感想一覧

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[良い点]
時代が大きく動くさなかで、日常からこぼれ落ちてしまった男の悲しみが、ジョンの独白に現れていました。
己の背景への心情より今の想いを中心に語っている所が、心を感情に支配されていることを伝えてくれました。
そんな彼が思わず殺すことを戸惑う女神のような女性が、最後は彼の命を奪う死神であったという展開が、命を軽視する流れの中でむなしさを漂わせています。
重い話なのにさらりと読ませてもらえるのもいいです。

影の濃い時代の哀愁劇。こういうの好きです。
[一言]
TKP(たしか、チーム殺し屋プロジェクト?)のことは、なが~く、なろうを離れていたのでわかってないんですが(汗)、この作品はとても私好みでした。

こういう影は昭和初期ってイメージが強いんですが、華々しい維新の後って言うのもいいものですね。
  • 投稿者: 貫雪
  • 40歳~49歳 女性
  • 2016年 06月05日 22時11分
[良い点]
生きるために殺す道を選んだ唐木と、殺すために生きることに憧れたジョンと。題材にされた『かもめのジョナサン』では後者の方が神格化されていましたが、こちらの作品ではそのジョンが最後呆気なく散ってしまうあたりにこの時代の無情さと無常さを見た気がします。

しかし『明治六年の憂愁』も以前拝読していたのですが、今作の唐木と長生があの作品に出ていた2人だと、読み終えてから気づきました。あのあと長生が唐木に用心棒の仕事を勧めたのでしょうか。
ラスト、希和子が唐木の他にも用心棒を雇っていた理由が唐木のためだったのか、それとも唐木を信用していなかったからなのか、そのどちらなのかによってだいぶ印象の変わるお話のように思いました。

[一言]
2ndターンもお疲れ様でした。少しずつ話がつながりつつあるφシリーズの続きが気になっていたので、てっきり今回もあのシリーズの新作が来るのだろうと思っていた分、衝撃が大きかったです(笑)

次回もよろしくお願いします。

  • 投稿者: 長谷川
  • 2016年 06月02日 04時24分
明治人斬りシリーズ×かもめのジョナサンでした。
かもめのジョナサン完全版のラストもイイのですが、今回はベーシックな、「生きるために飛ぶのか、飛ぶために生きるのか」に焦点を当てつつ、ストーリー構成はイメージソングに乗っかりました。

唐木が用心棒を引き受けるようになったきっかけは、長生とはまた別でございまして……唐木は探偵業にも精を出したり、多忙を極めていますので、またどこかでお目にかかれるかと思います!

希和子お嬢様のポジションは堕天使若しくは悪魔ですね。
命を賭けて守ってもらっていることに慣れた彼女もまた、時代を映す鏡の一つなのでしょう。


次回は、φシリーズでお会いすることになると思います。多分(笑)よろしくお願いします。
  • 柚木
  • 2016年 06月03日 00時30分
[良い点]
家族が去って、時代が去って、そして取り残された男の哀しい飛翔でした。

彼が飛べたのかすら、哀しみが膜を覆っていた気がします。


風を読めなかった取り残された鴎が、ただ一羽独りになっただけなのかもしれません。
早速お読みいただき、ありがとうございます!
その上、感想も詩的で素敵です……

そうですね……
我に返ってみればそう、と言いますか、イメージソングがスピード感のあるロックで、急上昇したり急降下したりして書いていたら、「哀しい話」であることに気づかないで書けてしまったんです。

彼は、孤独を抱えながらも、一瞬一瞬濃い感情を迸らせながら生きたのだと思います。
  • 柚木
  • 2016年 06月03日 00時12分
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