感想一覧

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[一言]
・ 中世ヨーロッパの農村の税について調べてみた
・ 中世ヨーロッパの都市の税について調べてみた

こちらの方早く見たいです…(涙
[良い点]
論旨(というか前提)にやや無理な点があるようにも思われましたが、思考実験としては面白く読めました。

と書こうとしたのですが、よく考えると「冒険者ギルドで登録」という摩訶不思議な単語が頻出なことから類推すると、何らかの魔法的な課税手段が存在して、前提通りの課税制度が構築されてても、それほど無理がないなとも思えました。
[気になる点]
多少ずれた話になるのですが、なろうの中世風作品の大半では
『お金は現物です。』
って実はかなり無理があるはずですよね。

通貨が銀貨なり金貨なりに一本化されてるならともかく、なぜか単一でなく複数種の貴金属名を冠した通貨が流通して、それが10進数ベースの分かりやすい交換レートで安定してますから。

常識的に考えれば三浦梅園が言うようにグレシャムの法則が働いて精金は皆隠れてないとおかしいはずです。
神の見えざる手だかなんだかが貴金属の算出量を調整しているのか、はたまた超国家的錬金鋳造秘密組織が暗躍してるのか、あるいは単に「そういう名前」の信用通貨なのか。
謎は尽きません。

感想、ありがとうございます。

拙く強引な経済モデルでしたが、興味を持って読んでいただけたのなら幸いです。
正直、何らかの魔法的課税手段が無ければ闇市が乱立するだけという気もします。
アイテムボックスやテレポートなどで流通コストが低いのであれば、成立するのかもしれません。

仮想通貨のXRPのように、使う(送金する)ごとに減価する魔法的通貨というのも考えましたが、日常の買い物に使われず、定着しなさそうです。

持ってるだけで徐々に減価する通貨、だと価値の保存機能として劣っていて誰も受け取らなくなるので、やはり定着しそうにありません。

難しいです(´・ω・`)

貴金属ごとのレートが十進法で固定なのは、最古のRPGであるD&Dのころからのお約束ではありますが、確かに謎ですね。
国が定期的に改鋳してるのか、国民(読者)に面倒をかけさせたくない神様(作者)の思し召しなのか……
[一言]
現代日本ですら農林水産や個人商店の所得捕捉は3割~5割といった状況だもんな⋯⋯⋯

農民から直接税を取れるようになったのって結構最近の事だし、異世界転移しても専売制や固定法人税が精々の所だろうな。

そして税金を取れない以上は必死で守る価値も無いと⋯⋯
農民の生活が悲惨な事になるわけだ。

感想、ありがとうございます。

経済取引の国際化、複雑化も影響して、所得の捕捉はますます難しい時代になっていると思います。

魔力結晶が通貨になっていて、国が毎月徴収魔法を唱えて1%づつ吸収している……みたいな不思議システムでもなければ、史実通りの税制になるのでしょうね。
都市部の固定資産税、人頭税、関所税、塩や鉱山の独占と専売あたりが、メジャーどころでしょうか。

国と国民が直接つながるには、中央集権とそれを支える官僚組織や常備軍が必要でした。
それまで、国にとって民は、貴族の財産であり、畑に生えている野菜のようなものだったのでしょう。

農民の生活の向上は、生産性の高い農法・農作物・農具、効率的な区画整理を行える領主の権力、温暖化といった諸条件が必要でした。
悲惨ではない農民を出すには、馬鈴薯のようなチート作物が必要でしょう。
あるいは、神様が毎週日曜日に空からマナ(食べ物)を降らせてくれる世界だとか。

あまり悲惨さを出すのはエンタメとして難しいところがありますが、そういうリアルさのあるダークファンタジーも読んでみたいものです。

お読みいただき、ありがとうございました。
[一言]
経済は専門外なので勉強になります。
ただ江戸時代くらいは農民の税が五公五民(半分年貢)だったので王制時代の税金なんて案外そんなノリなんじゃないかってそんな感想でした。
税率に関してはもうちょっと一考の余地があっても案外それくらいの重税がまかり通っていた可能性は否定できない気がします。いやまあ、今の民主主義だとか自由経済だとかその辺の近代的な経済感覚で考えると怖い制度ですね。
ただまあ、当時の流通コストは現在のものよりだいぶ安い気がするので差し引きトントンじゃなくてもなんとか生活できるくらいの税率の範囲内に収まっていたんでしょうね、きっと。
面白かったので次回作に期待させてください。
感想いただき、ありがとうございます。

生産物に対する課税なら、50%でも成立します。
時代や作物にもよりますが、1の種からできる生産物は、中世初期で約5、中期で約10、近世で約15〜20くらいだそうです。
米は麦に比べると生産性が高いので、もっと有利です。
芋は、生産性は麦の約三倍という驚異の作物であることは、まおゆうでファンタジー界隈でも有名になったことと思います。

仮に10倍だとすると、税率50%でも、来年の種を引いた40%を使うことが出来ます。
流通に50%税をかけると、仕入れ値の三倍くらいで売らないと利益が出ないわけですから、同じ物差しで税率を図ること自体が失当です。
比べるのであれば、消費税の税率と比べると良いでしょう。

>>税率に関してはもうちょっと一考の余地があっても案外それくらいの重税がまかり通っていた可能性は否定できない気がします。
いかぽんさんも指摘されてましたが、経済規模が小さく、問屋などがないのであれば、そんなものなのかもしれません。
ただ、歴史上の売上高税が数%であったのは、やはりそれ以上あげるのは無理があったと考える方が自然だと思います。

>>ただまあ、当時の流通コストは現在のものよりだいぶ安い気がするので
専門家ではないので断言は出来ませんが、おそらく流通コストは相当高かったと思われます。
一人で運べる荷物の量は少なく、輸送中に盗賊や狼に襲われるリスク、領主毎に課される流通税や通行税、相当の日数がかかることを考えれば、現代と比べると桁外れの流通コストがかかっていたと思われます。
大航海時代以前ヨーロッパでは、胡椒一粒黄金一粒などと言われていたのは、殆どが流通コストのせいです(それゆえ、大航海時代が始まったとも言えます)。
ファンタジー世界であれば、それにモンスターに襲われるリスクも加味して考える必要があります。
魔法や芋など、現実の中世ヨーロッパ世界より有利な設定がなければ、社会自体維持するのが難しいと思われます。
[気になる点]
「累積的取引高税」を前提にしていること自体ミスリード
[一言]
中世の税率構造は未熟な為、分析の仕方によりどのような結論をも導き出せます。
ましてやファンタジー世界でなら、どのような設定でも持ってくることが出来るでしょう。
その状況で、「累積的取引高税」を前提に「ありえない」と断じるのは、我田引水としか思えません。

例えば、「利益に税を課する」といっても、収入と経費をどのように定義付けるのか。課税標準額が適正に算出されているのかをどのように審査するか。試験研究費は? 交際費は? 研修費は? 減価償却費は? そもそもそれらの概念が存在しているの? という問題が生じます。

帳簿(複式簿記)の存在・認知さえ怪しい時代背景・世界設定の時、そういったことを踏まえれば、「売上に税を課する」という考え方は間違っているとは思えません。

より厳密に設定するのなら、「商人ギルドに加盟している商人は利益ベース、それ以外の個人は売上げベースで税を課する」という感じではないでしょうか?

感想いただき、ありがとうございました。
税制度に理解のある方と思われますのでその前提で返信させていただきます。

このコラムは、累積的取引高税があった場合にどうなるか、という考察ですので、我田引水という指摘そのものが失当だと思います。
ミスリードというのであれば、累積的取引高税は中世ファンタジー世界では成立しないという根拠を示していただきたかったです。
分析次第でどのような結論をも導き出せるのは、ケインズ経済学と新古典派経済学の違いを見ても明らかです。
あくまでこのようなモデルであれば、という前提なので、モデルの欠点を挙げていただきたかったです(いかぽんさんの感想には、その点の指摘がありました)。

>>「売上に税を課する」という考え方は間違っているとは思えません。
私も、売上に税を課するという考え方は間違っているとは思っていません。
現に、歴史上売上高税があることは本文中に記載のとおりであり、間違っているという主張はできないと思っています。
私の結論は、10%という税率に無理がある、という点です。

>>より厳密に設定するのなら、「商人ギルドに加盟している商人は利益ベース、それ以外の個人は売上げベースで税を課する」という感じではないでしょうか?
この意見には2つの点で問題があります。
1つはご自身で指摘されているとおり、帳簿の存在自体が怪しい世界で利益に課税するのは、チェックしようがないので無理があると思われます。
もう1つは、二種類の課税方法がある場合、どちらが得か選べるようになり、簡素な税制度で無くなってしまいます(同じことは、現代日本の消費税の簡易課税制度にも言えます)。
とはいえ、方向性としては面白いと思います。
ギルド員にメリットがある形で、ある種の特権とするなら面白いと思います(領主発行のインボイスがあるなら、売上高をその分減らせるとか)。
[一言]
なるほど。
売上税が高くても、卸売業がなくなるだけじゃないかなぁと漠然と思っていたのですが、ある意味間違ってなかったですね(笑)
卸売業がつぶれる=経済が衰退する、と言われると、なるほど確かに。

でも、税を噛ませたら物価が1.5倍になるっていうのは、現実、意外とそんなもんじゃないでしょうか。
大きな政府か、小さな政府かにもよりますが……。

フランス、イギリスあたりの付加価値税は標準税率20%だそうですが、この税率で同じように計算すると、ちゃんと計算してないですが似たような数字になりそうです(もうちょびっと少ないかな?)

ちなみに、中世ヨーロッパ的な世界に卸売業がそんなに普及していたかというと、(中世と言っても広いので時期や国にもよるかとは思いますが)かなり怪しい部分はある気がします。
中世都市に関する資料では、近郊農民が直接都市に出て来て、市で野菜を売っている、などという記述が見られます(中世ヨーロッパの農村は通常、都市のすぐ近く、徒歩で日帰りできる距離にありました)。この場合、卸売どころか、小売も噛ませていません。
そういった社会の場合には、売上税でも付加価値税でも、実質的に大差はないかもしれないですね。
教えてくれたネーデルラントの例は、卸売業などがだいぶ発達した時代や地域だったのかもしれません。

また、生活必需品以外の商品、いわゆる嗜好品が異様に高く、さらにはエンゲル係数が70%~90%(もしくはそれをぶっちぎってそもそも十分に食えない)という時代だったらしいので、必需品を除いた「物」というのは、そもそもほとんど取引がなかった時代とも考えられます。

……厳密さを追求していくと、ドツボに嵌りますね(笑)
感想ありがとうございました。

経済活動自体が近隣のみで殆ど終結する程度の時代なら、確かに大きな影響はないかもしれませんね。
付加価値税は所得税同様、高度な簿記と徴税組織が必要になるので、中世ファンタジー世界には導入できないと思っています。
「取引の神様」的な存在がいる世界なら、何か面白い仕組みが作れるかもしれないと思いました。

歴史の専門家ではないので稚拙なモデルになってしまうのは致し方ないですが、やはりドツボにハマりそうです。
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