感想一覧

▽感想を書く
[一言]

 芽命にとって、主人公は救いを求める対象ではなかった、ということになるのでしょうか。
 彼の中を通り過ぎて行っただけで。

 
こちらにも感想を頂き、誠に有難うございます。

>芽命にとって、主人公は救いを求める対象ではなかった、ということになるのでしょうか。

色んな読み方が出来ると思いますが、芽命にとって、主人公は救いを求める対象ではありませんでしたが、救いではありました。ある意味で、それが本作を象徴しているかなぁと思います。

[良い点]
 夕日に照らされ、マグロの脂が光ってる。
 これはきっと赤身。ワサビ入りの特上の寿司ネタ。
 辛味が鼻を突き涙を誘う。
 滲んだ視界に映るのは夕日か……それともマグロか……もう、僕にはわからない。

 けれど僕のこんな暴言も――
 きっと夕日(マグロ)は許してくれると思うの。

 大将……もう一貫おかわりお願いしやす。
[気になる点]
 ふと思ったのですが、マグロさんってこんな韻文詩的な感じでしたっけ?(序盤)
 ひっくり返したような描写がテンポを崩しているような気がしました。
[一言]
 内容は罪と罰――というか、罪と罪と懺悔と後悔って感じでしょうか。
 ……いや、不条理と罰と懺悔と後悔か?
 まあそれはさておき。
 僕もこういう心の葛藤は好きで、この作中の主人公のように人間を常に追い求めています。

「なんで生きなきゃいけないの?」

 二度三度と読み返してみて、流石マグロ様と吐息を漏らしてしまいます。
 本当に絶望し、盲目となった人間は『生きる』なんてプラスの言葉を用いることはなかなかできませんよね。『圧力』は色々と受け取り方がありますが、めいちゃんの社会を嫌っている風な台詞から個ではなく枠と判断しました。
 ここであえてそれを使ったということは……まあ、つまりそういうことでしょう。
 伊藤計画大先生風に言えば、

Q.この理不尽、不条理、罪から逃れる方法はありますか?
A.存在します。例えば自殺とか自殺とか自殺などはいかがでしょう?

 ……みたいな?笑っ
 つまるところ、めいちゃんにはそれ以外の選択肢がなかった。
 でも、ここちょっと弱いかなーと。
 他に選択の余地がないから自殺――死を選ぶのであって、そこに自由意志なんて大そうなものはないと僕は思ってます。半ば脅迫概念に近い、社会的な重圧と自由への渇望からめいちゃんは自殺を選択したのですから……だから、もっと盲目的になってもいいんじゃないかなー、と思いました。

 ともあれ。
 めいちゃんのその状態は理解出来ますが、しかし、なぜめいちゃんは主人公に縋ったのか……ここで僕は首を傾げました。
 押し隠した『生きたい』という願望がそうさせたのでしょうか?
 それか、最後に不条理の中に光を見たかったのか……。
 あるいは、屋上に現れた主人公を夕日とダブらせたのか……。
 はたまた、決死の自殺を邪魔されてなんかムラムラしたのか……。(いや、これはないな)

 けれど残念ながら主人公は夕陽にはなれませんでしたね。

 さらに言えば、めいちゃんは後悔に沈む主人公に感謝しているのでしょう?

 ああ、もどかしい!
 このジレンマ製造機――もといマグロが憎い!
 大将! 鉄火丼のおかわりまだですか!?
  • 投稿者: 独楽
  • 男性
  • 2015年 08月07日 22時59分
この度も素敵な感想を有難うございます。
思わず昨夜、叫んでました。独楽さんキターー! と。笑

>けれど僕のこんな暴言も――
>きっと夕日(マグロ)は許してくれると思うの。

あははw 物語と私のペンネームを合わせて、これだけ上手く表現してくれる人を僕は知りません。有難うございます♪

>マグロさんってこんな韻文詩的な感じでしたっけ?(序盤)
>ひっくり返したような描写がテンポを崩しているような気がしました。

なるほど! 言われてみるとそうかもしれませんね。感覚的に書くとこうなってしまうのかもしれません。ちょいと序盤は修正の余地ありですね。助かりました(^^*)

>内容は罪と罰――というか、罪と罪と懺悔と後悔って感じでしょうか。

内容に関して僕が言えるのは――

”「里中芽命」という女の子がいたんです。今はもう、いないけど……”

という、主人公の翻訳です。

もともとは中編構想で、編集者に「どうして小説家になったんですか?」と尋ねられた際、主人公が答えようとして躊躇い、上記の言葉を述べるというプロットでした。

>僕もこういう心の葛藤は好きで、この作中の主人公のように人間を常に追い求めています。

ははは、知ってました。きっと独楽さんは好きだろうとw

>個ではなく枠と判断しました。ここであえてそれを使ったということは……まあ、つまりそういうことでしょう。

えぇ、そういうことです。枠組みが好きな物でw

>つまるところ、めいちゃんにはそれ以外の選択肢がなかった。
>でも、ここちょっと弱いかなーと。

なるほどなるほど。非常に参考になりました! 芽命に関しては、殆ど喋らせてないのですが、地の文で語らせたところに、彼女の全てがある感じです。

>なぜめいちゃんは主人公に縋ったのか……ここで僕は首を傾げました。

これは作品の本質になるので感想欄では書かないようにしますが、その行動から五日間の日々があり、最終的に「安心しているの」に繋がります。

>けれど残念ながら主人公は夕陽にはなれませんでしたね。

敢えて言うなら、主人公は夕陽になりました。
芽命にとって、五日間はとても……的なことがあるかもしれない(なんぞw)

>大将! 鉄火丼のおかわりまだですか!?

今回はある意味、分かり難い話でしたが……。
よろしければ同じような三千文字の「題名のない短編」をどうぞ。

あっちは分かりやすいです。
でも多分、独楽さんはこっちの方が好きだろうな。

芽命の五日間を想像すると、結構楽しいかもです。それを含めて飛び込んだ彼女の。
[一言]
読者に考えさせるような話で個人的にものすごく熱中して読めました!。
なぜ里中が自殺してしまったのか。 その答えを出さない代わりに、答えへの道筋がたててあり自分なりに答えを考えるのが楽しかったです!

大変良いものを読まさせてもらいました。 ありがとうございます!
  • 投稿者: 波止 晴信
  • 男性
  • 2015年 08月07日 18時27分
>読者に考えさせるような話で個人的にものすごく熱中して読めました!

恐縮です。少しでも頂いた時間が無駄にならなかったのなら、嬉しく思います★

>なぜ里中が自殺してしまったのか。 その答えを出さない代わりに、答えへの道筋がたててあり自分なりに答えを考えるのが楽しかったです!

いや~~そうですか。自分の小説を書くスタンスは、ただ物語を提示するだけでなく、その中で色々と考えて頂ければこれ幸いと思っておりました。今後の執筆意欲に繋がる感想を、本当に有難う御座います!

>大変良いものを読まさせてもらいました。 ありがとうございます!

こちらこそ、時間を割いて拙作を読んで頂くばかりか、素敵な感想を残して頂き有難う御座いました(^^*)/
↑ページトップへ