イチオシレビュー一覧

この小説は、倦怠期という言葉が生ぬるく見えるほどの状態に至っている夫婦の話である。
さらに母親が認知症になり、その介護まで妻の肩にのしかかっている。
夫は一方的に妻に命令するばかりで、妻の言葉をまったく聞かず、さらには嘘までついている。
彼は愛人を作っていたのである。
それでも妻は、彼にあることを伝え続けるのだ。
そして彼も遅いながらも、ようやく妻が訴えていたことに気付く。しかし、気付いた時にはすべてが遅かった。
これはすべての人に伝えたいことである。
助けを求めている人を無視していないだろうか？　
特にあなたのそばにいる人のSOSを見ないふりをしていないだろうか？
助けられるのは、貴方だけだ。気付いた時にはすべてが遅かった。その時悔やんでも遅いのだ。この小説はそのことを世の中に訴え続けている。