて興味を引きました。どうして百人一首につまらない句がいくつも含まれているのか、理解できた気分になりました。
関連として「いろは歌の謎」はお読みになりましたでしょうか。いろは歌は意味を考えるとはげしい恨みの歌で「咎なくて死す」の字が隠されています。権力の座を追われ石見に流され獄死した柿本人麻呂がいろは歌の作者であるという説です。百人一首の歌人の山部赤人と猿丸太夫は人麻呂の別名であるとのこと。とすると同一人の歌が3首も含まれていることになります。3番あしびきの、4番田子の浦に、5番奥山にの3首です。東宮太夫だった人麻呂が無実の罪で名誉を奪われ柿本猿に貶められ、ある秋の日に憂いの奥山をきょう越えて石見に流され、50音を使った「あめつち」と「いろは歌」を残したというものです。定家はこれもご存知だったのでしょう。
アナグラムで句に容疑者の名前が隠されているトリックは面白かった。(逆にアナグラムから人物名をひねったのでしょうけど)ちょっと見かけない不自然な人物名だったので、それだけで、もしかしてこの人が犯人かなと疑ってしまいました。しかし伏線が見当たらないので違うと思いました。
もし素人と上級プレイヤーが対決したら、下手は頑張れば1枚ぐらいなら取れるでしょう。妥当な結果だと思います。
蝉丸と坊主めくりの話題にもちゃんと触れてあります。
競技者は歌の意味などすっぽかし、上の句の決まり字以降の不要な字句もすっ飛ばし、いきなり下の句にワープしていると言うのは本当です。歌をじっくり鑑賞しないと文芸の名に値しませんが。
[気になる点]
後鳥羽上皇で思い出すのが浅見光彦シリーズの最初の大事件、光彦には警察トップの優秀な兄の他に女子大生のかわいい妹がいましたが、上皇が流されたルートをたどる旅の途中、広島の山中で薬物により自由を奪われ無残にも殺害されてしまいました。どうしてガードが固い妹が罠に落ちたのか。犯人がよく見知った人物だったからです。
本事件の犯人もその線かと疑いましたが、読んで行っても伏線がないのでどうも違う。マスターキーということでホテル関係者、あるいは競技を主催する側とか考えましたが、読み進めても何もないのでその線も違いました。それで自殺説が強くなってきました。
優秀な競技者たち、それも現役の国立大生が何人も死んでしまったのでカルタ界に悪影響が出そうです。大会に出れば青葉ちゃんの天下が来るんでしょうが、陰惨な事件があってライバル不在ではカルタ競技から手を引くかもしれません。
読者の想像にお任せでしょうけど一番悪いやつの断罪の場面がありません。作品の仕様でしょうけど、その点は後味が悪かったです。
[一言]
無駄な伏線を減らしてよくまとめてあり、推理の部分が手短で読み易いです。作品の魅力は、トリックや推理部分より、探偵とヒロインらの軽妙なやり取りや旅情や薀蓄などにあり、競技カルタや捜査において現実とやや異なる部分はありましたが、個人的に関心のあるジャンルについてミステリー作品を投稿していただき、ありがとうございました。楽しく読ませていただきました。他の作品も読んでみたいと思いました。
- 投稿者: 通りすがり
- 2021年 08月24日 21時11分
ご感想ありがとうございます。
通りすがりさまは、知識が豊富なんですね。とても参考になりました。
いろは歌の謎、という本はまだ読んだことがありませんが、
偶然ですが、いろは歌のミステリーも、
如月シリーズの、七首村連続殺人事件、で取り扱っております。
長い作品ですが、お時間があれば、ぜひご一読を。
通りすがりさまは、知識が豊富なんですね。とても参考になりました。
いろは歌の謎、という本はまだ読んだことがありませんが、
偶然ですが、いろは歌のミステリーも、
如月シリーズの、七首村連続殺人事件、で取り扱っております。
長い作品ですが、お時間があれば、ぜひご一読を。
- iris Gabe
- 2021年 08月25日 05時33分
[気になる点]
とても面白く、読みごたえもありました。
だからこそ、気になる部分が……
感想欄でも誰もツッコミしてないので、私の方が変なのかもしれません。
1点目
2話にて、遺体は『右手』にかるたを握りしめている。
それが13話では、『左手』になっている。
どういう状況なのかさっぱり分かりません。謎です。
2点目
果物ナイフで心臓を一突き。
この場合、死因はまず間違いなく『ショック死』です。
でも、死因は『出血』らしい。『出血』多量による『ショック死』だと仮定しても、その場合『出血』状態で【死亡】し、その後【凶器】が心臓まで到達してると推測されます。
つまり、うつ伏せになった時に初めて【凶器】が心臓まで到達したのだと思えるが、鑑識の報告にはそれがありません。生きている時の傷と、死んでからの傷の違いくらい鑑識なら分かると思うのに。謎です。
3点目
かるたに付着した少量の血痕ですが、血液は空気に触れる事で凝固します。
つまり、付着した血液が乾いたのか、それとも乾いた血液が付着したのか、鑑識なら分かるはず。
それによって、死亡前にかるたを握りしめていたのか、後からかるたを握りしめさせられたのか、それで判断出来ると思うのに。謎です。
4点目
ナイフで自殺する場合、手首を【切る】か首を【切る】のがまだしも理解出来ますが、あえて心臓を一突きに【刺す】ことで自殺する場合もあり得るとします。
この場合、難易度がとても高くなります。
そもそも、着衣はどうなのか?
女性の場合、痴女でもない限りブラジャーもしてると推測されます。
ですが、心臓を一突きに【刺して】死のうとするには、衣類は邪魔な物です。
その辺りの描写がないと、【自殺】か【他殺】かの重要な部分が分かりません。着衣に乱れがあるかの確認は、警察なら必ずします。謎です。
5点目
どうやって『かるた』を握らせたのか?
害者の指紋しかないなら、どのようにして並べられている『かるた』を持つ事が出来たのか、分かりません。
ノートの切れ端を使ったのだろうか?
その場合は、並べられた『かるた』にも乱れがあるはずではなかろうか。
それとも、女性なら毛抜き用のピンセットても所持していたのだろうか?
この辺りの答えが、解答編を読んでも分かりません。謎です。
[一言]
まあ、推理物など余り読まない素人考えです。
気になる私の方が変なのです。
作品自体は、とても面白く楽しませて頂きました。
ありがとうございます!
とても面白く、読みごたえもありました。
だからこそ、気になる部分が……
感想欄でも誰もツッコミしてないので、私の方が変なのかもしれません。
1点目
2話にて、遺体は『右手』にかるたを握りしめている。
それが13話では、『左手』になっている。
どういう状況なのかさっぱり分かりません。謎です。
2点目
果物ナイフで心臓を一突き。
この場合、死因はまず間違いなく『ショック死』です。
でも、死因は『出血』らしい。『出血』多量による『ショック死』だと仮定しても、その場合『出血』状態で【死亡】し、その後【凶器】が心臓まで到達してると推測されます。
つまり、うつ伏せになった時に初めて【凶器】が心臓まで到達したのだと思えるが、鑑識の報告にはそれがありません。生きている時の傷と、死んでからの傷の違いくらい鑑識なら分かると思うのに。謎です。
3点目
かるたに付着した少量の血痕ですが、血液は空気に触れる事で凝固します。
つまり、付着した血液が乾いたのか、それとも乾いた血液が付着したのか、鑑識なら分かるはず。
それによって、死亡前にかるたを握りしめていたのか、後からかるたを握りしめさせられたのか、それで判断出来ると思うのに。謎です。
4点目
ナイフで自殺する場合、手首を【切る】か首を【切る】のがまだしも理解出来ますが、あえて心臓を一突きに【刺す】ことで自殺する場合もあり得るとします。
この場合、難易度がとても高くなります。
そもそも、着衣はどうなのか?
女性の場合、痴女でもない限りブラジャーもしてると推測されます。
ですが、心臓を一突きに【刺して】死のうとするには、衣類は邪魔な物です。
その辺りの描写がないと、【自殺】か【他殺】かの重要な部分が分かりません。着衣に乱れがあるかの確認は、警察なら必ずします。謎です。
5点目
どうやって『かるた』を握らせたのか?
害者の指紋しかないなら、どのようにして並べられている『かるた』を持つ事が出来たのか、分かりません。
ノートの切れ端を使ったのだろうか?
その場合は、並べられた『かるた』にも乱れがあるはずではなかろうか。
それとも、女性なら毛抜き用のピンセットても所持していたのだろうか?
この辺りの答えが、解答編を読んでも分かりません。謎です。
[一言]
まあ、推理物など余り読まない素人考えです。
気になる私の方が変なのです。
作品自体は、とても面白く楽しませて頂きました。
ありがとうございます!
とても鋭いご指摘をありがとうございます。まさに、ご指摘のとおりで、それを参考に文章を少し訂正いたしました。
1点目のご指摘は、完全に凡ミスです。全く気付きませんでした。
13章の文章を、「左手」→「右手」と変更いたしました。
2点目のご指摘は、作者の不勉強によるミスです。
13章の文章を、「出血死」→「出血性ショック死」と修正いたしました。
3点目のご指摘もおっしゃるとおりです。どうせならカードに血が付着していた方が迫力があって面白いかなと思った短絡的な挿入文でしたが、ご指摘の通り、まぎれを生み出す文章なので、関連する部分をカットいたしました。
4点目はもっともなご指摘だとは思いますが、修正はなかなか困難で、あえて修正しないでおくことにいたします。
5点目は、わたし自身警察捜査に関して素人同然なので、断言はできませんが、指紋というものは、はっきりと形が読み取れるように指紋が残る物質面と、実際にははっきりと断定できる指紋が検出されるとは思えないような物質面があるように思われます。つるつるのガラス面なら、一見、指紋ははっきりと残りそうですが、被害者の指先が汗ばむとか汚れていなかった時に、果たして、常に指紋が残るものなのでしょうか。ましてや、しわしわの和紙の表面をつまんだだけで、指紋がはっきりと残っていた、としてしまう方が、なんかリアリティがなさそうに感じます。今回は、かるたのカードが毛羽だっていたので、はっきりとした指紋が検出できなかった、としておきました。もっとも、現代捜査なら、指紋よりもDNA破片の方が決め手になるのかもしれませんが……。
五日さまのご指摘は、変ではなく、とても鋭いものです。とっても参考になりました。今後も何かありましたら、ぜひご指摘ください。
1点目のご指摘は、完全に凡ミスです。全く気付きませんでした。
13章の文章を、「左手」→「右手」と変更いたしました。
2点目のご指摘は、作者の不勉強によるミスです。
13章の文章を、「出血死」→「出血性ショック死」と修正いたしました。
3点目のご指摘もおっしゃるとおりです。どうせならカードに血が付着していた方が迫力があって面白いかなと思った短絡的な挿入文でしたが、ご指摘の通り、まぎれを生み出す文章なので、関連する部分をカットいたしました。
4点目はもっともなご指摘だとは思いますが、修正はなかなか困難で、あえて修正しないでおくことにいたします。
5点目は、わたし自身警察捜査に関して素人同然なので、断言はできませんが、指紋というものは、はっきりと形が読み取れるように指紋が残る物質面と、実際にははっきりと断定できる指紋が検出されるとは思えないような物質面があるように思われます。つるつるのガラス面なら、一見、指紋ははっきりと残りそうですが、被害者の指先が汗ばむとか汚れていなかった時に、果たして、常に指紋が残るものなのでしょうか。ましてや、しわしわの和紙の表面をつまんだだけで、指紋がはっきりと残っていた、としてしまう方が、なんかリアリティがなさそうに感じます。今回は、かるたのカードが毛羽だっていたので、はっきりとした指紋が検出できなかった、としておきました。もっとも、現代捜査なら、指紋よりもDNA破片の方が決め手になるのかもしれませんが……。
五日さまのご指摘は、変ではなく、とても鋭いものです。とっても参考になりました。今後も何かありましたら、ぜひご指摘ください。
- iris Gabe
- 2021年 06月15日 21時34分
[良い点]
> ――王仁の本来の歌は、四句目の言葉が『今は』であるが、競技かるたで序歌として読まれるときには、『今はただ』で始まる左京大夫道雅の歌(第六十三番)との混同を避けるために、その部分を『今を』と読むのが慣例となっている)
これは初めて知りました。古いCDは「今ははるべと」と読んでいるのに、今の大会は「今をはるべと」と読んでいるのは何故だろうと思っていました。
ちなみに太宰府大会は序歌が「こちふかば」でした。(今もそうなのかな?)
[気になる点]
「競技かるた学生大会」は架空の大会かと思いますが、「学生選手権」であれば江戸川スポーツセンター、「大学生選手権」であれば近江神宮での開催かと思います。
15話にきまり字の変化を把握していて驚く場面がありますが、C級・D級の選手でも、3枚札(い)や4枚札(よ)レベルであれば、きまり字の変化は完全に把握しています。C級(現在は二段、当時初段)クラスであれば「あ」札でも把握しているのではないでしょうか。
A級・B級クラスの人は、暗記時間が終わったらすべて札を裏返しにして試合をするとか、1試合終わった後読まれた順番・取った順番・送り札まで完全に試合を再現するとか、そのレベルまで出来たりします。
読まれた札が98枚目か99枚目(99枚目は必ず出札)か重要なので、トップクラスの選手は読まれた枚数も把握していますので。
トリックが「をぐ」と「あらざ」のお手つきですが、これはまずあり得ません。というのも我々は取り札の「いまひとたひ」を読んでいないからです。初心者でなければ、取り札全体をイメージで捉え、上の句の決まり字が見える感じとなります。見分けるポイントは人それぞれですが、取り札が顔に見えるという人もいました。人の顔を見て「○○さん」と思い浮かぶようなものです。最初の部分が同じでも「をぐ」と「あらざ」は全然顔が違いますので間違いません。むしろ「をぐ」は「おく」と、「あらざ」は「あらし」と取り違えるはありますね。雰囲気が似ているので。
競技歌留多をやっている人は意外と歌の意味とか作者は知らないです。なので作中、歌の意味を話し合うシーンはかなり違和感があります。「あらざ」が和泉式部とは知らない人の方が多いのではないでしょうか。競技かるたをやっている人が「いずみ」を表すのであれば、100人が100人、「みかの」を選ぶでしょうね。
ということで、元選手からすると、かなり違和感のある作品です。
[一言]
鉄道マニアかつ競技歌留多経験者(初段)です。
「宗谷本線秘境駅殺人事件」から入り、百人一首という言葉につられて読んでみました。
> ――王仁の本来の歌は、四句目の言葉が『今は』であるが、競技かるたで序歌として読まれるときには、『今はただ』で始まる左京大夫道雅の歌(第六十三番)との混同を避けるために、その部分を『今を』と読むのが慣例となっている)
これは初めて知りました。古いCDは「今ははるべと」と読んでいるのに、今の大会は「今をはるべと」と読んでいるのは何故だろうと思っていました。
ちなみに太宰府大会は序歌が「こちふかば」でした。(今もそうなのかな?)
[気になる点]
「競技かるた学生大会」は架空の大会かと思いますが、「学生選手権」であれば江戸川スポーツセンター、「大学生選手権」であれば近江神宮での開催かと思います。
15話にきまり字の変化を把握していて驚く場面がありますが、C級・D級の選手でも、3枚札(い)や4枚札(よ)レベルであれば、きまり字の変化は完全に把握しています。C級(現在は二段、当時初段)クラスであれば「あ」札でも把握しているのではないでしょうか。
A級・B級クラスの人は、暗記時間が終わったらすべて札を裏返しにして試合をするとか、1試合終わった後読まれた順番・取った順番・送り札まで完全に試合を再現するとか、そのレベルまで出来たりします。
読まれた札が98枚目か99枚目(99枚目は必ず出札)か重要なので、トップクラスの選手は読まれた枚数も把握していますので。
トリックが「をぐ」と「あらざ」のお手つきですが、これはまずあり得ません。というのも我々は取り札の「いまひとたひ」を読んでいないからです。初心者でなければ、取り札全体をイメージで捉え、上の句の決まり字が見える感じとなります。見分けるポイントは人それぞれですが、取り札が顔に見えるという人もいました。人の顔を見て「○○さん」と思い浮かぶようなものです。最初の部分が同じでも「をぐ」と「あらざ」は全然顔が違いますので間違いません。むしろ「をぐ」は「おく」と、「あらざ」は「あらし」と取り違えるはありますね。雰囲気が似ているので。
競技歌留多をやっている人は意外と歌の意味とか作者は知らないです。なので作中、歌の意味を話し合うシーンはかなり違和感があります。「あらざ」が和泉式部とは知らない人の方が多いのではないでしょうか。競技かるたをやっている人が「いずみ」を表すのであれば、100人が100人、「みかの」を選ぶでしょうね。
ということで、元選手からすると、かなり違和感のある作品です。
[一言]
鉄道マニアかつ競技歌留多経験者(初段)です。
「宗谷本線秘境駅殺人事件」から入り、百人一首という言葉につられて読んでみました。
- 投稿者: AsaPi!
- 2021年 06月09日 23時47分
競技者からの貴重なご意見、ありがとうございます。
ミステリ―を書いていると、登場人物になんらかの特殊才能を持たせて書いていくのですが、自分の専門分野でなければ、作者の力不足ゆえに、ところどころにほころびが出て、専門家の方から見ると違和感が出てしまうのは、残念ですが致し方ないことだと思っています。
いずみとみかのの競技者が感じる感覚というのは、私には分からないので、それに関するコメントはできません。
をぐとあらざの取り違えは、小説の設定では、被害者はあらかじめ自分が並べておいた字札からではなく、残り札を山にまとめてあったその山の中から、目的とする字札を探した、という設定にしてあります。あらかじめ並べた陣形の中の札は、全部頭の中に入っているかもしれませんが、そこには被害者の目的とする札も、結果としてお手付きをしてしまう札もなかった。そこで被害者は、瀕死の状態で山の中の札を一枚一枚めくりながら、目的の字札を探そうとしましたが、その時に目的の札とは別の札で、同じ出だしの字札を見つけました。出だしに書かれた7文字を見て、うしろの7文字を見る余裕がないまま、被害者はその札を握りしめて絶命してしまいました、と言うつもりで書かせていただきました。
ミステリ―を書いていると、登場人物になんらかの特殊才能を持たせて書いていくのですが、自分の専門分野でなければ、作者の力不足ゆえに、ところどころにほころびが出て、専門家の方から見ると違和感が出てしまうのは、残念ですが致し方ないことだと思っています。
いずみとみかのの競技者が感じる感覚というのは、私には分からないので、それに関するコメントはできません。
をぐとあらざの取り違えは、小説の設定では、被害者はあらかじめ自分が並べておいた字札からではなく、残り札を山にまとめてあったその山の中から、目的とする字札を探した、という設定にしてあります。あらかじめ並べた陣形の中の札は、全部頭の中に入っているかもしれませんが、そこには被害者の目的とする札も、結果としてお手付きをしてしまう札もなかった。そこで被害者は、瀕死の状態で山の中の札を一枚一枚めくりながら、目的の字札を探そうとしましたが、その時に目的の札とは別の札で、同じ出だしの字札を見つけました。出だしに書かれた7文字を見て、うしろの7文字を見る余裕がないまま、被害者はその札を握りしめて絶命してしまいました、と言うつもりで書かせていただきました。
- iris Gabe
- 2021年 06月10日 21時38分
[良い点]
作品の雰囲気がとても良いですね。百人一首の説明が丁寧で、テキストブックのよう。瑠璃垣さんが好きです、可愛い。
第一発見者が何となく怪しいかなと思いながら、カラオケボックスへ繰り出した四人の男子学生の怪しさと言ったら!空白の三七分とタクシーの途中下車、不穏すぎてこの中に犯人がいると確信し、もはや疑わない手段はありません。他方で壬生刑事を疑い、すっかり翻弄されました。
密室とダイイングメッセージが、二つもの事件で楽しめるなんて贅沢すぎます。
1、二つの事件は同一人物or複数犯か
2、模倣(便乗)犯がいるとしたら、第一の事件は正真正銘のダイイングメッセージで、第二の事件が偽造されたダイイングメッセージの可能性が高い
3、第一の事件が藤原氏が犯人だとして、三条クイーンに握らせた札の意味するものは……?
そんなふうに推理していきました。単なる直感で、札に書かれてある短歌そのものが犯人の名を指すのではなく、間接的に辿ったところに意味があるのだと思いました!
二種の密室ができた経緯、それぞれ異なる仕組みでありながら、共通項を持っていたのも良かったです。
真相は、嗚呼なんという切なさで、救いがないのに救いがある、美しさの余韻が残っています。
作品の雰囲気がとても良いですね。百人一首の説明が丁寧で、テキストブックのよう。瑠璃垣さんが好きです、可愛い。
第一発見者が何となく怪しいかなと思いながら、カラオケボックスへ繰り出した四人の男子学生の怪しさと言ったら!空白の三七分とタクシーの途中下車、不穏すぎてこの中に犯人がいると確信し、もはや疑わない手段はありません。他方で壬生刑事を疑い、すっかり翻弄されました。
密室とダイイングメッセージが、二つもの事件で楽しめるなんて贅沢すぎます。
1、二つの事件は同一人物or複数犯か
2、模倣(便乗)犯がいるとしたら、第一の事件は正真正銘のダイイングメッセージで、第二の事件が偽造されたダイイングメッセージの可能性が高い
3、第一の事件が藤原氏が犯人だとして、三条クイーンに握らせた札の意味するものは……?
そんなふうに推理していきました。単なる直感で、札に書かれてある短歌そのものが犯人の名を指すのではなく、間接的に辿ったところに意味があるのだと思いました!
二種の密室ができた経緯、それぞれ異なる仕組みでありながら、共通項を持っていたのも良かったです。
真相は、嗚呼なんという切なさで、救いがないのに救いがある、美しさの余韻が残っています。
- 投稿者: 専属読者ZJ
- 2021年 03月11日 08時11分
ご感想ありがとうございます。
とても丁寧に読んでいただいて、作者としてはうれしい限りです。
ミステリー小説を素人なりに書かせていただいて、
読者への挑戦状を(力不足ながらも)入れさせてもらっていますが、
いつも思うことが、
単独犯なら、作者が用意した解答が受け入れられそうなときでも、
常に起こるのが、複数犯だと用意したのと別の解答があり得ますよ、
という問題です。(詰将棋で言う、いわゆる、余詰めってやつです)
本作も二つの事件を、二人の犯人が独立に意図してやったとなると、
さまざまな解答があり得るような気がします。
とても丁寧に読んでいただいて、作者としてはうれしい限りです。
ミステリー小説を素人なりに書かせていただいて、
読者への挑戦状を(力不足ながらも)入れさせてもらっていますが、
いつも思うことが、
単独犯なら、作者が用意した解答が受け入れられそうなときでも、
常に起こるのが、複数犯だと用意したのと別の解答があり得ますよ、
という問題です。(詰将棋で言う、いわゆる、余詰めってやつです)
本作も二つの事件を、二人の犯人が独立に意図してやったとなると、
さまざまな解答があり得るような気がします。
- iris Gabe
- 2021年 03月11日 21時58分
[良い点]
ちょっと忙しくてなかなか読めなかったのですが、今日読み終えました。
まだ前回のショックが冷めていなかったので、いきなり作中に『宗谷本線秘境駅殺人事件』のタイトルが出てきてどきりとしました。
青葉ちゃんとまゆゆが百人一首について語っているシーンが、生き生きとしていて個人的に好きです。アイリス様は、知識と物語を上手く融合されているなぁという印象です(なんだか上から目線なようで申し訳ないですが)。
前回の又村さんもそうなんですけれど、キャラクターが自分の好きなことを語っている姿は本当に魅力的です。青葉ちゃんも更に好きになりましたし、まゆゆも好きになっちゃいました。
最終話の切なさがまた悲しいです。結局、彼女はネガティブな方向でその勇気を使ってしまったのですよね。助かって欲しい気持ちもありますが、そのまま亡くなった方が、彼女にとっては救いなのかもしれません。
[一言]
かるたは好きなのですが、百人一首は幼い頃から苦手で、全く知識がなかったので勉強になりました。
ちょっと忙しくてなかなか読めなかったのですが、今日読み終えました。
まだ前回のショックが冷めていなかったので、いきなり作中に『宗谷本線秘境駅殺人事件』のタイトルが出てきてどきりとしました。
青葉ちゃんとまゆゆが百人一首について語っているシーンが、生き生きとしていて個人的に好きです。アイリス様は、知識と物語を上手く融合されているなぁという印象です(なんだか上から目線なようで申し訳ないですが)。
前回の又村さんもそうなんですけれど、キャラクターが自分の好きなことを語っている姿は本当に魅力的です。青葉ちゃんも更に好きになりましたし、まゆゆも好きになっちゃいました。
最終話の切なさがまた悲しいです。結局、彼女はネガティブな方向でその勇気を使ってしまったのですよね。助かって欲しい気持ちもありますが、そのまま亡くなった方が、彼女にとっては救いなのかもしれません。
[一言]
かるたは好きなのですが、百人一首は幼い頃から苦手で、全く知識がなかったので勉強になりました。
ご感想ありがとうございます。
この作品を書く前は、私も百人一首はおろか、対戦カルタも全然知らなくて、漫画の『ちはやふる』とか、アニメの『うた恋』とかを参考にして、雰囲気つくりの勉強をさせていただきました。
この作品を書く前は、私も百人一首はおろか、対戦カルタも全然知らなくて、漫画の『ちはやふる』とか、アニメの『うた恋』とかを参考にして、雰囲気つくりの勉強をさせていただきました。
- iris Gabe
- 2021年 02月18日 04時35分
[良い点]
キャラクターの人物像が掴みやすく、文章も巧みで読みやすかったです。
ダイイング・メッセージや密室の謎など、無理のある点が一切見受けられず、納得して読むことができました。
競技かるたの試合中の描写も、スポ根のような熱さがあって、読み応えがありました!
[一言]
百人一首の知識、非常に勉強になりました!単なる解説に留まることなく、詠まれた背景や歌の魅力も伝わって来て、「昔の人の情念ってすげえんだなぁ」と、無邪気に感心しておりました。
あと、これは本当に個人的なイメージなのですが、如月恭助くんが某金田一耕助の孫を彷彿とさせて(ひょうきんな性格や、美人のヒロインから一目置かれているなど)、懐かしい気持ちで読ませていただきました。
キャラクターの人物像が掴みやすく、文章も巧みで読みやすかったです。
ダイイング・メッセージや密室の謎など、無理のある点が一切見受けられず、納得して読むことができました。
競技かるたの試合中の描写も、スポ根のような熱さがあって、読み応えがありました!
[一言]
百人一首の知識、非常に勉強になりました!単なる解説に留まることなく、詠まれた背景や歌の魅力も伝わって来て、「昔の人の情念ってすげえんだなぁ」と、無邪気に感心しておりました。
あと、これは本当に個人的なイメージなのですが、如月恭助くんが某金田一耕助の孫を彷彿とさせて(ひょうきんな性格や、美人のヒロインから一目置かれているなど)、懐かしい気持ちで読ませていただきました。
ご感想ありがとうございます。
いろいろ励みになるお言葉がいただけて、とてもうれしく思います。
本作を手掛ける前に、ラジオで百人一首ってとっても面白いんだよ、という番組がありまして、それから興味を持って調べているうちに、本作のプロットがひらめいたという感じで、わたし自身も最近になってから百人一首を勉強した一人です。いまさらですが、和歌って本当に奥が深いですね。
いろいろ励みになるお言葉がいただけて、とてもうれしく思います。
本作を手掛ける前に、ラジオで百人一首ってとっても面白いんだよ、という番組がありまして、それから興味を持って調べているうちに、本作のプロットがひらめいたという感じで、わたし自身も最近になってから百人一首を勉強した一人です。いまさらですが、和歌って本当に奥が深いですね。
- iris Gabe
- 2021年 02月07日 11時28分
[気になる点]
競技かるたをやっている身から、ちょっと気になったことを書かせていただきますね。
まず、かるたやっている人は、実は、百人一首の意味・作者・詠まれた背景を理解している人はそれほど多くないということですね。
大抵、取り札と決まり字しか覚えてなくて、中には、歌自体全部知らないって人もいます。
なので、登場人物たちがちょっと詳しすぎるかなと思ってしまいました。(もちろん、「ちはやふる」の大江さんみたいなとても詳しい方もいますよ)
2つ目は、競技者は歌を話に出すとき、「あし」「いまこ」「せ」のように、決まり字で話すときが多いということですね。
「わたのはらこ」のような大山札では、「きみ・は」「わた・こ」のように縮めて話しますね。
3つ目、おそらく初心者の恭介相手だったので、青葉さんが一首目の「うか」を下の句が二回詠まれてから取るシーンがあるのですが、競技かるたでは、多分、ダメかなと。
まず、競技かるたでは、序歌以外では下の句を2回詠まれることはありません。なので、その後の場面でも下の句が2回繰り返されてますが、普段はこんなことないと思います。
そして、送り札などは下の句が詠まれると送れなくなるので、「うかりける〜 ひとをはつせの〜 やまおろし〜」までの間に取らないといけないと思いますよ。
あ、実はこの「うか」、歌が長いのか、「山おろしよ」の最後の「よ」が詠まれないんですよね。たぶん、こういう省略は「うか」だけだったと思います。
[一言]
長々と失礼しました。アイリスさんの作風、好きですので、次回作期待してます。頑張ってください。
競技かるたをやっている身から、ちょっと気になったことを書かせていただきますね。
まず、かるたやっている人は、実は、百人一首の意味・作者・詠まれた背景を理解している人はそれほど多くないということですね。
大抵、取り札と決まり字しか覚えてなくて、中には、歌自体全部知らないって人もいます。
なので、登場人物たちがちょっと詳しすぎるかなと思ってしまいました。(もちろん、「ちはやふる」の大江さんみたいなとても詳しい方もいますよ)
2つ目は、競技者は歌を話に出すとき、「あし」「いまこ」「せ」のように、決まり字で話すときが多いということですね。
「わたのはらこ」のような大山札では、「きみ・は」「わた・こ」のように縮めて話しますね。
3つ目、おそらく初心者の恭介相手だったので、青葉さんが一首目の「うか」を下の句が二回詠まれてから取るシーンがあるのですが、競技かるたでは、多分、ダメかなと。
まず、競技かるたでは、序歌以外では下の句を2回詠まれることはありません。なので、その後の場面でも下の句が2回繰り返されてますが、普段はこんなことないと思います。
そして、送り札などは下の句が詠まれると送れなくなるので、「うかりける〜 ひとをはつせの〜 やまおろし〜」までの間に取らないといけないと思いますよ。
あ、実はこの「うか」、歌が長いのか、「山おろしよ」の最後の「よ」が詠まれないんですよね。たぶん、こういう省略は「うか」だけだったと思います。
[一言]
長々と失礼しました。アイリスさんの作風、好きですので、次回作期待してます。頑張ってください。
早瀬さん、貴重なご感想ありがとうございます。
実際に競技かるたをされている方からのご意見なので、とても参考になります。
ちなみに、作者のわたしは素人です。
競技かるたの選手で歌の意味や背景を熟知している人はそれほど多くない、というのは、意外でした。そうだとすると、小説内で歌に関して深い議論をしている青葉と古久根は違和感が出ちゃったかもしれませんね。なるほど。
「きみ・は」、「わた・こ」の呼び方は全く知りませんでした。現場ならではのご指摘ですね。
青葉と恭助の対決の第一首の「うか」の歌を、青葉が下の句を2回も読み終わるまで動かなかった描写の違和感は、おっしゃる通りだと思います。2回も下の句を読み終わるまで待って取るのは、もちろん相手が素人で、青葉は瞬時に札の場所は分かったけど、恭助が動き出しても取る自信があったのか、それとも一枚は取られてもそのあと全部取りつくす自信があったからか、とにかく恭助のド素人ぶりを確認するために、ちょっと遊んでみたというつもりで書きました。
ただ、下の句を2回も読ませてから取ったので、より違和感が生じてしまったのでしょうね。なめすぎですよね。古久根に下の句を2回読ませたのは、かるた競技がそういう形式で行われているのを描写したくて、そう書いたような気がします。
「山おろしよ」の最後の「よ」も、知りませんでした。なるほど。勉強になります。
競技者視点からのご意見は、指摘されないとまったく気づかずスルーしてしまうことなので、とても参考になります。
それに加えて、早瀬さんがとても細かい部分まで目を通していただけたことが、わたしにはとてもうれしいです。(ミステリー以外の部分での話が、無駄に長くなってしまっている小説ですからね)
この小説でぜんぶの百首の意味を書いたのは、ミステリーの手がかりとなる情報を、とにかく読者に提供することがフェアプレーかなと思ったからです。今回のミステリーのメイントリックは、百人一首のある歌を知っていなければ解答に到達しません。そこで、小説全体にわたって、百首の歌を説明するようにいたしました。
あと、わたし自身がまったく知らなかったかるた競技を、書きながら読者にイメージしてもらうために、恭助と青葉の対決をさせることで、一字決まりとか大山札とか、のちの推理に必要な情報を読者に提供してみました。ただ、その分、小説がミステリー以外の部分で膨らんでしまいました。書いた本人は文字数が稼げてラッキー、って感じなんですけどね。
最後に、作風が好きといっていただけて、とても感激です。うるうる。
また、参考になるご意見お待ちしております。ありがとうございました。
あと、執筆活動頑張ってくださいね。
実際に競技かるたをされている方からのご意見なので、とても参考になります。
ちなみに、作者のわたしは素人です。
競技かるたの選手で歌の意味や背景を熟知している人はそれほど多くない、というのは、意外でした。そうだとすると、小説内で歌に関して深い議論をしている青葉と古久根は違和感が出ちゃったかもしれませんね。なるほど。
「きみ・は」、「わた・こ」の呼び方は全く知りませんでした。現場ならではのご指摘ですね。
青葉と恭助の対決の第一首の「うか」の歌を、青葉が下の句を2回も読み終わるまで動かなかった描写の違和感は、おっしゃる通りだと思います。2回も下の句を読み終わるまで待って取るのは、もちろん相手が素人で、青葉は瞬時に札の場所は分かったけど、恭助が動き出しても取る自信があったのか、それとも一枚は取られてもそのあと全部取りつくす自信があったからか、とにかく恭助のド素人ぶりを確認するために、ちょっと遊んでみたというつもりで書きました。
ただ、下の句を2回も読ませてから取ったので、より違和感が生じてしまったのでしょうね。なめすぎですよね。古久根に下の句を2回読ませたのは、かるた競技がそういう形式で行われているのを描写したくて、そう書いたような気がします。
「山おろしよ」の最後の「よ」も、知りませんでした。なるほど。勉強になります。
競技者視点からのご意見は、指摘されないとまったく気づかずスルーしてしまうことなので、とても参考になります。
それに加えて、早瀬さんがとても細かい部分まで目を通していただけたことが、わたしにはとてもうれしいです。(ミステリー以外の部分での話が、無駄に長くなってしまっている小説ですからね)
この小説でぜんぶの百首の意味を書いたのは、ミステリーの手がかりとなる情報を、とにかく読者に提供することがフェアプレーかなと思ったからです。今回のミステリーのメイントリックは、百人一首のある歌を知っていなければ解答に到達しません。そこで、小説全体にわたって、百首の歌を説明するようにいたしました。
あと、わたし自身がまったく知らなかったかるた競技を、書きながら読者にイメージしてもらうために、恭助と青葉の対決をさせることで、一字決まりとか大山札とか、のちの推理に必要な情報を読者に提供してみました。ただ、その分、小説がミステリー以外の部分で膨らんでしまいました。書いた本人は文字数が稼げてラッキー、って感じなんですけどね。
最後に、作風が好きといっていただけて、とても感激です。うるうる。
また、参考になるご意見お待ちしております。ありがとうございました。
あと、執筆活動頑張ってくださいね。
- iris Gabe
- 2018年 01月30日 21時57分
[良い点]
百人一首の勉強になりました!高校時代に読んでればもっと百人一首を好きになったろうに…
この作品,ここで埋もれさせるのは惜しいですね。うーん…
百人一首の勉強になりました!高校時代に読んでればもっと百人一首を好きになったろうに…
この作品,ここで埋もれさせるのは惜しいですね。うーん…
ご感想、ありがとうございます。
年末にこんなうれしいご感想がいただけて、とても幸せです。
来年も頑張りますから、よろしくお願いいたします。
追伸:
この作品は、ミステリーと百人一首の両方を追っかけてしまい、
その結果、読むのにエネルギーがいるみたいで、
(百人一首を、意地で百首のせてしまったのがいけなかったかもですけど……)
読者のみなさまに、ご迷惑をかけてしまっている感を、
ひしひしと感じてしまう、今日この頃です。
年末にこんなうれしいご感想がいただけて、とても幸せです。
来年も頑張りますから、よろしくお願いいたします。
追伸:
この作品は、ミステリーと百人一首の両方を追っかけてしまい、
その結果、読むのにエネルギーがいるみたいで、
(百人一首を、意地で百首のせてしまったのがいけなかったかもですけど……)
読者のみなさまに、ご迷惑をかけてしまっている感を、
ひしひしと感じてしまう、今日この頃です。
- iris Gabe
- 2016年 12月31日 20時31分
[一言]
林直道「百人一首の秘密」懐かしいですね。
林直道「百人一首の秘密」懐かしいですね。
この小説を書いている時には、勉強不足でしらなかったのですが、
高田崇史さんが2002年に書かれたミステリー小説、
『QED 百人一首の呪』 の中で、
林直道氏の展開した10×10配置の『歌織物』説をさらに発展させた、
胎蔵界曼陀羅図の配置を構成しよう、という新説が展開されていました。
それによると、私の小説内で、歌織物説に対して青葉が不満を漏らしていた、
隣り合って欲しい2枚の配置や、隣り合って欲しくない2枚の配置が、
見事に解消されていました。
織田正吉氏から始まった、
百人一首の札が共通語でつなげて並べることができる、という学説が
すこしづつ発展しているような気がしました。
高田崇史さんが2002年に書かれたミステリー小説、
『QED 百人一首の呪』 の中で、
林直道氏の展開した10×10配置の『歌織物』説をさらに発展させた、
胎蔵界曼陀羅図の配置を構成しよう、という新説が展開されていました。
それによると、私の小説内で、歌織物説に対して青葉が不満を漏らしていた、
隣り合って欲しい2枚の配置や、隣り合って欲しくない2枚の配置が、
見事に解消されていました。
織田正吉氏から始まった、
百人一首の札が共通語でつなげて並べることができる、という学説が
すこしづつ発展しているような気がしました。
- iris Gabe
- 2016年 04月02日 08時13分
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