感想一覧

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[一言]
紅薔薇の力で守ってもらった国の王族がちゃっかり紅薔薇の雫も持ち帰っているところが結構ムカつきました。愚かな若者に褒賞を与えるでもない業突く張りの国は滅んでいたほうが良かったのでは。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2021年 04月19日 13時55分
管理
mA rjAraさま

感想、ありがとうございます。
純粋さと愚かさというのは紙一重なんですよね。
善良な人々の中で暮らしていれば尊ばれるものも、悪意ある人々の中ではいいように使われて終わってしまう。人間の汚さ、醜さを知る魔女だからこそ、森全体にかけた魔法は呪いではなく、ある種の祝福だったようにも思います。
[良い点]
ああ、切なく美しいお話ですね。
若者は純粋だからこそ紅薔薇と出会えて素晴らしい時間を過ごせたけれど、純粋だからこそ村の人を見捨てられず、宝玉を渡してしまった。
純粋な愚かさを戒めるような物語であり、純粋な清らかさを称えるような物語でもあるような。相反する二つが同居していて、余韻が残りました。
  • 投稿者: 遥彼方
  • 女性
  • 2021年 03月14日 00時08分
遥彼方さま

感想、ありがとうございます。
感想に気がつかず、返信が遅くなってしまい大変申し訳ありません。

素直であること、純粋であること。
それが美徳とされるのは、あくまで子どものうちだけなんですよね。
大人になってしまうと、素直さや純粋さは、愚鈍さとイコールで結びつけられやすいのかなとも感じています。

まっすぐなだけでは大切なひとを守ることができない。
けれどまっすぐでなければ、紅薔薇を見つけることはできなかった。

「綺麗は汚い、汚いは綺麗」ではありませんが、私たちは常に手に入らないものばかりを追いかけているのかもしれません。だからこそ、魔女によって閉ざされた世界ではそれ以外の選択肢をなくすことで、ある種の幸せを得ることができるのでしょう。
[一言]
切ない。
若者が村人を助けようとせず、一人で逃げれば紅薔薇は消えなかったのですよね。
でも、そうしていたら若者の国は滅びていた訳ですから、それはそれで後悔したでしょう。

紅薔薇は自分を選んだ事で若者が後悔するのが耐えられなかったのかもしれません。

若者がもっと利己的ならハッピーエンドになったというのがつらいです。
とても考えさせられました。
  • 投稿者: 柴田 洋
  • 2021年 03月13日 19時34分
柴田 洋さま

感想、ありがとうございます。
感想に気がつかず、返信が遅くなって申し訳ありません。

どちらを選んでも結局後悔するというのは、人生の中でたびたび起こりうることなんですよね。
最善の選択をしても、すべてを拾い上げることはできなくて……。我々はどうしても、実行することのできなかった「もしも」の世界を想像しながら生きていくことしかできないわけです。

だからこそ魔女の言葉は、「呪い」であると同時に「救い」であるのだと思います。
閉ざされた場所で愛するひとのことだけを考えて過ごす。そこで再び彼女に出会えることができたとしたら……。まさしくこの世界もまたひとつのメリバなのかもしれませんね。
[良い点]
読ませて頂いて、あまりの文章描写・構成の巧みさに、石河さまの童話作家としての技術の高さを目の当たりにした想いです。
めでたしめでたし、ではない、どこかグリム童話を彷彿とさせるような、でも、大人の童話だと思いました。
余談ですが、ラストの

> 紅薔薇と森の待ち人のおはなしはこれでおしまい。良い子はホットミルクを飲んでおやすみなさい。

この文章にハマりました。
大人が読むに耐え得る作品でありながら、やはり子供目線は忘れない。そんな配慮が感じられ、思わずほっこりしました。
香月よう子さま

感想、ありがとうございます。
感想に気がつくのが遅くなってすみません。本当に申し訳ないです。

2016年の作品ですね。自分でもなんだか懐かしいです。
この頃から自分が描く童話はわりと突き放したラストが多いので、性癖は変わらないなあとしみじみ感じております。

正しく生きたいのにちょっとしたことで失敗したり、つまづいたりしてしまうのが人間なんですよね。そんな愚かさがおかしくもあり、また愛しくもある。完璧には行動できないからこそ、私たちは童話に心惹かれるのかもしれません。
[良い点]
切なくじれったいお話ですね。
もしも紅薔薇があのとき
もしも若者があのとき
……という「もしも」を思わず考えてしまいますね。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2019年 01月21日 18時56分
管理
Kei様

こちらにも感想をお寄せくださり、本当にありがとうございます。
もともと私が「昔話のあのもやもやした、ハッピーエンドかよくわからない結末が好き 」ということもあり、このような少しばかり寂しい結末となりました。

それでもきっと紅薔薇のことだけを思い、閉ざされた空間に取り残された若者はきっと幸せだと思うのです。彼らは長い長い時を経て、きっとまた出会うのでしょうから。

感想、ありがとうございました!
[一言]
夢を見ているようでした。
童話はどこか理不尽に残酷です。

人のいい主人公に見えなかったもの。
でもそんな人だからこそ紅薔薇の決意もあったのでしょうけれど。
願わくばずっと宝玉は誰にも触れさせず、ずっとそばに置いて欲しかった。
静かな紅薔薇の思いが切ないです。
にけ❤️けむくじゃらこ様

ご高覧いただき、ありがとうございます。
私にとって童話や昔話というのは、ちょっと不気味だったり物悲しいものというイメージがあります。「めでたしめでたし」と書かれていても、本当にそれがハッピーエンドなのか首を傾げたくなるものも多いですよね。特に異類婚姻譚においてはその傾向が強いように思われます。

本作の主人公たちも、結局はこういった形になってしまいました。
言葉で語らなかった紅薔薇がいけないのか、紅薔薇の気持ちを察することができなかった純朴な若者が愚かなのか。お互いを大切に思っていたことだけは間違いないのに、すれ違ってしまった事実が切ないですね。

それでも暗い森の中で、相手のことだけを考えながら待ち続ける若者はきっと幸せなのだろうと思います。一途に想われる紅薔薇もきっと。外の世界と触れ合ったことで散々に傷ついた二人にとっては、この閉じられた世界の方がよほど安心で安全な世界なのかもしれません。この世界にただ二人きり。そう思えば、これは呪いではなく魔女の祝福のようにも思えてきます。

感想、ありがとうございました!
[良い点]
これを読むのは二度目でした!
まだなろうに入る前に読んでいたんです。その時も数ある作品の中でいいなぁと思って覚えていました。
再会できて、感想が書けられるようになって嬉しいです。
秋野 木星様

ご高覧いただきありがとうございます!
なんとなろう登録前に手にとっていただけていたとは、ありがたい!
そしてご縁があって再度読んでいただけるなんて、作者冥利に尽きます。

ちょうど冬の童話祭に合わせて書いた作品です。
全方面的なハッピーエンドではないですが、ほろりと苦さと甘さが混じっている方が現実的でむしろ童話らしいかなあと考えながら書いたのを覚えています。

本当にありがとうございました!
[一言]
読んでいて一番に思ったのは艶っぽいということ。
読み終わった感想は大人の童話だったわ! でした。

情景がとても綺麗ですね。ここぞという部分が色鮮やかで、物語を彩ってくれていました。

若者も紅薔薇も純朴で個人的には大好きなキャラです。それこそ人との接触がない環境で暮らしてきたからこそ得られた性質なのかな~と思いつつ。
そんな若者が人の世界と接触した途端に手ひどい仕打ちを受けているのは哀れでした。

物語最後に産まれた迷いの森。
あれは私には祝福に見えました。(若者と紅薔薇限定の。他人からしてみれば移動の邪魔ですよねww)

この童話と紐付いている長編ではイメージ崩壊という情報を感想欄で拾ってしまいましたが……
よろしい崩壊させてもらおうではありませんか!
いざゆかん、(たぶん)お笑いの世界に!!ww
  • 投稿者: 夕立
  • 2017年 12月16日 10時35分
夕立様

ご高覧いただき、ありがとうございます。
はい、こちら大人向けの童話となっております。艶っぽいと言っていただいて、大変嬉しいです。
作者としては、名前を読んで運命の相手を眠りからさますという部分が萌えポイントだったりします(勝手な好み)

実は自分が物語を書くときには、頭の中の映像をそのまま書き写しているようなイメージになります。ですので色鮮やかという感想をいただけると、飛び上がって喜びます。

えてして童話というものでは、純朴な人間が結構ひどい目にあったりします。純粋さの対比なのかもしれませんが、あくどい人間もたくさん出てくるんですよね。さらに、ちょっとした過ちに対する罰というものが信じられないくらい重い。しかも、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかもよくわからない、それこそ読み手の想像にまかせる結末になっているというのが、私にとっての童話です。そういう微妙な後味の悪さ、モヤモヤ感を読み手の方に残せたら良いなあと思っています。

最後の閉じられた世界は、呪いでもあり祝福でもあります。ある意味、ツンデレ魔女の親心だったのかもしれません。迷いの森、まさに他人からみたら移動の邪魔だと思います(笑)貴重な森の実りを取りにうっかり入ることもできない(笑)

そして、まさかの『方向音痴な〜』に足を踏み入れちゃうのですか?!
あの、本当にイメージ崩れますよ、大丈夫かな?!
基本的に変態しか出てこないので、もしお口に合わなければそっとブラバしてくださいね。

本当にありがとうございました!
[良い点]
 この時期に読むのがぴったりな美しい森の描写と、青年の純粋さが引き起こしてしまった悲劇のマッチング。
 雪に閉ざされた森で今も青年は幻の紅薔薇と幸福を謳歌しているのかもしれないと思うと、何やらゾッとするものがありました。

 結末がぼかされていたのでそのあたりは私の勝手な妄想ですが、赤い薔薇が咲き乱れる雪の森に、死んだはずの娘と青年がふたりきりで暮らしている――という情景を思い描いてみたら、その妖しい美しさに魅了されました。
 でも魔女の呪いが実は祝福なのだとしたら、青年はきっと幸せに暮らしているはず……。読者の想像次第でバッドエンドにもハッピーエンドにも成り得るお話、とても好きです。物語の入り方、締め方も一工夫あって素敵でした。
[一言]
 はじめまして、長谷川と申します。もしかしたらどこかでお見かけいただいているかもしれません。
 かく言う私も様々なところで作者さまのお名前を見かけるので気になり出し、お邪魔させていただきました。私が「この人の作品、好きだなあ」と思うところには必ず石川さまのお名前があるので、「これはきっと石川さまの書かれる作品も私の好きなものに違いない!」と意気込んで読み始めたところ、大当たりでした(笑)

 個人的に童話を書くのがとても苦手なので、こんなお話を書ける感性と教養に憧れます。
 他にも気になる作品をいくつかブクマさせていただいたので、また感想欄にお邪魔するやもしれません。
 ご迷惑でなければ、そのときはよろしくお願いします。
  • 投稿者: 長谷川
  • 2017年 12月08日 16時43分
長谷川様

はじめまして。
ご高覧いただき、本当にありがとうございます。
『サイコさんの噂』で長谷川様のお名前を知り、実はこっそり作品も拝読しております。ホラーというジャンルは、相手をぐっと引きつけることができなければ、怖さが上滑りしてしまいますよね。ここで面白いと思う方の作品は、やっぱりホラー以外も面白いのです。ジャンルを問わず、長谷川様の作品は、丁寧に書かれた心理描写が圧巻です。ファンタジーも好きなのですが、特にヒューマンドラマカテゴリの作品はいつ読んでも涙腺が崩壊します(思い出し泣き)

昔ながらの童話は、結末があいまいにぼかされているものが多いですよね。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかは読み手に委ねられている。あの良い意味で、胸に残るもやっと感を出したくてこのような結末にさせていただきました。

呪いと祝いは紙一重です。世界の外側から見れば狂気の沙汰でも、内側にいる者にとって心が満たされる場所ならば、それは幸福と呼ぶことができるのだと思います。

そして、いくつか他の作品もブクマしてくださったとのこと!恐れ多いです。ありがとうございます。一応当方セレクトによる自作のおすすめは、『龍の望み、翡翠の夢』シリーズと『恋は歌声とともに』です(宣伝)この童話と繋がった『方向音痴な〜』というシリーズがあるのですが、あちらはどうぞ捨て置いてください。童話の世界観が崩壊してしまいますので(笑)
[良い点]
映像が目の前に浮かんでくるような、丁寧な描写が素晴らしかったです。
[一言]
とても美しくせつない物語りでした。
童話はハッピーエンドのディ◯ニータイプではなく、悲しいバットエンドを読んで育ちました。
しかも本作はバットエンドなのに若者の純粋な気持ちと紅薔薇の愛くるしさのおかげで、決して重苦しくなっていません。胸をしめつける最期が大人の童話で素敵でした。ふたりはきっとどこかで巡り会う。そう希望を感じさせる余韻があります。
カラスウリ様

ご高覧頂き、ありがとうございます。
私も童話といえば、最後モヤモヤする感じのもので育ちました。
ですので、結末がはっきりと明示されない終わり方って好きなんですよ。大人向け、大好き。

実はこの作品はネット小説大賞の一次を通過した『方向音痴なあたしと物忘れの姫君』内に出てくる童話です。作品内ではタイトルしか出て来ませんが(笑) 童話は美しく後世に伝えられたわけですが、当時の人物たちはというと意外と生々しくもつれております(笑) 作者として実はこんな風になりましたというオチはそちらに書いてありますが、このまま余韻に浸っていただいた方が綺麗かもしれません。

本当にありがとうございました!
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