感想一覧

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[良い点]
二人の青年の友愛、信心。強いドラマでした。
この短い中で、人生が過ぎていったかと思うと、感慨深いものがあります。

自分も今回書いた作品で極一部、万葉集を引用したのですが、これはまさに万葉の世を強く身近に感じられました。

BLというよりも、本当に爽やかな友情信頼が熱かったです。

[一言]
宇宙皇子の、あの中の時代を思い出しました。ちょうどこの頃でございました。
玉藻稲荷&土鍋ご飯様

万葉集がお好きですか?九藤は古今・新古今和歌集より万葉集が好きです。
洗練は後者に劣るかもしれませんが、土の香りが漂うような大らかさを感じます。

短編に、登場人物の人生を籠めると、あっと言う間に時が過ぎたように感じますが、雄高も志貴皇子も、彼らの日々を重ねての一生であったかと思います。
振り返れば生涯とは、そのようなものかもしれません。

そうですね。「BLと言うより」と、他の方々にもご感想をいただきました。
絆、思い遣る心である、と。
愛情にはあまり垣根を感じないほうなので、この作品も「男性」と「男性」でなく、「個」と「個」の惹かれ合いに重点を置いて書きました。
それを感じ取っていただけたなら、嬉しく思います。

宇宙皇子を、残念ながら存じ上げません。美しい表紙絵が記憶にあるような…?
万葉のお話であるのなら、興味深いです。
流血のあった時代とは言え、当時ならではの悠久の美には心惹かれます。


短くも率直で心強いご感想を、どうもありがとうございました。

[良い点]
遅ればせながら、ようやく拝読いたしました。
予想にたがわず、美しい文章で綴られた万葉の息吹を堪能させていただきました。
志貴皇子という、チョイスがまた渋いです。雄高というキャラの対比もとてもよいと思いました。
BLというよりは、深い絆の物語だと思いました。
[一言]
わたし自身も古代史をテーマにした作品を書いたので、とても興味深く拝読いたしました。
煩雑な時代背景や、名称の説明など、わたしはかなり乱暴に素っ飛ばしてしまったので、九藤さまの丁寧な書き込みにとても驚嘆いたしました。
わずか六千字未満のなかで、これほどのドラマを書くことのできることの素晴らしさ。
できれば、また万葉ものを読ませていただきたいです。
  • 投稿者: たびー
  • 2016年 01月29日 22時41分
たびー様

返信が遅くなり、申し訳ありません!

堪能な訳ではないのですが、昔から和歌や詩が好きで、国語便覧に載った百人一首や万葉集などを見てはにやにやする、変わり者でした。
志貴皇子の名前も、「石ばしる」の詠み手、優れた歌人、という認識がありました。

何と言いますか、九藤にはとても馴染みやすい人だったのです。
「石ばしる」の歌は、清流のように優しく、恐らく詠まれた当時から今日に至るまで、たくさんの人に愛されているのではないでしょうか。

作品には作り手が滲み出ます。九藤はきっと、この、春を喜ぶ歌を詠んだ皇子の感性に惹かれたのです。
繊細な優しさを感じました。

そして、そうであれば、政界の中枢にあることは、苦しかったのではないか。

そんなことを想う内に、九藤の中で、「志貴皇子」と、彼の対となる雄高が生まれ育っていったのです。

夢心地のようにふわふわしただけではない、現実世界と密着した世界を描ければ、と願いました。その上でなお、優しいもの、清く澄んだものが読者の方の心に残れば、と…。

説明の箇所は難しいと感じました。
メジャーではない時代なので、初めて読まれる方に入りやすいようにと配慮したつもりですが、中には違和感を覚えた方もおられて、表現の難しさを思いました。

さらり、と呑み込んでいただくのが理想ですが、うーん。
難しいです(笑)。

九藤は「人間ドラマ」を作品に反映できればなあ、と常々、願い、望んでいますので、たびーさんに「ドラマ」とお褒めいただき、とても、嬉しいです。

古代史を好まれるお気持ち、解る気が致します。
血生臭い抗争の一方で、あの時代を流れる、ありきたりな表現ですが、悠久の風のようなものに、郷愁を感じるような。
九藤にとって、そんな時代です。
万葉集は、新古今集などと比べて土臭いかもしれませんが、その土の匂いも、とても好きです。

勉強をもっと頑張る必要がありますが、次に万葉ものを書くのであれば、女性を書きたく思います。今回は男性同士の、たびーさんのありがたいお言葉を借りるなら、「深い絆」の物語で、振り返れば女性色が皆無でした…。
ひらひらした領巾(ひれ)、とか、お化粧の花鈿(かでん)、薬狩りなど、並べるだけでわくわくするような単語を扱ってみたいです。


いつもながら、文章が長々となってしまい、すみません…。

丁寧、かつ想いの圧縮された嬉しいご感想を、ありがとうございました。
[良い点]
お邪魔します。
活動報告でお見かけして寄らせてもらいました。

万葉浪漫、いいですよね。
上代~中古を舞台にした物語が好きなので、とても楽しく拝見致しました。

ささいな地の文にしろ台詞回しにしろ、語彙にかなりの制限がかかる舞台設定であるはずなのに、まったくそんな違和感はなく、どっぷりと重厚な人間関係に浸ることが出来ました。

この時代ならではの、奔流の中、手に手を取ってじっと息を潜めるかのような魂の惹かれ合い。そういう人間くささが見事に表現されていたように思います。

物語の緩急も秀逸で、導入部分の典雅さと静けさが、読後の余韻をより切ないものにしているように思われます。

性別や肉体を超越して必死に繋がろうとする志貴皇子と雄高の姿に胸をうたれます。イラストの二人も本文そのままに凛としていて、とても美しいです。

雅やかで、どこか土の匂いのするような力強い万葉の人間模様、堪能させていただきました。


[気になる点]
ごくごく個人的な意見というか、嗜好の問題で恐縮なのですが;

文中に()で入る説明がちょいちょい気にかかって、物語への集中を散らされました。
もちろん、より分かりやすいようにという作者様のご配慮とは承知しているのですが……

とりあえず注1とかつけておいて、訳注はあとがきなどにまとめられてはいかがでしょうか。

すみません。
寸分の隙もなく万葉世界が構築されているからこそ、唐突に入る現代的な説明がもったいなさすぎて、生意気にもさしでがましい口を叩いております……
あくまで個人的な一意見ですのでご容赦を(>_<)

[一言]
お邪魔しました。おかげさまでとても楽しい読書の時間を過ごすことが出来ました(^^)/
野良うさぎさん

こんなに長く、丁寧で、お心の籠ったご感想をいただけるとは。

感謝の表現がもどかしいです。文章を書く身でありながら。

細部までを取り上げてくださった丹念なお褒めの言葉の数々、非常にありがたく感じます。

万葉の息吹をお届けできたなら、何よりです。


説明文へのご指摘、ご意見もまた、非常にありがたく拝聴致しました。
文章を読み慣れた方ならではの、鋭いご指摘と心得ます。

九藤自身、書きながら、迷いもあったのです。

「雰囲気を崩しはしないか?省いてもいけるのではないか?」 など。

普段、自分が常識と思い多くの作品を拝読するぶん、書き手となった時、読み手に対して不親切になることを、日頃より危惧しています。

今回は設定が、一般の方には馴染みの薄いであろう世界であった為、かなり慎重になったことは否めません。

野良うさぎさんと同様に感じられた方も、恐らくいらっしゃると思います。

色々、考えてみました。

訳注であとがきにまとめるのも一案なのですが、それはそれで、あとで見返す手間がかかり、作品世界への集中が切れるかと懸念したりもします(自分の読書歴における経験から)。

語彙や時代に対する知識、作品に求めるもの、読者の方の数だけあるのだということを、野良うさぎさんや、他の方のご感想によって気づかせていただきました。

さしでがましいなど、とんでもないです。
口を閉ざせば無難でいられる場面で、あえて指摘してくださったのは、野良うさぎさんがそれだけ、本作をお好きになってくださったからだと理解しております。

得難い読者様です。

緻密で丹念、そして親身なご感想に感謝申し上げます。
[一言]
こんにちは。
ふりがなや語句の説明が丁寧で、読みやすかったです。優しさがつまった二人の関係に対し、皇子死後に残された腕は他者からしたらやっぱり不気味でしかなくて、温かくも悲しいお話だなぁと思いました。

くらきしいさん

こんばんは。時代ものということで、あまり馴染みのない方にもお読みいただけるよう、配慮しました。
読みやすいと感じていただけたなら、嬉しいです。

生きている間の触れ合いは、尊いですね。

雄高の腕は、志貴皇子にとっては、宝に等しかったでしょう。

しかし、仰る通り、それに価値を見出すのは、皇子一人きり。
彼の想いは、孤独に沈むばかりであったかと想像します。

発見した人たちは、皇子の正気を疑ったでしょうね。

誰にも知られることのなかった雄高と志貴皇子の相愛は、そんな意味でも悲しいものだと思います。

くらきしいさんに、温かさも感じていただけたのは、幸いでした。ほっとしています。


明瞭で思いの籠ったご感想、ありがとうございました。
[良い点]
前半の少年たちの清々しい邂逅。
そこからほのかに香る恋情。
ラストのドラマティックかつ残酷な別れ。

一連の話の流れが素晴らしく、世界観に引き込まれました。
[一言]
切なさに涙がこみあげました。
あちらの世界で無事に邂逅を果たし、幸せに笑ってくれていると良いなぁ、と思いました。
  • 投稿者: 夜凪
  • 2016年 01月09日 11時10分
夜凪様

人生も恋も、往々にしてままならないものです。
まして政治抗争の中にあっては、自由の謳歌など望むべくもありません。

とても悲しい物語になってしまったと思います。

それでも、彼らの過ごしたひと時を肯定的に受け止めて、そして九藤の精一杯の描写をお褒めいただき、とても嬉しいです。

この世界に浸ってくださった夜凪さんの心に、佳きものが得られますことを願います。

夜凪さんの涙の温かさに報われます。
彼らの幸いを願ってくださる優しさが、これからの九藤の執筆を支える糧にもなります。


言葉にし難いほど嬉しいご感想でした。
ありがとうございました。
[良い点]
とてもよかったです!
古代の日本を舞台に、二人の少年たちの愛を描いたこの作品。雰囲気があって素敵でした。
BL要素があるといっても、爽やかな嫌味のない交流だったと思います。
時代の奔流に飲み込まれた彼らの運命は悲しいですが、互いに互いを思いやるあの腕を切るシーンはぐっときました。

樹里さんの挿し絵もとても繊細で美しかったです(*^^*)
  • 投稿者: 美汐
  • 2016年 01月09日 06時26分
美汐さん

ありがとうございます。BL、と聴いて期待された方には、肩透かしであったかもしれません(笑)。

美しい表現が許されるなら、互いに魂を求め合っていたのかと思います。

或いはそれを翡翠の耳環になぞらえ、或いはそれを腕に仮託し…。

腕を迷わず切断する雄高の、狂気的なまでの潔さはすさまじいです。彼はそこまで、皇子を大事に想っていたのかと考えると、作者ながら畏怖のようなものすら感じます。


樹里さんの絵、初めて見た時、美しさに見惚れてしまいました。
恵まれた作品だと思います。


明快なご感想に感謝申し上げます。
[良い点]
ようやくお邪魔出来ました。壬申の乱を背景に志貴皇子と雄高の清いつながり、楽しませて頂きました。BLと言うのでかなりの警戒感があったのですが、激動の古代を舞台背景としつつ王朝当時のどこかゆったりとした雰囲気を柔らかな言葉選びできちんと描いており、皇子と豪族の深いつながりも、とても男性的な、いっそ気持ちのいい友誼として描かれていて非常に好感を持てました。多少血をみるお話ですが、ラストもどこかすがすがしい読後感でしたよ(*´∇`*)
[一言]
挿絵の色みも明るくさわやかで物語に非常にふさわしいものでした。思いの外堪能させて頂きました(._.)
ちかげさん

BLという分野を銘打ってみましたが、根底にあるのは人同士の交流です。そこに、恋慕に非常に近しいものがあった、というくらいに受け取っていただければと。

悠久の名残ある、美しい時代だったと思います。
しかしあの時代は、特に皇族間が血で血を洗う状況がありました。繊細な感性の持ち主には、辛いことだったでしょう。

皇子の心の拠り所であった雄高は、海中へと沈みました…。

それから、雄高の腕を拠り所に生きた彼の胸中はいかばかりであったかと、作者でさえ思ってしまいます。

ちかげさんに堪能していただいたとのこと、非常に喜んでおります。読了報告やご紹介までしていただき。


それら含め、率直かつ丁寧な御感想に感謝します。
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