感想一覧

[一言]
夏ホラーも終わりまして、もうホラーは読まなくていいなーとか思いつつ開いてしまって、かなり鳩尾の辺りを抉られました。
ＴＫ先生の作品は何というか、虫の話の時も思ったんですが、実際に見たり食べたりしてきたんじゃないかと疑ってしまうような描写をなさいますなー。もちろん実際に食べちゃいないんでしょうが、しっかりとした知識をベースにして的確な想像を働かせているのでしょう。それでよく気が狂わないものだと感心してしまいます（笑）
それと、極道とかヤクザとか、そういう類のものを賞賛したり美化したりする作品が好きじゃない私としては、この作品に漂う酷さというか、醜さというのはしっくりきましたね。現実がどうなのかは知りませんが、こんな感じなのではないかと騙されてみたくなりました。
ただ、他の方も指摘されていますが、お嬢さんの相手である男のディテールというか、その辺りは少し曖昧だったような気がしますね。状況によってはアリだと思うんですが、本来愛され、特別扱いされるべき娘にこのような仕打ちをしているのですから、相手の男の立場や思惑は、相応のものであるべきだったように思います。
とはいえ、狂気と悲惨な末路という筋からすれば、特別表現すべき設定ではないかもしれません。少なくとも、語り手の男からすれば、大して興味の引かれる話でもなかったのかもしれませんしね。
いやまったく、うっかりとんでもないホラーを読んでしまいました。
また来ると思いますが、怖いのでしばらく間が空くと思います。
それでは

[一言]
拝読させていただきました。胃がもにょもにょしました。

男の語りだけで全編通したのは凄いですね。
下手に説明口調になることもなく、話し方に男の臆病さも滲んでいて、それが流れるように自然なので、私が「アニキ」で、男に語りかけられているような気分になりました。
上手いですね。

ただ一つ気になったのは、軟禁されたお嬢さんを若いのが輪姦していたくだりでしょうか。
＞おやっさんも知ってんだか知らないんだか、
とのことですが、組の若いのが親分の娘に手をつけるのは禁忌というか、なにかそれなりのきっかけみたいなものが必要な気がします。
そもそも男がらみでおやっさんの逆鱗に触れたのが事の発端ですし、おやっさんが黙認したことで行為が続けられたのはともかくとして、やはり最初は「こんなことしたらおやっさんに殺されるかも」とか考えるのではないでしょうか。
そうなるにいたった経緯や葛藤などにも少し触れられていたらいいかな、と思いました。
……とはいっても、組とか極道とかそっち方面の内情など全く知らない一般市民が想像で語っているだけなので、適当に聞き流していただければ幸いです。

それではまた。

[一言]
るうねです。
『くすりゆび』、拝読させていただきました。

まず文章から。
これはケチのつけようがないですな。いい意味でかび臭い雰囲気を醸し出す文体で、読者を惹きつけるだけの力を持っていると思います。
さて、ストーリーですが、親父さんの行動に少し不自然さを感じました。

＞離さなきゃ舌噛んで死ぬなんて抜かすから、おやっさん怒っちまってさ。死にたきゃ死ね、なんつって。ドス持ってきて、落としちまったんですよ、男の腕。

お嬢さんの言動に怒ってドスを持ってこさせたはずが、なぜか男の腕を斬り落としている。死にたきゃ死ね、っていうのはお嬢さんに向けた言葉だと読み取ったのですが、その流れだとお嬢さんを刺さないと、ちょっと不自然に感じます。原因として、男の言動の描写がないことが挙げられます。親父さんとお嬢さんの言動ばかりがクローズアップされて、男の方の言動がいまいち掴めない。男だけ蚊帳の外なんですな。少し、男の言動の描写を混ぜ込むだけで、けっこう違ってくると思います。
というところで、お開き。
ホラー企画、お互いに頑張りましょうね。
それではでは。

[一言]
面白いですねえ。
モノローグでやるのは難しいんですよ。
地の文で説明しなければならない事を、すべて語りでやる必要があるから。
もちろん、口調などを決めて書きますから説明っぽい文章にしづらいし、隠喩表現も会話レベルでしか使えない。
ＴＫさんだから、ここまで書けたんだと思います。
それにしても、表現が生々しいですね(^_^;)
『化粧師』を思い出してしまいました。
あの腕はどこから出てきたんでしょう……。
あと、最後のところ
＞こんな呪われちまいそうなトコ
自身の名前に引っ掛けたのでしょうか。
さすがに凄いの書きますネ。やられましたm(_ _)m
でわでわ