イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

これほど玄妙な味わいがあるとは

  • 投稿者: 嘆きの鉄   [2024年 08月 08日 10時 04分]
見た目は、澄んだあっさり味のコンソメスープ
まあ一口飲んで美味かったら飲み干して、すっきりした味わいを楽しみたいというくらいの前菜

一口飲むと、なんだこれ!?複雑玄妙な味わいが次から次へと舌から脳を直撃する
これ作るのに相当な材料の仕込み、丁寧な調理に複雑で創造的な調理工程がいる!

いや、それだけではまだ足りない
これを作る料理人の多くの経験とユニークな調理の才能、
なにより、飲もうする人にどうしたら美味しく飲んでもらえるかを追求する精神

これらが全部揃ってできたスープの、その上澄みの部分だけを提供したのが、このスープだ

実は、まだ途中までしか飲んでない
が、ここまで飲んだだけでも、最後まで美味しく飽きずに飲めるだろう、と確信している

何よりも特筆すべきは作者の文才

  • 投稿者: malieret   [2021年 06月 24日 08時 16分]
この作者様の作品を初めて読ませていただいた。
「〇〇視点」などの補足がない文章なのにも関わらず、数行読んだだけで誰の視点かがわかる。これを成り立たせているのは、キャラそれぞれの話し方と、主人公に対する呼び方だ。主人公の設定として【名無し】を取り入れながら、読者の読みやすさも考えてある。驚くばかりだ。

ストーリーも見事なものだった。主人公が身につけた【理解】という能力を定義し、それ一つで戦ってみせる様は、他のなろう系とは一線を画す。人は簡単に成長することはない。主人公のような完成された人間であればなおのことだ。だからこそ単調になりやすいが、作品内で能力を縛り、過去の自分を出すことで読者を飽きさせない。最近のなろう系の中では一、二を争うほどの作品だと思っている。

約四年間、お疲れ様でした。
本当にこの作品が好きで、毎日の楽しみでした。
これからも応援しています。
続編お願いします。


シリアスあり、笑いあり、群像劇好きに是非勧めたい

  • 投稿者: lativ81013   [2020年 09月 07日 00時 25分]
漫画からこのシリーズを知り、気になって小説版を探してこちらにきました。

個人的に群像劇が好きで、かつチートの力ではなく準備と努力で困難に立ち向かうようなストーリーが好きです、まさにこの小説の主人公とその仲間たちがやっているように。

主人公とその仲間たちの性格・キャラとしての発展は丁寧に描写されており、シリアスの時はとことんシリアス、その間に息抜きなど笑える掛け合いを入れている編成が気に入っています。

書籍版の小説を最新刊まで購入しました、新刊も楽しみにしています!

なろうで一番好き

  • 投稿者: カニ蔵   [2020年 02月 12日 00時 41分]
主人公の名前が未だに明らかにされてなかったり、他のなろう系と違って無限の魔力とか超パワーとか使い古されたチートじゃなかったり、主人公の呼び名で登場人物がわかったりするのが面白い。また仲間たちのチートっぷりも見てて気持ちがいい。キャラクターごとの視点が描かれていて場面描写や心理描写が分かりやすい。今一番続きが気になる小説です。

空気を読む、顔色を伺うとはこれ程おぞましい技能なのか

  • 投稿者: mark   [2018年 12月 31日 02時 02分]
ある日青年が落ちた異世界、そこはあらゆる生物が魔力で力を振るう場所だった。
魔力も無いお約束のチートも無い青年に残されたのはたった1つ「観察眼」。
皆が当たり前に持つソレは青年の人生において長い人間不信、社会不信によって研磨された「邪眼」と言っていい程の異能であった。

他者の悪意を敏感に感じとり聡明に理解する。
皆が大なり小なりやっている事なのに、人畜無害しては禍々しく邪道ではないのに邪法じみていて外法ではないのに外道過ぎる。

青年の目指す無難とは?自分にとっての無難なのか皆にとっての無難なのか?地球にとっての無難なのか異世界にとっての無難なのか?

死んだ眼をした人間不信の青年による愛と友情と信頼の冒険が今始まる。


???「死んだ魚の方が輝いた眼をしてる」


あなたは現代社会で”無難”に過ごせます?結構大変ですよね

  • 投稿者: MORIYAN   [2018年 08月 31日 11時 45分]
主人公は現代日本の社会人、よくある転生物としてブラック企業で働いていたとかイジメにあって人生に嫌気が指していた主人公たちとは異なる。
嫌気は指していただろうが、厳しい現代社会を生き抜くために苦しみ、足掻き、そして身につけた【他人との接し方】のみで異世界を生き抜く物語。

異世界の物語でありながら、現代社会に生きる自分に「無難に生きる」ことが、いかに大変であるかを考えさせてくれた小説。
【身を護る知識】 【狙われない立ち回り】 【他人に非難されないような配慮】
それらすべてを備えてようやく”無難に過ごせる”と主人公は語る。

インターネット、携帯電話、SNSの普及で多くの他人と接する現代社会で、多くの人が自覚せずとも培わえている能力を、究極的まで極めた主人公は、電話すら無い異世界人にとっては”異常”に映るだろう。
そんな”異常”に対し平穏を許そうとしない異世界で、彼は無難に生きいたいと願う。

いい意味で題名に騙されたと思った作品のうちのひとつ

  • 投稿者: みかん   [2018年 05月 25日 11時 49分]
本を読むという時間は、人生において限りなく少ない。

少ない時間の中でひとつの本を読む理由は『題名』『表紙の印象』『あらすじ』『まわりの評判』。

その意味において、私ならまず間違いなくこの題名の本を手に取ろうと思わない。正直なところ受賞作品のようだから読んでみようと思っただけだ。

この作品の主人公は、異世界ものにありがちな神様に授けられたチート級スペックや現代知識チートほぼ無しで転移した。
貧弱な日本人のままなら普通は詰みだ。
しかし彼は、本人が日本に生きてく上で身につけたスキルのみで異世界を生きる。

どこぞのゲームの天才か、どこぞの戯言遣いかと思うような、頭脳と口先で人を丸め込みたぶらかす技術は面白い。
うん。頭のいい人間は好きだ。

彼がチート級スペックを身に付けずに、現世で身につけた能力でどこまで走れるか見守りたい。

題名に騙されず読んで良かった。面白かった。

現代社会に生きる日本人は空気を読み無難を望む

  • 投稿者: ゆき   [2018年 01月 14日 17時 19分 ()]
彼には力が無く、顔が無く、名前すらない。
同居人、師匠、友、敵、相手によって様々な顔を見せる。
培われた『他者への異常な理解力』は相手を見通し、自らの人格すら変える。
それは何物にも染まる白のように、それは何物にも染まらぬ黒のように。
善人も悪人も、悪魔や魔王すら理解し、フラフラと容易く色や形を変える。
力は無く、大罪を犯さず、大望を抱くわけでもなく、ただ無難に生きたいだけなのに、彼からは時に得も言われぬ恐怖を感じるだろう。

厚い世界観、単純にならぬ戦闘、細やかな心理描写、老若男女問わず魅力的なキャラ達。
理解する力ゆえに、各々の歴史と心情が強く描かれ、単純な善悪のロールで決まらぬ深みがある。シリアスよりではあるが、時にくすりとさせられる。気がつけば、物語に引き込まれていることだろう。

ふらりふらりと色や形を変え、異世界を生きていく。
彼の飄々とした生き方に貴方は何を感じるだろうか。
↑ページトップへ