感想一覧
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前略、犬笑虚白樣。
……前略で失礼します。
貴兄であればこの書き出しの意味を忽ちに了解されるものと思われます。
ケタケタと笑いながら一気に読ませていただきました。衒学的な文体、豊富な情報量、そして何より食に対する(それも庶民的なそれに対する)貪欲にして過剰な描写。サイバーパンクの世界観と、食と生命という根源的な主題。大好物です。お若いのにこれだけ書けるのが正直羨ましい! 色々なことに試みられた跡が見られる労作だとお見受けいたしました。
「ごちそうさまでした」の意を込めて、悪しからず感想を残させていただきました。
草々。
前略、犬笑虚白樣。
……前略で失礼します。
貴兄であればこの書き出しの意味を忽ちに了解されるものと思われます。
ケタケタと笑いながら一気に読ませていただきました。衒学的な文体、豊富な情報量、そして何より食に対する(それも庶民的なそれに対する)貪欲にして過剰な描写。サイバーパンクの世界観と、食と生命という根源的な主題。大好物です。お若いのにこれだけ書けるのが正直羨ましい! 色々なことに試みられた跡が見られる労作だとお見受けいたしました。
「ごちそうさまでした」の意を込めて、悪しからず感想を残させていただきました。
草々。
- 投稿者: 退会済み
- 40歳~49歳 男性
- 2016年 06月04日 18時51分
管理
不波 流さん、感想ありがとうございます! とても嬉しいです。
福岡の屋台、特にラーメン屋さんは心の仕切りが消える特異点です。幼い頃から屋台のラーメンを食べていた経験が、今作の出発になったのかなと、いまは思えます。
その意味で、この作品の本質はジャンクフード。笑って一気に読んでいただけたというのは、拙作の本質をつかんだ味わい方なのかなと思います。
お粗末様でしたm(__)m
福岡の屋台、特にラーメン屋さんは心の仕切りが消える特異点です。幼い頃から屋台のラーメンを食べていた経験が、今作の出発になったのかなと、いまは思えます。
その意味で、この作品の本質はジャンクフード。笑って一気に読んでいただけたというのは、拙作の本質をつかんだ味わい方なのかなと思います。
お粗末様でしたm(__)m
- 犬井作
- 2016年 06月05日 02時33分
[良い点]
気の利いたセリフ回しと、高名な文献……というか、どこかで聞いたような文言を上手く改変した一文、文章の流れ、表現方法というか全体の文章。
ほどよくお洒落だと感じました。
『男は現代のカインだった。』
純粋にかっこいい一文でした。
『我々が食事に向き合うとき、食事もまた我々を見つめている』
ここでこのネタぶっこむのか……! 素直にくすりと笑えました。
[気になる点]
冒頭付近に出てきた、アベックという単語にいささか違和感と古臭さを感じました。
介入機というSFチックなアイテムが存在する世界で、今の僕(若造)からみて古臭い言葉であるアベックが使われているのは妙だなぁ、と感じました。
『恋人たち』や、『カップル』といった言葉で代替しても良いのではないかと思います。
[一言]
他に感想を残されている皆様のように、虚白先生にとって、『為になる』『技術の向上に繋がる』感想は書けないと思いますがご容赦ください。何分、私は無学な者ですので……。
介入機、神経接続、無菌といったSFチックなキーワード、世界観からの「母は神ではない」からの宗教的な雰囲気を感じさせる一節。
物語の雰囲気、空気感に引きこまれました。SF、無機質な機械と宗教的な神の対比、対称性とでもいいますか。……無学故うまく説明できませんが、ただただ惹かれました。
その後に一連の流れ――少年が禁断の園に踏み入り知恵のみを食して啓蒙されるくだりは、食事描写の良い意味での執拗さと、装飾過剰なようでそうではない気の利いたセリフ回しで楽しめました。
この話の前日譚――例えば、少年がリテラシーを万なんだり、学校であれこれ教わったり、母から人に触れてはいけないと学ぶ場面等々を追加すれば、より理解しやすくなるように感じました。
気の利いたセリフ回しと、高名な文献……というか、どこかで聞いたような文言を上手く改変した一文、文章の流れ、表現方法というか全体の文章。
ほどよくお洒落だと感じました。
『男は現代のカインだった。』
純粋にかっこいい一文でした。
『我々が食事に向き合うとき、食事もまた我々を見つめている』
ここでこのネタぶっこむのか……! 素直にくすりと笑えました。
[気になる点]
冒頭付近に出てきた、アベックという単語にいささか違和感と古臭さを感じました。
介入機というSFチックなアイテムが存在する世界で、今の僕(若造)からみて古臭い言葉であるアベックが使われているのは妙だなぁ、と感じました。
『恋人たち』や、『カップル』といった言葉で代替しても良いのではないかと思います。
[一言]
他に感想を残されている皆様のように、虚白先生にとって、『為になる』『技術の向上に繋がる』感想は書けないと思いますがご容赦ください。何分、私は無学な者ですので……。
介入機、神経接続、無菌といったSFチックなキーワード、世界観からの「母は神ではない」からの宗教的な雰囲気を感じさせる一節。
物語の雰囲気、空気感に引きこまれました。SF、無機質な機械と宗教的な神の対比、対称性とでもいいますか。……無学故うまく説明できませんが、ただただ惹かれました。
その後に一連の流れ――少年が禁断の園に踏み入り知恵のみを食して啓蒙されるくだりは、食事描写の良い意味での執拗さと、装飾過剰なようでそうではない気の利いたセリフ回しで楽しめました。
この話の前日譚――例えば、少年がリテラシーを万なんだり、学校であれこれ教わったり、母から人に触れてはいけないと学ぶ場面等々を追加すれば、より理解しやすくなるように感じました。
- 投稿者: 退会済み
- 18歳~22歳 男性
- 2016年 04月16日 20時25分
管理
感想ありがとうございます!
この作品では今まで封印してきた宗教ネタを解禁してこれでもかと言わんばかりに詰め込んだので、「かっこいい」と言っていただけで、本当に嬉しいです。楽しんでくださって、本当にありがとうございます。
ご指摘のあった「アベック」だとか、「少年の背景」だとかの掘り下げ不足は自分でも感じておりまして、近いうちにこれを全面改稿するさいの冒頭シーンに持ってくる予定でした。
改稿版はこの作品でやりたかったものをより先鋭化させ、より掘り下げていく予定ですので、よろしければその時はまた、楽しんでいただけると幸いです。
改めて感想ありがとうございました。励みになりましたm(__)m
この作品では今まで封印してきた宗教ネタを解禁してこれでもかと言わんばかりに詰め込んだので、「かっこいい」と言っていただけで、本当に嬉しいです。楽しんでくださって、本当にありがとうございます。
ご指摘のあった「アベック」だとか、「少年の背景」だとかの掘り下げ不足は自分でも感じておりまして、近いうちにこれを全面改稿するさいの冒頭シーンに持ってくる予定でした。
改稿版はこの作品でやりたかったものをより先鋭化させ、より掘り下げていく予定ですので、よろしければその時はまた、楽しんでいただけると幸いです。
改めて感想ありがとうございました。励みになりましたm(__)m
- 犬井作
- 2016年 04月16日 23時41分
[一言]
遅れまして、こんにちは、雪原たかしです。
公募用ということで、下読み気分で読ませていただきました。僕の『下読み気分』とは『イチャモンモード』とも読める、とても攻撃的かつわがままかつ面倒な状態です。取捨選択しづらいでしょうが、傷をつけようと思えばこのくらいはつけることができるのだ、という指針にでも使ってください。
先に断っておくと、今回はPDFの16枚目あたり(何が副作用のトリガーになるかわからない)で、ツッコミのしすぎ(書きすぎ)で疲れて、読むのをやめてしまいました。
では、以下にツッコミを入れていきます。ほぼ順番通りです。場所は虚白さんのほうで確認してください。
・「彼女は気に入らないし、テストも嫌いだが、この言葉は気に入った」は、完了形が少なからず過去の要素を含んでいるので、文として時間を統一するためにも、現在ないし継続の「気に入っている」としたほうがよいと思われます。もし前の言葉(食事とは云々)に対して、最初に覚えたときには全く何も感じていなくて、不意に口ずさんだその言葉にこの時初めて意識が向いて、それを気に入ったのなら完了ですが、そうではないのではありませんか?
・英訳が過多だと感じました。錯覚(フリップ)、禁止(フォビドゥン)、可動する(インタラクティブ)、書籍(リブロ)、取り外す(ジャック・アウト)と、漢字表記のみが好ましいと感じたものを挙げてみました。世界観を作り出すのに必要とは思えず、ただひねりたいだけのように思えました。似たものに神の子(マジョリティ)と追放者(マイノリティ)がありました。多数派と少数派という記号的な表現によく使うマジョリティとマイノリティという言葉をここに使うのは面白くない、というのが正直な感想です。漢字だけで読ませても十分だと思います。
・「食事をするとき、生きているという感じがする」が、どこに「生きている感じ」を見出しているのかが見えません。あとに続く文を見ても繋がりがなくて分かりません。
・「無味栄養食」や「食事推奨(の公園)」などの、名詞化する表現に、僕は味がないと思います。意味は通りますが、「無味な栄養食」や「食事用に推奨されている公園」と書いてほしいのが個人的な希望です。名詞化して短くするのは窮屈だと感じてしまうので。
・「疑問もそのままおれは――」は「そのまま『に』おれは」と、「に」を入れるほうがよいです。ついでにその後ろに句点を入れると読みやすいかもしれません。
・「リテラシーの教えをおれは思い出す」は、「思い出した」と完了を出すのもいいかもしれません。
・「義務を果たそうと」は字下げができていません。
・「なにかを手に持っている」と言いつつ、間髪入れずにその正体を「容器」だと書くなら「なにか」と言わなくてもよいはずです。
・「ぺりぺりとその上部をはがした」は、どこをはがしたのかが見えません。容器にはフタが付いていたのかもしれない、と考えたりもしました。「その」が指すところを「ポップな字」とは考えられませんし、浮いてしまっています。
・発がんリスクが継続的な物質の吸引で3かける10のマイナス7乗上昇するのと、介入機のストレスによる影響とを比べてみると後者のほうが大きそうな気もするのですが、どうでしょうか。
・介入機は常時身につけているのに、なにかの都度に認証が必要なのは不便だ、と思いました。「認証」と呼んでいるためにそう思うのかもしれません。普通の操作の感じがしないです。
・そこで食事を取ることを推奨されている都心の公園ともなれば人がいそうなのに「静謐」というかなり度の大きい静けさがありえるだろうか、と考えてしまいました。
・最初に「追放者」が出てきた時に、どこから追放されたのかははっきりしていなくて、そこで「家ん中で――」と言われて、「追放された人だけど家はあるんだ」とか「家の中なら禁制品もありなのか」とか考えました。想像できることに幅があったので少し疲れました。
・最初は男のことを「追放者」と書き、次には「違反者」と変えているのはどういう状況ですか? あまり変えてほしくはなかったです。変える積極的な意味が見いだせませんでした。追放とはどういうことかをはっきりさせていないがために、追放者と違反者をはっきり分けるものが見えない、またはあるのかないのかも分からないという状況になっています。
・割り箸を「木の棒」と書く理由が分かりません。後のほうであっさりと割り箸であることを分かっていると書かれると、木の棒とした意味を見いだせません。
・「つ」というオノマトペとお辞儀がつながってきませんでした。
・「パパより大きな両手」という突然のパパの登場には戸惑いました。必要性が感じられません。
・逆光で、男の瞳には入射光がないはずなのに瞳が輝くでしょうか。
・「はじめてを失う」は、前の文との関係で違う意味に引きずられそうでした。
・男の動きが描かれていないのに「影の去ったあと」と、明らかに男が動いている描写があって、つながってきませんでした。
・少年は男を見上げているのに、男は少年からなるとを食べているのが見えないほどに頭を下げていることになり、なかなかに無理があると思いました。
・何を問うべきか悩んでおきながら間髪入れずに「疑問が湧いた」と書かれて戸惑いました。
・「話さなかった」は「離さなかった」ですね。
・「男は悪魔ではなかった」は、前の文とのつながりを考えて、男は少年にとって好奇心の対象ではない、ということにもとることができます。「悪魔」という表現が厄介なものになっています。
・違反者(カイン)と呼ぶのをためらっていたのに、どう呼びたいか聞かれてカインと答えるのは矛盾です。
・つられて笑ってしまったくらいで気を許してしまうのはかなりちょろいです。読み取っていた嫌悪感からは想像しづらいです。
・「おれはあなたを」は、少年がおよそ使いそうもない二人称で戸惑いました。
気を許したとして、男のどこに対する警戒が残っていたのか書いてほしかったです。信頼するところは書いているので。
・「予想もしない質問に」は一字下げができていません。
・質問がまだどのようなものかも言っていないのに、答えてくれるかどうかを先に聞いてしまうのは、現実ではまずありえないとは思いませんか? 文章を書いていると陥りやすいことで、現実ではしないような話の持ち込み方をしてしまう、というのがあります。もしその質問が女性に体重を聞くようなものだったら? ということです。
・「ぼくがおれに成ったのはいつだったか?」は、必要でしょうか? 浮いているように感じました。
・神経接続型の介入機がどのようなものなのかがあまり分かりません。埋込み型はなんとなく分かりますが、接続はどこをどこから接続しているのかが分かりません。
・少年は言葉遣いが荒いわりには「してはならない」といった堅い言葉を使ったりしていて、キャラとしてぶれていると思いました。
・「イトウ理髪店」も反対にしないのはなぜですか?
・「その思念」が何を受けているのかが不明です。
・「その仮面」は、比喩として面白くないです。かなり定形的だと感じました。
・涙はまぶたを覆えません。逆立ちしているなら話は別ですが。
・「もうどうにでもなれ」はすべてを放棄して言う言葉です。ここで少年は完全に無抵抗になるようには読めません。
・「葦になることにした」は、「人間は考える葦」という名言もあるので、ただの葦、つまり考えるのをやめるのか、と考えたのですが、そうではなくてがっかりしました。
・もっと前の場面のほうが強い力を出していそうなのに、突然手を振り払えたのが謎です。油断でしょうか?
・「イヴ」と「エバ」の二重表記がありました。
・「『彼ら秋の――これは』」は何ですか?一体何なのか全く分かりませんでした。
・ねずみを汚物の山から探し出したりするようになるほど少年が変わっていたとは読み取れていなかったので戸惑いました。
・「生命は外面に宿る」は、ねずみを見てからの言葉であり、対になるはずの「内面」について全く言及していないのに結論づけることができるとは思えないのです。
・違反者や追放者を見分けるのは服装と介入機の型だけでしょうか? 他に区別できるものはないのですか?
・確信がないのなら「たぶん油性マジックで色をつけた」と言わなくてもいいと思われます。油性マジックが禁制品だとか言ってみれば納得できます。
・「汚れているのにぎらぎらした目」は、「ぎらぎら」がきれいな感じがしないので、よごれている「のに」と書くのは違和感があります。
・「あの小さな背中」はどれのことでしょうか?
以上です。量を見ていただければ、僕が疲れて読むのをやめてしまったのも納得していただけるかと思います。
全体的に言えるのは、動作や感情が一番大きなもののさらに極までいってしまっている、ということです。途中がほとんどなくて、段差があちらにもこちらにもあるように感じられました。滑らかなアニメーションではなく、別々のテーマの絵をひとつずつ見ているような感覚です。何かがあってこう動いて、こう思った、という動きが見えればいいのに、と思いました。
遅れまして、こんにちは、雪原たかしです。
公募用ということで、下読み気分で読ませていただきました。僕の『下読み気分』とは『イチャモンモード』とも読める、とても攻撃的かつわがままかつ面倒な状態です。取捨選択しづらいでしょうが、傷をつけようと思えばこのくらいはつけることができるのだ、という指針にでも使ってください。
先に断っておくと、今回はPDFの16枚目あたり(何が副作用のトリガーになるかわからない)で、ツッコミのしすぎ(書きすぎ)で疲れて、読むのをやめてしまいました。
では、以下にツッコミを入れていきます。ほぼ順番通りです。場所は虚白さんのほうで確認してください。
・「彼女は気に入らないし、テストも嫌いだが、この言葉は気に入った」は、完了形が少なからず過去の要素を含んでいるので、文として時間を統一するためにも、現在ないし継続の「気に入っている」としたほうがよいと思われます。もし前の言葉(食事とは云々)に対して、最初に覚えたときには全く何も感じていなくて、不意に口ずさんだその言葉にこの時初めて意識が向いて、それを気に入ったのなら完了ですが、そうではないのではありませんか?
・英訳が過多だと感じました。錯覚(フリップ)、禁止(フォビドゥン)、可動する(インタラクティブ)、書籍(リブロ)、取り外す(ジャック・アウト)と、漢字表記のみが好ましいと感じたものを挙げてみました。世界観を作り出すのに必要とは思えず、ただひねりたいだけのように思えました。似たものに神の子(マジョリティ)と追放者(マイノリティ)がありました。多数派と少数派という記号的な表現によく使うマジョリティとマイノリティという言葉をここに使うのは面白くない、というのが正直な感想です。漢字だけで読ませても十分だと思います。
・「食事をするとき、生きているという感じがする」が、どこに「生きている感じ」を見出しているのかが見えません。あとに続く文を見ても繋がりがなくて分かりません。
・「無味栄養食」や「食事推奨(の公園)」などの、名詞化する表現に、僕は味がないと思います。意味は通りますが、「無味な栄養食」や「食事用に推奨されている公園」と書いてほしいのが個人的な希望です。名詞化して短くするのは窮屈だと感じてしまうので。
・「疑問もそのままおれは――」は「そのまま『に』おれは」と、「に」を入れるほうがよいです。ついでにその後ろに句点を入れると読みやすいかもしれません。
・「リテラシーの教えをおれは思い出す」は、「思い出した」と完了を出すのもいいかもしれません。
・「義務を果たそうと」は字下げができていません。
・「なにかを手に持っている」と言いつつ、間髪入れずにその正体を「容器」だと書くなら「なにか」と言わなくてもよいはずです。
・「ぺりぺりとその上部をはがした」は、どこをはがしたのかが見えません。容器にはフタが付いていたのかもしれない、と考えたりもしました。「その」が指すところを「ポップな字」とは考えられませんし、浮いてしまっています。
・発がんリスクが継続的な物質の吸引で3かける10のマイナス7乗上昇するのと、介入機のストレスによる影響とを比べてみると後者のほうが大きそうな気もするのですが、どうでしょうか。
・介入機は常時身につけているのに、なにかの都度に認証が必要なのは不便だ、と思いました。「認証」と呼んでいるためにそう思うのかもしれません。普通の操作の感じがしないです。
・そこで食事を取ることを推奨されている都心の公園ともなれば人がいそうなのに「静謐」というかなり度の大きい静けさがありえるだろうか、と考えてしまいました。
・最初に「追放者」が出てきた時に、どこから追放されたのかははっきりしていなくて、そこで「家ん中で――」と言われて、「追放された人だけど家はあるんだ」とか「家の中なら禁制品もありなのか」とか考えました。想像できることに幅があったので少し疲れました。
・最初は男のことを「追放者」と書き、次には「違反者」と変えているのはどういう状況ですか? あまり変えてほしくはなかったです。変える積極的な意味が見いだせませんでした。追放とはどういうことかをはっきりさせていないがために、追放者と違反者をはっきり分けるものが見えない、またはあるのかないのかも分からないという状況になっています。
・割り箸を「木の棒」と書く理由が分かりません。後のほうであっさりと割り箸であることを分かっていると書かれると、木の棒とした意味を見いだせません。
・「つ」というオノマトペとお辞儀がつながってきませんでした。
・「パパより大きな両手」という突然のパパの登場には戸惑いました。必要性が感じられません。
・逆光で、男の瞳には入射光がないはずなのに瞳が輝くでしょうか。
・「はじめてを失う」は、前の文との関係で違う意味に引きずられそうでした。
・男の動きが描かれていないのに「影の去ったあと」と、明らかに男が動いている描写があって、つながってきませんでした。
・少年は男を見上げているのに、男は少年からなるとを食べているのが見えないほどに頭を下げていることになり、なかなかに無理があると思いました。
・何を問うべきか悩んでおきながら間髪入れずに「疑問が湧いた」と書かれて戸惑いました。
・「話さなかった」は「離さなかった」ですね。
・「男は悪魔ではなかった」は、前の文とのつながりを考えて、男は少年にとって好奇心の対象ではない、ということにもとることができます。「悪魔」という表現が厄介なものになっています。
・違反者(カイン)と呼ぶのをためらっていたのに、どう呼びたいか聞かれてカインと答えるのは矛盾です。
・つられて笑ってしまったくらいで気を許してしまうのはかなりちょろいです。読み取っていた嫌悪感からは想像しづらいです。
・「おれはあなたを」は、少年がおよそ使いそうもない二人称で戸惑いました。
気を許したとして、男のどこに対する警戒が残っていたのか書いてほしかったです。信頼するところは書いているので。
・「予想もしない質問に」は一字下げができていません。
・質問がまだどのようなものかも言っていないのに、答えてくれるかどうかを先に聞いてしまうのは、現実ではまずありえないとは思いませんか? 文章を書いていると陥りやすいことで、現実ではしないような話の持ち込み方をしてしまう、というのがあります。もしその質問が女性に体重を聞くようなものだったら? ということです。
・「ぼくがおれに成ったのはいつだったか?」は、必要でしょうか? 浮いているように感じました。
・神経接続型の介入機がどのようなものなのかがあまり分かりません。埋込み型はなんとなく分かりますが、接続はどこをどこから接続しているのかが分かりません。
・少年は言葉遣いが荒いわりには「してはならない」といった堅い言葉を使ったりしていて、キャラとしてぶれていると思いました。
・「イトウ理髪店」も反対にしないのはなぜですか?
・「その思念」が何を受けているのかが不明です。
・「その仮面」は、比喩として面白くないです。かなり定形的だと感じました。
・涙はまぶたを覆えません。逆立ちしているなら話は別ですが。
・「もうどうにでもなれ」はすべてを放棄して言う言葉です。ここで少年は完全に無抵抗になるようには読めません。
・「葦になることにした」は、「人間は考える葦」という名言もあるので、ただの葦、つまり考えるのをやめるのか、と考えたのですが、そうではなくてがっかりしました。
・もっと前の場面のほうが強い力を出していそうなのに、突然手を振り払えたのが謎です。油断でしょうか?
・「イヴ」と「エバ」の二重表記がありました。
・「『彼ら秋の――これは』」は何ですか?一体何なのか全く分かりませんでした。
・ねずみを汚物の山から探し出したりするようになるほど少年が変わっていたとは読み取れていなかったので戸惑いました。
・「生命は外面に宿る」は、ねずみを見てからの言葉であり、対になるはずの「内面」について全く言及していないのに結論づけることができるとは思えないのです。
・違反者や追放者を見分けるのは服装と介入機の型だけでしょうか? 他に区別できるものはないのですか?
・確信がないのなら「たぶん油性マジックで色をつけた」と言わなくてもいいと思われます。油性マジックが禁制品だとか言ってみれば納得できます。
・「汚れているのにぎらぎらした目」は、「ぎらぎら」がきれいな感じがしないので、よごれている「のに」と書くのは違和感があります。
・「あの小さな背中」はどれのことでしょうか?
以上です。量を見ていただければ、僕が疲れて読むのをやめてしまったのも納得していただけるかと思います。
全体的に言えるのは、動作や感情が一番大きなもののさらに極までいってしまっている、ということです。途中がほとんどなくて、段差があちらにもこちらにもあるように感じられました。滑らかなアニメーションではなく、別々のテーマの絵をひとつずつ見ているような感覚です。何かがあってこう動いて、こう思った、という動きが見えればいいのに、と思いました。
頭の中でできていた世界観を伝えることができていないせいで、逆に邪魔になっているようですね。今まで出てこなかったタイプのツッコミばかりで、とても参考になりました。
自分の不足を理解できてとてもよかったです、本当にありがとうございますm(__)m
- 犬井作
- 2016年 04月12日 10時13分
[一言]
こんにちは。
小説評価依頼を頂きました、はな.です。
では、早速 評価に移りますね♩
最初に、結果から。
文章力 → B--
表現力 → D+
キャラクター → C+
総合 → C
【 文章力 】
初めに言っておくと、非常に読みづらい。
まず、フリガナが多すぎます。
例えば「骨董品」という言葉ですが、アンティークと読ませる必要があるでしょうか。普通に骨董品と読ませても良いと思いますし、あるいはそのままアンティークと書いても良いのでは?
同様に、「入場門」の“いらっしゃいませ”というルビ、必要ありますか? むしろ「入場門」だけの方がしっくり来る。「いらっしゃいませをおれと男はくぐり抜けた」って、おかしいですよね?
もし、いらっしゃいませと書かれた入場門をくぐり抜けたのであればそう書いた方が分かりやすい。
ただ、“インタラクティブ”というようなそれだけでは意味が分からない人が多い言葉には「可動する」と下地が合っても良いと思いますし、また、「介入機」に“コントローラ”というフリガナをつけたのは作品の雰囲気が出て良いと思いました。
それと、最初の方限定ですが一文が長い。
「、」を使って無理に長くしようとしなくても、切っていいんです。むしろ切って下さい。
まぁそれよりなにより、私はこの文(勝手に引用させて頂き申し訳ありません)にものすごく違和感を覚えました。
「おれは即座に謝っていた。頭を下げているので男の表情がうかがえず、おれは心底びくついた。
ざ、と時代錯誤な草履が殺菌アスファルトを擦るのが見えた。視界の端で一歩、また一歩と距離を詰められるたび、おれはいつ土下座すればよいだろうかと考えた。」
色々突っ込みたいところはありますが、その前に私なら……という例文。(エラソーにすいません、汗)
「おれは咄嗟に謝った。頭を下げているので男の表情は見えない。
ざ、と時代錯誤な草履が殺菌アスファルトを擦るのがチラリと目に入る。視界の端で一歩、また一歩と距離を詰められるたび、おれはいつ土下座すればよいだろうかと考えた。」
では、感じたことを。
“た”が多すぎ。これはこの文だけでなく多くのところに見られるのですが、文章をかなり読みづらく、また飽きやすくさせます。
あと、「即座に」は“(意識のある中で)急いで”という意味です。ところが次の言葉は「謝っていた」。~していたという言葉は無意識にした行動を表しますよね? 矛盾しています。
それから、「びくついた」。びくついた、とは一瞬の出来事です。ですから、怖がっていたということを言いたいなら“ビクビクしていた”の方が良いと思います。
まあでも、そう言わないまでも「男の表情は見えない」という文だけで主人公が恐怖を感じているのはわかるのでは? 表情が見えなければ、誰だって怖いです。
細かいので言わなくても良いかな? とも思ったのですが、応募する予定があるということで一応。
「至って普通の――一世紀ほど前一世を風靡したタイプの――ラーメン屋のそれだった。」
「 ―― 」という記号のあとに一という漢字は、読みにくいです。
一世紀と一世を同じ文に使うのもなぁ、と。
あと、「ラーメン屋のそれ」。どれだよ?!ってなります。
ですから、ここはシンプルに
「至って普通の、そう、一世紀ほど前に世の中を風靡したタイプのラーメン屋だった。」
で良いのではないでしょうか。
文章力評価の最後に、全体的な印象としてはなんとなく しつこい。
同じ言葉が複数回使われている傾向があるような気がします。
どうしても同じ言葉を使いたい場合は、間を開けてからが良いでしょう。
なお、小説を書く上でのルールについては◎。
…は2つセットで使うことや、?,!の後は隙間を開けること、「」の終わりに。を付けないこと、などなど。
私が見逃していなければ全て守れています。素晴らしい!
【 表現力 】
まず、地の文と会話文のバランスについて。
最初は良い。会話文が連続することなく、とても読みやすい。
ところが、だんだんセリフの割合が増えていきます。
この作品の登場人物は全員男で、しかも口調が皆似ているので最後の方は誰が言っているのかすら分かりづらい。
特に、少年たちがラーメンを食べ終え、男が「政府の目的は~」と語り出す場面。会話文続きすぎ。読む気失せます。
間に、少年が思ったこと、感じたことを挟むと良いかと。
あと、その後「なあ、いい言葉を~」と言っている人。誰ですか?
読み進めていくうちに、“あ、少年が言ったのかな……?”とはなるものの、その場で分からないと読者は頭が混乱します。
次に、改行。
まあ、字が横並びですからね。
改行がないと読みづらいのと、あと改行の仕方がワンパターン。
応募するときは縦書きなので良いと思いますが、ここで活動するにあってはもうちょっと工夫が必要かと。
書くサイト(環境)にもよりますから、改行については参考程度に、ということで。
ではでは、描写に移りたいと思います。
情景描写は△。
男の様子、下町の情景、ラーメンについての描写は素晴らしい!!
手に取るように分かります。
あとは、最初の場面、公園の描写が物足りない。
最初ですから、主人公がどこで何をしているのか、もっと詳しく書くと想像しやすく読みがいがありますね。
正直読みはじめたときは、つまらないな、と思ってしまいました。
なぜならキーワードが少なすぎて想像出来ないから。
それと、インパクトがない!
例えば本屋さんにおいて、人にはよりますが大抵は本を読み進めて数ページのうちにそれを買うか買わないか決めますよね? 極端ですが、私の場合最初の一文にインパクトがなければ読むのをやめます。本当です。
それほど最初は重要です。
はじめの文で、読者に強い衝撃を与えましょう!
ちなみに、私の大好きな本である“ぼくは明日、昨日のきみとデートする”での最初の文は
「一目惚れをした」です。
本を開いて確かめたわけではないんです。頭の中に残っているんですよね。
まず初めに目に入る文が「一目惚れをした」。
すごく印象に残ります。
私はそれを見た瞬間、買うことを決めました。
続いて心情描写。
少なすぎやしませんか。
主人公の少年の、嬉、楽、悲、怖、恥、怒などがあまり伝わってこない。
そりゃところどころにはありますけど……。
もっともっと合っていい。
今だと、うっすらほんのり程度でしか伝わってきません。
あと、感情を伝える言葉は、そのまま嬉しい、悲しい、のように伝えるよりも遠回しに言った方が伝わります。
例えば、怒りの感情。
「頭に血が上る」という表現を使っていますが、それだけでは少ない。
・生まれてこの方 初めてこんな感情を覚えた。
・顔が燃え上がるように熱かった。
・爪が食い込み、血が出るほど強く拳を握った。
などなど、怒ったときの人の様子ってたくさんありますよね。
これらを活用していきましょう。
【 キャラクター 】
はっきり言いますと、キャラクターの軸がブレブレですね。
この主人公の少年、会話文から察するに
一見高校生以上にも見えるガタイの良い中学生なんですよね?
ところが両親のことをパパママと呼ぶ。
おかしくないですか? かなりイメージ崩れます。
父さん、母さんと呼ぶ方がしっくりくるし、乱暴な口調でパパママと呼ばれるとそれまで興奮して読み進めていたのがちょっと萎えますね。
それと、同じ理由で一人称も「おれ」ではなく“俺”の方が良いと思いました。
まぁ、オヤジはイイ味出してるなと思いましたね。笑
【 全体 】
ご友人にも褒められたとあって、さすがお上手でした。
甘口評価でしたら確実にAランクだったかなと思います。
はじめと終わりでのキャラクターの考え方の変化や起承転結の付け方、それと最後のオチはすごく良いですね。
また、ところどころ見られる対句表現は上手いな、と思いました。
ただ残念だったのは、それを伝える表現力、あるいは文章力不足。
商業として通じるか、ということでしたがちょっと無理でしょうね。今はまだ成長段階かと。私が言うのもなんですが。
お話を読んでいて感じたのは、おそらく小説を書き始めてまだあまりたたないのではないでしょうか。
このお話1つを読んでいても、最初の頃と終わりの方ではかなり上手くなっているなぁと言うのを感じます。
まぁ、物語が進んでいくにあたってだんだん雑になっていっている感じが多少はありますがそれはほとんど問題ないでしょう。
数をこなして経験を増やしていけば、きっとこれからもまだまだ成長します。
伸びしろに期待して、C評価です☆
ご依頼ありがとうございました!
お役に立てれば幸いです**
これからも応援しています。
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こんにちは。
小説評価依頼を頂きました、はな.です。
では、早速 評価に移りますね♩
最初に、結果から。
文章力 → B--
表現力 → D+
キャラクター → C+
総合 → C
【 文章力 】
初めに言っておくと、非常に読みづらい。
まず、フリガナが多すぎます。
例えば「骨董品」という言葉ですが、アンティークと読ませる必要があるでしょうか。普通に骨董品と読ませても良いと思いますし、あるいはそのままアンティークと書いても良いのでは?
同様に、「入場門」の“いらっしゃいませ”というルビ、必要ありますか? むしろ「入場門」だけの方がしっくり来る。「いらっしゃいませをおれと男はくぐり抜けた」って、おかしいですよね?
もし、いらっしゃいませと書かれた入場門をくぐり抜けたのであればそう書いた方が分かりやすい。
ただ、“インタラクティブ”というようなそれだけでは意味が分からない人が多い言葉には「可動する」と下地が合っても良いと思いますし、また、「介入機」に“コントローラ”というフリガナをつけたのは作品の雰囲気が出て良いと思いました。
それと、最初の方限定ですが一文が長い。
「、」を使って無理に長くしようとしなくても、切っていいんです。むしろ切って下さい。
まぁそれよりなにより、私はこの文(勝手に引用させて頂き申し訳ありません)にものすごく違和感を覚えました。
「おれは即座に謝っていた。頭を下げているので男の表情がうかがえず、おれは心底びくついた。
ざ、と時代錯誤な草履が殺菌アスファルトを擦るのが見えた。視界の端で一歩、また一歩と距離を詰められるたび、おれはいつ土下座すればよいだろうかと考えた。」
色々突っ込みたいところはありますが、その前に私なら……という例文。(エラソーにすいません、汗)
「おれは咄嗟に謝った。頭を下げているので男の表情は見えない。
ざ、と時代錯誤な草履が殺菌アスファルトを擦るのがチラリと目に入る。視界の端で一歩、また一歩と距離を詰められるたび、おれはいつ土下座すればよいだろうかと考えた。」
では、感じたことを。
“た”が多すぎ。これはこの文だけでなく多くのところに見られるのですが、文章をかなり読みづらく、また飽きやすくさせます。
あと、「即座に」は“(意識のある中で)急いで”という意味です。ところが次の言葉は「謝っていた」。~していたという言葉は無意識にした行動を表しますよね? 矛盾しています。
それから、「びくついた」。びくついた、とは一瞬の出来事です。ですから、怖がっていたということを言いたいなら“ビクビクしていた”の方が良いと思います。
まあでも、そう言わないまでも「男の表情は見えない」という文だけで主人公が恐怖を感じているのはわかるのでは? 表情が見えなければ、誰だって怖いです。
細かいので言わなくても良いかな? とも思ったのですが、応募する予定があるということで一応。
「至って普通の――一世紀ほど前一世を風靡したタイプの――ラーメン屋のそれだった。」
「 ―― 」という記号のあとに一という漢字は、読みにくいです。
一世紀と一世を同じ文に使うのもなぁ、と。
あと、「ラーメン屋のそれ」。どれだよ?!ってなります。
ですから、ここはシンプルに
「至って普通の、そう、一世紀ほど前に世の中を風靡したタイプのラーメン屋だった。」
で良いのではないでしょうか。
文章力評価の最後に、全体的な印象としてはなんとなく しつこい。
同じ言葉が複数回使われている傾向があるような気がします。
どうしても同じ言葉を使いたい場合は、間を開けてからが良いでしょう。
なお、小説を書く上でのルールについては◎。
…は2つセットで使うことや、?,!の後は隙間を開けること、「」の終わりに。を付けないこと、などなど。
私が見逃していなければ全て守れています。素晴らしい!
【 表現力 】
まず、地の文と会話文のバランスについて。
最初は良い。会話文が連続することなく、とても読みやすい。
ところが、だんだんセリフの割合が増えていきます。
この作品の登場人物は全員男で、しかも口調が皆似ているので最後の方は誰が言っているのかすら分かりづらい。
特に、少年たちがラーメンを食べ終え、男が「政府の目的は~」と語り出す場面。会話文続きすぎ。読む気失せます。
間に、少年が思ったこと、感じたことを挟むと良いかと。
あと、その後「なあ、いい言葉を~」と言っている人。誰ですか?
読み進めていくうちに、“あ、少年が言ったのかな……?”とはなるものの、その場で分からないと読者は頭が混乱します。
次に、改行。
まあ、字が横並びですからね。
改行がないと読みづらいのと、あと改行の仕方がワンパターン。
応募するときは縦書きなので良いと思いますが、ここで活動するにあってはもうちょっと工夫が必要かと。
書くサイト(環境)にもよりますから、改行については参考程度に、ということで。
ではでは、描写に移りたいと思います。
情景描写は△。
男の様子、下町の情景、ラーメンについての描写は素晴らしい!!
手に取るように分かります。
あとは、最初の場面、公園の描写が物足りない。
最初ですから、主人公がどこで何をしているのか、もっと詳しく書くと想像しやすく読みがいがありますね。
正直読みはじめたときは、つまらないな、と思ってしまいました。
なぜならキーワードが少なすぎて想像出来ないから。
それと、インパクトがない!
例えば本屋さんにおいて、人にはよりますが大抵は本を読み進めて数ページのうちにそれを買うか買わないか決めますよね? 極端ですが、私の場合最初の一文にインパクトがなければ読むのをやめます。本当です。
それほど最初は重要です。
はじめの文で、読者に強い衝撃を与えましょう!
ちなみに、私の大好きな本である“ぼくは明日、昨日のきみとデートする”での最初の文は
「一目惚れをした」です。
本を開いて確かめたわけではないんです。頭の中に残っているんですよね。
まず初めに目に入る文が「一目惚れをした」。
すごく印象に残ります。
私はそれを見た瞬間、買うことを決めました。
続いて心情描写。
少なすぎやしませんか。
主人公の少年の、嬉、楽、悲、怖、恥、怒などがあまり伝わってこない。
そりゃところどころにはありますけど……。
もっともっと合っていい。
今だと、うっすらほんのり程度でしか伝わってきません。
あと、感情を伝える言葉は、そのまま嬉しい、悲しい、のように伝えるよりも遠回しに言った方が伝わります。
例えば、怒りの感情。
「頭に血が上る」という表現を使っていますが、それだけでは少ない。
・生まれてこの方 初めてこんな感情を覚えた。
・顔が燃え上がるように熱かった。
・爪が食い込み、血が出るほど強く拳を握った。
などなど、怒ったときの人の様子ってたくさんありますよね。
これらを活用していきましょう。
【 キャラクター 】
はっきり言いますと、キャラクターの軸がブレブレですね。
この主人公の少年、会話文から察するに
一見高校生以上にも見えるガタイの良い中学生なんですよね?
ところが両親のことをパパママと呼ぶ。
おかしくないですか? かなりイメージ崩れます。
父さん、母さんと呼ぶ方がしっくりくるし、乱暴な口調でパパママと呼ばれるとそれまで興奮して読み進めていたのがちょっと萎えますね。
それと、同じ理由で一人称も「おれ」ではなく“俺”の方が良いと思いました。
まぁ、オヤジはイイ味出してるなと思いましたね。笑
【 全体 】
ご友人にも褒められたとあって、さすがお上手でした。
甘口評価でしたら確実にAランクだったかなと思います。
はじめと終わりでのキャラクターの考え方の変化や起承転結の付け方、それと最後のオチはすごく良いですね。
また、ところどころ見られる対句表現は上手いな、と思いました。
ただ残念だったのは、それを伝える表現力、あるいは文章力不足。
商業として通じるか、ということでしたがちょっと無理でしょうね。今はまだ成長段階かと。私が言うのもなんですが。
お話を読んでいて感じたのは、おそらく小説を書き始めてまだあまりたたないのではないでしょうか。
このお話1つを読んでいても、最初の頃と終わりの方ではかなり上手くなっているなぁと言うのを感じます。
まぁ、物語が進んでいくにあたってだんだん雑になっていっている感じが多少はありますがそれはほとんど問題ないでしょう。
数をこなして経験を増やしていけば、きっとこれからもまだまだ成長します。
伸びしろに期待して、C評価です☆
ご依頼ありがとうございました!
お役に立てれば幸いです**
これからも応援しています。
機会があればまたご利用くださいませ .。○
- 投稿者: はな.
- 2016年 04月04日 17時13分
期待以上の激辛批評でした。
どう反応しようかと、心を落ち着けるのに時間がかかりました笑
ありがとうございます!
文章に関して、「ニューロマンサー」といったサイバーパンクの文体に大きく影響されたのですが、一般には読みづらいようなので、しっかり訂正していこうと思います。
人物描写の粗さは自分でも感じていたのですが、具体的に指摘されたことでより細かく自覚することができました。ありがとうございますm(__)m
実を言うと8年前から書いているのですが、今までの自分と全く違う文章が自分自身から生まれており、困惑しているというのが実情です。生まれ変わった自分という意味で見れば、これが初めての作品となるので、ご指摘の「書き始め」は的確かもしれません笑
パパ、ママと呼んでいることにも理由があるのですが、そこをすっかり描けていなかったことなどに気付けてよかったです。
改めて、本当にありがとうございましたm(__)mm(__)m
どう反応しようかと、心を落ち着けるのに時間がかかりました笑
ありがとうございます!
文章に関して、「ニューロマンサー」といったサイバーパンクの文体に大きく影響されたのですが、一般には読みづらいようなので、しっかり訂正していこうと思います。
人物描写の粗さは自分でも感じていたのですが、具体的に指摘されたことでより細かく自覚することができました。ありがとうございますm(__)m
実を言うと8年前から書いているのですが、今までの自分と全く違う文章が自分自身から生まれており、困惑しているというのが実情です。生まれ変わった自分という意味で見れば、これが初めての作品となるので、ご指摘の「書き始め」は的確かもしれません笑
パパ、ママと呼んでいることにも理由があるのですが、そこをすっかり描けていなかったことなどに気付けてよかったです。
改めて、本当にありがとうございましたm(__)mm(__)m
- 犬井作
- 2016年 04月04日 18時20分
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