感想一覧
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[良い点]
拝見させていただきました。
実際に読了したのは1月前半なのに、今の今まで感想が書けないでいました。
なぜかというなら、それだけ出来のいい作品だったからです。
ちょっとの綻びをつつくことをためらわれるほどの作品だったということです。
まずは良い点を。
ちょっと他に類を見ないほどの野球描写。
これはガチでしたね。ほんとにもう笑っちゃうほど野球してました。なにしてんですか遊佐さんw
サブキャラ含め、男どもが輝いてました。
個人的には由良の活躍や引き際が好きでした。
タケルの成長や頑張りも、男の子としての見栄や矜持とかも大好きでした。
[気になる点]
ここは厳しくいきます。
ナツですね。
可愛いんですよ。
可愛いのはわかるんです。
凄いのもわかるんです。
だけど脆さの表現が足りない気がしました。
超人的な彼女の超人でない部分、日常の一コマ、それが私はもっと見たかった。
それがひとつふたつ増えるだけで、読者の先を読もうっていう推進力が違うと思います。
それによって、より引き立つ美しさや強さがあると思います。
ラノベとしても、青春小説としても、足りないのは彼女のそういった描写だと思うんです。
じゃあそれを誰が表現するかというと、当然タケルですね。
ナツを凄い人間としてしか思っていなかったタケル。年頃の女の子として扱っていなかったタケル。
そうです。
勘違いしてはいけない、これはタケルの物語なんです。
彼が何を見、どう感じるのか。
ナツを、野球を、チームプレイをどう追求するのか、それ次第でもっともっと、この作品は面白くなると思います。
[一言]
私はあまり、人の作品に対して厳しく言うことはありません。
でもこの作品に関しては言いたかった。
面白かったです。
そしてもっと、面白くなる。
これは私の、最大限の評価です。
拝見させていただきました。
実際に読了したのは1月前半なのに、今の今まで感想が書けないでいました。
なぜかというなら、それだけ出来のいい作品だったからです。
ちょっとの綻びをつつくことをためらわれるほどの作品だったということです。
まずは良い点を。
ちょっと他に類を見ないほどの野球描写。
これはガチでしたね。ほんとにもう笑っちゃうほど野球してました。なにしてんですか遊佐さんw
サブキャラ含め、男どもが輝いてました。
個人的には由良の活躍や引き際が好きでした。
タケルの成長や頑張りも、男の子としての見栄や矜持とかも大好きでした。
[気になる点]
ここは厳しくいきます。
ナツですね。
可愛いんですよ。
可愛いのはわかるんです。
凄いのもわかるんです。
だけど脆さの表現が足りない気がしました。
超人的な彼女の超人でない部分、日常の一コマ、それが私はもっと見たかった。
それがひとつふたつ増えるだけで、読者の先を読もうっていう推進力が違うと思います。
それによって、より引き立つ美しさや強さがあると思います。
ラノベとしても、青春小説としても、足りないのは彼女のそういった描写だと思うんです。
じゃあそれを誰が表現するかというと、当然タケルですね。
ナツを凄い人間としてしか思っていなかったタケル。年頃の女の子として扱っていなかったタケル。
そうです。
勘違いしてはいけない、これはタケルの物語なんです。
彼が何を見、どう感じるのか。
ナツを、野球を、チームプレイをどう追求するのか、それ次第でもっともっと、この作品は面白くなると思います。
[一言]
私はあまり、人の作品に対して厳しく言うことはありません。
でもこの作品に関しては言いたかった。
面白かったです。
そしてもっと、面白くなる。
これは私の、最大限の評価です。
呑竜さん、ありがとうございます。熱い感想は大歓迎であります。
野球描写はまあ、たぶんなろうでは最強レベルだと自負しております。
ついでに言いますと別作品の『フットボール』のサッカー描写も同クラスです。
スポーツ愛ゆえに、と申しましょうか。
さて、問題のナツについて。
非常に的確なご指摘と言うほかありますまい。なぜなら書き上げた際に「学園でのシーンが1コもねえ!」と自分も慌てたんですよ。ほんと野球しかしてなくて。
で、急遽足したのがナツのごはん好きに触れるエピソードでして。バランスを崩したくないなあ、ということであれが当時の精いっぱいだったのを覚えています。
もうひとつ付け加えると、そもそもナツに可愛らしさが見出されると想定していなかったというのもあります。いや、自分はストロングな女性が好きなんですけど、世間的には違うだろうなあと。
そこの姿勢が誤りだったな、と感想を受けて強く思います。「屈強女子いいよね!」と布教するくらいの気持ちでいかんかいって話ですよ。
かなり趣味に走った物語、というのが当初から自分の中での評価でした。
そこは今も変わっちゃいませんが、たとえそうであっても共鳴してくれる読者がいる、とわかったのがこの作品を書いたことによるいちばんの収穫です。
収穫も反省点も含めて考えるに、自分の好みをどうエンタテインメントに落としこんでいくかが勝負なんでしょうね。
もしかしたら厳しい指摘をするのはきつかったかもしれませんが、自分としましては大変感謝しております。
本当にありがとうございました!
野球描写はまあ、たぶんなろうでは最強レベルだと自負しております。
ついでに言いますと別作品の『フットボール』のサッカー描写も同クラスです。
スポーツ愛ゆえに、と申しましょうか。
さて、問題のナツについて。
非常に的確なご指摘と言うほかありますまい。なぜなら書き上げた際に「学園でのシーンが1コもねえ!」と自分も慌てたんですよ。ほんと野球しかしてなくて。
で、急遽足したのがナツのごはん好きに触れるエピソードでして。バランスを崩したくないなあ、ということであれが当時の精いっぱいだったのを覚えています。
もうひとつ付け加えると、そもそもナツに可愛らしさが見出されると想定していなかったというのもあります。いや、自分はストロングな女性が好きなんですけど、世間的には違うだろうなあと。
そこの姿勢が誤りだったな、と感想を受けて強く思います。「屈強女子いいよね!」と布教するくらいの気持ちでいかんかいって話ですよ。
かなり趣味に走った物語、というのが当初から自分の中での評価でした。
そこは今も変わっちゃいませんが、たとえそうであっても共鳴してくれる読者がいる、とわかったのがこの作品を書いたことによるいちばんの収穫です。
収穫も反省点も含めて考えるに、自分の好みをどうエンタテインメントに落としこんでいくかが勝負なんでしょうね。
もしかしたら厳しい指摘をするのはきつかったかもしれませんが、自分としましては大変感謝しております。
本当にありがとうございました!
- 遊佐東吾
- 2016年 01月15日 00時12分
[良い点]
女子が野球選手? というのは確かに荒唐無稽な感じもしますが、彼女の身体多岐なデータは女子でも、例えばバレーボール選手ではありえないものではなく、そういう意味では、実はすごくリアリティーのあるものだったりします。
この小説は、そういったありえないようでいて、実は存在してもおかしくはないリアリティーのすごさだったりします。
墨井監督の手堅い采配は、実は一発のある打棒のあるチームにおいては、実に現実的なものなんですよね。
そういう意味では、高校野球において「ありがち」なシーンと言えるものが多いのですが、そのありがちなものをしっかりと把握しているからこそのリアリティーであり、高校野球というものをどっしりと、真正面から受け止て描かれた力作だと思います。
ウオッカの成績も、怪物じみてはいますが、高校野球の地方大会では決して的を外したものではないですし、最後の将野のほおった球を逆回転気味にスタンドイン、というのはたとえば西部のおかわりくんのようなリストの柔らかさと技術を持っていれば十分可能な(とはいってもおかわりくん事態普通のバッターではないですが)範疇のありえなさ、だと思います。
また。女子をピッチャーではなく打棒に専念させるという発想も今までにない斬新なものであると思います。
彼女の性格もいいですね。
野球というのはデータがはっきり表れる世界であり、球技の中でも異例ですが個人競技の側面を持っています。
そんな中で、チームのためではなく自分自身のためにバットをふるうウォッカの姿は、往年の落合や秋山のようであり、一発逆転のある野球の世界では、そういった我の強い人物が我を発揮すればするほどチームの勝利につながったりもします。
それと最後のシーン、試合と勝負の違いというものをよく練りこんだ、最高のシーンでした。
あのカタルシスこそが、青春小説の醍醐味だと思います。
[気になる点]
「待つ」ということが本質の高校野球を実によくとらえているとは思いますが、一つ無理やりあげるとすれば、球場内部の「暑さ」の描写の淡白さでしょうか。
墨井監督のおそらくは戦略なのでしょう、9回を十分に使い流れを呼び込む、これは高校野球の醍醐味であり、往々にして勝利をあせったチームの敗北の要因ともなるところですが、その「あせり」を生むのが世界有数の日本の猛暑の中、40度を超えるスタジアムの暑さだと思います。
それがない分、やや描写に淡白さが感じられたように思います。
[一言]
すごい! というのが真っ正直な感想です。
自分は子供のころから野球が大好きで、高校野球も大好きです。
高校野球という世界をしっかりととらえ、そして表現する手腕、いやはや脱帽です。
大変勉強になりました!
女子が野球選手? というのは確かに荒唐無稽な感じもしますが、彼女の身体多岐なデータは女子でも、例えばバレーボール選手ではありえないものではなく、そういう意味では、実はすごくリアリティーのあるものだったりします。
この小説は、そういったありえないようでいて、実は存在してもおかしくはないリアリティーのすごさだったりします。
墨井監督の手堅い采配は、実は一発のある打棒のあるチームにおいては、実に現実的なものなんですよね。
そういう意味では、高校野球において「ありがち」なシーンと言えるものが多いのですが、そのありがちなものをしっかりと把握しているからこそのリアリティーであり、高校野球というものをどっしりと、真正面から受け止て描かれた力作だと思います。
ウオッカの成績も、怪物じみてはいますが、高校野球の地方大会では決して的を外したものではないですし、最後の将野のほおった球を逆回転気味にスタンドイン、というのはたとえば西部のおかわりくんのようなリストの柔らかさと技術を持っていれば十分可能な(とはいってもおかわりくん事態普通のバッターではないですが)範疇のありえなさ、だと思います。
また。女子をピッチャーではなく打棒に専念させるという発想も今までにない斬新なものであると思います。
彼女の性格もいいですね。
野球というのはデータがはっきり表れる世界であり、球技の中でも異例ですが個人競技の側面を持っています。
そんな中で、チームのためではなく自分自身のためにバットをふるうウォッカの姿は、往年の落合や秋山のようであり、一発逆転のある野球の世界では、そういった我の強い人物が我を発揮すればするほどチームの勝利につながったりもします。
それと最後のシーン、試合と勝負の違いというものをよく練りこんだ、最高のシーンでした。
あのカタルシスこそが、青春小説の醍醐味だと思います。
[気になる点]
「待つ」ということが本質の高校野球を実によくとらえているとは思いますが、一つ無理やりあげるとすれば、球場内部の「暑さ」の描写の淡白さでしょうか。
墨井監督のおそらくは戦略なのでしょう、9回を十分に使い流れを呼び込む、これは高校野球の醍醐味であり、往々にして勝利をあせったチームの敗北の要因ともなるところですが、その「あせり」を生むのが世界有数の日本の猛暑の中、40度を超えるスタジアムの暑さだと思います。
それがない分、やや描写に淡白さが感じられたように思います。
[一言]
すごい! というのが真っ正直な感想です。
自分は子供のころから野球が大好きで、高校野球も大好きです。
高校野球という世界をしっかりととらえ、そして表現する手腕、いやはや脱帽です。
大変勉強になりました!
凪さん、丁寧なご感想ありがとうございます。
競馬ではありますが、その名もウオッカという牝馬が牡馬の猛者どもを蹴散らして日本ダービーを制した快挙の前例があるのだから、こんなトンデモ設定でも受け入れられる余地はきっとあるはず。そう考えて取りかかっただけに、「リアリティーがある」と言っていただけたことにはとても感謝しております。
ちなみに逆回転の打球のイメージは全盛期の高橋由伸ですね。スイングスピードが速いわけでもないのに、技術でスタンド越えまで持っていってしまう。
おかわりくんこと中村剛也もそうなんですが、「技」の長距離ヒッターには日本人的なロマンがあります。
それにしても「暑さ」、この描写の絶対的不足には今回凪さんに指摘されるまでまったく思い至りませんでした。
正直、今の夏の高校野球は自分の子供時代と比べて、気候的にはるかに苛酷となっているでしょう。連投制限の議論が起こるのも無理ないな、と思います。
にもかかわらず、灼熱のごときマウンド風景をまったく描けていないのはどういうことだ。反省材料がまたひとつ増えてしまいました。
感想、本当にありがとうございました。また凪さんの作品にもお邪魔させていただきますので。
競馬ではありますが、その名もウオッカという牝馬が牡馬の猛者どもを蹴散らして日本ダービーを制した快挙の前例があるのだから、こんなトンデモ設定でも受け入れられる余地はきっとあるはず。そう考えて取りかかっただけに、「リアリティーがある」と言っていただけたことにはとても感謝しております。
ちなみに逆回転の打球のイメージは全盛期の高橋由伸ですね。スイングスピードが速いわけでもないのに、技術でスタンド越えまで持っていってしまう。
おかわりくんこと中村剛也もそうなんですが、「技」の長距離ヒッターには日本人的なロマンがあります。
それにしても「暑さ」、この描写の絶対的不足には今回凪さんに指摘されるまでまったく思い至りませんでした。
正直、今の夏の高校野球は自分の子供時代と比べて、気候的にはるかに苛酷となっているでしょう。連投制限の議論が起こるのも無理ないな、と思います。
にもかかわらず、灼熱のごときマウンド風景をまったく描けていないのはどういうことだ。反省材料がまたひとつ増えてしまいました。
感想、本当にありがとうございました。また凪さんの作品にもお邪魔させていただきますので。
- 遊佐東吾
- 2015年 08月15日 22時08分
[良い点]
*現在最新更新分の十五話目「風向き」まで読了。
まずもって何はともあれ主役でありヒロインたる「ナツ」がストレートに強く魅力的です。彼女の存在が物語の魅力を牽引しており、先をどんどん読まされる要因になっていると感じます。実際のところそう台詞は多くなく字の分も彼女の幼馴染の少年側の視点での三人称で進行しているのですが、ちょっとした短い台詞、表情や動作の描写がいちいちよく響いてきます。よくある「天才型」に見えなくもない、底まで複雑ではない造形だということもあるのかもしれませんが、ナツというキャラクターが醸し出す空気、雰囲気、息遣いのようなものがすっと感じられる点はこの作品でもかなり大きな利点であり魅力だと感じました。
他キャラクターに関しても野球ものということで捕手や他のメンバーなどちょいちょい出てくるのですが、ちょいちょい、であるにもかかわらず人物としてきちんと印象に残るのは読んでいて快適でしたし面白いところでした。台詞文の現実寄りな口語口調が上手いのかもしれません。一言一言が学生っぽい、運動部っぽい(アバウトな感想だ)雰囲気を感じられるようにしていると思います。
また、文章全体に関しても読みづらさが無くむしろ引っ掛かりが無い読みやすいものになっていると思います。基本的な作法は言うに及ばず、臭みになるような過剰な装飾が無くそれでいてきっちり芯のあるものではないかなと思います。
文章がしっかりしていてキャラが魅力的、これらのおかげで特に野球に興味が無くともスポーツもの部活ものの空気感を楽しくおもしろく感じることが出来、なんともいいものでした。
[気になる点]
全体的にとても読みやすくてよいのですが、一シーン一シーンではなく、またキャラクター個別の魅力ではなく、物語り全体の構成としてみたときに、すこし平坦な印象があるかな、とは感じました。一つ一つのシーンは面白いし、人物も魅力的なのですが、全体としてよくいわれる「起承転結」や「三幕構成」のようなアップダウンに欠けるかなと感じてしまいました。
女子参加は認められていない、というインパクトある一文でプロローグが締められては入るけれどその問題は序盤であっさり解決してしまっていますし(プロローグでの印象的な問題の提示に見えてしまっただけに肩すかしのような感じがしました)、各シーンもシーン内部にはきちんとアップダウンというか起承転結的な面白さがあるのですが、そうしたシーン同士の結びつきも弱く感じます。
取材シーン、野球シーン、主人公の内面シーン、と分かれているのが、少し分れすぎているのかもしれません。それぞれが有機的に絡み合って盛り上がり、あるいはピンチを迎え盛り下がり、そこからまた息を吹き返し、というようないわゆるエンタメ的なアップダウンの楽しみがやや足りないかなと感じてしまいました。
(勿論現在十五部目、八万字時点での感想ですので今後の展開によってはこんな感想はかなり変わってくるのかもしれません)
[一言]
とにもかくにも、ナツだなーと。
正直読み始めはクッソ失礼なことに野球ものあんまり興味ないしどうなんだろうと思っていたのですが、ナツのおかげで引っ張られるように読んでしまいます。とまらねーよという感じで。
「七月十七日 2」の終盤のナツ台詞を読んだ身としては、もうこの作品は最期まで読まねばならぬとただそう思うばかりです。
楽しい作品を有難う&残り分アップもよろしくお願いいたします。楽しみにしております。
*現在最新更新分の十五話目「風向き」まで読了。
まずもって何はともあれ主役でありヒロインたる「ナツ」がストレートに強く魅力的です。彼女の存在が物語の魅力を牽引しており、先をどんどん読まされる要因になっていると感じます。実際のところそう台詞は多くなく字の分も彼女の幼馴染の少年側の視点での三人称で進行しているのですが、ちょっとした短い台詞、表情や動作の描写がいちいちよく響いてきます。よくある「天才型」に見えなくもない、底まで複雑ではない造形だということもあるのかもしれませんが、ナツというキャラクターが醸し出す空気、雰囲気、息遣いのようなものがすっと感じられる点はこの作品でもかなり大きな利点であり魅力だと感じました。
他キャラクターに関しても野球ものということで捕手や他のメンバーなどちょいちょい出てくるのですが、ちょいちょい、であるにもかかわらず人物としてきちんと印象に残るのは読んでいて快適でしたし面白いところでした。台詞文の現実寄りな口語口調が上手いのかもしれません。一言一言が学生っぽい、運動部っぽい(アバウトな感想だ)雰囲気を感じられるようにしていると思います。
また、文章全体に関しても読みづらさが無くむしろ引っ掛かりが無い読みやすいものになっていると思います。基本的な作法は言うに及ばず、臭みになるような過剰な装飾が無くそれでいてきっちり芯のあるものではないかなと思います。
文章がしっかりしていてキャラが魅力的、これらのおかげで特に野球に興味が無くともスポーツもの部活ものの空気感を楽しくおもしろく感じることが出来、なんともいいものでした。
[気になる点]
全体的にとても読みやすくてよいのですが、一シーン一シーンではなく、またキャラクター個別の魅力ではなく、物語り全体の構成としてみたときに、すこし平坦な印象があるかな、とは感じました。一つ一つのシーンは面白いし、人物も魅力的なのですが、全体としてよくいわれる「起承転結」や「三幕構成」のようなアップダウンに欠けるかなと感じてしまいました。
女子参加は認められていない、というインパクトある一文でプロローグが締められては入るけれどその問題は序盤であっさり解決してしまっていますし(プロローグでの印象的な問題の提示に見えてしまっただけに肩すかしのような感じがしました)、各シーンもシーン内部にはきちんとアップダウンというか起承転結的な面白さがあるのですが、そうしたシーン同士の結びつきも弱く感じます。
取材シーン、野球シーン、主人公の内面シーン、と分かれているのが、少し分れすぎているのかもしれません。それぞれが有機的に絡み合って盛り上がり、あるいはピンチを迎え盛り下がり、そこからまた息を吹き返し、というようないわゆるエンタメ的なアップダウンの楽しみがやや足りないかなと感じてしまいました。
(勿論現在十五部目、八万字時点での感想ですので今後の展開によってはこんな感想はかなり変わってくるのかもしれません)
[一言]
とにもかくにも、ナツだなーと。
正直読み始めはクッソ失礼なことに野球ものあんまり興味ないしどうなんだろうと思っていたのですが、ナツのおかげで引っ張られるように読んでしまいます。とまらねーよという感じで。
「七月十七日 2」の終盤のナツ台詞を読んだ身としては、もうこの作品は最期まで読まねばならぬとただそう思うばかりです。
楽しい作品を有難う&残り分アップもよろしくお願いいたします。楽しみにしております。
深津さん、改めまして感想ありがとうございます。
ナツに対してこちらが想像していなかったほどの称賛の言葉をいただき、ありがたさを通り越して不安になるくらいです。
彼女に関しては「強すぎる者が繊細でないと誰が決めた?」というところから性格が固まっていきました。繊細ってわりあい便利な言葉で、フラジャイルであることをいろいろひっくるめて使われているように思います。そういった「弱さ」に繋がることはなるべく彼女から取り除こう、と考えたのです。そのうえでナツに繊細さを与えたかった。
最後まで書いてみて、その意図がどこまで実を結んだかの判断は難しいところですねえ。完全無欠でない以上はやはり脆い箇所を描かざるをえなかったので。
文章を読みやすいと言っていただけたことにはほっとしました。推敲のときなんかもそこばかり気にかけているものですから。自分は文章の読みやすさ=気持ちのよさ、というふうに捉えています。ですから一にも二にもリズムがどうか、その点を最重視しています。
どこに重きを置くか、というのは書き手の方それぞれに美学なりルールなりがあって、なかなか面白い話題になりそうですよね。
ご指摘いただいた欠点に関しては、これはもう反論の余地なくおっしゃる通りです。
平熱の物語、とでも言いましょうか。あまりにも淡々とした進行に、自分で「これほんとにスポーツものか?」と何度も思いましたし。
読み返してみて、欠点の根本は三人称の利点をまったく使えていないことにあるのではないかと自分では考えています。複数人物の視点を駆使してもっと重層的な構造にすればもっとメリハリはついたはずですから。
逆にあくまでナツとタケルの二人にこだわるのなら、三人称ではなくタケルの一人称にすべきでした。その選択ミスには悔いが残ります。
あと、「シーンが分かれている」というご指摘にははっとさせられました。何といいますか、新井場記者をナツが大会に出られるようにするためだけに登場させたような後ろめたさがあったので。見抜かれたな、と。
ちなみに8万字というのはラストまで予約投稿した分も含めての文字数なのです。自分も予約分が含まれることを知らず、まだ2話の段階で8万字と表記されてたのには思わず笑いました。
全30話、8月10日で完結になるはずですので、どうぞナツたちを最後まで見届けてやってください。
真摯な感想、本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
ナツに対してこちらが想像していなかったほどの称賛の言葉をいただき、ありがたさを通り越して不安になるくらいです。
彼女に関しては「強すぎる者が繊細でないと誰が決めた?」というところから性格が固まっていきました。繊細ってわりあい便利な言葉で、フラジャイルであることをいろいろひっくるめて使われているように思います。そういった「弱さ」に繋がることはなるべく彼女から取り除こう、と考えたのです。そのうえでナツに繊細さを与えたかった。
最後まで書いてみて、その意図がどこまで実を結んだかの判断は難しいところですねえ。完全無欠でない以上はやはり脆い箇所を描かざるをえなかったので。
文章を読みやすいと言っていただけたことにはほっとしました。推敲のときなんかもそこばかり気にかけているものですから。自分は文章の読みやすさ=気持ちのよさ、というふうに捉えています。ですから一にも二にもリズムがどうか、その点を最重視しています。
どこに重きを置くか、というのは書き手の方それぞれに美学なりルールなりがあって、なかなか面白い話題になりそうですよね。
ご指摘いただいた欠点に関しては、これはもう反論の余地なくおっしゃる通りです。
平熱の物語、とでも言いましょうか。あまりにも淡々とした進行に、自分で「これほんとにスポーツものか?」と何度も思いましたし。
読み返してみて、欠点の根本は三人称の利点をまったく使えていないことにあるのではないかと自分では考えています。複数人物の視点を駆使してもっと重層的な構造にすればもっとメリハリはついたはずですから。
逆にあくまでナツとタケルの二人にこだわるのなら、三人称ではなくタケルの一人称にすべきでした。その選択ミスには悔いが残ります。
あと、「シーンが分かれている」というご指摘にははっとさせられました。何といいますか、新井場記者をナツが大会に出られるようにするためだけに登場させたような後ろめたさがあったので。見抜かれたな、と。
ちなみに8万字というのはラストまで予約投稿した分も含めての文字数なのです。自分も予約分が含まれることを知らず、まだ2話の段階で8万字と表記されてたのには思わず笑いました。
全30話、8月10日で完結になるはずですので、どうぞナツたちを最後まで見届けてやってください。
真摯な感想、本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
- 遊佐東吾
- 2015年 08月03日 22時55分
[一言]
さっそくですが、拝見させていただきました!
ここ最近の夏の青い空のイメージとあいまって、白球が空に消えていくその雰囲気が、文体の中からありありと浮かび上がるようでした。
高校野球ものかな? と思いきや、一癖ありそうな展開が文章の際語彙見えてきて、これからどういう展開になるのか、楽しみになりました。
更新お待ちしています。
さっそくですが、拝見させていただきました!
ここ最近の夏の青い空のイメージとあいまって、白球が空に消えていくその雰囲気が、文体の中からありありと浮かび上がるようでした。
高校野球ものかな? と思いきや、一癖ありそうな展開が文章の際語彙見えてきて、これからどういう展開になるのか、楽しみになりました。
更新お待ちしています。
凪さん、電光石火の感想をありがとうございます!
誰よりも強打を誇る女子高生、という点を除けば何だかんだで真っ当な高校野球ものとして描いております。その少女の打力はバリー・ボンズ(ステロイドver.)クラスではありますが。
ボクシングものを書かれている凪さんとは今後いろいろな話ができれば、と思っております。よろしくお願いします!
誰よりも強打を誇る女子高生、という点を除けば何だかんだで真っ当な高校野球ものとして描いております。その少女の打力はバリー・ボンズ(ステロイドver.)クラスではありますが。
ボクシングものを書かれている凪さんとは今後いろいろな話ができれば、と思っております。よろしくお願いします!
- 遊佐東吾
- 2015年 07月27日 21時47分
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