イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

居心地のいい陽だまりみたいなお話

  • 投稿者: 髙津 央   [2017年 09月 17日 21時 11分]
 知らない街での偶然の出会い。
 猫がいる居心地のいい落ち着いたカフェ……ぬくぬくねこねこ羨ましい。

 地に足の着いた引っ越しスタート。
 リアルな社会人あるあるに思わず何回もうなずきました。色々不安はあるけど、お金の心配がなくなればちょっと楽しみにもなって。
 OL、不動産業者、カフェ経営……職業モノとしても楽しめました。

 天然なふたりと一匹。
 ナチュラルに策士なおばあちゃんと、いい味出してるおじいちゃんも見逃せません。

 喫茶「香」がある街も、そこに住む人も、ふんわり優しい。
 疲れた日常に一幅の清涼剤。心の凝りがほぐれるお話です。

ねこは時に架け橋になる

  • 投稿者: 魚島大   [2017年 08月 03日 21時 00分]
主人公が転勤した先にあるのは、小さな喫茶店とそこにいる看板猫。ふらふらと誘われて行ったら、いつのまにか、恋に落ちていました。猫と、素敵な料理人と。
素敵な料理人も、猫と戯れる主人公に思わず心を捕まれてしまったよう。二人を繋ぐのは、猫と、名前です。
男性時点があるのも個人的には読みやすい、というか物語に引き込まれやすくて、とてもいいです。中学生の頃にこんな感じで、一人の女の子に惹かれたことを思い出します。
小鳩さんの作品は、お年寄りがとてもいい役目を果たします。優しい人々と柔らかい眼差しは、小鳩さんの作品に共通して見ることのできる特徴です。

気難しい天使と戯れる貴女の姿が、俺の視線と気持ちを一瞬にして釘づけにした

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 05月 16日 22時 53分]
管理
 これから住むことになるだろう街にある、喫茶「香」の店内には、時々天使が訪れる。
 人慣れしてはいても、その仔が自分から撫でられることはめったになかった。

 そんな街での新しい生活のために、部屋を探していたヒロインが、その天使と優しい笑顔で戯れている。
 その様子を遠目に見つけた時、なぜか視線を外せなくなった。

 一目で恋に落ちた瞬間が、丁寧に描き出された優しい色と手触りと声の物語……。

 ヒロインとこの仔のかわいらしさとともに、彼目線の最終話が爽やかな読後感を倍増させてくれます。
 皆さまにもおすすめです。
 ぜひキュンとなさってください……。

引越先の必需品?

一人暮らしをするときには、住む場所のそばに何を望みますか?

便利なショッピングセンター?
お買い得なドラッグストア?
タイムサービス満載のスーパーマーケット?

いえいえ、欲しいのは美味しい食事を提供してくれるお店ですよね。
おまけにペット不可で諦めた「猫」もいるのです。

美味しい食事とかわいい猫と、それから新しい恋の予感。

そんな喫茶「香」にあなたも足を運んでみませんか。

幸福な情景、あるいは猫がいます

 幸福は猫の形をしている。あたたかくて気まぐれで、むりやり抱きしめようとすると、するりと逃げ出して、ときにはひっかくのだ。

 この話は、転勤で引っ越したヒロインが、新しい住居を決めるまでの話である。そこには、取り立てて事件も大きな物語もない。

 けれども……

 坂の上の喫茶店、窓から見えるのは、きらめく海と観覧車。店の中にはコポコポと湯が沸く音に、ただよう紅茶の香り。傍らには恋人、そして膝の上には猫!
 これ以上に、幸福な情景があるだろうか?

 喫茶「香」には猫がいる。

一匹の猫と運命の出会いがあなたを待っている

恋に落ちるのに言葉なんていらない。見つめ合うだけで想いさえ伝わりそうな、そんな熱を秘めた恋。

それでも、もしも何か相手に伝えねばならないとしたら。その時は、特別な三文字を言えばそれだけでいい。この三文字は、強力な効果を持つから取り扱いには気をつけて。運命の相手以外には、決して使ってはいけない。

運命の相手がわかるかだって? 大丈夫、ただ一つの恋の前に理論立てた理由なんて無意味だ。運命の相手に出会えば、きっとあなたもひとりでに理解できる。

物語の二人を結びつけるのは、白地に銀の縞模様をした不思議な猫。看板アイドルは、招き猫であり縁結びの力も秘めている。

海の見える風光明媚な小さな町。近くを通りがかった際には、ぜひ足を向けて欲しい。派手さはないが、地元で長く愛されてきたこの喫茶店では、とびっきりの食事と美味しい紅茶そして可愛らしい一匹の猫が、あなたの訪れを待っている。
↑ページトップへ