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[一言]
タイトルに偽り無しで、『不快で』『暑い』『夏の』ホラーを堪能させて頂きました。

サトウヒロシさんは私の中で夏の風物詩になっているのですが(笑)、毎回違った切り口で予想外の展開に巻き込まれてくれるのでまったく飽きません。どこにでもある名前の主人公だからこそ、彼に降りかかる不条理な恐怖は誰にでも起こり得るんじゃないかと思えます。

予備校生という中途半端な身分で、常に周囲に対して不機嫌なサトウヒロシさん。彼の焦りと苛立ちが、夏のジトッとした暑さに煽られてゆく様がリアルで、読んでいるこちらまで汗を掻きそうでした。しかもその感情は爆発するでもなく解消されるでもなく、ひたすら腹の中に沈殿してゆくのがたちが悪いですね。
たぶん彼は今の状況を作ったのは自分だと分かりすぎるほど分かっていて、だから鬱憤を内に溜め込むしかなかったのだと思えました。程度の差はあれ、若い頃にはよく陥りがちな蟻疑獄じゃないでしょうか。

異常な暑さと頻発する放火事件が、複線として上手く働いていました。実は語り手はすでに●●で……というオチはよく使われるドンデン返しではありますが、最終話で彼が覚える違和感の表現はお見事でした。意識が曖昧になって再構築されてまた戻ってくる、カタカナ表記を交えた箇所はビジュアル的にも不気味で、ものすごく不安が掻き立てられました。
これからも同じ生活が続いて、変わらない日常を延々と繰り返さなければならないのなら、予備校生はいやだなあと率直に感じました。どうせなら勉強しなくていい毎日がいいなあ(笑)。
サトウヒロシさんは前向きに頑張ろうとしているようですが、地縛霊は案外みんなそういう気持ちなのかもしれませんね。

面白かったです。今後とも期待しております!
  • 投稿者: 橘 塔子
  • 女性
  • 2016年 08月01日 20時30分
橘塔子さま

コチラまで感想下さりありがとうございます。
サトウヒロシシリーズ。全国のサトウヒロシさんに少し申し訳ないです。
今までのと別サトウヒロシさんなのですが、それぞれどえらい運命を辿っていますから。最初はもっとサトウヒロシシリーズらしい、SFな設定もあったのですがホラーには組み立てられませんでした。そして今までで一番ホラーな感じの物語になりあした。

【熱帯夜】と【不審火】の二つのキーワードが浮かんでそこから物語を組み立てて何パターンかを考えコチラの内容にしました。橘さんに不気味と言って頂いて嬉しいです。
自覚症状のない地縛霊ってけっこうこういうもので、そこで当たり前の行動しているだけという事もありそうですよね。
そして予備校生も嫌ですがこのアパートの住民は皆、現状を良いと思っている人が少なさそうだけに色々この状況でいられると色々面倒そうですよね。近所でも不審火だらけなので、事故物件だらけの街、そう考えると嫌な街ですよね。

ホラーは、読むのは得意で書くのは……という私ですが、来年もなんとか頑張りたいと思います。
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