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[良い点]
コークと聞いてまだ可愛いところを残しているのだなと思いきや、一気に突き落とされた気分です。
冒頭千字ほどで一気に、戦場その場に立っているような臨場感に包まれました。
プロの文筆家が戦地に赴き、体験記を綴ったような文章でありました。

正義を語る偉そうな大人に少し認められただけで、簡単に茹で上がってしまう子ども。
薬物という特殊なものではありますが、ご褒美で釣られてしまう普遍的に存在する子ども。
エコンダは少年兵となってしまう過程を、的確に表していると感じます。

そして日本側も不穏な情勢であることが伺え、エルメニアとの対比構造と共に同軸構造でもあるのではと感じました。
このまま進んでいけば、いずれ……と深く考えさせられてしまいました。

ゲームのことを話していてですら、二つの国家間での認識がこんなにも違う。
現実にもあるのであろう残酷なる差異が如実に描写され、表現技術への感嘆と共に悲痛な心情が溢れました。

エコンダも自らの行いと同じような末路を辿り、それは単純な対比構造ではない。
作中でも描写されたように国家同士には多くの違いがあるが、それでも世界は繋がっている。
貴子がラストシーンで語ったことは、あまりにも皮肉なものであるのに、日常で行われるあまりにも軽い言葉。
世の無常というものを、痛切に感じさせる文章でありました。
あっ、そうですよね…いきなりダークなお話というか、少年兵を薬物漬けにしてでも戦地へ向かわせる大人達と、その大人達が言う事を、薬物中毒だけでなく、暴力行為が子供故の面もあって、残酷な行為にためらいがない、悲劇的な姿だと想います。

いえ、全然そんなことはないです、もう本当にこの2016年に書いた短編が…5つでしょうか、それだけですので、恐縮です。

そうですね、少年という存在だからこそ、反抗もあるものの大人に認められ褒めそやされるのを、素直に受け取ってゆであがってしまうのだと思います。
左耳1つで0.02g…人の命としては安すぎる気がしますが、少年達にはその感覚がないのかもしれません。。。

ありがとうございます、実は偉人喰いナイフさんさんがおっしゃられるとおり、エルメニアとの対比構造、内戦中の少年と、社会の不穏さが増している中平和で「ガンシューティングゲーム」をする少女…ただ、同軸構造なので、それはいつ本物の銃に変わるか分からないという構造を書かせて頂いた面があります。

ですね…「ガンシューティング」、本当に悲しい事ですよね…平和な日本、戦地を想像しないで平和だから大丈夫だと思う日本、平和のための戦争だと戦争に走る事になる日本…という意味でも、ガンシューティングの言葉の用いられている翻訳が、二人の狭間になっているのもお察し頂いている通りかと思います。

そうですね…自らがある村で「僕はまだ14歳だよ!」と命乞いをした少年を撃ち殺したエコンダは…ある種の、少年ははじめからそうだった訳でもなければ、少年だからこそ残虐にもなったけれど、結局は大人が作り上げたペルソナで、そう足を失い泣き叫んでいるのは、どこにでもいる少年と同じだ、と個人的には思います。

そうですね、作中の国家同士の争いや違いがあっても、世界は繋がっていて、決して遠い世界で対岸の火事ではない、というのと、そういった悲劇は国境で遮られ見られないように思ってしまいますが、世界の連続性、貴子の見上げる空はエコンダも見上げた空で、繋がっているということが、偉人喰いナイフさんさんのご感想の通り、あるかと思いました。

そうですね、本当にあまりにも軽く…でも実は本当に、鉄パイプで殴って殺した少年も、14歳の少年を撃ち殺したエコンダも、大人は大きな責任をモチ、そして世間がそのように、「残酷なほど青い空」で何事もなかったかのように動き、貴子も何事もなかったかのような日本の平和な生活を送っている…ただし、それは貴子にも迫ってきている、という事を、偉人喰いナイフさんのご感想とともに、ご一緒に感じてしまいました。本当にとても深く内容と隠してあったメッセージを読み取ってくださって、本当にありがとうございました、とても嬉しいです!
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