イチオシレビュー一覧

いわゆるラスボス級のライバル同士。
もしその一人が、かわいい嫁になってしまったら？
え？どうなんの？　→　こうなります。
私がオススメする『魔人王ヴェルの転生嫁』はそんな物語です。

本当に笑えるセンスある地の文と愛すべきキャラクターたちのコミカルさ。
ファンタジー小説らしい骨太ストーリーに凝った世界観。
もちろん熱いバトル（無双もあるよ）とシリアスも繰り広げられます。
そしてテーマでもある魔人王♂と魔導王♀（転生後）、元ライバルのもどかしくも微笑ましいイチィチャ夫婦ごっこ。
全てのパートが商業誌と遜色ないハイレベルな文章力で描かれています。

作者様の個性あふれる濃口な設定に少し情報量が重い方もいるかも知れませんが、それを乗り越えてなお読んでいただきたい傑作なのです。

　しっかりとした背景設定と高度な魔法戦を違和感なく書いた良作だと思います。

　設定が重厚なのに話が重くならないのは、キャラクターの軽い性格と挟まれるネタがコミカルにバランスをとっています。

　展開としては、一章より、二章の方が中二的にも俺ＴＵＥＥ的にも盛り上がるので、そこまで読んでもらえば、一章でもやもやしていたところも含め、すっきりすると思います。

　登場人物のキャラクターが濃いのです。ネタ的なあざとさはありますが、不自然ではないので、慣れると癖になります。

更新頻度の高いまったりと進む作品というよりも、章ごとに「きちんと」盛り上がる作品なので、ブクマに突っ込んでおいて、気長に読んだ方がよいと思います。

転生,TSF,嫁,魔王,無双といった一見ありがちな題材でありながら
読んでみて良い意味で裏切られる作品だと思います。

世界観設定は重苦しく、凄惨なのにもかかわらず
ギャグといちゃこらとシリアスとバトルが非常にメリハリよく組み合わさっており
1つの作品で様々なジャンルの小説を読んでいるような気分にさせてくれます。

また、魔王夫妻を主人公に据えながらも
敵,味方それぞれの群像劇の側面もあり、登場人物が非常に魅力的です。
基本は無双系でありながら、倒れていく敵一人一人の人物像が
多すぎず少なすぎず絶妙なバランスで表現され
バトルに単なる俺TUEEEEでは終わらないドキドキ感があります。

そしてなにより、幼妻魔導王が「世界一カワイイ」
これほどあざといヒロインには久しぶりに出会いました。
彼女の一挙手一投足に、読んでいてニヤニヤが止まりません。
あざとい…だがそれがいい。