イチオシレビュー一覧

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流体の文章は、靄となり流れ漂う瑞々しさに溢れ。

流体の文章は研ぎ澄まされた清さ。そして曖昧な若さの不安。靄となり流れ漂う瑞々しさが溢れている。
籠とは小箱。美しく礼装された室内に、淑やかな少女は羽を休める。その癒えぬ傷を支える手が躊躇いながら触れるとき、幻の影が寄り添う。こころの蓋を少し開いては閉じるとき。再び少し開いて。閉じて。閉じ込めた面影と記憶を少しずつ薄れさせるために。毒を薄めるためにこそ年月は過ぎていく。
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