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芽生える直前のあやうさと期待

  • 投稿者: momo   [2010年 04月 03日 21時 52分]
さつきさんの描いたか(芽生え)は、ありきたりな芽生えた後の安定感に焦点をあてず、芽生え直前の不安定で、モラトリアムな状態の女の子の気持ちにフォーカスされています。
なにが彼女に芽生えたのか、謎が明確にされないまま、でも主人公の女の子の優しさに期待しつつも、一緒になってモラトリアムな不安定さに共感してしまう作品でした。
不安定な社会に生きている私たちがなかなか素直に言語化できない不安感を見事にまっすぐな視点で、シンプルに描いている名作だと思いました。
こういうモラトリアムな気持ちを表現する作品は暗くなりがちですが、さつきさんの人がらなのか、明るくて前向きな未来が見えてくるから不思議です。
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