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[良い点]
 始めから終わりまで無駄のない構成、生々しい表現もあるのですが、全体的に見るととても美しく感じる事ができました。
 肉厚な登場人物達、どこにでもいそうであり、極めて現実的な背景が設定されているので、物語をより身近なものに思えます。
 生きていく上で誰もが感じる、ちょっとした苛立ちや蟠りがごくごく自然に表現されていて、他人ごとでは無いと感じさせられ、恐怖感がより煽り立てられました。
[一言]
 お久しぶりです橘先生「赤い蝶は夢を見る」拝読いたしました。
 タイトルを拝見しまして、胡蝶の夢のような夢現が混じり合う恐怖譚なのかななどと邪推していたのですが、現実色の強い、より恐ろしい物語で良い意味で裏切られました。
 思えば主人公である彼女は、自分の意思を持って誰一人殺していないのに、恐ろしい結末に流されてしまう。それが恐ろしいのですが悲しい。そうした恐悲の対比が絶妙だからこそ心に残る物語となるのかな、などと考えてしまいました。
 御作、拝読できた事嬉しく思います。良い物語をありがとうございました。
  • 投稿者: 黒漆
  • 2016年 08月06日 10時25分
黒漆 様


ご無沙汰しております。
今年も夏ホラー作品へのご感想ありがとうございます!

現実的にあり得る恐怖と評して頂けてたいへん光栄に思います。おっしゃる通り、実は最初もっと幻想的な雰囲気の作品にするつもりだったんですよね。しかし書き始めるといつもと同じカラーになってしまい……(笑)。よく言えば私の個性なのでしょうね。日常的なもの、夢うつつが交ざり合ったもの、両方書き分けられる黒漆様が羨ましいです。

手を下したのは浩一郎で、奈江はあくまで後始末を手伝っただけなのですが、同時に夫の弱みを握ることにもなり「これで夫婦関係は安泰だ」と慢心したのでしょうね。しかし夫の心には罪悪感という名の久美子が残留し、身を滅ぼしてしまう。一方奈江の方にも当時の恨みや憎しみが残り続け、老年期を迎えて悪い形で噴出してしまうので、これが罰と言えるのかもしれません。
因果応報的な結末が、たぶん私の好みなんだと思います。理不尽に襲われる恐怖ではないので、ホラーとしてはちょっと甘いですね(笑)。

丁寧に読み込んで下さって本当にありがとうございました。
黒漆様もご執筆頑張って下さいね。
[良い点]
出だしから美しく妖しく引き込まれました。
[一言]
はじめましてです、よろしくお願いします。ネタバレ一切気にしないで書いてしまいすいません。感想を書く事は、好きなのですが苦手なのでもし失礼な事を書いていたらすいません。

第3話の「いい気味」で隠された奈江さんの本心が徐々に出てくるのがドロドロ屈折していて逆に気持ち良かったです。でも、すべては一人相撲なのですよねこれ。もう、久美子さんは死んでいるので夫婦とか喧嘩売っても聞く事はできないし部屋のスペースだって、奈江さんの選択によってなので、それ八つ当たりなのではと……その辺、ドンドン拗らせていって狂気を描いてしまったんだなと思いました。

「久しぶりの共同作業」という単語が普段は、もうそんな事をしないという象徴めいてて皮肉だなと……もう、人としての尊厳を一切感じないその思考に強い憎しみを感じました。

三和土って、何かなと思い調べたのですが玄関の土間みたいな、ものなのですね。そういう細かい表現がオチに落差を付けてやられたなとより感じました。最後のシーン、奈江さんの凶器がまだハサミで衛さんがいる時という事で完全なるお嫁さんの排除の可能性が低くなってる事にホッとしました。どうなるのか、分からない想像の余地があって妄想が広がります。

つらつらと書いてしまいましたが本当に1つ一つの文字の使い方が美しいなと思います。良作を読ませてもらいありがとうございました。
  • 投稿者: 雛菊 みぃ
  • 18歳~22歳 女性
  • 2016年 08月05日 02時27分
雛菊みぃ 様


はじめまして。
この度はご感想ありがとうございます! 数ある企画作品の中で拙作が雛菊様のお目に留まることができて、たいへん嬉しく思います。

主人公奈江のドロドロした部分はいちばん描きたかったところでした。一人称記述により彼女に感情移入しつつも「でもやっぱりそれは身勝手だよねアンタ」と感じさせたかったので、その通りに伝わったようでよかったです。
奈江は久美子を退けてせいせいしたと言ってはいるのですが、ご指摘の通りいまだに悪意を向けたり邪魔だと思ったり、結局は自分の中から追い出せていないんです。久美子の影は浩一郎の中では罪悪感、奈江の中では憎しみの形になっていつまでも滞留しています。秘密を共有することによって一時は固まった夫婦の絆が崩壊するのも当然ですね……。

ラストについては、息子がいるのでまあ凶行は止められますね、たぶん。けれど奈江はもう現実の世界には戻って来られないと思います。久美子の影から永久に逃れられないのが、彼女に課せられた罰なんですね。完全犯罪なんかするもんじゃない(笑)。

丁寧で温かいご感想を本当にありがとうございました。今後とも頑張ります!
[良い点]
ちょっとだけ……と思いながら、気がついたら一気読みをしてしまう面白さでした!
こ、怖かったです~。

男女のドロドロ、やはりうまいですね。これはしかし、あの死体処理の方法がすごく怖い!
でも、こういうのは女のがしたたかにてきぱきするんだろうなと思いました。
そして男性は精神的に脆いですよね。
しかし久美子はいなくならず、主人公のなかで住み着くことに……。

ラストはやはり怖かったですね。実はすべて夢で、本当の恐怖はここから始まる……ともとれる終わり方。
赤い蝶の風鈴がまた、美しくも狂気の引き金のように演出されていて良かったと思います。
  • 投稿者: 美汐
  • 2016年 08月03日 03時53分
美汐 様


ご感想ありがとうございます!
美汐さんの貴重なお時間を奪ってしまい、恐縮すると同時に非常に嬉しく思っております。つい一気読みしてしまったというお言葉は、何よりの励みになります。

この作品の執筆にあたり、遺体の処理方法を考える日々が続きました(笑)。最初は、四肢だけ切り刻んで廃棄して、切るのが難しそうな頭部と胴体は穴を掘って埋めようか……とも考えました。でもそれなら全身埋めた方が早いし、バラバラにするシーンは書きたいし、と、現行に決まりました。いろいろ突っ込みどころはあると思いますが、目を瞑って下さってありがたいです。
ヒロインが冷静に対処できたのは、殺害した犯人はあくまで夫だったからかもしれません。罪に対してはどこか他人事で、夫に一生返せない貸しを作ることが目的のひとつだったわけです。いったん女性が本気になると強いし、怖いですね。

赤い蝶の風鈴は、印象的なアイテムに描けていたようでよかったです。夏の夕風に揺れる風鈴の音って、けっこう寂しげですよね。綺麗だけどちょっと怖いです。

わざわざ足をお運び下さってありがとうございました。今後とも精進いたします。
[良い点]
これぞまさにリアルを追求したホラー! いつ同じような事件が報道されてもおかしくない後味の悪さで、今夏イチオシです(褒めてます)
[一言]
結末を予想して読んでいましたが、やはり最後の結びには驚かされました! そうきたか、でもこんな風に橘様に翻弄されるのが結構快感(笑)

それにしても、こういう脳の問題で現実が認知できない、現実と妄想が入り混じるのは怖いです。そもそも、浩一郎が自殺したのかどうかも、浮気相手を殺したのかも現実では定かではありませんよね。わかっているのは夫の亡き後、主人公が女手1人で頑張ってきたというだけ。積もり積もった外に出せない恨みが、空の巣症候群で膨らみ、最近のバリキャリ嫁の活躍がトリガーになって、はじけてしまったのかもしれないと思うと怖いだけでなく女のというか母性の業に切なくなりました。

ちりんという風鈴の音とゆらめく赤い蝶の妖しさが、また非常に魅力的な作品でした。
石川 翠 様


ご感想ありがとうございました!

本当、最近殺伐とした事件が多いですから、こういったケースもないとは言えないかも……本作ではきっと息子が止めてくれると思いますが。

短編の場合はだいたいいつもそうなのですが、先にオチを決めてから書き始めます。今回もまずはあの結末があって、それを生かせるように、矛盾が出ないように構成を考えていきました。翻弄させることができて嬉しいです。

そうなんですよね、ここが一人称記述のメリットで、語り手の真実=事実とは限らないんです。おっしゃる通り殺人も死体遺棄も自殺も、全部改竄された記憶かもしれません。真相は闇の中。本当はできなかった「邪魔者の排除」をやったこととして認識し、カタルシスを得ていたという解釈も面白そうです。
嫁姑は永遠のテーマですが、奈江と明日香の女性としてのキャラの違いをもう少し明瞭に描けばよかったなと反省しています。そうしたら奈江が彼女を久美子と見誤った理由づけが自然だったかなと……うん、今後の課題ですね。

大人の女性ならではの深い読み込みとご考察、ありがとうございました。こちらも勉強になりました!
今後ともよろしくお願いいたします。
[良い点]
繊細で綿密な心理描写。流れるような美しさの文章。
小道具としての風鈴も、非常に効果的に使われていて、じめじめした中にも幻想的な空気を醸し出しています。言われてみれば、同じ音でも状況次第で怖いと感じるかもしれませんね。
ちりーん…(´・ω・`)Φ
[一言]
今年もレベルの高い作品をありがとうございました!
ジメッとした蒸し暑い雰囲気、そこに寒々しく響く風鈴の音が堪りませんね。内容はドロドロしてるのに、頭に浮かぶ映像は鮮やかで、これぞ橘さんの領域、という世界観でした。どっぷり浸かってしまったぜ。
これ、実は旦那は蚊帳の外なのよね。初めから最後まで、主人公VS久美子の構図。何度も化けて出てくる久美子も、何十年も久美子を憎み続ける主人公も、怖い怖い。殺しても終わらないのが、女同士の厄介な縁でございます。
でも、それすら「あるある」「わかる」と頷けてしまうのが女性なんだよなぁ。
主人公は、風鈴の中に時間を閉じ込めてしまったのかな。この風鈴を買ってもらった時が、彼女のいちばん幸せな瞬間だった…と考えると、切なくもあります。

それにしても、完全に科学で説明できる珍しいパターンの怪談ですね。これってほら、全部が主人公の妄想っていうことも考えられるわけだし。だからといって、それはそれで怖いところが凄いですけれど!

いつも思いますが、橘さんは「こう来るかな?」という期待には答えつつ、更にその先まで用意してあるのでヤバい。最後の最後まで油断できませんw


  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2016年 08月01日 21時36分
雪麻呂 様


ご感想ありがとうございました!
一気読みして下さったと伺い、「よっしゃー」と快哉を叫びたい気持ちです。お忙しいところ感謝です。

夏といえば風鈴、夢といえば蝶、という短絡的な思考で蝶柄の風鈴を出してみましたが、回想と現実のスイッチに便利に使えました。ガラス風鈴の音色は可憐で少し寂しくもあり、なかなかハマるアイテムだったと思います。
「この風鈴を買ってもらった時が、彼女のいちばん幸せな瞬間だった」とのご考察に思わず膝を打ちました。うんそうそう、それそれ(笑)。結婚後の奈江の不満を表すために、もう少しエピソードを入れればよかったかもしれませんね。自分はこんなに我慢して頑張ってるのに夫は……みたいな感情の蓄積があれば、久美子への憎しみに説得力が増したかも。

おっしゃる通り、心霊現象は何ひとつ起こっていないんです。浩一郎が怯えていたのはたぶん罪の意識からくる幻覚だし、奈江にいたってはただの妄想です。殺人と死体遺棄すら、もしかすると記憶の改竄かもしれません。
現実がどうあれ、憎しみや恨みの感情さえあれば「恐ろしいこと」は起こり得るのだ、と伝われば幸いです(ていうか、私のホラーはだいたいそんなんです)。

オチばかりに拘りすぎて中身が疎かになってはいけないので、起承転結をバランスよく描けるようになりたいです。まだまだ精進せねば……。

雪麻呂様の作品も楽しみにしておりますね。
この度はありがとうございました!
[一言]
 拝読しました。
 タイトル通り、夢幻に惑わされるホラーでした。夢語りから始まって目を覚まし、過去と現実が入り混じる。どこまでが今でどこまでが昔か、境界が曖昧に混濁していく。その果てのラスト、彼女の視界と決断は空恐ろしいものがありました。
 ふたりの恋路の象徴であるような風鈴と紅い蝶。残念ながらそれは、凸面越しの世界のように歪んでしまったのだとも思いました。

 しかし実に強烈な主人公です。
 夫に対する感情が、中途からどこかアクセサリー、自分の所有物に対する独占欲や所有欲のように見えてきました。
 彼の背信と結果起きた犯罪すら奇貨として用い、家族という言葉で絡め取っていく様は凄まじい。
「自分で考えて」と言いながら確実に追い詰めて、「彼の選択は、予想できた」で結ぶシーンは、乾いた笑いが出るほどにぞわぞわとしました。
 衛がその名の通り、家族を守れるのを祈るばかりです。
鵜狩 様


ご感想ありがとうございます!
ご自身のご執筆でお忙しい中、いつもながらの細に入ったお言葉を送って下さり、作者としては嬉しい限りです。

少し幻想的な色合いで、妄想と現実の区別がつかずに終わる物語を考えておりました……構想の段階では。いざ書き始めてみるとどうにもうまく筆が運ばず、結局いつもの感じに落ち着いてしまった次第です。語り手の世界がどんなに歪でも、最後には現実的な「解答」を設置したがるのが私のパターンのようです。歪んだまま放置されるのを恐れているのは私自身かもしれません(笑)。

またもや没ネタを並べ立てて申し訳ないのですが、夫は最初モラハラじみた性格設定でした。今まで縛られていたヒロインが優位に立ち、主導権を握るという二重の復讐だったわけです。話がクドくなるので没にしたものの、奈江の独占欲や所有欲や冷酷さだけはきっちりと残ってしまいました。はっきりと理由が分からないからこそ、逆にもやもやした感情の薄闇が描けているとすれば、怪我の功名ですね。

またもや不穏な幕切れになってすみませんでした(笑)。読者の想像の余地が残るのはホラーのいいところですよね!

時間に追われて仕上げた今年の夏ホラーですが、丁寧に読み込んで下さって嬉しかったです。ご期待に添えるよう、今後とも精進いたします!
ありがとうございました。
[一言]
今年もまた、レベルの高い作品を堪能させていただきました。
心裡描写の巧みさといい、物語の進め方の上手さといい、ほんとうにお見事です。

登場人物たちは、等身大というか、あ~こういう人いるいる、という感じです。感情移入もしやすくて、このあたりの加減はいつも感心させられます。
ストーリー展開は自然で、最後まで興味をひかれつつ読み切れました。後半の不可解な転換も、ラストでなるほどと唸らされました。

奈江は、なんのために、誰のために、あんなことをしたのか。その目的がずれていくように見えますが、結局は自分のためだった、というところにうすら寒い怖さを感じます。風鈴から出られない蝶は、奈江自身だった、どいうことでしょうか。

余談ですが、今回は死体の始末は完璧でしたね。
「緩んだ蓋」の智之に教えてあげたいものです。やはり男性は荒っぽくて女性は緻密だなと、へんな部分で感心しました。

それと、この作品は、ビジュアル的にも読みごたえがありました。
風鈴と赤い蝶のシーンは、どれもすごく印象的でした。なんというか、目の前に対象が浮かび上がるような感じで。
前半は美しくちょっと幻想的、後半は一気に恐怖の対象に。
おフロのドアのシーンとか、下手な幽霊よりゾゾってきました。蝶でも蛾でも、寄り集まるとけっこう怖いし!
TOM-F 様


ご感想ありがとうございます!

妄想と回想の入り混じった物語であったため、読み手を混乱させてはいないかと危惧しておりました。無理なく読み進めて頂けたようで胸を撫で下ろしました。
キャラクターにも親しみを感じて頂けて嬉しいです。ネタバレになりますが、30年ほど前の社会が舞台ですので、現在から考えると古いタイプの性格設定になっているかもしれませんね。

おっしゃる通り、奈江の行動は全部自分のためだったわけです。夫を愛していたから嫉妬していたはずなのに、その夫が駄目になったらあっさりと切り捨ててしまう。自己愛の強い女性と言ってしまえばそれまでですが、なぜ彼女がそうなったのかという背景をきちんと描けばよかったなあと、今思いました(笑)。
風鈴の蝶は、奈江の記憶、意識、封じ込めた罪、等々の象徴のつもりで描きました。あと「夢といえば胡蝶よね!」という単純な発想……。
終盤の浴室から蝶が溢れてくるシーンは、最後の最後に加筆した箇所です。インパクトがあったようでよかった!

遺体の始末、包丁でそんなに細かく刻めるか? とか、頭部はどうすんの? とか突っ込みどころは多いと思いますが、何事もコツコツ継続することが肝心ですよね。力任せにダムに放り込んだりしちゃいかんのですよ。女性ならではの忍耐力かもしれません。

最後まで読んで下さって本当にありがとうございました。これからもお互い創作活動を頑張りましょうね!
[一言]
直球ホラーは正直得意ではないので、余り読まないのですが題名に惹かれて読み始め……鳥肌がたつ思いでした!!途中で止める選択肢はありませんでした!ここで止めると余計気になる。頑張れ!頑張って読むんだ!そう自分を鼓舞し、ラストで「ひーーー!」となりました。儚げで可愛いはずの風鈴の小道具が、否が応にも物語を盛り上げています。しかし真に怖いのは女の情念でしょうか。因果応報という言葉が浮かびました。
できればお嫁さんとお孫さん。それに成長した衛くんは無事でいて欲しいです。罪の連鎖はどこかで切られなければいけない。そう思えました。凄まじく怖くて……今何故なのかもう一回くらい……後日読み返そうかな……?と思っている自分が怖いです。すっかり作者さまの世界に魅了された様です。
カラスウリ 様


はじめまして。
この度はご高覧ならびに丁寧なご感想をありがとうございます。

題名が目に留まってお越し下さったとのこと、タイトルにはずいぶん迷いましたので嬉しいお言葉です。ちょっとキザな感じになってしまいましたが、お気に召して下さったのなら悩んだ甲斐がありました。
心霊ホラーに見せかけたサイコホラーでした(笑)。そんなに怖がって頂けたとは! 風鈴の音色は現実と妄想がスイッチする合図として、また夏らしさの演出として、ずいぶん重宝いたしました。音を文章で表すのって難しいですね……。

因果応報、まさしくその通りだと思います。奈江は久美子の恨みではなく、自分自身の憎しみの感情で自滅していったのです。主人公に感情移入しつつも「いやでもそれはやったら駄目だよ」と感じられるような作品にしたかったので、そうおっしゃって頂けて嬉しく思います。

読み返して頂けるなんて光栄です。どうぞ何度でも(笑)!
ご期待に添えるよう、今後も精進いたしますね。ありがとうございました。
[一言]
恐怖が心にじわりと広がるようなラストでした。

自分の勘が悪いのか一度読んだだけで結末が分からなかったのですが、読み返して理解した時はぞっとしました笑

夏にぴったりで思わず一気読みしてしまった、、、
  • 投稿者: 退会済み
  • 18歳~22歳 男性
  • 2016年 07月31日 14時18分
管理
馳河 様


はじめまして!
この度は拙作をご高覧下さり、ご感想までお寄せ頂きまして誠にありがとうございました。

衝撃的なホラーを書くセンスがなく、専らこういったじわじわ怖い作品を書いています。インパクトとしては今一つかしらと危惧していたのですが、一気読みして下さったとのこと、とても嬉しいです。
オチはやはり少し分かりにくかったですね。見せ方というか演出について、もっと工夫できるように腕を磨きたいと思います。でも多少なりとも涼しくなって頂けたようなら光栄です!

今後とも頑張りますので、また機会がありましたらお立ち寄り下さいませ。ありがとうございました。
[一言]
涼やかな、しかしじっとりと湿度のあるお話しはさすがですね~
最後の終わり方もホラーです

完全犯罪ながらも、やっぱり罪からは逃れえないというのが、人間の弱さというか、リアリティがありますよね
そしてそういう精神的な弱さは、案外、男のほうにあって、女はあんな感じで強かに生きていけるのかも……と思わされました
ああ、女って怖い……。

夏にぴったりな涼のある作品をありがとうございました!

  • 投稿者: 如月あい
  • 女性
  • 2016年 07月31日 10時11分
如月あい 様


ご感想ありがとうございます!
自分ではずいぶん暑苦しい話になったと思っていたのですが、涼しくなって頂けたようでよかったです。夏のホラー企画ですから、夏っぽさを出そうと努力いたしました。

リアリティと言って頂けて嬉しいです!
完全犯罪だからこそ、いつまでたっても秘密を抱えて生きていくしかない。直接手を下した浩一郎の方はやはり罪の意識が大きくて(もともと彼の浮気ですし)、壊れてしまったのだと思います。奈江の方は復讐だと思ってますから罪悪感は皆無だけど、自分自身の憎しみからは逃げられなかった……という感じでしょうか。
自分が女性だからか、どうしても怖い女性を書いてしまいがちですね(笑)。飽きられないように気をつけなければ。

如月さんも執筆頑張って下さいね。この度はありがとうございました。
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