イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く物語は衝撃的な場面からはじまります。
多くを語らずとも、とにかく第一話部分「序幕 悪意と火刑台」を読んでいただきたい。
序幕における名台詞をご紹介しましょう。
「ねえ、スフィア。私は心の底から、貴方を殺してやりたいからこそ、貴方を殺さない。出来る限り、生きて苦しんで欲しい。それが、私にとっての救いになる」
(本文抜粋)
作中では人間の持つ醜い部分を描き出してゆきます。残酷な描写は読み手を選ぶこともあるでしょう。しかしその裏には、誰もが直面する普遍的な哲学に満ちています。
この作品を最終話まで読んだとき、──ほぼ必然的に──序幕から読み返しました。
言葉に隠された意図。はじめに読んだときとは全く違う印象を受け、その技法に唸りました。
狂気を帯びながらも人間の真理に迫る世界観は、唯一無二。
ぜひ作中に込められた真意を読み取ってください。
多くを語らずとも、とにかく第一話部分「序幕 悪意と火刑台」を読んでいただきたい。
序幕における名台詞をご紹介しましょう。
「ねえ、スフィア。私は心の底から、貴方を殺してやりたいからこそ、貴方を殺さない。出来る限り、生きて苦しんで欲しい。それが、私にとっての救いになる」
(本文抜粋)
作中では人間の持つ醜い部分を描き出してゆきます。残酷な描写は読み手を選ぶこともあるでしょう。しかしその裏には、誰もが直面する普遍的な哲学に満ちています。
この作品を最終話まで読んだとき、──ほぼ必然的に──序幕から読み返しました。
言葉に隠された意図。はじめに読んだときとは全く違う印象を受け、その技法に唸りました。
狂気を帯びながらも人間の真理に迫る世界観は、唯一無二。
ぜひ作中に込められた真意を読み取ってください。
ふふっ。実は口下手なモノであまり上手いことは言えませんがね。
一見すると物語りの始めからグロ描写がキツく、それを嫌いな人は目を覆いたくなり敬遠するかもしれません。そして次に思うのは、登場人物達が無慈悲で残虐で酷くて狂っていると思うかもしれません。
ま、確かに額面(文字)どおり受け取れば、単純に『そう』感じてしまうでしょうね。ですが、それはあくまで“表面上のお話内容”で実際はその『中身』が重要なんです。
作者さんがこの物語及び作風で描きたいのは、人の醜さ、傲慢さ、いい加減さ、欲望、嫉妬、妬み、恨み、絶望、希望、人の生とは?人の生きる意味とは?そもそも人の死とは?思想とは?などを表現したいが為に用いている“媒体(ツール)”にすぎません。
そしてその作者さんの『意図』に気づけるか気づかないかは、これを読んでみる“貴方次第”になりますね。
一見すると物語りの始めからグロ描写がキツく、それを嫌いな人は目を覆いたくなり敬遠するかもしれません。そして次に思うのは、登場人物達が無慈悲で残虐で酷くて狂っていると思うかもしれません。
ま、確かに額面(文字)どおり受け取れば、単純に『そう』感じてしまうでしょうね。ですが、それはあくまで“表面上のお話内容”で実際はその『中身』が重要なんです。
作者さんがこの物語及び作風で描きたいのは、人の醜さ、傲慢さ、いい加減さ、欲望、嫉妬、妬み、恨み、絶望、希望、人の生とは?人の生きる意味とは?そもそも人の死とは?思想とは?などを表現したいが為に用いている“媒体(ツール)”にすぎません。
そしてその作者さんの『意図』に気づけるか気づかないかは、これを読んでみる“貴方次第”になりますね。
退廃と耽美のゴシックロマンス
- 投稿者: 退会済み [2017年 10月 13日 13時 52分]
管理
ただグロいだけの内容なら誰でもかける。
しかしこの作者の書くグロテスクは、実に美しい。
魔女ルブルの傾国の美しさ。悪のメアリーと善のソフィアの対立。女帝ローザとの戦い。死体の醜さすら美に変換する想像力の豊かさ。まさに最後まで読むに相応しい一品だ。
女性の怨念や性倒錯、美しいものへの憧れ、醜いものへの感情が描かれた本作。まさにゴシックロマンスだ。
しかしこの作者の書くグロテスクは、実に美しい。
魔女ルブルの傾国の美しさ。悪のメアリーと善のソフィアの対立。女帝ローザとの戦い。死体の醜さすら美に変換する想像力の豊かさ。まさに最後まで読むに相応しい一品だ。
女性の怨念や性倒錯、美しいものへの憧れ、醜いものへの感情が描かれた本作。まさにゴシックロマンスだ。
洗練された美しいダークファンタジー
- 投稿者: 退会済み [2017年 09月 11日 13時 21分]
管理
ただのダークファンタジーではなく、それに〝美しい〟と付け加えるのが正しい小説です。
冒頭からあっと驚かれるような展開で始まり、明るい展開は皆無と言っていいほどですが、不思議と魅了されてしまいます。
何と言っても、一番の魅力は読者の予想の範疇を超える、独特の思考を持つ登場人物たちでしょうか。
まるであらゆる作品の悪役が大集合したような背徳性、それでいて嫌悪感を感じさせないところですね。
普通のファンタジー小説とは大きく雰囲気が違います。
ほの暗いというよりはどす黒い。だがそれがいい。一度読んでしまえば、この世界観の虜になってしまうことでしょう。
冒頭からあっと驚かれるような展開で始まり、明るい展開は皆無と言っていいほどですが、不思議と魅了されてしまいます。
何と言っても、一番の魅力は読者の予想の範疇を超える、独特の思考を持つ登場人物たちでしょうか。
まるであらゆる作品の悪役が大集合したような背徳性、それでいて嫌悪感を感じさせないところですね。
普通のファンタジー小説とは大きく雰囲気が違います。
ほの暗いというよりはどす黒い。だがそれがいい。一度読んでしまえば、この世界観の虜になってしまうことでしょう。
初めに言っておくと、この作品に明るいところは少ない。あるのは綺麗な言葉で綴られた負の感情が埋め尽くす、キャラクター達の心情描写だ。
これがこの作品の一番のポイントである。多くの登場人物は歪んだ心の持ち主で、欲求を満たすことに躊躇はない。読んでいて清々しいほどだ。
誰もが目を背けてしまいそうな暗い感情を、細やかに描いたこの作品は読手を選ぶのは間違いないと思う。
だが、暗く陰鬱な世界観が好きな人にとっては垂涎ものだ。悪意の掃き溜めというと聞こえは悪いが、そんな世界にどっぷりと浸ってみるのはいかがだろうか。
これがこの作品の一番のポイントである。多くの登場人物は歪んだ心の持ち主で、欲求を満たすことに躊躇はない。読んでいて清々しいほどだ。
誰もが目を背けてしまいそうな暗い感情を、細やかに描いたこの作品は読手を選ぶのは間違いないと思う。
だが、暗く陰鬱な世界観が好きな人にとっては垂涎ものだ。悪意の掃き溜めというと聞こえは悪いが、そんな世界にどっぷりと浸ってみるのはいかがだろうか。
イチオシレビューを書く場合はログインしてください。