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[良い点]
何でもないことが、凄く面白い。三社の企業を回る刑事たちと、途中で合流する榊原探偵。企業側の人事部長や、雇われた元受験生など、さりげなく容疑者が増えていくフーダニットの側面が楽しいです。

今回の犯人は、就活ノイローゼだったのだなと感じました。

事件を挟むように、二種の海水浴場での殺人事件が入っていて、就活殺人者とは全く別の犯人が唐突に登場するのも、メリハリが効いています。

横領事件、自殺未遂と、奥田さまの作品は、ひとつの事件を追う過程で別の事件が発覚する、複合的なミステリーの構造がさすがだと思いました。

犯人が件の中阪商事ではなく、別の会社にいた目立たない一社員に過ぎないところも、さりげなくて意外性あります。

火神社長のキャラクターがとても印象に残っています。独特で、どこか怪しい。火神鳥夫で『フェニックス』という社名が、シャレ効いていてユニークです。陽子が他社の面接官には好印象を与え、二次審査に進めていたにも関わらず、火神社長は一次審査の段階で落としている。人の評価は様々で、受験生が企業に与える印象、面接官や社風との相性もあるのだと感じます。捨てる神あれ拾う神――ですのね
┐('~`;)┌

陽子の白骨死体から三種の事件を楽しめる、全体を通してとても無理なくバランス良く纏まっていると思います。
 奥田です。返信が遅れてしまい、本当に申し訳ございません。

 この作品は私の作品の中では非常に珍しい「社会派」の作品で、どちらかといえば犯人当てというより、その背後にある同期の部分に焦点を当てた異色作品となっています(なので実質的に、真相発覚前に犯人を当てる事はかなり難しくなっている)。火神社長については非常にインパクトのあるキャラであり、一発キャラにするには非常に惜しい人材である事から私としても何らかの作品で再登場してもらいたいなぁと思ってはいるのですが、何分この作品の設定年代がかなり遅いため、どう登場させるか色々考えている段階ですね。

 そんな感じですかね。それでは失礼します。ではでは。
[良い点]
今回の作品は犯人当てに重点を置かず、動機と理由、犯人の殺害後の心情にスポットを当てていて、こういうのもアリだと思いました。

『就活』という、一種の洗脳だったのだろうか、就職という幸せと安定、就職にあぶれる恐怖心や守るべきプライド、それ故の思い込みから殺意を抱く…そういう人間の思考と展開に共感を覚えます。

詳しい殺害の記憶を失っていたのは、自己暗示が効いていたのでは、と思います。人間の脳の不思議を感じました。
[気になる点]
名前の間違い
『月奈』が途中から『月子』に変わっていました。
陽子と月子じゃ『週末婚』みたいです、よ…… 
[一言]
就職の為に殺人をして自ら人生を壊してしまうなんて本末転倒で、どうしようもない愚かさを感じます。

一年間捕まらないで生活できただけで幸せかも、ですね
  • 投稿者: 退会済み
  • 女性
  • 2017年 03月02日 02時01分
管理
 奥田です。感想ありがとうございます。そして再び返信が遅れて申し訳ございません。

 前に別の人の感想返信で書いた事かもしれませんが、この話は以前やっていた就職活動で私自身が感じていた事をモデルにして書いたものです。リアルに思われたとすれば、おそらくその辺の事情があったからだと思います。今だからこそ冷静に振り返る事ができますが、当時の私がどうだったのかと言われると……。何にせよ、色々考えてもらえれば幸いです。

 それでは今後ともよろしくお願いします。ではでは。
[一言]
今回もとても面白い作品を有り難う御座います。
第8章の竹村さんや中峰さん、榊原さんの台詞を見て、今までの作品よりも読者に訴えかける用な物が強いなと感じました。
これまでの作品での、トリックや事件の見せ方、榊原さんと犯人との対決の場面なんかと同じくらい、今回の作品は他の部分も読み手の事を意識されていたのではないかと思いました。
榊原さんの人間味ある台詞はちょっと貴重な気がするので良かったです。
個人的には第7章の犯人が警察に囲まれた場面の犯人と説明文との掛け合いの用な部分が引き込まれて好きでした。
次の作品もゆっくり楽しみに待ちたいと思います、お疲れさまでした。
  • 投稿者: 濱田
  • 2016年 11月03日 12時55分
 奥田です。この度もご一読ありがとうございます。

 この作品の中で出てくる、濱田さんが挙げられていた読者に訴えかけるようなセリフに関しては、私自身の思いがほんの少し出てしまったのではないかと思っています(まぁ、小説というのはそのようなものが多いのですが……)。私自身、就職活動で大変苦労した経験があるものでして……。
 ちなみに、この話を書くきっかけになったのが、ご存知ドラマ「相棒」の中の「エントリーシート」という作品。この作品も就活生が殺されるというものなのですが、その中に出てくる就職活動の描写や個人的に思っていた疑問点がことごとく心当たりのある物ばかりで、それ以来、私もいつか就職活動をメインにした小説を書きたいと思っての今回でした。
 そんな思い入れのある作品だったので、楽しんで頂けたのであればこれ以上嬉しい事はございません。それでは今後ともよろしくお願いします。ではでは。
[良い点]
首を長くして待ってました!
いや~相変わらず緻密な設定に
臨場感溢れる表現。
ここまで濃密に書かれている小説は
読みごたえがあります!
[気になる点]
ないですっ!
・・・と言いたかったんですが(泣)
第五章「告白」にて
~わざわざ他人に話した“リ"スケジュールに書き込んだり~
・・・カタカナになってます(汗)
本当に細かくてすみませんorz
[一言]
三百万、内定辞退、被害者のしようとした事から
あの人事部長が良からぬ事をしたのでは
ないかと推理したのですが・・・

お見事に動機がハズレてしまいました(汗)

前回の小説でもそうでしたが、
あんな所で出てきたのが犯人!?
というのにはいつも驚かされます。

次回も首を長~くして待ってます(笑)
リアルのお仕事も大変でしょうが
無理をしないように頑張ってください。
  • 投稿者: exlegion
  • 30歳~39歳
  • 2016年 10月04日 00時30分
 奥田です。ご一読ありがとうございます。

 確かによくよく考えてみると、普通に考えたら人事部長の行動はそう見えてしまいますね……。あの人事部長はミスリード役としていかにも怪しい風に書いてはいますが、そういう考え方もできるのかと非常に参考になりました。

 今後も少しずつ小説を発表していきたいと思っていますので、気長にお待ちいただければ幸いです。ではでは。
[良い点]
シリーズを通して主人公のキャラがぶれない、キャラがしっかりイメージできる書き方をされているところ。
また、主人公とともに成長していくヒロイン(なのかな?)も見ていて楽しいです。
とてもテンポ良く読めました。
[気になる点]
誤字が少々。第六章で「早川」となるべきところが「早香」となっておられます。
また、この第六章で「早川」という名前を使いすぎていて多少目が滑る感じを受けました。
[一言]
こんにちは。今回も楽しく読ませて頂きました。

これぞ推理小説!点と点を繋ぎ、犯人を追い詰めていくところは毎回引き込まれます。
個人的には第七章のトリックは、それまでに比べてちょっと大ざっぱにも感じました。
次回作も楽しみにしています。
  • 投稿者: you
  • 2016年 09月29日 05時25分
 奥田です。このたびはご一読ありがとうございます。

 まず、「早香」については訂正しておきました。誤植のご指摘、ありがとうございます。あと、「早川」が多いという事ですが、これは私の表現力不足だと思います。今後は改善していきたいと思っています。

 今回は本格派と言うより社会派のつもりで書いていますので、トリックよりもその背景に力を注いでいるところがあります。七章のトリックが大雑把に感じたのであればそれが原因かと思われますが、社会派とはいえもう少し詰めておくべきだったか……。ちょっと悔いが残るところではあります。

 そんな感じです。今後もご一読いただければ幸いです。ではでは。
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