イチオシレビュー一覧

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歴史・内政物として非常にレベルが高く、見識の高さが伺えます。

  • 投稿者: 弐円   [2018年 08月 10日 02時 18分 ()]
主人公の影響によって変わった出来事の推移なども、よく組み立てられていて説得力を感じました。

ただ、人名、役職、勢力、地理、などの解説や説明には不十分さを感じますし、
情報の取捨選択も行って、もう少し分かりやすくなればなと思います。

特に人物に関しては、雰囲気重視で登場人物の絞り込みなどは控えめなのか、
人物説明もなく、一度きりの名前なども含め新しい名前が次々と出現するので、
読む上で重要人物への理解、物語の理解度が低くなってしまったように感じました。

時代に関しての知識が豊富でないと、最大限の面白さを味う事が出来ないという点では、上級者向けの作品ではないかと思います。
ただ、主人公の行動だけを追って、分からない部分は読み飛ばす位の心持ちでも読んでも、
内政物・歴史物が好きなのであれば十分面白いと思える作品だと思います。

大永7年に生まれ、享禄・天文・弘治ときて永禄。残念、ここで主人公の冒険は終わ…らないかもしれないお話

  • 投稿者: 神山甚六   [2017年 12月 29日 21時 08分]
この人が長生きしていればおそらく織田信長の天下布武も違う形を強いられたであろう美濃の蝮の息子である斎藤義龍。彼に現代の医師が転生します。タイトルのような考えの元で、主人公は困難と知りつつも、再び医者として生きようとします。

では単なる医学チートなのかといえば、さにあらず。主人公の生きた時代は織田信長が現役で活躍していた頃より1世代か2世代前。つまり信秀や義元、果ては武田信玄ではなく信虎が現役バリバリであった時代です。有名な戦国武将の若い頃や父親世代の活躍を、主人公の視点で追体験出来ます。美濃を中心に丁寧に歴史的な事件を追いかけてあり、そこに与えた主人公の影響なども窺えます。

属性が盛りだくさんでありながら情報過多にならないバランス感覚、斬新でありながら奇異を衒わない王道感すらある人物の解釈など安定感は抜群。

果たして主人公はタイトルのような人生を送ることが出来るのか?おすすめです。

深い知識に裏付けされたしっかりとした文章力

まだまだ話が始まったばかりですが、
歴史ものなのに文章が分かりやすく、読みやすいです。

そして現代医療知識で戦国時代、かつ斎藤家というなかなか見ない組み合わせですが、著者は医療も歴史もかなり深い知識を持っているようで描写がしっかりしています。
書き貯めが多く、更新も早いため安心して読めます。

まだ派手な展開はないですが、精神的に死んでいる主人公が少しずつ回復していく様をゆっくり見守りたいです。
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