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[良い点]
子どもに読み聞かせたくなるような美しい日本語で綴られていて、読んでいて心地よかったです。
童話らしい反復描写にも少しずつ変化が見られて、同じようだけど同じではない、「間違い探し」ではありませんが、その違いを楽しむことができました。
登場する可愛らしい動物たちと、それとは対照的なカラスの存在。何故カラスは動こうとしないでじっと見ているのだろう?と興味が惹かれます。
各ページの挿絵も、とても素敵でした。
[一言]
実際に、子どもに読み聞かせながら拝読しました。
寒い寒い雪の日に寄り添って、おばあさんと動物たちが仲良く暖炉にあたる場面は本当にほっこりします。
おばあさんが、無条件にお家へ入れずに薪を持って来させるところは、教育にも良いと思いました。
少し意地悪のようにも見えますが、小動物が持って来られる薪は、おばあさんにとっては取るに足らないもの。どんなに小さな薪でも、快く迎え入れます。そこに真の優しさを感じました。
良識のある人なら、誰かのお家にお邪魔する時は手土産を持っていきますよね。
「気は心」
それを教えてくれているのかな、と。

一方カラスは、どうすればおばあさんが招き入れてくれるか知っていたはずなのに、何も差し出さずに利益だけを得ようとしました。
子どもに言わせると、「カラスはずるしたから、罰が当たった」のだそうです(笑)
それと、「明けない夜はありません」という言葉が気に入ったようでした。

みんなで仲良く分かち合えば心も身体もあったかい。
とっても素敵な童話だと思いました。

読ませていただき、ありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 11月07日 23時21分
管理
 みつながめい様&お子様方

 ご感想ありがとうございます。
 反復描写、お楽しみいただけましたようで嬉しいです。
 挿絵の感想もありがとうございます。

 お子さん、鋭い! おっしゃる通り、カラスはズルい奴なのです。
 どうにかして、タダであたたかい家に入ってやろうと、じっと機会をうかがっていました。
 雪に埋もれて寒さを我慢する方が辛いだろうに。本末転倒に気付かないぐらい、欲で目が曇っています。

 旅人が迎え入れられたので、その隙をついて一番あたたかい場所に行こうとして、勢い余って真っ黒焦げ。どう見ても自業自得です。
 飛んで逃げたので作中では書いていませんが、捕まって文句を言われたら「あいつ(旅人)も薪を持って来なかったじゃないか」と言い返すつもりでいました。

 人間だったら、駐禁切符を切られた時に「他にも停めてる奴がいるのに、なんで自分だけ捕まえるんだ! あいつらを全員逮捕してからにしろ!」とか言うタイプ。
 不正を咎められた時、もっともらしい言い訳で自分を正当化して、他者を丸め込もうとするズルくてヤな奴です。

>「気は心」
>みんなで仲良く分かち合えば心も身体もあったかい。

 まさにその通りです。
 ちょっとわかりにくい話なので、汲み取っていただけてホッとしました。

 例えばおばあさんが、お客の中で一番小さいスズメに「(キツネが持ってきたのと同じ)もっと太い薪を持っておいで」とか、「この太さなら、あと百本は持ってこないと、入れてあげられないねぇ」とか無茶振りしたら、それはブラックです。
 なんやその過重なノルマ。スズメさん、そんなごっつい枝、絶対持ち上げられへんやん。百本持ってくる前に凍えるゎ……絶望しかないと言う。

 全面的に誰かに頼って丸投げするのではなく、誰か一人が全面的に背負い込むのでもなく、その時その人にできることをできるだけ……

 小枝一本では大した燃料になりませんが、小動物が一匹二匹増えた所で、暖炉の温度が下がるでもなし。
 戸を開けたら暖気が逃げちゃうからといって換気しないでいると、一酸化炭素中毒とか危ないし。
 開けて寒いのは一瞬だけで、長い目で見れば、おばあさんにとってもリスクの低減になるので、一緒にぬくぬくすればみんな幸せ。

 平たく言えば、応分負担。利益の分配も同様に。
 物心共にそうやって支え合えればいいんじゃないかな、と。
 但し、カラスが企んだようなタダ乗りはいかんですよ。

 「明けない夜はありません」
 今は寒くても、いつかあたたかくなるので、おばあさんと動物たちのように春を待てばいい。
 そんな感じのお話でした。

 こちらこそ、読み聞かせまでしていただき、ありがとうございました。
 ちゃんと聞いてくださったお子さん方にも「ありがとう」とお伝えください。
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