イチオシレビュー一覧

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「彼が花を咲かせる時、隣に居たかった」 叶わなかった儚い夢、それでも彼を見つめ続ける少女のせつない物語

  • 投稿者: さくや   [2018年 01月 18日 13時 26分 ()]
 貴方が好きだから
 私はいつまでも貴方を見つめているの
 たとえ振り返ってくれなくても
 一歩一歩前に進む貴方を

 応援したい

 楽しかった日々
 一番愛されていた思い出を胸に
 今日も彼を見つめる

 もう私にはそれだけしかできないから

 夢を叶えるために
 振り返らず進む貴方を

 いつか

 祝福したい

 できたらその時は

 隣に居たかったけど

 隣に居たかったけど


 描かれているのは少女のせつない想い。けれど物語の本質は、大切なものを思い出させてくれるところにある。
 うっとりするほど見事な構成となっている短編です。

あなたの「初めて」を覚えていますか?

  • 投稿者: oz   [2017年 08月 25日 23時 58分]
一つの事に没頭する「彼」を見守る女性。
その独白からは彼女が「彼」を大切に、或いは愛しく想う気持ちが伝わってくるよう。

でも読み進める内に、彼女がどこか「彼」との間に距離を感じているような気持ちもまた伝わってくる。
そして徐々に明かされてゆく「彼」と彼女の関係。
それに気付いた時、真に彼女の想いを理解する事でしょう。


この作品は大切な、しかし普段意識していない事や忘れてしまっている事を思い出させてくれる短編となっています。

ぜひ読んでみて下さい。そして思い出してみて下さい。
きっと新鮮な気持ちになれるでしょうから。

主人公は真実の愛を語り得ず

  • 投稿者: nomaD   [2017年 08月 23日 00時 12分]
レビュータイトルで束の間悩んだけれど、他に言葉が見付からない。
物書きの端くれとして、こんなに胸を締め付けられる物語はそうそう巡り会えないんじゃないだろうか。
小説家にこそ読んで欲しい、そう思える逸品。
今は小説家ではない読者も、この物語との出会いによって小説家になろうと思い立ってしまうかもしれないし、物語の読み方に大きな変化が訪れるかもしれない。

小説家には大きな一石を投じるであろう名著です
敢えて多くは語りますまい。
柔らかな文体、心地好い静けさを湛えたストーリー。
何かを押し付けてくることはなく、なのに確かに胸を打つ想いがこの作品にはある。
そう断言し、自信を持って紹介しましょう。
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