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[良い点]
 冬純祭からお邪魔しました。
 文章も読みやすく流れていきますし、楽しませていただきました。
[気になる点]

 シナリオの詰め方として、ゴキブリ・絵の話・生命の話の合わせ方に違和感が有りました。
 物語が長くないのに、カナブン青年の不思議さとヒロインの人生観を両方描こうとしているのは無理があるかな、と。
 カナブン青年とヒロイン、どちらもお互いの話の聞き役に徹していて、互いに互いの人生に口を出さないのも淡白で変化が無い。
 そのため、彼の手に憧れたという所から、電灯の絵を書きましたと言われても、心情が伝わってこない。
 結局、絵にはどんな思いを込めたかったのか? カナブン青年から何を受け取ったのか?
 保健所回りの話を絵で描くでもなく、丸ごと抜いても成立しそうですし、絵に書くという行動が起承転結のどこにも当てはまらない。
 命を奪うことに対する感傷のような物も感じるのですが、カナブン青年とヒロインのキャラクターの掘り下げ方がしっくり来ないので、効果的とは感じませんでした。
 メッセージ性が込められているようには思うのですが、作者さんの意図通りに受け取れている気がしません。
 ラストシーンはおばさんどうこうではなく、説明の感触が歯痒く感じました。
 青年は死んでいるというか、ファンタジー要素だとしたら、カナブンを助けるという行動がヒロインと全く同じなだけ、というのも見せ方として勿体ない。急ぎ足で出してしまっているというか。
 おばさんとコンビニで数か月置いての再会もドラマ作りとしてシンプルすぎるように感じますし、『それまでカナブン青年を適当にだけ探していたヒロイン』という印象。
 探すなら探す、幻のままにしておくなら幻にしておくの方がヒロインの心情的な受け止め方がわかりますし、ここもヒロインの心情を分かり難くしているかなぁ、と。
 個人的には、絵を偶然おばさんが見に来て再会した、くらいの方がスッと終わる気がしました。
 運命的ですし、「そうそうこんな絵の虫を…」とか言ってカナブン青年の話をすれば、作品のシンボルアイテムである絵を置いたままのシーンで終われたはずですし。
 文章は小気味が良いんですが、中身を詰められていない印象。
 シーンごとに良い感触が有るんですが、終わってみると俺(読者)の中に何も残っていないことが残念。
 ヒロインの人生観の話のはずなのに、ヒロインそのものを描けていないかな、と。

  • 投稿者: 84g
  • 男性
  • 2016年 12月09日 15時24分
初めまして。感想ありがとうございます。

>物語が長くないのに、カナブン青年の不思議さとヒロインの人生観を両方描こうとしているのは無理があるかな、と。
>これについては他の方からも同様の感想をいただきまして、そうなのかぁと思いました。私としては不思議さだけ描くつもりだったのですが、ヒロインについてもっと深く描く必要があったようです。

>結局、絵にはどんな思いを込めたかったのか? カナブン青年から何を受け取ったのか?
>絵は、ただ描かずにはいられないから描いた、という文章そのままです。何を受け取ったのか?ですが、特に何か受け取った訳ではないんじゃないでしょうか。私もよく分かりませんが(笑)
読む人によって、彼女は彼から〇〇を受け取った、という風に捉えていただければ、と思います。

>メッセージ性が込められているようには思うのですが、作者さんの意図通りに受け取れている気がしません。
>ずばりメッセージ性は込めてないのです。すみません。
おそらく、84gさんが深く読んでくださったのに対し、メッセージ性がないためがっかりさせてしまったのかと。私が思うには、純文学だからこそメッセージ性なしで遊べるのだと思います。あくまでも読み方に委ねています。

> ラストシーンはおばさんどうこうではなく、説明の感触が歯痒く感じました。
 青年は死んでいるというか、ファンタジー要素だとしたら、カナブンを助けるという行動がヒロインと全く同じなだけ、というのも見せ方として勿体ない。急ぎ足で出してしまっているというか。
>ラストシーンは、読む人によってどういう風にも読めるようになっています。そのため断言されていないから歯痒いように感じたのかと思います。

>おばさんとコンビニで数か月置いての再会もドラマ作りとしてシンプルすぎるように感じますし、『それまでカナブン青年を適当にだけ探していたヒロイン』という印象。
>ずっといなかったおばさんが、彼女が絵を描き上げて一般に公開し、電灯が点いた瞬間に現れる、という一つの不思議さを描きたかったのですが、印象が違ったようで残念です。

> 個人的には、絵を偶然おばさんが見に来て再会した、くらいの方がスッと終わる気がしました。
 運命的ですし、「そうそうこんな絵の虫を…」とか言ってカナブン青年の話をすれば、作品のシンボルアイテムである絵を置いたままのシーンで終われたはずですし。
>もしおばさんを再び出すなら、それはやはりおばさんにはコンビニの制服を着ていて欲しいと思いました。ラストには電灯が点くシーンとカナブンの死体が必要だったので、展覧会で終わりには出来ませんでした。

> 文章は小気味が良いんですが、中身を詰められていない印象。
 シーンごとに良い感触が有るんですが、終わってみると俺(読者)の中に何も残っていないことが残念。
 ヒロインの人生観の話のはずなのに、ヒロインそのものを描けていないかな、と。
>メッセージ性がないためと思います。読んでいる時に世界観を堪能していただくための物語と思って書き上げました。
一晩の話を書くだけのつもりでしたが、ヒロインについて描くなら、やはり倍くらいのお話にした方がいいようですね。

全体的に84gさんが今求めている作品ではなかったようですね。
命の儚さだとか、恋をするトキメキとか、絵画の持つ力とか、そういったことを表現するつもりは毛頭ありませんでした。
ただ、「生きてるとこういう不思議なことってあるよね〜」っていうフリです。読者任せにしたところもあり、腑に落ちなかったのかと思います。
おそらく84gさんは吸収力が強いのだと思います。なろう界隈ではメッセージ性が強い物が多いかもしれませんが、この話は寝ぼけながら薄目で見るような話だと思って下さい。(笑)
  • 三日月 夕
  • 2016年 12月10日 02時25分
[良い点]
 初めまして。冬純祭のキーワードから参りました。
 不思議なお話をまとめ上げた破綻のない文章力が魅力的です。

 展覧会で、絵のカナブンに手を触れるシーンが素敵でした。このお話で一番気に入ったシーンです。

 随所に登場する夏の虫と風景が、結衣さんの心情とリンクしているのがいい按配。
 全体にうっすらホラーな感じなのも、不思議な雰囲気に合っていていいなと思いました。

 男の人は公共料金の支払いをしていたので、この直後に結衣さんの身の上に何かあれば、真っ先に疑われます。
 後先考えられないアホなおっさんだったらその限りではありませんが、防犯カメラに映っていて、伝票で男の人の身元はわかりますし、コンビニのおばちゃんは、考えなしに見えて意外に策士だなと思いました。

 自称カナブン。
 Gの始末を頼まれたのに、天敵のアシダカグモやヤモリなどを自称しないことから、「本当にカナブンかもしれない」と思わせる高等テクニックに脱帽です。
 人間にとっては無害ですが、羽音が蜂に似ていてちょっと怖い辺りも、いいチョイスだなぁと思いました。

 Gを始末してくれた男の人に、トキメキをすっ飛ばして一足飛びに妄想炸裂で、ふふっとなりました。
 それは恋でも一夜の情でもなく、吊り橋効果と言うものなのだよ、お嬢さん……と内心つっこみながら読み進めました。

 結局、あれは何だったんだろう……? と狐につままれたような読後感で、その不思議が面白かったです。
[一言]
 美大生の結衣さんなら、殺虫剤の代わりに手近にあるフィキサチーフで固めるくらいやりかねないと思ったので、防犯意識が吹っ飛ぶくらいGが苦手なのに、落ち着き過ぎている点が少し腑に落ちませんでした。

 家で描くのが「評価と批判がまっぷたつになるのが気になるから」は、動機として弱いような気がしました。
 結衣さんの性格の説明や、後で作品に大幅な変更を加えることの伏線としては、アリだと思います。

 美術系の学科の講評会では、プラスの評価もありますが、割とけちょんけちょんにも言われ、外野の言うことをいちいち全部気にしていたら登校拒否になるレベルです。
 技術面では参考にするけど、自分の内面の表出(描きたいこと)については、揺るがないのが当たり前で、批評する側もそれを前提にしています。
 「〆切まで時間がないから家でも描く」の方が、部屋が散らかっている理由も兼ねられて、リアリティが出ます。
 それから、食パンのカスを食べに来るので、油絵や木炭デッサンをする部屋には、ホイホイ必須です。
 キャラを優先するか、リアリティを優先するか。両立できる上手い言い回しがあればいいなと思いました。

 真夜中……夜更け、夜半、丁夜(ていや)、丑三つ時……う~ん……
 題名はやっぱり、絵と連動している今の「電灯」のままの方がいいと思いました。
初めまして。感想ありがとうございます。
返信が遅くなってすみません。

思っていたことが伝わったようで、嬉しいです。
お褒めの言葉をありがとうございます。

短編だし、と思って美術のことを全く調べずに書いてしまいました。いただいたアドバイスを活かして改稿します。
〆切りまで時間がなくて家で描いてる、はそのまま戴きます。m(_ _)m

ありがとうございました。
  • 三日月 夕
  • 2016年 12月09日 19時04分
[良い点]
冬純祭タグから三日月さんの読みに来ました。

コガネムシは助けてゴキブリを容赦なく殺そうとするところに人間の本質が見えるような気がしました。

綺麗、可愛いは正義なんですね分ります。
そして主人公が何気にヤンデレっぽい気がしました。
[一言]
始まりが夜の時は背景色を黒にすると没入感が上がる気がします。
文章じゃなくて視覚情報で攻めるというかなりこすっからい手段ですが(汗)
ビジュアルノベル的に攻める方法もあるということでご容赦(>_<)
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 12月01日 17時01分
管理
感想ありがとうございます。
そうなんですよね、可愛いは正義。
見た目が違えば人生違いますよね〜

背景色は黒にしようか悩みましたが、ホラーっぽくなりそうなのでやめました。でも背景色変えたことがないので、いつか変えてみたいと思っています。
ありがとうございました(φ´∀`*)
  • 三日月 夕
  • 2016年 12月01日 18時55分
[良い点]
あ、どーも。夕凪 もぐらと申します。
冬純祭のタグから参りました。

良いところ

・二人のナンセンス気味の会話が小気味良い。

・さっぱりとした雰囲気。そこまで癖の強くない文体。隠し味程度の比喩。

・どちらにも捉えられるものが多く、読者の頭の中で、何通りかに分岐する。そもそも彼は人間かコガネムシかも実は明確に書かれていないし、最後のコガネムシは彼なのかもわからない。彼女が彼にどんな感情を抱いたのかも書かれていない。

って、ことで面白かったです。

[気になる点]
・サイズと物語があってなくて、タイトルにも関係している絵描きの設定が中途半端。大事な設定だし、もっと盛ってもよかったと思います。


[一言]
・わかりそうで、よくわからなかったところ

殺処分の下りがありましたが何故それを書いたのか。
そしてコガネムシは助けたのに、ゴキブリの死を望む主人公。ラスト○○○○に入れられるコガネムシの○○。
死ってテーマがあったのでしょうか?

・良くもあり、悪くもあったところ

主人公の一夜限りとかなんとかの妄想。面白かったし、上手いこと書かれていましたが、物語の雰囲気は若干壊した気もします。

以上感想でした。
トータルして凄く良かったです。
良作を読ませて頂きありがとうございました。

感想ありがとうございます。冬純祭に参加してみてよかったと思いました。
・どちらにも捉えられるものが多く、読者の頭の中で、何通りかに分岐する。そもそも彼は人間かコガネムシかも実は明確に書かれていないし、最後のコガネムシは彼なのかもわからない。彼女が彼にどんな感情を抱いたのかも書かれていない。
>これは本当に狙い通り理解して頂いて嬉しい限りです!!!!

・サイズと物語があってなくて、タイトルにも関係している絵描きの設定が中途半端。大事な設定だし、もっと盛ってもよかったと思います。
>ずばり短編を言い訳に、書きたい事しか書かなかった結果です。
主人公は少しばかり絵が上手いからってチヤホヤされて美大に来たけれど、周りはもっと絵が上手い人はいっぱいいるし、就職口は狭き門で普通以上に厳しく、自分は何になりたいんだろう、と毎日悩んでいて、他大の友達は彼氏作って大学生を満喫しているのに対し、自分の周りにいる男は個性がぶっ飛んでる人ばっかで、自分もお洒落なんか全然出来ず、浸すら絵ばっか描いて毎日が過ぎて……なんて平素な日常の描写が欲しかったですかね。一夜に起こったドラマティックな出来事しか書かなかった訳ですが、上記のような描写があれば、リアリティが増して小説としての面白みも出たかもしれません。まだまだ未熟ゆえ、一夜の出来事とのバランスが難しいところです。今後は長編にトライしてみたいと思っていたので、こういう風に膨らませていけばいいのか、と勉強になりました。

・殺処分の下りがありましたが何故それを書いたのか。
>これはあくまでも主人公の芸術的嗜好の一例のために書きました。ただ、物語が全体的に抽象的なのに対し、この例は具体的過ぎたかもしれません。女子大生の一人暮らしの部屋に、電気が消され電灯の絵があり、「ちょっと変わった子だな」と読者の方に思っていただいて、「そうです、彼女は変わった子です」と上書きしたつもりでした。彼女は彼に惹かれ、彼もまた一風変わった彼女の絵(センス)に惹かれている、ということを書きたかったのですが、男の表情は変わらなかった、だけじゃ足りなかったですね。改稿の際には、男に彼女のスケッチでも撫でさせてみましょう。

・そしてコガネムシは助けたのに、ゴキブリの死を望む主人公。ラスト○○○○に入れられるコガネムシの○○。
死ってテーマがあったのでしょうか?
>うまく表現出来ず、すみません。これは最初のほうの、
「器って何なんでしょうかね」
にかかっていました。この部分が曖昧過ぎたんだと思います。実はここは何度も書き直した箇所で、やはり手直しが必要な箇所だと思いました。
見た目で判断することは悪いことではないけれど、それで助けられる命もあれば、殺される命もある、ということ。また、全然話しもしていないのに、無性に惹かれる人もいれば(いわゆる一目惚れ)、一目見て「生理的に無理!」ってやつもありますよね。そういうのってなんだろね〜、って振りでした。そもそも私の言いたいことが明白でないんですよね。

・主人公の一夜限りとかなんとかの妄想。面白かったし、上手いこと書かれていましたが、物語の雰囲気は若干壊した気もします。
>この話は、この部分までは少女漫画系の展開も期待出来る話だと思います。「そっちには行かせないぜ〜」という私の意思表示であり、少女漫画的ラブロマンスへの道を壊す描写でもあります。どちらかと言えば、前半部が抑えすぎていたのでしょうか。一緒に夜道を歩いている時に、彼女の軽い妄想が入れば変わりますかね。(あれ違う?)

良作と言っていただき、ありがとうございます。
もう直接お会いして、喫茶店で一時間くらいお話ししたかったです!
  • 三日月 夕
  • 2016年 12月01日 03時20分
[良い点]
∀・)不思議な感じに魅せられました。わかりやすいテンポで読みやすく、読み進めれば読み進めるほどにどんどん惹き込まれていきました。すごく芸術的な作品ですね。タイトルが「電灯」とシンプルなのもGOODです。
[一言]
∀・)なんとなく出会った作品でしたが、すごくインパクトに残りました。良い作品に出会えたと思います。出会いとは人それぞれで様々な形があって摩訶不思議なものですね。そう思ったりもしました。
感想ありがとうございます。初めて頂いた感想で、感無量です。
タイトルは悩んだので、そう言っていただけて安心しました。主人公の絵のタイトルが「電灯」だったので真似してみました。
今度は純文学系の長編にチャレンジしてみようと思います。頂いた感想を糧に頑張ります。
数ある小説から読んでいただき、ありがとうございました。
  • 三日月 夕
  • 2016年 11月29日 00時53分
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