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[良い点]
面白かったです。
読ませていただいていろいろ考えたのですが、やはり粗を探すような読み方はしたくない(というか不毛だと思いますし……)ので面白かったです。が正直なところです。

西行法師、山家集はとても好きなので、なるほどと思いました。


  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 12月26日 18時28分
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感想ありがとうございます。
主題を開示いたしました。
『奥の細道』を現代詩にしてみたいという動機から、書きはじめたものでした。
[良い点]
胡蝶の夢のネタバレしているものの、交互に綴る美しい表現が良かったです。

物悲しいシーンが多かったです。自らの愛すべき家族を蔑ろにしたり、今生の別れがあったり。
思えば悲しい連続です、楽しい部分など一片たりともありませんでした。
残念なことにそんな物悲しい雰囲気を良いと感じてしまいました。
[気になる点]
・物語の全てがダイジェストであったこと。
・そして美しいうたとかあって綺麗で、しかし読み込んでみたくなるに至らなかったこと。
・感想のことばがそう多く浮かばなかったこと。
[一言]
これは悪い点には挙げませんが、無学な為、途中わからない言葉が幾つかありました。調べながら読みましたが、言葉の意味だけ解っても、何となくしか伝わらなかった部分も多々あり、面白いか面白くないかでいえば、構成など面白い要素盛りだくさんなのですが、作者さまが書きたかったことがぼくが理解できたとは到底思えません。

読み手である自分が、歴史にそこまで深く関心がないのも要因しているのかもしれません。
一人は松尾芭蕉。もう一人はだれだと。それさえ解りません。調べれば簡単に解ったかもですが、名前だけ解っても意味はありません。
あとで感想欄をカンニングしておきます。




感想ありがとうございます。
書きたかったのは、芭蕉の『奥の細道』の現代詩訳でした。それが主であり、あとのものは従であるのです。テーマは皆無なのです。
[良い点]
 初めまして。冬純祭のキーワードから参りました。

 歴史物なので、堅い文体で難しいのかと思っていましたが、ふたつの異なる時代の雰囲気を漂わせつつも、読みやすい文体で助かりました。

 緻密な研究と創作の部分が溶け合って、見事に昇華していると感じました。
 寂寞とした中にも、人の持つ情念の激しさが渦巻く心理描写に圧倒されました。

 第一話の苦しい胸中の独白で、片思いを「私ひとりが想う「孤意」で、「相意」にはなりえない。」としたのが新鮮でハッとしました。

 第二話後半部分の力強い宣言に、非常に納得しました。万葉集のまことの心に立ち返るような気持ちで。

 第三話の途中で「胡蝶」パートが胡蝶の夢で、西行法師の人生を夢に見ているのだと気付くまで、難解さに頭を抱えていました。
 気付いてからは、あぁそういう事かと腑に落ちて、見事な仕掛けに思わず唸りました。

 「夢遊」パートで「夏草や兵どもが夢の跡」などの諸句が読まれた情景と背景がしっとりと描かれ、新たな視点を得られました。
 味わい深い一篇を読めて、非常に感銘を受けました。ありがとうございます。
[一言]
 不勉強なもので、古文の時間に呻吟したことを思い出しました。
 名前は見たことがあるものの、この人どういう人だっけなー……などと考えていたら、ふと同級生と授業を思い出し、懐かしい気持ちになりました。
感想ありがとうございます。
詩に傾斜して、読みやすさを捨てて書いたものであります。
「読みやすい」と言っていただき、読みこんでいただけたことは僥倖でございます。
ありがとうございました。
[良い点]
白峰の 夢も見ずして めぐりゆく
はなと影をと みちのともとす

うつくしい言葉の流れに身を浸し、流れゆくまま、夢を見るようでした。
  • 投稿者: 惠美子
  • 40歳~49歳 女性
  • 2016年 05月31日 17時36分
感想ありがとうございます。
連歌をエンターテイメントにした小説を構想しているのですが、知識が浅くて実現できていません。
いただいた歌に返せるほどの、教養もないのです。
ご教示いただけたら、さいわいです。
[良い点]
 この物語を読んでいますと、イメージとして鏡の回廊が頭に浮かびました。芭蕉は記憶には定かに残らぬものの、西行の夢を見続けます。西行もまた「私」(新院でよろしいでしょうか?)を追い続けています。時間軸を異とする「わたしという存在」が、何重にも重なり、道を見据えていこうとしていると感じるのです。私は「私」の合わせ鏡であり、芭蕉もまた西行の合わせ鏡として存在しているのではないか。そんな気持ちにさせられます。

 西行が求道者にならんが為に、妻子を捨てる描写は肌に粟がたちます。狂気にさえ思えます。しかし芭蕉もまた更なる狂気を宿しています。それが顕著に伝わってくるのが最後の死者の国に思いを募らせるシーンです。
「回帰するのか」「虚無になるのか」ここまでは理解できる発想なのですが、「どちらにせよあたたかいもの」であろうと捉えるのは、いい意味でいっちゃてるよ!この人!とぞっとしました。このいっちゃてる感は大好きです。

 瞬間を追い求める「男たち」の狂気と真摯さ。この2点をまざまざと突き付けられた気がします。
[気になる点]
 わたしの無知ゆえなので、悪い点ではないのですが蝉吟が誰なのかWik先生に尋ねなければ分かりませんでした。文章の流れから、女性?と思いきや……

[一言]
 拝読しました。
 先日確認しましてから更に2度読み返しましたが、それでも頓珍漢な感想になってしまうかもしれません。と、いうのも「夢のかよひ路・あるいは死出の旅」は難しいです。なにが難しいかといえば、出だしがまず難しいです。
『胡蝶』で、私が「私」の死を見ます。ここで読者の何割かは、私=芭蕉。「私」=西行。なのでは?と誤った読み間違いをする可能性があります。現にわたしもそうでした。しかしそのまま読み進めますと、次に「ゆるされぬ恋」とあります。ここで初めて、この私は芭蕉ではないのか?と疑問が生じます。『夢遊』にたどり着き、故郷は伊賀。在所は江戸。更に漂白の旅ときて、おお、こちらが芭蕉かと合点がいきます。ここまでくると、錫さんの張りつめた美しい文体と、夢では見るが記憶には残らないという凝った設定で物語を読み解こうという気になります。
 錫さんの物語は文章の美しさと共に、設定というか着眼点に惹かれます。ああ、これはわたしも書いてみたい!と思わされます。だからこそ今作の難しさが非常に歯痒かったです。

感想ありがとうございます。
難解とのご指摘にたいし、少しだけ言い訳をさせてください。
本作は詩を志向しておりまして、「胡蝶」のバースにおける視点が西行であることを隠しています。自分もちょっと間抜けなもので、感想欄が閲覧できることを知らずに暴露してしまったのです。これが第一の失策で、ほんとうは西行だとわかるひとがわかってくれればいいかなという感覚でいたのです。
「夢遊」のバースにおいては固有名詞こそ出すものの、註釈や説明は省略しております。其角や杉風といった弟子たちの名も、本作では記号でしかありません。蝉吟との関係についても、あくまで一説ですので、ほんとうにそうであったのかどうかは、ほんとうのところはわかりません。

西行の出家話のもとは、『西行物語』という説話でして、歴史ではありません。
「あのかた」というのは、待賢門院璋子のことです。うまれてすぐ、白河法皇の寵妃である祇園女御の養女となりました。法皇の孫である鳥羽天皇の正妻となり、のちの崇徳上皇(作中の新院)や後白河法皇をうみました。崇徳上皇は出生にいわくがありまして、じつは白河法皇とのあいだにできた子ではないかと当時から囁かれ、鳥羽天皇からも「叔父子」と呼ばれて疎んじられていました。やがて璋子は鳥羽院の寵を喪って出家して待賢門院となり、嵯峨でその生涯を閉じます。
それから崇徳と後白河のあいだで保元の乱が起き、敗れた崇徳院は讃岐に流され、日本最強の怨霊となりました。崇徳とか後白河というのは諡号、亡くなってからの名まえなので、生前にはそういう呼びかたをしません。新院というのは、あらたに上皇になられたかたという意味で、固有の名詞ではありません。
東の覇者というのは、源頼朝。そこで語られる「私」は、源義経です。

「胡蝶」「夢遊」というバース名は、荘子の「胡蝶の夢」から来ています。自分は蝶になった夢をみているが、ほんとうにそうなのか。蝶が人間になった夢をみているのではないか。現実と夢の境界とはなんであるのか。

ここまで本作を読みこんでいただき、作者冥利に尽きます。
ほんとうにありがとうございました。
[一言]
 この分野、全く不勉強なので確認させて下さい。
 「胡蝶」が西行のパートで、「夢遊」が松尾芭蕉のパート。松尾芭蕉は夢で西行になり、彼の人生をなぞらえているが、記憶には定かには残らない。ーーで、よろしいでしょうか?  ちなみに西行は「願わ(は)くは花の下にて春死なん」のひとで、まさにその通りの死に様に、当時大絶賛を受けたとか受けないとか。という酷い有様の知識しか当方持ち合わせておりません。なのに引き込まれて読み進めたくなる錫ワールド、恐るべしですね。確認できましたら再読したく待ち構えております。*尚この文章がネタばれになるのでしたら、錫さんの判断で削除して下さい。
感想ありがとうございます。
おっしゃるとおりでございます。

芭蕉の「軽み」の話なんですけど、カラスウリさんの文体はそれを体現されているんじゃないかなと思っております。
[一言]
錫さんの作品は、どれも読み応えがありますね。そして日本語の美しさを感じます。
ただちょっと自分が不勉強すぎました(笑)
芭蕉や西行について勉強してから、もう一度拝読したいと思います。
  • 投稿者: 退会済み
  • 23歳~29歳 女性
  • 2016年 01月27日 10時11分
管理
感想ありがとうございます。

文章をほめられるのは、いちばんうれしいです。
[一言]
実茂様繋がりで拝見させて頂きました。
幽玄な世界が、美しい日本語で見事に構築されていて、しばし、この世ならざる場所をたゆたうことが出来、幸せでした。
  • 投稿者:
  • 2016年 01月17日 10時08分
お読みいただき、ありがとうございます。
幸せと言っていただき、作者冥利に尽きます。
いえいえ、とんでもないことです。
幸せなのは、このような感想をいただいた私のほうです。

お気づきかもわかりませんが、芭蕉のみている夢の人物は西行です。
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