感想一覧

[良い点]
空寒い。
人間の暗く冷たい部分の、うっすらとある温かみみたいなものの生生しさを感じる作品。
楽しませて抱きました。
[気になる点]
自殺ショーの描写、に期待しているところはありました。
作中で『すごいこと』とされていながら、どうすごいのか、を『それを見たがる人が多い』という具体的ではない表現しかないので、少し勿体ない気がしました。
設定が広いので、もっと広がりが見てみたかったです。
[一言]
好きなSFマンガで公衆自殺機を初めて見たときのインパクトを思い出していました。
着想とそこへと至るまでのオチが印象的でした。

[一言]
設定は社会風刺な印象があったのですが、その世界から主人公が一歩引いているのが、作品として物足りなさを感じました。
せっかく一人称なのだから、価値観が変わってしまった世界に、積極的に身を置く、もしくはそうせざるをえないストーリー展開にしたほうがよかったのかな、と。
両親の自殺ショーから目を背けたいのはなぜなのか……。その理由も、もっと掘り下げてほしかったです。

あと、最終的に主人公が求めているのは「生きること」「愛」なんだなあと感じたのですが、そこに拍子抜けというか、陳腐な印象を抱いてしまいました。
狂った社会から距離を置いてまっとうに生きる、という部分に、主人公の強い意志が見えなかったのが原因かなと。
ただ逃げちゃっただけ？みたいな。
愛を探すという選択をするなら、もっと肉体的な表現、たとえば彼女の肌に触れたときの喜びや安らぎを、省かずに書いても良かった気がします。

全体的に、読者に強く印象づけるための工夫が不足しているように思います。

総じての感想は「もっと深く、生々しく、ナイフのような鋭さがあってもよかった！」です。
辛口ですいません…

[良い点]
高齢化社会などで問題になっている部分に鋭く切り込んでいるところ。
[気になる点]
主人公の感情が平坦すぎてよくわかりませんでした。
両親が自殺を試みるとき、いかに自殺が身近になったものだとしても、なんの悲しみも葛藤もない主人公が不思議でした。
[一言]
タイトルに魅かれました。
自殺サークルのようなお話しかと…。
それが案に相違して難しい問題を定義する話に。
カフカのような純文学的なお話で、私にはちょっと難しかったです。