感想一覧
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[良い点]
全編を通して、着眼点と雰囲気が素晴らしい。これは練習してもなかなか身に付かない感覚だと思います。才能でしょうね。夏、というキーワードを共有して、直球ホラーあり、幻想的な怪奇譚ありと、抽斗の多さも凄い。
[一言]
お疲れ様でした! 季節はすっかり冬となってしまいましたが、堪能致しました。夏になったらまた読みたい作品ですね。夏という季節の、激しさと脆さ、鮮明でありながら朧なあの空気感。見事に表現されていたと思います。ホラーとしての出来だけではなく、文学作品としても優秀なオムニバスでございました。
以下、特に心に残った箇所について。
「ピーホープ」
完成度が高いですね。開幕からは想像もつかないオチに繋がる。海外の短編を思わせる味があります。ピーの話はとても興味深い。やはり下調べがキッチリしてると、物語に奥行きが出ますね。もしこの中から公募用の作品を選べ、というのなら、私はこれを推します。
「蛤の夢」
幻想的な雰囲気にすっかり呑まれてしまいました。タイトルも綺麗ですよね。
余談ですが、蜃気楼を吐き出す貝は「シン」という名前だそうです。沖縄の言い伝えだっけ?
FF10のラスボス「シン」は、ストーリーといい世界観といい、ここから来ていると思われる。
「不可逆」
これは凄い! なんという発想!
漫画では見たことがあるのですが(しかもギャグ漫画)、小説でこのパターンにお目に掛かるのは初めて。よくこんなことを思い付くなぁ。構成に苦労されたのではないかと思います。欲を言えば、タイトルがもう少し露骨だったら、脚注を入れずに済んだかもしれません。
一度普通に読んで、次に下から読み返すと…なるほどね。後味がガラッと変わる。
「みなそこにしずむ」
ラストを飾るに相応しい空気感がありますね。ノスタルジーを禁じ得ない。ホラーなのに、何処か寂しくて、それでいて煌めいている。不思議な魅力のある作品でした。ラスト、主人公の口元は、うっすらと綻んでいたのではないでしょうか。なんとなくクトゥルフを連想させるオチ、お見事です。
タイトルは「皆其処に」と「水底」が掛かっているから平仮名…で、合ってますでしょうか。
「良い点」にも書きましたが、全体的に雰囲気と着想が飛び抜けております。ここがズバリ黒漆さんの才能であり、売りであるかと。
此方こそ、楽しい時間をどうもありがとうございました!
いろいろ勉強にもなりました(笑)。
全編を通して、着眼点と雰囲気が素晴らしい。これは練習してもなかなか身に付かない感覚だと思います。才能でしょうね。夏、というキーワードを共有して、直球ホラーあり、幻想的な怪奇譚ありと、抽斗の多さも凄い。
[一言]
お疲れ様でした! 季節はすっかり冬となってしまいましたが、堪能致しました。夏になったらまた読みたい作品ですね。夏という季節の、激しさと脆さ、鮮明でありながら朧なあの空気感。見事に表現されていたと思います。ホラーとしての出来だけではなく、文学作品としても優秀なオムニバスでございました。
以下、特に心に残った箇所について。
「ピーホープ」
完成度が高いですね。開幕からは想像もつかないオチに繋がる。海外の短編を思わせる味があります。ピーの話はとても興味深い。やはり下調べがキッチリしてると、物語に奥行きが出ますね。もしこの中から公募用の作品を選べ、というのなら、私はこれを推します。
「蛤の夢」
幻想的な雰囲気にすっかり呑まれてしまいました。タイトルも綺麗ですよね。
余談ですが、蜃気楼を吐き出す貝は「シン」という名前だそうです。沖縄の言い伝えだっけ?
FF10のラスボス「シン」は、ストーリーといい世界観といい、ここから来ていると思われる。
「不可逆」
これは凄い! なんという発想!
漫画では見たことがあるのですが(しかもギャグ漫画)、小説でこのパターンにお目に掛かるのは初めて。よくこんなことを思い付くなぁ。構成に苦労されたのではないかと思います。欲を言えば、タイトルがもう少し露骨だったら、脚注を入れずに済んだかもしれません。
一度普通に読んで、次に下から読み返すと…なるほどね。後味がガラッと変わる。
「みなそこにしずむ」
ラストを飾るに相応しい空気感がありますね。ノスタルジーを禁じ得ない。ホラーなのに、何処か寂しくて、それでいて煌めいている。不思議な魅力のある作品でした。ラスト、主人公の口元は、うっすらと綻んでいたのではないでしょうか。なんとなくクトゥルフを連想させるオチ、お見事です。
タイトルは「皆其処に」と「水底」が掛かっているから平仮名…で、合ってますでしょうか。
「良い点」にも書きましたが、全体的に雰囲気と着想が飛び抜けております。ここがズバリ黒漆さんの才能であり、売りであるかと。
此方こそ、楽しい時間をどうもありがとうございました!
いろいろ勉強にもなりました(笑)。
明けましておめでとうございます雪麻呂先生、まずはご感想並びにレビューまでも有難うございました。どれも簡単には得難きお言葉ばかりで恐縮しております。明けて早々、嬉しくて舞い上がっております。
穴の空いた抽斗を引っさげた上、中々に癖のある文章ですので万人受けはしないのですが、実力を備えておられます雪麻呂先生に受け入れていただけたようで嬉しく思い、審美眼を備えた先生に受け入れていただけたことがまた、自信にも繋がります、重ね重ね有難うございました。少しくだくだしくはありますが、頂戴しましたご感想を噛み締めて、一言ずつ返答させていただきたく思います。
ピーホープ、実はタイに旅行したことが有りまして、当時田舎まで足を伸ばしたのですが、独特の猥雑さと言いますか、発展途上国特有の面白い空気感があるんですよね。そうした空気感が少しでも伝えられたら良かったと思っております。また、何が怖いか、という感じ方も国によって異なるので、その違いがうまく表現できたら良かったとも思うのですが、根本的に怖くなければ意味がないのでそこが難しい所で、書き手としてまだまだだなと思っております。
蛤の見る夢、蜃気楼の蜃の字は巨大な蛤の事なのだそうです、元は中国の龍の伝説が起源の様です。眠る龍の見る夢が空に映し出される、それを考えただけで幻想的で物語が浮かびます。題材が良いのに文章足らずでうまく料理できて居ない気がしておりますので、いつか加筆すると思います、すいません。FF10のシン、ご指摘を受けまして成程なと思いました。滅んだ国の祈り子が蛤の立ち位置でしょうか、案外元ネタはそれなのかもしれません。
不可逆、これは形にとらわれない文章、という思考を幾つか試してみまして、実験的に作った作品でした。もう少し長い文章にするつもりが、私にはこれが限界でした。タイトル難しいです、何とすれば良かったのか、いつも考えすぎて逆に失敗してます。他にも頭に結末を持ってきてそこまでに至る経緯を楽しむ古畑風小説など、色々考えたのですが果たして成功と言えるのかどうか私にもわかりません(笑)
みなそこにしずむ、ご推察に間違いありません。「水底」と「皆そこ」をかけて平仮名にしました。切なさやノスタルジーを感じていただけたならば、私のかけた網にかかって頂けたと言うことでしょうか、有難うございます。郷愁を引き出せたらと思案して作っておりましたので、こうしたご感想がとても嬉しいです。
やって参りました本格的な冬の季節に心も体も(懐も)冷えていた所、温かいお言葉、また私なぞには勿体ないご感想を頂き、暖かくなりました。拙作ばかりの不束者ではありますが、今年もお付き合いの程よろしくお願い致します、今回も丁寧で大変嬉しいお言葉の山、有難うございました。又、先生の御作も楽しませて頂きたく思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
穴の空いた抽斗を引っさげた上、中々に癖のある文章ですので万人受けはしないのですが、実力を備えておられます雪麻呂先生に受け入れていただけたようで嬉しく思い、審美眼を備えた先生に受け入れていただけたことがまた、自信にも繋がります、重ね重ね有難うございました。少しくだくだしくはありますが、頂戴しましたご感想を噛み締めて、一言ずつ返答させていただきたく思います。
ピーホープ、実はタイに旅行したことが有りまして、当時田舎まで足を伸ばしたのですが、独特の猥雑さと言いますか、発展途上国特有の面白い空気感があるんですよね。そうした空気感が少しでも伝えられたら良かったと思っております。また、何が怖いか、という感じ方も国によって異なるので、その違いがうまく表現できたら良かったとも思うのですが、根本的に怖くなければ意味がないのでそこが難しい所で、書き手としてまだまだだなと思っております。
蛤の見る夢、蜃気楼の蜃の字は巨大な蛤の事なのだそうです、元は中国の龍の伝説が起源の様です。眠る龍の見る夢が空に映し出される、それを考えただけで幻想的で物語が浮かびます。題材が良いのに文章足らずでうまく料理できて居ない気がしておりますので、いつか加筆すると思います、すいません。FF10のシン、ご指摘を受けまして成程なと思いました。滅んだ国の祈り子が蛤の立ち位置でしょうか、案外元ネタはそれなのかもしれません。
不可逆、これは形にとらわれない文章、という思考を幾つか試してみまして、実験的に作った作品でした。もう少し長い文章にするつもりが、私にはこれが限界でした。タイトル難しいです、何とすれば良かったのか、いつも考えすぎて逆に失敗してます。他にも頭に結末を持ってきてそこまでに至る経緯を楽しむ古畑風小説など、色々考えたのですが果たして成功と言えるのかどうか私にもわかりません(笑)
みなそこにしずむ、ご推察に間違いありません。「水底」と「皆そこ」をかけて平仮名にしました。切なさやノスタルジーを感じていただけたならば、私のかけた網にかかって頂けたと言うことでしょうか、有難うございます。郷愁を引き出せたらと思案して作っておりましたので、こうしたご感想がとても嬉しいです。
やって参りました本格的な冬の季節に心も体も(懐も)冷えていた所、温かいお言葉、また私なぞには勿体ないご感想を頂き、暖かくなりました。拙作ばかりの不束者ではありますが、今年もお付き合いの程よろしくお願い致します、今回も丁寧で大変嬉しいお言葉の山、有難うございました。又、先生の御作も楽しませて頂きたく思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
- 黒漆
- 2016年 01月02日 17時19分
[良い点]
圧倒的な文章力に引き込まれました。というか、溺れました。陰惨でありながら、耽美な印象すら受けます。
必ずしもおどろおどろしい作品ばかりではないのに、どれも怖い。哀切に満ちた作品であっても、きっちりと、怖い。恐怖には様々な種類があることを認識するとともに、ホラージャンルの可能性を感じました。
[一言]
商業作品のアンソロジーに収録されていてもおかしくないほど、クオリティの高い短編ばかりでした。再録の作品もあるようですが、「帰宅」以外は未読でしたのでほぼ一気読みで楽しませて頂きました。
海の怪、山の怪、都市伝説のように囁かれる怪……場所も種類も様々な怪異譚がリアリティたっぷりに描かれ、そのどれもに深く介在している人間の闇が鮮やかに浮かび上がってきます。自然界に存在するアヤカシとそれを恐れる(あるいは望む)ヒトの心が共鳴した時、恐怖が生まれるのかもしれないと感じました。
どの作品も素晴らしいのですが、最新話「ひととなり」への感想を少々。
現在である『浅雛の姿をしたモノ』のセリフと、過去である二人での登山、そして過去の浅雛が語る学生時代の登山の回想、三つの時間軸が交互に描かれていてもまったく混乱せず、むしろどうつながるのか期待をもって読み進められました。この構成力はお見事だと思います。かつて猿を虐待した浅雛が猿の姿に似た化物(山の神かもしれませんね)に食い殺されるのは、山を汚した人間の一種の因果応報にも感じられますが、そこから先の展開がシュールでした。主人公の末路は、友人を見捨てた罰というより、罪悪感を捨てきれなかった人間性への救いであるようにも思えました。
怖いけれど美しい短編集をありがとうございました。これからも更新を楽しみしています。
圧倒的な文章力に引き込まれました。というか、溺れました。陰惨でありながら、耽美な印象すら受けます。
必ずしもおどろおどろしい作品ばかりではないのに、どれも怖い。哀切に満ちた作品であっても、きっちりと、怖い。恐怖には様々な種類があることを認識するとともに、ホラージャンルの可能性を感じました。
[一言]
商業作品のアンソロジーに収録されていてもおかしくないほど、クオリティの高い短編ばかりでした。再録の作品もあるようですが、「帰宅」以外は未読でしたのでほぼ一気読みで楽しませて頂きました。
海の怪、山の怪、都市伝説のように囁かれる怪……場所も種類も様々な怪異譚がリアリティたっぷりに描かれ、そのどれもに深く介在している人間の闇が鮮やかに浮かび上がってきます。自然界に存在するアヤカシとそれを恐れる(あるいは望む)ヒトの心が共鳴した時、恐怖が生まれるのかもしれないと感じました。
どの作品も素晴らしいのですが、最新話「ひととなり」への感想を少々。
現在である『浅雛の姿をしたモノ』のセリフと、過去である二人での登山、そして過去の浅雛が語る学生時代の登山の回想、三つの時間軸が交互に描かれていてもまったく混乱せず、むしろどうつながるのか期待をもって読み進められました。この構成力はお見事だと思います。かつて猿を虐待した浅雛が猿の姿に似た化物(山の神かもしれませんね)に食い殺されるのは、山を汚した人間の一種の因果応報にも感じられますが、そこから先の展開がシュールでした。主人公の末路は、友人を見捨てた罰というより、罪悪感を捨てきれなかった人間性への救いであるようにも思えました。
怖いけれど美しい短編集をありがとうございました。これからも更新を楽しみしています。
非常にご丁寧なご感想ありがとうございました、橘先生。過分なお言葉並びにご評価まで、恐縮しております。正直ここまでのご感想を頂けるとは思っておらず、もしや、別の方へのご感想かと二度見してしまいました。実力ある書き手であらせられます先生方に勿体ないお言葉をいただけると、なんだか申し訳ない気持ちになります。
文章力、構成と怖さ、この要素を褒めていただけた事、恐怖小説書きとして感無量で書いていて良かったと感じます。まだまだ拙い文章書きではありますが、これを糧に暫くは続けてゆけそうです、ありがとうございました。
「ひととなり」についてはやはり時間軸が解りにくく、大丈夫だろうかなどと書いた私自身が不安に思っていたので、こうしたお言葉がありがたく、安心をいただけました。やはりホラーと言えば、人間の心がどう作用するかにかかっていると勝手に私は思っているのですが、そうした話の進め方を汲んでい頂けたようでとても嬉しく思っております。
今回も嬉しいお言葉、ありがとうございました。気温の変化から体調を崩しやすい季節となりましたが、どうかお体にはお気を付けて。私も先生の新作を楽しみにしております。
文章力、構成と怖さ、この要素を褒めていただけた事、恐怖小説書きとして感無量で書いていて良かったと感じます。まだまだ拙い文章書きではありますが、これを糧に暫くは続けてゆけそうです、ありがとうございました。
「ひととなり」についてはやはり時間軸が解りにくく、大丈夫だろうかなどと書いた私自身が不安に思っていたので、こうしたお言葉がありがたく、安心をいただけました。やはりホラーと言えば、人間の心がどう作用するかにかかっていると勝手に私は思っているのですが、そうした話の進め方を汲んでい頂けたようでとても嬉しく思っております。
今回も嬉しいお言葉、ありがとうございました。気温の変化から体調を崩しやすい季節となりましたが、どうかお体にはお気を付けて。私も先生の新作を楽しみにしております。
- 黒漆
- 2015年 10月12日 17時36分
[良い点]
いずれも雰囲気たっぷりで、この季節らしい作品ですね。
特にお気に入りは「夏のあわい」です。こういう雰囲気、常々書いてみたいなぁと思っているので、勉強になります!
[一言]
未読のものがありましたので、読ませて頂きました! 夏の終わりのこの時期は、なんだか物悲しい空気が漂うというか、理由もなく寂しくなるというか。そんな頃にピッタリな、雰囲気満載のお話が多いですね。
特に惹かれたのは「凶体」と「夏のあわい」。
「凶体」は、主人公のお守りと不死身男がどこで絡むのか、予想しながら読んでいたのですが、オチを読めずに終盤で「Σ(゜д゜) エッ!?」てなりました(笑)。あぁそうか、そういうことだったのか…この不死身男、というかゾンビ男、いったいあと何年生かされるのでしょうね。100か200か、それとも…いやはや、怖い。しかも後には死体の山が出来上がるわけですな。もう彼が悪霊ですよね。
そして奇妙な味わい「夏のあわい」。
こういう、グロじゃないけど足の裏がモゾモゾするような恐怖、好きなんですよ。印象深かったのは、頭が風船だったり飴玉だったり焼きそばだったりする人々です。これは映像で見たらさぞかし面白いぞ、と。ていうか、何処からそんなイメージが浮かんだのか、差支えなければ教えて頂きたいです(笑)。普通、思い付かないですよ! 彼らのビジュアルだけで、グッと作中に引き込まれてしまう。
影が逃げる、というモチーフもメルヘンチックで素敵ですね。この場合、影は現実世界への未練のようなものの暗示なのかなぁ、と無粋な想像をしてみたり。最後、男の子が主人公の名前を口にした事実は、なんだか此方も救われたような気がしました。
「あわい」ってなんなんだろう。「淡い」と掛けてるのかな? と勝手に思ったりしてみる。
いずれも雰囲気たっぷりで、この季節らしい作品ですね。
特にお気に入りは「夏のあわい」です。こういう雰囲気、常々書いてみたいなぁと思っているので、勉強になります!
[一言]
未読のものがありましたので、読ませて頂きました! 夏の終わりのこの時期は、なんだか物悲しい空気が漂うというか、理由もなく寂しくなるというか。そんな頃にピッタリな、雰囲気満載のお話が多いですね。
特に惹かれたのは「凶体」と「夏のあわい」。
「凶体」は、主人公のお守りと不死身男がどこで絡むのか、予想しながら読んでいたのですが、オチを読めずに終盤で「Σ(゜д゜) エッ!?」てなりました(笑)。あぁそうか、そういうことだったのか…この不死身男、というかゾンビ男、いったいあと何年生かされるのでしょうね。100か200か、それとも…いやはや、怖い。しかも後には死体の山が出来上がるわけですな。もう彼が悪霊ですよね。
そして奇妙な味わい「夏のあわい」。
こういう、グロじゃないけど足の裏がモゾモゾするような恐怖、好きなんですよ。印象深かったのは、頭が風船だったり飴玉だったり焼きそばだったりする人々です。これは映像で見たらさぞかし面白いぞ、と。ていうか、何処からそんなイメージが浮かんだのか、差支えなければ教えて頂きたいです(笑)。普通、思い付かないですよ! 彼らのビジュアルだけで、グッと作中に引き込まれてしまう。
影が逃げる、というモチーフもメルヘンチックで素敵ですね。この場合、影は現実世界への未練のようなものの暗示なのかなぁ、と無粋な想像をしてみたり。最後、男の子が主人公の名前を口にした事実は、なんだか此方も救われたような気がしました。
「あわい」ってなんなんだろう。「淡い」と掛けてるのかな? と勝手に思ったりしてみる。
雪麻呂先生、いつも大変嬉しいご感想並びにご評価、大変有難うございます。夏といえば怪談の季節、ホラーが輝ける季節です。その季節の終わりに後引く恐ろしさを少しでも感じていただけたなら、書き手としてとても嬉しく思っております。
凶体は人間の執着心が怪異をより恐ろしくする、という設定の元で考えました。他の人間ではそこまで被害が広がることはなかった、彼であったからこそ、という所が肝でしょうか。オチが読めないとは私にとっては最高の賛辞で、とても嬉しいお言葉でした。
夏のあわい、これは実は仰られますように淡い、でもありますし泡居でもあったりします。儚げでありながらどこかグロテスクな世界、純粋だからこそ残酷でもある世界を想像して描かせて頂きました。
食べ物の頭は夏祭りのイメージから来ています。頭は純粋さを映す鏡みたいなもので、其々の好きなものが頭になっている、そんな感じでしょうか。そうした頭でナイトパレードでもしたら賑やかで楽しそうですよね。ホラーでは有りませんが(笑)
影は分身、逃げようとしている現実の暗示、と言うことでずばり当たりです。現実世界を忘れていくと影が薄くなり、やがて無くなる、という設定でした。いやはや、流石に鋭いですね。こうして物語を読み解いて頂けると伝えたかった事が伝わった嬉しさを感じられて喜びもひとしおです、ありがとうございました。
今回も過分で勿体ないお言葉の数々、非常に恐縮しております。ありがとうございました。暫くは新作も加え、続けるつもりでおりますのでお付き合い頂けたらとても嬉しく思います。
- 黒漆
- 2015年 09月20日 23時11分
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