イチオシレビュー一覧

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荒廃と背徳、狂気を日常とした世界

  • 投稿者: Ratte   [2019年 04月 08日 11時 51分]
ポストアポカリプス、スチームパンク、機械の管理下によるユートピア、魔術、そしてクトゥルフ。
様々な要素を綯い交ぜた、まさしく『混沌の庭』の名に相応しい作品です。
それぞらの要素は人に寄れば苦手であったりすることが多いものですが、もしそれらがあなたの趣向に合致するものであればとても素晴らしい作品だと感じるはずです。

荒廃した世界で、それでも人々は歪な日常を生きている。
望んでいた筈の日常は所詮は砂上の楼閣、薄氷の上に奇跡的に成立しているものだと理想郷の管理人は嘲笑う。

この先の展開にも期待させられます。

歯車は未だ噛み合い、チクタクと鳴り続けてるのだから。

名状し難い混沌の苗床 真なる探索者にこそお薦めしたい一作

  • 投稿者: 御留守   [2018年 01月 18日 15時 04分]
スチームパンク。人類最後の楽園。魔導書。クルーシュチャ方程式。シャルノス。チクタクマン。
そして、這い寄る混沌――

これらの言葉の一つにでも胸をときめかせたなら、是非読んでみて欲しい。圧倒的な描写力を伴った流麗な文章が、きっと出迎えてくれるはずだ。
そしてどうか、第十八話まで読み進めて欲しい。

天地のひっくり返るような……いや、ここで言うのは止そう。

素敵な……そう、とても素敵な、酔い痴れるに相応しいものが、待っていてくれるのだから。

クトゥルフ、蒸気機関、人類最後の都市国家!!

  • 投稿者: ミノ   [2017年 06月 05日 17時 04分]
これだよ求めていたものは!

秀麗な文体で語られる妖しい都市・ヒュペルボレオスの様子がいい。

”星暦”と名を変えた暦ですでに2000年。
とうに世界は滅び、寒冷地とされるその都市以外に人類の生息地はないという。
端々に現れる蒸気機関は、魅惑的なスチームパンク世界に読者を誘う。
しかしこの蒸気機関もただの蒸気機関ではない。
少しずつ明かされる設定に酔いながら、今はただこの物語と付き合う時間を楽しみたい。

そんな作品である。
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