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高校生同士の、少し不器用な恋愛模様

 “恋愛小説”というと、甘く切なく、時々泣ける。そんな印象が、頭のどこかに巣食っている気がします。
 ですがこのお話は、甘すぎず、苦すぎず、少し変わってはいるけれど、どこか共感できる。そんなキャラクターたちが織り成す物語です。
 
 各話でキャラクター視点が替わり、それによって各々のキャラクターの思考が読者に伝わってきます。しかし当然、キャラクター同士はお互いの気持ちを知りません。そこが、読んでいて楽しめるポイントのひとつです。
 読み手はキャラクターに対して「がんばれ!」と、内心エールを送ると共に「あぁ! もどかしい!」という悶々とした気持ちに苛まれることでしょう。それが読み進めていくうちに、だんだんと癖になってくると思います。

 ミルクチョコレートのような恋愛小説を読み飽きた方におススメしたい、ビターチョコレートにオレンジピールを加えたような恋愛小説です。

とげとげしていて真っ直ぐの、不器用な高校生達の恋愛群像劇。

  • 投稿者: 伊勢 周   [2017年 11月 26日 17時 10分]
 完結済み作品。
 長さも文庫本一冊分程のちょうどよいボリュームです。文章は、何というか、綺麗です。回りくどさがなくて、すっと目に入ってそのまま内容が頭に入りました。
 話の内容自体の面白さ楽しさもあり、非常に読みごたえがありました。

 内容としては、同じ高校に通う男女達の、ちょっと不器用で放っておけない恋愛群像劇です。
 この作品、「群像劇」の書き方がすごく上手だと思います。
 あらすじに作者様が書かれている通り、半分オムニバスのような形式で、各話ごとに違うキャラクターがそれぞれの視点で物語を進めてくれます。
 この方式がすごく成功していて、キャラクターそれぞれの心情や動きが読み取りやすい作品です。

 内容はここでは触れませんが、恋愛小説としてはとても王道な作品であると思います。転んで膝を擦りむくような青春がここにあります。

これが、本当の恋愛小説だ!!

小説家になろうの恋愛ジャンルでは、小説というよりラノベの様な作品しか読んだことのない人も多いのではないでしょうか?
そんな人に自信を持って勧めたいのがこの作品です。

1話ごとに視点が変わっていく、オムニバス形式。登場人物それぞれの心情描写が丁寧に、丁寧に書かれているので"青春"を間近に感じることができます。
甘々とした恋愛が好き、という方もこの物語の虜になること間違いなし!

中々お目にかかれない本格的な恋愛小説を、ぜひ読んでみてください!
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