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受け継ぐということ

  • 投稿者: カサノリ   [2018年 08月 27日 17時 55分]
今、私たちは多くの人と結びついている。それは、それだけ多くの死と向き合うことだ。

この物語はとある死人と彼を見守る死神の最期の一場面だ。葬儀が終わり、家族は悲しみとともに死を受け入れ。死人は後は天に旅立つだけ。

だけれど、彼にはまだ未練があった。何かを見届けたい彼はパソコンの前から動かない。延々と悲しみがつづられる画面を見続けている。

まだ死んでないと告げる彼の真意は一体?

きっと、私たちは彼に言葉を贈る人々に成りうるのだ。けれども、あの言葉を彼へと送れる覚悟はあるのだろうか。
私には、まだその答えはない。

読み終わった時に、すっと自分の存在意味を考えられる。死の意味を考えられる良い短編だと思います。
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