イチオシレビュー一覧

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単一色で塗り潰せる言葉、塗り潰せない言葉

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 04月 09日 17時 03分]
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「赤色」にはどのようなイメージを皆さんはお持ちですか?どうやらこの「塗り潰れたら」では赤色に激しい熱情を持たせているようです。
言葉を色が塗り潰す、その単純な光景が鮮やかに浮かび上がる文章は主人公の心をそのまま写し取ったようです。赤色で全て塗り尽くしてもそれが表す意味は変わらない。普段当たり前に使っている言葉は本当に意味があるのか?「色」だけで十分ではないか?と考えてしまうほどでした。
しかしながら、単一色で塗り潰せない言葉もきっとあるはずです。あなたはどんな言葉を思い浮かべますか?
「言葉」で表せられない「色」と「色」で表せられない「言葉」とが交錯する作品だと思います。

駄文でのレビュー失礼しました。

君はもういないと唱えてみるんだ

とある日の朝。

やわらかにさみしさがつのってゆく。

彼女はもういない。この部屋から去ってしまった後に見つけた、小さな名残で彼は記憶をバスルームの鏡へ書き付ける。

しとり、とほのかに冷たさを誘う額縁の中には愛情と、未練と、二度と叶わないであろうささやかな抵抗が描かれていた。

そしてみるみる矜持がすり減ってゆく。
それに反比例して苦いかなしみが赤く、赤く、目の前を染めてゆく。

静かな情景の中に男の性(さが)が見事に描かれているすばらしい作品です。

嘘だろう うますぎるじゃん

  • 投稿者: fuura   [2017年 03月 20日 12時 46分]
何なんだこの小説は。思わず目頭が熱くなった。不覚にも。
こんな短い文章の中に行間を読ませる技がある。
書き慣れてる。とても素敵に。

なんなんだ、この文章力。嘘だろう。
これでアマチュア
この文章力でプロになれないのか
純文学の底が見えない
絶望だ。
私には純文学の池に飛び込む勇気はない
足でぴちゃぴちゃ騒がすがオチ

人の心を打つ書き方ってこうなんだ
さらっと、何気なく、それでいて心に残る
才能だろうな

ああ悔し
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