イチオシレビュー一覧

霞野署の新米刑事常盤要（ときわかなめ）は、少々強面だという事以外は至って平凡な男である。
ある日、常盤自身の手によって見事に犯人確保に至った連続婦女暴行事件の被害者は、彼が以前“夢”に見た少女と瓜二つであった。事件解決後も夢の事が頭から離れなかった常盤は、同僚の勧めで、近頃巷で人気を博しているという夢占の店“蜃気楼（かいやぐら）”へ足を運ぶ事となる。
果たして、常盤の見たものとは所謂“予知夢”と同質のものであったのだろうか――。

“夢”という不思議な因果の糸に手繰り寄せられた登場人物達。その立場や価値観は様々ですが、一貫して彼らの心情や考え方は『リアル』です。だからとても感情移入しやすく、親近感が湧いてくる。読み手の心を掴んで離さない要因の一つはまさにここ！
重すぎず軽すぎず、サクサク読めるミステリーをお探しの方にはとことんお勧めの逸品！作者様自身による美麗な挿絵イラストにも注目です！