イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

恋の味は、さながら雨が如く。

  • 投稿者: 如月 恭二   [2018年 04月 17日 15時 27分]
この作品には、“雨”が絡む。
雨というものには、何故だろうか……あまりいい印象を受けない。
ほとんどの方がそうだと思う。
“涙雨”という言葉が指すように、何処か後ろ暗さを感じる情景だからだろう。
或いは、不安だとか恐怖。

しかし、読んでみれば分かると思う。
随所に散りばめられた、登場人物の想いと感情が。
シックでほろ苦い恋愛がお好みの貴方にオススメ!

静かに、そして湿っぽさの混じった匂い──雨の味、気配がするような、ちょっぴり切ない恋愛綺譚がここにある!

橋本ちかげの渾身の力作をご堪能あれ!

騒がしい恋は、夏の嵐のよう。

彼女に振られて、自暴自棄になっていた男が、訳ありな少女と出会うところからこのお話は始まる。
彼女も訳ありであれば、男の方もかなりの訳あり。
お互いに抱えた人間関係のもつれから、胸に開いた傷を互いにさらけ出しながら、つつき合いながら、ふたりの何とも形容しがたい関係性が進展していく。

騒がしい夏の嵐のような、彼女に絆されながらも
しっかりとした人間関係に切り込む説得力のあるストーリーを魅せてくれます。
しっかりと登場人物たちが息づく、都会的な恋愛物語を読みたい方にお勧めです。
↑ページトップへ