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本格的な〝読みやすい〟歴史小説を、私は見つけてしまった。

  • 投稿者: なななん   [2018年 03月 27日 23時 59分]

本格的な歴史小説を、〝読みやすく〟読ませてくれる作品を探していらっしゃる方、いませんか?

私は冒頭を読んだ時に思いました。
ああ、見つけた! こんな歴史小説、読んでみたかったんです、と。


川中島の合戦の最中に、ある一人の少年が戦場を見ている。
既に仲間の少年達は戦に巻き込まれまいと逃げているのに。

少年には見えていた。

上杉謙信率いる上杉軍と、宿敵である武田軍がぶつかるその瞬間が。
少年・辰丸はかすかに微笑む。

「間もなく来ますね」


戦の映像が見え、謙信と辰丸という主人公の出会いだけでもぐいぐいと引き込まれてしまう。
歴史好きの方はもちろん、そんなに読んだ事ないな、という方もぜひ覗いてみて下さい。

辰丸の、少年でありながら落ち着いた雰囲気にぐぐっと惹かれ、謙信の人間味溢れる気質に……謙信の快進撃の秘密が分かります。

神ではない人故に人間臭い天才軍師の生き様

華々しい登場の仕方をした主人公壱丸くんは、天才的な頭脳を持つ農民出身の少年。

この物語、天才軍師の壱丸くんは万事に先を読んで、正に鬼算とも言える計略を繰り出すかと思えば、若さとコネの無さもあるのか、次々と困難に巻き込まれ、その都度苦しみもがきます。

そのあたりが、読んでいて胃がキリキリと痛む追い込まれ感というのをこれでもかと味合わされるが、その後の倍返しパートでは倍返しどころか相手の心を折るくらいのえげつない仕返しをその鬼算を惜しみなく発揮して追い込んでいき、爽快感この上なしと、癖になることうけあいなのです。

そして、ストーリーの全編でこれでもかと展開される人間臭いヒューマンドラマは目が霞んで文字が読めなくなること請け合い。

軍師誕生までのレビューとなりますが、天才軍師の癖に泥臭く人間臭い壱丸くんはほっとけない奴なのです。

長尾景虎様が勝つ為にはここしかありませんので

この世の地獄の川中島で、上杉謙信が出会った少年は……

まさしくスペクラクルドラマ。
大河ドラマなんか目じゃないよ?
これはテレビじゃ放映できまいて。
この地獄は。

 「これより武田軍撃退の策を始めます……」

誰よりも戦乱を憎んだはずの主人公が、誰よりも戦争の根幹にふれていく。


いや、景虎ってのはほんと……名君気取った化け物だよ、マジ。

「やいっ! さっきから大人しく聞いておれば、無礼にも程があるというものだ!」


こりゃ失敬。 



俺達の夢はこれからだ!

  • 投稿者: Mikoto   [2017年 09月 19日 03時 55分]
本作品は、タイトルにも有るように『上杉謙信』を題材にした歴史if物語です。
歴史に詳しくない方でも、上杉謙信の名前なら聞いた事が有るかもしれません。
ゲーム等の軽い知識の有る方なら、「おー!最強の戦国武将」等の、武力に特化した武将との認識が有るかもしれません。
歴史にそれなりに詳しい方なら、「戦は出来るけど、時勢を読めない変人!」みたいな評価でしょうか?

そんな上杉謙信に、知略の面で補佐する人がいたら?と言う、歴史好きなら誰しもが想像してしまう夢のような物語…そんな夢を作者様が、非常に重厚かつ丁寧な文章で描かれています。

物語はまだまだ序盤戦…作者様が読者の夢を叶えてくれる。
是非とも上杉謙信に少しでも興味ある方は、一緒に夢の続きを見て見ませんか?


俺達の夢はこれからだ!と…

天下の前に生きざまを語るに及ばず。

勢いではなく、確信が駆け抜けるこの作品。
一気に押し寄せ全てを飲み込んでいく世界観は、まさに怒濤の如く五感全てを震わせます。

時代の流れに逆らうのではなく、抗うように進んでいくストーリー洗練されていながらに若干の遊びを忘れない世界に心が吸い込まれること間違いなしです。

時代物が苦手な人には是非見てほしい!そして読んだ事がない人に届けたい!まさに真剣勝負を語るに相応しい武田と上杉が此処にある!

いざ行かん!舞台は北信濃、川中島、この先で貴方の知らない世界が待っている。
そして心に焼き付けてほしい!本当の戦いは此処から始まる!

純粋なる思いが重なる熱き男達

男は正しい道を歩みたかった。

男は産まれた土地を愛し守りたかった。

二人の思いが交差した時、歴史は動いた!

景虎と辰丸。

虎と竜が供に戦う。

その先は荒野か見果てぬ夢か?

外には強敵甲斐の虎が、内には虎視眈々と当主を狙う身内と不満を抱える家臣達。

しかし、二人の思いは何者にも止めること能わず!

吠えよ景虎! 知略を尽くせ辰丸!

なろうの戦国史に残る熱い戦いがここに始まる!

戦国最強の軍神に付き従いしはいくさの悲しみを知る若き英邁…

 実に正統派な歴史小説である。
 あの上杉謙信に軍師を…歴史小説がifを提示するのは簡単なようで、難しい。それが例えばある人物群像を描かなければならないとき、そのテーマに真っ向から作者が挑むのであれば実在の人物以上に説得力ある人物造型で挑まなければならないからだ。
 その点、本作に登場する辰丸は安易に陥らず、安直に謙信にも従わず、実に「らしい」人物だ。乱世に行き、乱世とその英雄に反骨の心を抱きながらも戦乱に身を投じていく。またこれに、史実の人物が絡み、謙信の幃幕が出来上がる様を、骨太に描き上げている。まだ少年の鬼小島弥太郎などが実に活きのいい狂言回しだ。
 壮烈な戦国に生きた男たちの絆を、安易に現代的な色で誤魔化さず、ありのまま描く筆致の読みごたえに一票!生一本の群像時代劇、今後にも期待!!
 

チート無し、転生無し、異能力無しでもここまで熱くなれる!

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 09月 06日 14時 56分 ()]
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鳥肌が立ったという感想が書かれております。私もその1人です。序盤から鳥肌が立つほどの臨場感と、熱い男達のやり取りに涙しました。

正直歴史に詳しくない私ですが、まさかかわい子ちゃん無しにここまで引き込まれるとは思いませんでした。この作者の下調べの努力と、歴史に対する愛の賜物だと思います。

敵キャラも作者により、ひとりひとり敬意を払って描かれています。各々が信念を抱き、それぞれの正義の下に戦っているんです。その為、敵であるキャラ達も不思議と応援したくなるのも魅力ですね。

熱い駆け引きに、緻密な戦略!男達の生き様に鳥肌待ったナシ!


ありえなかった筈の、もう一つの戦国物語が今始まった!!


あなたもその目で上杉謙信が天下を治める所を一緒に見守りませんか?

夢はどこまでも広がりますね~。

  • 投稿者: 成宮りん   [2017年 09月 05日 16時 29分]
上杉謙信が戦国最強と謳われたのに、足利将軍家復権の為に、京を目指したがついにその夢は叶わなかったのは……。

もしも謙信が優れた軍師に出会えていたら……そんな作者の発想を元に描かれた素敵な作品。

将棋盤を前にして、戦略を練りながら合戦の場面を書くと言う、作者のすごいこだわりが詰まっています。
もし彼が天下を取っていたら、今頃いったいどんな世の中になっていたのでしょうね。

戦乱に明け暮れるこの時代、血も涙もない無情な場面もありますが、そんな時代の中で必死に生きる人達の【生き様】に心を打たれます。

意外とお子ちゃまな景虎様に、女性読者は萌えるかもしれません。

果たしてイケメンパラダイス(?)と化すか否か? 見守り必須です!!
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