感想一覧
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[良い点]
タイトルのダブルミーニングが秀逸でした。
真衣の影に怯える智之の心理、ホラーとしても引き込まれてぞわぞわとするものだったのですが、深い愛情を描いた作品としてもとても楽しませていただきました。
自分で殺しておいて彼女の面影を求めてしまうなんて、優位に立っているつもりで完全に支配されている智之と、死んでなお彼を翻弄する真衣の関係性が素敵でした。
一生懸命「神経質に」家の中を乱して、そしてそれを忘れてしまうという心理、智之のその様子が一番のホラーだったかもしれません。
自らの最低ぶりを認めるラストの、奇妙な爽やかさが印象に残りました。ここに来て初めて、ふたりは対等な関係になれたのかな、などと思いました。
[一言]
物語として見た時の感想は上記の通りなのですが、自らの経験を呼び起こしてしまう辺り、真衣の描写に非常にリアリティを感じました。
私もずぼらな、真衣側の人間なのですが、だからこそ何事も起きなかった場合の人間関係としては智之の方に同情しました。
「私は気にしない」としても、自身の行動で相手を不快にさせているのは重大なことだと思うのです。「気にする方がおかしい」としても、おかしい人を好きになって一緒にいようとしているのは自分なのだから、省みたり注意したりすることは必要なのでは、と思ってしまうのです。完全に自分の経験から来る思いなのですが。
更に、やんわりとはいえ注意して改善を促していた智之に比べると、真衣は黙って耐えていただけなので、努力の方向性が噛み合っていなかったなあと残念に思ってしまいました。
とはいうものの、お互いこれだけ噛み合わないところがあるのに別れる選択肢は浮かばなかったのは愛ゆえなのか。愛が冷めていないうちに相違点が目についてしまったのが悲劇の源なのか。人の気持ちというのは難しい、と改めて感じました。
タイトルのダブルミーニングが秀逸でした。
真衣の影に怯える智之の心理、ホラーとしても引き込まれてぞわぞわとするものだったのですが、深い愛情を描いた作品としてもとても楽しませていただきました。
自分で殺しておいて彼女の面影を求めてしまうなんて、優位に立っているつもりで完全に支配されている智之と、死んでなお彼を翻弄する真衣の関係性が素敵でした。
一生懸命「神経質に」家の中を乱して、そしてそれを忘れてしまうという心理、智之のその様子が一番のホラーだったかもしれません。
自らの最低ぶりを認めるラストの、奇妙な爽やかさが印象に残りました。ここに来て初めて、ふたりは対等な関係になれたのかな、などと思いました。
[一言]
物語として見た時の感想は上記の通りなのですが、自らの経験を呼び起こしてしまう辺り、真衣の描写に非常にリアリティを感じました。
私もずぼらな、真衣側の人間なのですが、だからこそ何事も起きなかった場合の人間関係としては智之の方に同情しました。
「私は気にしない」としても、自身の行動で相手を不快にさせているのは重大なことだと思うのです。「気にする方がおかしい」としても、おかしい人を好きになって一緒にいようとしているのは自分なのだから、省みたり注意したりすることは必要なのでは、と思ってしまうのです。完全に自分の経験から来る思いなのですが。
更に、やんわりとはいえ注意して改善を促していた智之に比べると、真衣は黙って耐えていただけなので、努力の方向性が噛み合っていなかったなあと残念に思ってしまいました。
とはいうものの、お互いこれだけ噛み合わないところがあるのに別れる選択肢は浮かばなかったのは愛ゆえなのか。愛が冷めていないうちに相違点が目についてしまったのが悲劇の源なのか。人の気持ちというのは難しい、と改めて感じました。
Veilchen 様
丁寧なご感想をありがとうございました!
タイトルについてのお褒めのお言葉、たいへん嬉しく思います。最初からダブルミーニングを狙っていたわけではないのですが、真衣のズボラさが智之の犯罪を露呈させ、破滅に導くようなオチを…と頭を捻った結果です。
実は自分でやっていた系のホラーはわりとよくあるネタだったかもしれません(雪山遭難の「歩く死体」とか)。種明かしの意外性よりも、そこに至るまでの心理状況を怖がって頂きたかったので、うまく伝わったようで嬉しいです。
恋愛小説の側面から本作を読んで下さり、作者としては目からウロコでした(笑)。そうだった、この二人は恋人だった……。
ズボラなところも含めて好きになったはずだから、自分の選択には間違いがなかったと信じたくて、智之はストレスを溜めこんでしまったのかもしれません。「ズボラな君を許せちゃう僕」というキャラに酔っていたといいますか。でもそれはやはり大きな欺瞞ですから、どこかできちんと思いを伝えるべきだったのですよね。
真衣の方も、自分も譲ってるんだということを主張すればよかったですね。とはいえ、彼女の方は本当に鷹揚だから、それほど我慢していなかったのかも。いずれにせよ、噛み合わない二人です。
皆さん、ご自分の日常生活を省みたご感想をお寄せ下さるのですが、他人に嫌な思いをさせちゃあいかんね~と口々におっしゃいます(笑)。私もそうだと思います。パスタ瓶で殴られないように気をつけよう。
温かく、示唆に富んだご感想をありがとうございました。お互いに創作活動をがんばりましょう!
丁寧なご感想をありがとうございました!
タイトルについてのお褒めのお言葉、たいへん嬉しく思います。最初からダブルミーニングを狙っていたわけではないのですが、真衣のズボラさが智之の犯罪を露呈させ、破滅に導くようなオチを…と頭を捻った結果です。
実は自分でやっていた系のホラーはわりとよくあるネタだったかもしれません(雪山遭難の「歩く死体」とか)。種明かしの意外性よりも、そこに至るまでの心理状況を怖がって頂きたかったので、うまく伝わったようで嬉しいです。
恋愛小説の側面から本作を読んで下さり、作者としては目からウロコでした(笑)。そうだった、この二人は恋人だった……。
ズボラなところも含めて好きになったはずだから、自分の選択には間違いがなかったと信じたくて、智之はストレスを溜めこんでしまったのかもしれません。「ズボラな君を許せちゃう僕」というキャラに酔っていたといいますか。でもそれはやはり大きな欺瞞ですから、どこかできちんと思いを伝えるべきだったのですよね。
真衣の方も、自分も譲ってるんだということを主張すればよかったですね。とはいえ、彼女の方は本当に鷹揚だから、それほど我慢していなかったのかも。いずれにせよ、噛み合わない二人です。
皆さん、ご自分の日常生活を省みたご感想をお寄せ下さるのですが、他人に嫌な思いをさせちゃあいかんね~と口々におっしゃいます(笑)。私もそうだと思います。パスタ瓶で殴られないように気をつけよう。
温かく、示唆に富んだご感想をありがとうございました。お互いに創作活動をがんばりましょう!
- 橘 塔子
- 2016年 04月12日 21時28分
[一言]
ようやく落ち着きを取り戻してきたので書きます。(笑)
いやあ、これはやばかったですね。読み終わったあと動機が止まりませんでした。こんなに心に突き刺さったのは久しぶりです。
怖い……怖い……こんな作品を書いちゃう橘さんが怖い……。
わたしは智之ほど几帳面でもなければ真衣ほどズボラでもありませんが、感情移入したのは完全に智之側です!
自分がイライラさせてることには気づかないけど他人にはイライラして、でも言わないで我慢して、そんな相手に愛憎感じていて。特にこの一、二年はそんな出来事が多くて、まさに身近なテーマでした。
さ、さてはわたしの心を読んで書きましたね!? ……ってくらい的確で、しょっぱなからグサグサきました。
しかも橘さんは真衣側ですか! なのにどうしてこんなにリアルに書けるんですか!
でも感想欄で「誰しも智之と真衣の両方の面を持っている」という言葉を拝見して、すごく納得しました。ていうか、それに気づいている橘さんが怖いんですけど……。
智之と真衣、どちらも行き過ぎた性格ではなく、ものすごくリアルでした!
特に智之が真衣の鷹揚なところに惹かれて、初めはズボラさも微笑ましく思っているあたり、ものすごく共感できました。
ここからは、多分橘さんの意図とはちがう、相当曲解した話になるのですが……思いついちゃったので書きます。いつもいつもすみません。
こんなこと言ったら一瞬で友だち失いそうですが、自分と重ねて考察すると、優越感から来る愛なんですよね。少なくともわたしはそうです(智之はちがったらすみません)。相手のズボラな一面(あるいは常識外れな行動なども)を見たとき、そしてそれを黙って許してあげたとき、すごく優越感と深い愛情を感じるんですよね。って、ほんとに最低なやつだな! き、嫌いにならないで~。
なのに、一緒にいるとそれがどんどんストレスになってくるという……。でも許してあげると気持ちいいから許しちゃう。そしてストレスが溜まる。
まだタガが外れたことはありませんが、カッとなって殺しちゃった智之の気持ち、正直わかりますね。自分で自分の首を絞めているくせに、バカなやつ……。
最後は真衣への愛情を再確認するあたり、感動的でもあり、絶望的にも思えました。智之がわたしのような人間なら、彼はまた同じことを繰り返すような気がします……。
でも本当はもっとシンプルに、智之が真衣のいいところを思い出したハッピーエンドだと捉えたほうがいいのかな。意図と全然ちがっていたら、聞き流してください。
真衣のズボラな描写が、いちいちリアルでしたね! しかもしつこい! この一話まるまる使ったしつこいズボラさ、かなり心にダメージがありました。途中で「やめて~」って言いたくなったほどです。目論見どおり(?)かなりイライラしましたね。ものすごい説得力です。
それから、トランクのオチには唸らされました。うーん、まさか、そう持ってくるとは! これはイライラしますね。でも上で書いたような性格の智之なら、そんな彼女に無性に愛を感じて、黙って許すんでしょうね。
構成も、文章も、なにもかも秀逸でした。今までのホラーのなかで一番好きかもしれません!
そもそもなんでこんな話を思いつくことができたのか不思議でなりません。橘さんの才能を再確認させられた一編でした。(なんか偉そうですみません・汗)
いつもながら曲解した感想、自分語り、それも数か月遅れで読んだくせに大騒ぎして、本当にすみません。
ホラー大賞に出されていなければ危うく読み逃すところでした。今回読む機会をくださったこと、本当にありがとうございました!
投票しておきますね♪
ようやく落ち着きを取り戻してきたので書きます。(笑)
いやあ、これはやばかったですね。読み終わったあと動機が止まりませんでした。こんなに心に突き刺さったのは久しぶりです。
怖い……怖い……こんな作品を書いちゃう橘さんが怖い……。
わたしは智之ほど几帳面でもなければ真衣ほどズボラでもありませんが、感情移入したのは完全に智之側です!
自分がイライラさせてることには気づかないけど他人にはイライラして、でも言わないで我慢して、そんな相手に愛憎感じていて。特にこの一、二年はそんな出来事が多くて、まさに身近なテーマでした。
さ、さてはわたしの心を読んで書きましたね!? ……ってくらい的確で、しょっぱなからグサグサきました。
しかも橘さんは真衣側ですか! なのにどうしてこんなにリアルに書けるんですか!
でも感想欄で「誰しも智之と真衣の両方の面を持っている」という言葉を拝見して、すごく納得しました。ていうか、それに気づいている橘さんが怖いんですけど……。
智之と真衣、どちらも行き過ぎた性格ではなく、ものすごくリアルでした!
特に智之が真衣の鷹揚なところに惹かれて、初めはズボラさも微笑ましく思っているあたり、ものすごく共感できました。
ここからは、多分橘さんの意図とはちがう、相当曲解した話になるのですが……思いついちゃったので書きます。いつもいつもすみません。
こんなこと言ったら一瞬で友だち失いそうですが、自分と重ねて考察すると、優越感から来る愛なんですよね。少なくともわたしはそうです(智之はちがったらすみません)。相手のズボラな一面(あるいは常識外れな行動なども)を見たとき、そしてそれを黙って許してあげたとき、すごく優越感と深い愛情を感じるんですよね。って、ほんとに最低なやつだな! き、嫌いにならないで~。
なのに、一緒にいるとそれがどんどんストレスになってくるという……。でも許してあげると気持ちいいから許しちゃう。そしてストレスが溜まる。
まだタガが外れたことはありませんが、カッとなって殺しちゃった智之の気持ち、正直わかりますね。自分で自分の首を絞めているくせに、バカなやつ……。
最後は真衣への愛情を再確認するあたり、感動的でもあり、絶望的にも思えました。智之がわたしのような人間なら、彼はまた同じことを繰り返すような気がします……。
でも本当はもっとシンプルに、智之が真衣のいいところを思い出したハッピーエンドだと捉えたほうがいいのかな。意図と全然ちがっていたら、聞き流してください。
真衣のズボラな描写が、いちいちリアルでしたね! しかもしつこい! この一話まるまる使ったしつこいズボラさ、かなり心にダメージがありました。途中で「やめて~」って言いたくなったほどです。目論見どおり(?)かなりイライラしましたね。ものすごい説得力です。
それから、トランクのオチには唸らされました。うーん、まさか、そう持ってくるとは! これはイライラしますね。でも上で書いたような性格の智之なら、そんな彼女に無性に愛を感じて、黙って許すんでしょうね。
構成も、文章も、なにもかも秀逸でした。今までのホラーのなかで一番好きかもしれません!
そもそもなんでこんな話を思いつくことができたのか不思議でなりません。橘さんの才能を再確認させられた一編でした。(なんか偉そうですみません・汗)
いつもながら曲解した感想、自分語り、それも数か月遅れで読んだくせに大騒ぎして、本当にすみません。
ホラー大賞に出されていなければ危うく読み逃すところでした。今回読む機会をくださったこと、本当にありがとうございました!
投票しておきますね♪
つるけいこ 様
丁寧なご感想ありがとうございました! 朝から胸が熱くなりました。
怖かったと言って頂けるのが、もう何よりの賞賛です。しかし感想を伺うと、「怖い」というより「嫌な」感覚を覚えられたようですね。うーん、つる様と相性がよかったのか悪かったのか(笑)。
最初は笑って許せていた相手の欠点が徐々に引っかかり、最後には些細なことにまでイラついて神経が消耗していく――そんな経験は皆さん多少なりともあると思うのです。私にも覚えがありますし、逆に自分が相手を疲れさせてたなあと反省することも。きっぱり切れる関係なら、あるいは喧嘩してさらに仲良くなれる相手なら良いのですが、智之のように溜めこむばかりなのがいちばんマズいですね。
無意識に優越感があったのでは、というご指摘は目からウロコでした。
そこまでは考え至りませんでしたが、僕がここまで譲歩して「やってる」のに何でおまえは分からないんだ! と暴走してしまったというプロセスも説得力がありそうです。
最低なやつだとは思いませんよ! 人間の好悪の感情は面白いなあと感心するばかりです。
真衣のズボラ描写は、ほぼ私です(笑)。分かる~と言って下さる方が多くてホッとしました。しかしやはり他人をイラつかせてしまうようですね……気をつけよ。
トランクのオチはうまくはまってよかったです!
この作品は、途中まで書いて頓挫したまま一年くらい放り出していた作品なんです。何とか完成させることができて、そしてつる様のお眼鏡にかなうことができて、たいへん嬉しく思います。ヒヤッ、ゾワッ、として頂けたのなら幸いでした。
この度は本当にありがとうございました!
丁寧なご感想ありがとうございました! 朝から胸が熱くなりました。
怖かったと言って頂けるのが、もう何よりの賞賛です。しかし感想を伺うと、「怖い」というより「嫌な」感覚を覚えられたようですね。うーん、つる様と相性がよかったのか悪かったのか(笑)。
最初は笑って許せていた相手の欠点が徐々に引っかかり、最後には些細なことにまでイラついて神経が消耗していく――そんな経験は皆さん多少なりともあると思うのです。私にも覚えがありますし、逆に自分が相手を疲れさせてたなあと反省することも。きっぱり切れる関係なら、あるいは喧嘩してさらに仲良くなれる相手なら良いのですが、智之のように溜めこむばかりなのがいちばんマズいですね。
無意識に優越感があったのでは、というご指摘は目からウロコでした。
そこまでは考え至りませんでしたが、僕がここまで譲歩して「やってる」のに何でおまえは分からないんだ! と暴走してしまったというプロセスも説得力がありそうです。
最低なやつだとは思いませんよ! 人間の好悪の感情は面白いなあと感心するばかりです。
真衣のズボラ描写は、ほぼ私です(笑)。分かる~と言って下さる方が多くてホッとしました。しかしやはり他人をイラつかせてしまうようですね……気をつけよ。
トランクのオチはうまくはまってよかったです!
この作品は、途中まで書いて頓挫したまま一年くらい放り出していた作品なんです。何とか完成させることができて、そしてつる様のお眼鏡にかなうことができて、たいへん嬉しく思います。ヒヤッ、ゾワッ、として頂けたのなら幸いでした。
この度は本当にありがとうございました!
- 橘 塔子
- 2016年 03月29日 21時03分
[良い点]
鮮やかに映像としてイメージできるこの描写力、すごいです!
[一言]
まるで「世にも奇妙◯物語」を見ているように、この世界に引きずり込まれました。いつ映像化されてもおかしくないと思います。読み終わったあとには、ぞくりと鳥肌が(笑)
ホラーって、お化けが出るから怖いんじゃないんですよね。人が死ぬに至るまでの細かい積み重ねが、どこまでリアルに想像できるかが肝。この作品はまさにそこが上手い!
自分の日常にも潜んでいそうな、すれ違いや我慢といった感情が、とてもよく表現されています。まあいずれにせよ我が家の場合も、撲殺されるのは私で決まりです。
鮮やかに映像としてイメージできるこの描写力、すごいです!
[一言]
まるで「世にも奇妙◯物語」を見ているように、この世界に引きずり込まれました。いつ映像化されてもおかしくないと思います。読み終わったあとには、ぞくりと鳥肌が(笑)
ホラーって、お化けが出るから怖いんじゃないんですよね。人が死ぬに至るまでの細かい積み重ねが、どこまでリアルに想像できるかが肝。この作品はまさにそこが上手い!
自分の日常にも潜んでいそうな、すれ違いや我慢といった感情が、とてもよく表現されています。まあいずれにせよ我が家の場合も、撲殺されるのは私で決まりです。
- 投稿者: 石河 翠@4/29「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信開始
- 2016年 03月25日 18時56分
石川翠 様
はじめまして。ご高覧ならびに丁寧なご感想ありがとうございました。
映像としてイメージできたというお言葉、何よりの褒め言葉と大喜びしております。文字だけの情報で読者様の頭にどこまでビジュアルを伝えられるか、ふだんから腐心しておりますので、労力が報われたような思いです。
私の書くホラーはホラーのくせにあまり心霊系に縁がなくて(笑)。自分に霊感めいたものがないせいかもしれませんが、お化けよりも追い詰められた人間の感情の方が恐ろしいと感じておりまして、このような作品ばかりです。自分で読むと「本当に怖いのかなあ?」とよく分からなくなるんですけども、鳥肌が立ったとおっしゃって頂けて本当に嬉しいです。
皆さん「私も真衣さんタイプ」と告白して下さる方が多く、ホッとしました。彼女の行動パターンはほぼ私です(笑)。他人にストレスを与えないように気をつけたいものです。
この度は誠にありがとうございました! お言葉を励みに今後も頑張ります。
はじめまして。ご高覧ならびに丁寧なご感想ありがとうございました。
映像としてイメージできたというお言葉、何よりの褒め言葉と大喜びしております。文字だけの情報で読者様の頭にどこまでビジュアルを伝えられるか、ふだんから腐心しておりますので、労力が報われたような思いです。
私の書くホラーはホラーのくせにあまり心霊系に縁がなくて(笑)。自分に霊感めいたものがないせいかもしれませんが、お化けよりも追い詰められた人間の感情の方が恐ろしいと感じておりまして、このような作品ばかりです。自分で読むと「本当に怖いのかなあ?」とよく分からなくなるんですけども、鳥肌が立ったとおっしゃって頂けて本当に嬉しいです。
皆さん「私も真衣さんタイプ」と告白して下さる方が多く、ホッとしました。彼女の行動パターンはほぼ私です(笑)。他人にストレスを与えないように気をつけたいものです。
この度は誠にありがとうございました! お言葉を励みに今後も頑張ります。
- 橘 塔子
- 2016年 03月26日 22時39分
[良い点]
ラスト、水の中からゆっくりと死体が浮かび上がってくるシーンがまざまざと思い浮かびました。
しっとりと怖かったです。
>耳鳴り と 水の中の音
素晴らしい表現だと思いました。
この文章で、智之さんも同じ水の中に沈んで真衣さんの死体を間近で見ているような気がしました。
[一言]
真衣さんが、まるで私の分身のような感じでドキドキしながら読みました。
いやいや真衣さん、よくここまで細かい男性と我慢して暮らせましたね! 素晴らしい器の大きさです。私ならスリッパがどうとか言われた時点であわてて逃げ出します。笑
ラストも智之さんのことをすでに許しているような感じですし(?) なんて大らかで愛情深い女性なんだろう、そんな女性を始末するなんて全く智之さんはもったいない事をしました。
お互いの色んなことを我慢しているのは、どの夫婦でもある事だと思いますので、じわりと怖いです。表面上はそう見えなかったけど、内面ではかなりの怒りを溜め込んでそれが積み重なっていって、ある日ドカーン、ていうのは誰にでも起こり得ることですからね。
……私も気をつけます。
それにしても智之さん、将来結婚して子供が生まれたらどうするつもりだったのでしょうね。常に散らかるのが当たり前なのに (笑)
子供が生まれたらその時が智之さんの変わるチャンスだったのかもしれませんね。
ラスト、水の中からゆっくりと死体が浮かび上がってくるシーンがまざまざと思い浮かびました。
しっとりと怖かったです。
>耳鳴り と 水の中の音
素晴らしい表現だと思いました。
この文章で、智之さんも同じ水の中に沈んで真衣さんの死体を間近で見ているような気がしました。
[一言]
真衣さんが、まるで私の分身のような感じでドキドキしながら読みました。
いやいや真衣さん、よくここまで細かい男性と我慢して暮らせましたね! 素晴らしい器の大きさです。私ならスリッパがどうとか言われた時点であわてて逃げ出します。笑
ラストも智之さんのことをすでに許しているような感じですし(?) なんて大らかで愛情深い女性なんだろう、そんな女性を始末するなんて全く智之さんはもったいない事をしました。
お互いの色んなことを我慢しているのは、どの夫婦でもある事だと思いますので、じわりと怖いです。表面上はそう見えなかったけど、内面ではかなりの怒りを溜め込んでそれが積み重なっていって、ある日ドカーン、ていうのは誰にでも起こり得ることですからね。
……私も気をつけます。
それにしても智之さん、将来結婚して子供が生まれたらどうするつもりだったのでしょうね。常に散らかるのが当たり前なのに (笑)
子供が生まれたらその時が智之さんの変わるチャンスだったのかもしれませんね。
>青瓢箪 様
ご感想ありがとうございます!
水の中のイメージシーンは、実を申しますと書いている途中で急に思いついて挿入したものです。完全にアドリブというか「降ってきた」描写だったのですが、お褒め頂いて本当に嬉しいです!
水に潜った時の鼓膜への圧迫感、不安を煽りますよね? 私あれが大の苦手で(笑)、おかげで真に迫ったのかもしれません。
こちらの作品へのご感想で「私も真衣タイプです!」というお言葉をたくさん頂戴しまして、同類の私としてはたいへん心強く感じました。
青瓢箪様のおっしゃる通り、他人だった二人が一緒に住めば噛み合わない部分が出てきて当然で、そこを必要以上に我慢してしまったのがこのカップル(というか智之)の悲劇だったのでしょうね。ストレスは小出しにして喧嘩しないと駄目だと思います。ほんと、私も気をつけよう。
子供が生まれていたら……という未来を想像するのも面白いですね。確かに独身の時に神経質だった男性も女性も、お子さんができるととたんに大らかになりますもの。自分だけが心地よい空間よりもっと大切なものがあると気づけば、智之も真衣も変われたのかもしれませんね。
丁寧で温かいご感想、本当にありがとうございました。
青瓢箪様も執筆活動頑張って下さいね!
ご感想ありがとうございます!
水の中のイメージシーンは、実を申しますと書いている途中で急に思いついて挿入したものです。完全にアドリブというか「降ってきた」描写だったのですが、お褒め頂いて本当に嬉しいです!
水に潜った時の鼓膜への圧迫感、不安を煽りますよね? 私あれが大の苦手で(笑)、おかげで真に迫ったのかもしれません。
こちらの作品へのご感想で「私も真衣タイプです!」というお言葉をたくさん頂戴しまして、同類の私としてはたいへん心強く感じました。
青瓢箪様のおっしゃる通り、他人だった二人が一緒に住めば噛み合わない部分が出てきて当然で、そこを必要以上に我慢してしまったのがこのカップル(というか智之)の悲劇だったのでしょうね。ストレスは小出しにして喧嘩しないと駄目だと思います。ほんと、私も気をつけよう。
子供が生まれていたら……という未来を想像するのも面白いですね。確かに独身の時に神経質だった男性も女性も、お子さんができるととたんに大らかになりますもの。自分だけが心地よい空間よりもっと大切なものがあると気づけば、智之も真衣も変われたのかもしれませんね。
丁寧で温かいご感想、本当にありがとうございました。
青瓢箪様も執筆活動頑張って下さいね!
- 橘 塔子
- 2016年 02月01日 21時41分
[良い点]
ふたたび失礼します。
突然ですが御作のファンアートを描かせていただきましたので、よろしければご笑納ください。
なお、書籍っぽい装丁を意識して、イラストの下3分の1ほどは帯用のスペースとなっております。
よろしくお願いいたします。
http://9953.mitemin.net/i178138/
ふたたび失礼します。
突然ですが御作のファンアートを描かせていただきましたので、よろしければご笑納ください。
なお、書籍っぽい装丁を意識して、イラストの下3分の1ほどは帯用のスペースとなっております。
よろしくお願いいたします。
http://9953.mitemin.net/i178138/
大原英一 様
再びのご訪問ありがとうございます。
め、目を疑いました! ファンアートですと!?
さっそく「みてみん」の方に飛んで行きました。すごい! 本物の書籍の装丁みたいですね。英訳タイトルがそのままデザインの一部になっててかっこいいし、日本語タイトルと作者名のフォントも存在感があるし、このまま売れそう……(笑)。
智之と真衣の描き方が、作中の役回りとは反対になっているところが面白いですね! 智之の不穏な後ろ姿が、彼の抱えた闇を映しているよう……センスいいなあと感心しました。
本当にありがとうございました。眼福です。
月末になりますが、活動報告の方でも自慢させて頂きますね。
あ、関係ないですが、大原様の自己紹介画像(マンボ兄さん?)トボケてますね……悔しいけど笑ってしまいました……。
再びのご訪問ありがとうございます。
め、目を疑いました! ファンアートですと!?
さっそく「みてみん」の方に飛んで行きました。すごい! 本物の書籍の装丁みたいですね。英訳タイトルがそのままデザインの一部になっててかっこいいし、日本語タイトルと作者名のフォントも存在感があるし、このまま売れそう……(笑)。
智之と真衣の描き方が、作中の役回りとは反対になっているところが面白いですね! 智之の不穏な後ろ姿が、彼の抱えた闇を映しているよう……センスいいなあと感心しました。
本当にありがとうございました。眼福です。
月末になりますが、活動報告の方でも自慢させて頂きますね。
あ、関係ないですが、大原様の自己紹介画像(マンボ兄さん?)トボケてますね……悔しいけど笑ってしまいました……。
- 橘 塔子
- 2016年 01月18日 21時09分
[良い点]
面白かったです。日常のちょっとした不満が丁寧に描写されていてとてもリアルに感じられ、またそれがその後の展開に結びついているのも上手いです。智之に感情移入していったところで(自分はずぼらな方ですが)、真衣の方もがんばっていたのに互いの我慢に気づかなかったという話が出たのが印象的で、ああ自分も独りよがりにならないよう気をつけないとなあと思いました。もっと二人の関係が上手くいった可能性があったのにと感じさせるところが、もどかしいです。
また、幽霊なのか智之が自分自信を追い詰めているだけなのかあえてはっきりさせないような描き方はすごく好みです。言葉の選び方も丁寧な印象で見習いたいです。
面白かったです。日常のちょっとした不満が丁寧に描写されていてとてもリアルに感じられ、またそれがその後の展開に結びついているのも上手いです。智之に感情移入していったところで(自分はずぼらな方ですが)、真衣の方もがんばっていたのに互いの我慢に気づかなかったという話が出たのが印象的で、ああ自分も独りよがりにならないよう気をつけないとなあと思いました。もっと二人の関係が上手くいった可能性があったのにと感じさせるところが、もどかしいです。
また、幽霊なのか智之が自分自信を追い詰めているだけなのかあえてはっきりさせないような描き方はすごく好みです。言葉の選び方も丁寧な印象で見習いたいです。
円坂 了 様
はじめまして。この度はご高覧ならびにご感想をありがとうございました。
真衣の性格を表すエピソードは、大袈裟にならないようリアルに描くことを心がけましたので、お褒め下さって嬉しく思います。私もだいぶズボラな方で、彼女の行動を想像することは難しくありませんでした……そしてやはり、苛立つ智之の気持ちもよく分かってしまいます。
本作は智之の一人称ですが、真衣の目線で描けばまた違った印象の物語になりそうな気がします。お互い、相手の欠点はよく見えても自分の落ち度には気づきにくいものですからね。どこかで喧嘩して言いたいことをぶちまければ、二人はうまくいったのかもしれません。
真衣の存在については、おっしゃる通りわざと曖昧にしてみました。真相がどちらでも筋は通るかと思いますので、お好みで解釈して頂ければ幸いです。
とても丁寧に読み込んで下さって、この作品を書いた甲斐がありました。お言葉を励みに今後も頑張りますね!
本当にありがとうございました。
はじめまして。この度はご高覧ならびにご感想をありがとうございました。
真衣の性格を表すエピソードは、大袈裟にならないようリアルに描くことを心がけましたので、お褒め下さって嬉しく思います。私もだいぶズボラな方で、彼女の行動を想像することは難しくありませんでした……そしてやはり、苛立つ智之の気持ちもよく分かってしまいます。
本作は智之の一人称ですが、真衣の目線で描けばまた違った印象の物語になりそうな気がします。お互い、相手の欠点はよく見えても自分の落ち度には気づきにくいものですからね。どこかで喧嘩して言いたいことをぶちまければ、二人はうまくいったのかもしれません。
真衣の存在については、おっしゃる通りわざと曖昧にしてみました。真相がどちらでも筋は通るかと思いますので、お好みで解釈して頂ければ幸いです。
とても丁寧に読み込んで下さって、この作品を書いた甲斐がありました。お言葉を励みに今後も頑張りますね!
本当にありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2015年 10月23日 20時58分
[良い点]
面白かったです!まるで自分の近未来ですわ。
ずぼらなんで、絶対殺される方。
彼氏の方もちっちぇ~男!と思いましたが、最後には可哀想になってしまったのが、筆者様のお力を感じます。
普通は神経質な男がだせえ、と終わってしまいそうなのに。
あ~他の方みたいにいっぱい感想書こうと思いましたが、うまく書けなくてすみませんm(_ _)m
すごい面白かったです!
面白かったです!まるで自分の近未来ですわ。
ずぼらなんで、絶対殺される方。
彼氏の方もちっちぇ~男!と思いましたが、最後には可哀想になってしまったのが、筆者様のお力を感じます。
普通は神経質な男がだせえ、と終わってしまいそうなのに。
あ~他の方みたいにいっぱい感想書こうと思いましたが、うまく書けなくてすみませんm(_ _)m
すごい面白かったです!
猫又 様
「人違い」に続いてこちらの作品にまで足をお運び下さいまして、まことにありがとうございます。
私もずぼらな方なので、作中の真衣のエピソードの元ネタには事欠きませんでした。全部なんだか身に覚えがある……(笑)。
本当に、かっこつけてないできちんと喧嘩をすればあんな惨事にはならなかったでしょうに、憐れな男です。愛してはいたんですよね。
主人公は度量の狭い男ではありますが、真衣の方も彼の忍耐に気づいていなかったという意味では同類なのでしょう。男女関係のみならず、すべての人間関係は相手の気持ちを想像することが大切なのだろうなあと思います。
いえいえ、簡潔で嬉しいお褒めのお言葉、胸に沁みました。これからも「面白かった」とおっしゃって頂けるような作品を生み出していきたいです!
ありがとうございました。
「人違い」に続いてこちらの作品にまで足をお運び下さいまして、まことにありがとうございます。
私もずぼらな方なので、作中の真衣のエピソードの元ネタには事欠きませんでした。全部なんだか身に覚えがある……(笑)。
本当に、かっこつけてないできちんと喧嘩をすればあんな惨事にはならなかったでしょうに、憐れな男です。愛してはいたんですよね。
主人公は度量の狭い男ではありますが、真衣の方も彼の忍耐に気づいていなかったという意味では同類なのでしょう。男女関係のみならず、すべての人間関係は相手の気持ちを想像することが大切なのだろうなあと思います。
いえいえ、簡潔で嬉しいお褒めのお言葉、胸に沁みました。これからも「面白かった」とおっしゃって頂けるような作品を生み出していきたいです!
ありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2015年 10月14日 22時37分
[良い点]
拝読いたしました。
真相となるトリックが物語のテーマとものすごくマッチしていて、上手いなあ、と素直に感心しました。
ってゆうか、オレ智之くんに言いたいんですけど……
「沈めるまえに確認せーや!」って(笑)
神経質なわりに、どこか間の抜けている智之くんが憎めませんね。
そもそもカッチリしているなら、ズボラちゃんのこともフォローできるくらいカッチリしてもらいたいです。
とはいえ、オレも仕事で疲れて帰ってきてケチャップのふたがゆるんでたら、ブチ切れるかもしれませんが(笑)
拝読いたしました。
真相となるトリックが物語のテーマとものすごくマッチしていて、上手いなあ、と素直に感心しました。
ってゆうか、オレ智之くんに言いたいんですけど……
「沈めるまえに確認せーや!」って(笑)
神経質なわりに、どこか間の抜けている智之くんが憎めませんね。
そもそもカッチリしているなら、ズボラちゃんのこともフォローできるくらいカッチリしてもらいたいです。
とはいえ、オレも仕事で疲れて帰ってきてケチャップのふたがゆるんでたら、ブチ切れるかもしれませんが(笑)
大原英一 様
ご感想ありがとうございます!
今回のタイトルとオチのつながりは最初から決めておりましたので、マッチしていたとお褒めのお言葉が頂けて嬉しく思います。途中、構成の面で試行錯誤はありましたが、基本的に最初から最後まで迷いなく書けた作品でした。
ええ、ちゃんと確認しない智之もけっこう抜けてますね(笑)。
神経質とズボラが一緒に暮らしたら、やっぱりストレスを溜めるのは神経質の方だと思うんですよ。笑ってフォローできるほど大人になるか、もしくはズボラに合わせて多少緩くなるか、円満に暮らすにはどちらかでしょうね。
ケチャップの蓋やペットボトルのキャップ、ひとつひとつは些細なことでも、積み重なるとダメージの大きくなる日常の苛立ちを表現したつもりです。「この気持ち分かるわ~」と共感して頂けたら書いた甲斐があったというものです!
この度は本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
ご感想ありがとうございます!
今回のタイトルとオチのつながりは最初から決めておりましたので、マッチしていたとお褒めのお言葉が頂けて嬉しく思います。途中、構成の面で試行錯誤はありましたが、基本的に最初から最後まで迷いなく書けた作品でした。
ええ、ちゃんと確認しない智之もけっこう抜けてますね(笑)。
神経質とズボラが一緒に暮らしたら、やっぱりストレスを溜めるのは神経質の方だと思うんですよ。笑ってフォローできるほど大人になるか、もしくはズボラに合わせて多少緩くなるか、円満に暮らすにはどちらかでしょうね。
ケチャップの蓋やペットボトルのキャップ、ひとつひとつは些細なことでも、積み重なるとダメージの大きくなる日常の苛立ちを表現したつもりです。「この気持ち分かるわ~」と共感して頂けたら書いた甲斐があったというものです!
この度は本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
- 橘 塔子
- 2015年 10月11日 21時07分
[一言]
「緩んだ蓋」拝読致しました。片付けが好きな几帳面な男が片付けられなかった思い出。彼女の一面である緩んだ蓋がいつの間にか男の一部に染み込んでいた。見方によって真衣の幽霊は、主人公の罪悪感が生んだ幻だったとも取れ、物語をより深いものに変えられていると感じました。
彼女の癖が主人公の世界に少しずつ浸透してゆく描写が見事でとても参考になりました。やりすごす、許す、我慢する、忘れる、四つのステップが上手くかみ合わないと、こうしたことが簡単に起こりうると感じさせられました。性格の噛み合わせの難しさが上手く表現されていると思います。
彼はこれから先もずっと真衣を寄り添わせて後悔の日々を生きてゆくのでしょう、恐ろしさと共に切なさをいだいてしまいます。今回も完成度の高い、良い物語を拝読させていただき、ありがとうございました。
「緩んだ蓋」拝読致しました。片付けが好きな几帳面な男が片付けられなかった思い出。彼女の一面である緩んだ蓋がいつの間にか男の一部に染み込んでいた。見方によって真衣の幽霊は、主人公の罪悪感が生んだ幻だったとも取れ、物語をより深いものに変えられていると感じました。
彼女の癖が主人公の世界に少しずつ浸透してゆく描写が見事でとても参考になりました。やりすごす、許す、我慢する、忘れる、四つのステップが上手くかみ合わないと、こうしたことが簡単に起こりうると感じさせられました。性格の噛み合わせの難しさが上手く表現されていると思います。
彼はこれから先もずっと真衣を寄り添わせて後悔の日々を生きてゆくのでしょう、恐ろしさと共に切なさをいだいてしまいます。今回も完成度の高い、良い物語を拝読させていただき、ありがとうございました。
黒漆 様
いつも丁寧なご感想をありがとうございます!
神経質男×ズボラ女に起こる悲劇をホラーテイストで、というアイデアは以前からありまして、ただコメディにするかシリアスにするか決め兼ねておりました。結局ミステリ風味を交えた作品に仕上げたのですが、楽しんで頂けてよかったです。
主人公を苛立たせ、怯えさせる真衣の癖は、ほとんど私自身がやりがちな行為ですので、描くのに苦労はしませんでした(笑)。
>やりすごす、許す、我慢する、忘れる、四つのステップ
なるほど、智之も「我慢する」だけでなく他の三つもできていたら、こんなことにはならなかったのでしょうね。それからもちろん「とことん喧嘩する」でもよかったのだと思います。お互いに腹に溜めたものをぶちまけてしまえば自分の非にも気づくわけですし、「お互いさま」という着地点が見い出せたのかもしれません。
あのエンディングは少し甘かったかと反省もしているのですが、切なさを感じて下さって非常に嬉しいです。ホラーといえども登場人物たちの心の機微は大事にしたいと常々心掛けておりますので、とてもありがたいお褒めのお言葉でした。
この度は本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
いつも丁寧なご感想をありがとうございます!
神経質男×ズボラ女に起こる悲劇をホラーテイストで、というアイデアは以前からありまして、ただコメディにするかシリアスにするか決め兼ねておりました。結局ミステリ風味を交えた作品に仕上げたのですが、楽しんで頂けてよかったです。
主人公を苛立たせ、怯えさせる真衣の癖は、ほとんど私自身がやりがちな行為ですので、描くのに苦労はしませんでした(笑)。
>やりすごす、許す、我慢する、忘れる、四つのステップ
なるほど、智之も「我慢する」だけでなく他の三つもできていたら、こんなことにはならなかったのでしょうね。それからもちろん「とことん喧嘩する」でもよかったのだと思います。お互いに腹に溜めたものをぶちまけてしまえば自分の非にも気づくわけですし、「お互いさま」という着地点が見い出せたのかもしれません。
あのエンディングは少し甘かったかと反省もしているのですが、切なさを感じて下さって非常に嬉しいです。ホラーといえども登場人物たちの心の機微は大事にしたいと常々心掛けておりますので、とてもありがたいお褒めのお言葉でした。
この度は本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
- 橘 塔子
- 2015年 09月28日 21時26分
[良い点]
タイトルの秀逸さ、テンポ、文字数(丁度良いです)。
キャラクターの性格が、ストーリーと上手く絡んでいくなぁ、と思いました。リアリティありますよね。
[一言]
拝読致しました!
それ自体は決して大事ではないのだけれど、いちいち癇に障る仕草とか言動って、確かにありますよね。しかも大抵の場合、それを行っている本人は無自覚という。決定的なやつを一撃、というよりも、こういう細々した攻撃(本人にその気はないのだけれど、受ける側にとってはね…)を小出しにされる方が、なるほど、ストレス溜まるかもしれません。たまにテレビで、夫や妻を殺したとかいうニュース、えっそんなことで? っていう理由を聞きますが、もしかしたら、積もり積もった不満があったのかもなぁ。殺人て、案外そういう動機が多かったりして。
私はどちらかというとズボラですので、神経質な人と同席すると疲れますね(笑)。作中で述べられている通り、こういう場合、なにも片方だけが我慢しているわけではないのですよ…。時にはそこを乗り越えて良好な関係を築けることもありますが、やっぱり合う合わない、相性って重要なんでしょうね。
でも夫婦は「良いところはおかげさま、悪いところはお互いさま」が上手くいく秘訣らしいっす。
肝心のホラー部分ですが、実際に起こり得そうな出来事だけに、怖いですね。主人公の「神経質」という設定が存分に生かされたストーリーで、リアリティたっぷりでした。真衣は幽霊なのか幻覚なのか…どっちにしても嫌ですが、私が主人公だったら、幽霊の方がまだマシかもしれない。幻覚だとしたら、怒りをぶつけるところがないもんなぁ。
部屋を汚したりキャップを緩めていたりしたのが、自分だったという事実。これは本人にしたら、物凄い恐怖でしょうねぇ。所謂「歩く死体」系のオチですが、ここで終わらないのが橘ホラー! 更に踏み込んで、主人公は今度こそ恐怖のドン底に落ちるわけですな。で、そこからタイトルへ繋がるのが、また大変に巧い。鵜狩さんの仰ったとおり、構成の秀逸さに驚かされました。読み終わって、なんだかドラマを見ていたような気がしました(笑)。
最後、ズボラな真衣だからこそ、俺みたいな神経質と一緒に暮らせたんだな…と主人公が述懐するところは、ちょっと切なくなっちゃった。愛し合ってても、一緒にいられる人間と、そうでない人間がいるんですよね。世の中はあぁままならない!
タイトルの秀逸さ、テンポ、文字数(丁度良いです)。
キャラクターの性格が、ストーリーと上手く絡んでいくなぁ、と思いました。リアリティありますよね。
[一言]
拝読致しました!
それ自体は決して大事ではないのだけれど、いちいち癇に障る仕草とか言動って、確かにありますよね。しかも大抵の場合、それを行っている本人は無自覚という。決定的なやつを一撃、というよりも、こういう細々した攻撃(本人にその気はないのだけれど、受ける側にとってはね…)を小出しにされる方が、なるほど、ストレス溜まるかもしれません。たまにテレビで、夫や妻を殺したとかいうニュース、えっそんなことで? っていう理由を聞きますが、もしかしたら、積もり積もった不満があったのかもなぁ。殺人て、案外そういう動機が多かったりして。
私はどちらかというとズボラですので、神経質な人と同席すると疲れますね(笑)。作中で述べられている通り、こういう場合、なにも片方だけが我慢しているわけではないのですよ…。時にはそこを乗り越えて良好な関係を築けることもありますが、やっぱり合う合わない、相性って重要なんでしょうね。
でも夫婦は「良いところはおかげさま、悪いところはお互いさま」が上手くいく秘訣らしいっす。
肝心のホラー部分ですが、実際に起こり得そうな出来事だけに、怖いですね。主人公の「神経質」という設定が存分に生かされたストーリーで、リアリティたっぷりでした。真衣は幽霊なのか幻覚なのか…どっちにしても嫌ですが、私が主人公だったら、幽霊の方がまだマシかもしれない。幻覚だとしたら、怒りをぶつけるところがないもんなぁ。
部屋を汚したりキャップを緩めていたりしたのが、自分だったという事実。これは本人にしたら、物凄い恐怖でしょうねぇ。所謂「歩く死体」系のオチですが、ここで終わらないのが橘ホラー! 更に踏み込んで、主人公は今度こそ恐怖のドン底に落ちるわけですな。で、そこからタイトルへ繋がるのが、また大変に巧い。鵜狩さんの仰ったとおり、構成の秀逸さに驚かされました。読み終わって、なんだかドラマを見ていたような気がしました(笑)。
最後、ズボラな真衣だからこそ、俺みたいな神経質と一緒に暮らせたんだな…と主人公が述懐するところは、ちょっと切なくなっちゃった。愛し合ってても、一緒にいられる人間と、そうでない人間がいるんですよね。世の中はあぁままならない!
雪麻呂 様
ご感想ありがとうございました!
テンポ、文字数が丁度よかったと評して頂けてホッとしました。細かい生活の描写がキモだとは思ったものの、少々しつこく書き込みすぎたかと心配しておりました。一から十まで書いてしまうと想像の余地がなくなりますから、いつも腐心している部分です。
おっしゃる通り、人間関係を破綻させる違和感は質より量なのかもしれません。大きな衝突ならば和解もできますが、小さな積み重ねは放置しがちなだけに溜まっていってドカンといきそうです。「女の怒りはポイント制。キレたきっかけそのものが地雷とは限らない」という誰かの名言を思い出しました。本作では立場が逆ですが。
私もズボラな方なので、どちらかというと真衣の気持ちが分かります。ズボラはズボラで神経質な人には気を遣うんですよね。本当に「お互い様」という気持ちが持てたら彼らも円満に過ごせたんでしょうけどね……。
終盤に登場した真衣は、幻覚とも亡霊とも解釈できる描き方にしました。個人的には、私も亡霊の方が怖いですね。全部智之の中で自己完結するサイコホラー……うん、こっちの方がすっきり纏まっていたかもしれない(笑)。「歩く死体」系のオチがより引き立ったような気がします。
タイトルとトランク云々の結末は最初から決めておりましたので、うまくハマったようでよかったです。ただ、鵜狩様へのご返信にも書いたように、構成の面でギリギリまで迷いました。結果、今の形で正解だったようですね。誉めて頂けて嬉しいです!
主人公を恐怖させるだけで終われないところが……私の甘さですね(笑)。どんな理由があれ、彼のやったことはやはり身勝手な犯罪ですから、もっととことん追い詰めて崩壊させてやればよかったとも反省しております。次回に生かします。
この度は丁寧で温かなご感想を本当にありがとうございました。
これを励みに今後とも頑張ります!
ご感想ありがとうございました!
テンポ、文字数が丁度よかったと評して頂けてホッとしました。細かい生活の描写がキモだとは思ったものの、少々しつこく書き込みすぎたかと心配しておりました。一から十まで書いてしまうと想像の余地がなくなりますから、いつも腐心している部分です。
おっしゃる通り、人間関係を破綻させる違和感は質より量なのかもしれません。大きな衝突ならば和解もできますが、小さな積み重ねは放置しがちなだけに溜まっていってドカンといきそうです。「女の怒りはポイント制。キレたきっかけそのものが地雷とは限らない」という誰かの名言を思い出しました。本作では立場が逆ですが。
私もズボラな方なので、どちらかというと真衣の気持ちが分かります。ズボラはズボラで神経質な人には気を遣うんですよね。本当に「お互い様」という気持ちが持てたら彼らも円満に過ごせたんでしょうけどね……。
終盤に登場した真衣は、幻覚とも亡霊とも解釈できる描き方にしました。個人的には、私も亡霊の方が怖いですね。全部智之の中で自己完結するサイコホラー……うん、こっちの方がすっきり纏まっていたかもしれない(笑)。「歩く死体」系のオチがより引き立ったような気がします。
タイトルとトランク云々の結末は最初から決めておりましたので、うまくハマったようでよかったです。ただ、鵜狩様へのご返信にも書いたように、構成の面でギリギリまで迷いました。結果、今の形で正解だったようですね。誉めて頂けて嬉しいです!
主人公を恐怖させるだけで終われないところが……私の甘さですね(笑)。どんな理由があれ、彼のやったことはやはり身勝手な犯罪ですから、もっととことん追い詰めて崩壊させてやればよかったとも反省しております。次回に生かします。
この度は丁寧で温かなご感想を本当にありがとうございました。
これを励みに今後とも頑張ります!
- 橘 塔子
- 2015年 09月19日 23時13分
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