イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く本作において、妹の紗雪さんが人を殺さなければ生きていけない事も、陽葵さんがそんな紗雪さんの為に殺人の手助けをする事もスパイスでしかないように思えますね^^
例えば、二種類の生き物が同じ水槽で生きていくには共存する必要がありますが、当然捕食者と餌とではその関係は成り立ちません。ただし、陽葵さんはそのどちらの世界でも生きていく事が出来ます。それ故、彼女は怪物になりきれず多大なストレスを抱えています。倫理を犯してまで紗雪さんを守ろうとする姿勢、もはや愛ではなく支配です。その支配を紗雪さんも気づいている節がありますよね。狂った依存の先に陽葵さんが最終的に選択する決断はどうなるのか、気になりますねぇ!逃げ切るのか、二人で終わりを選ぶのか、それとも紗雪さんを止めるのか? それとも……、実に想像を掻き立てられますねぇ^^
そろそろ作品が動き出す予感ですので、この機会に楽しまれてはいかがでしょうか?
例えば、二種類の生き物が同じ水槽で生きていくには共存する必要がありますが、当然捕食者と餌とではその関係は成り立ちません。ただし、陽葵さんはそのどちらの世界でも生きていく事が出来ます。それ故、彼女は怪物になりきれず多大なストレスを抱えています。倫理を犯してまで紗雪さんを守ろうとする姿勢、もはや愛ではなく支配です。その支配を紗雪さんも気づいている節がありますよね。狂った依存の先に陽葵さんが最終的に選択する決断はどうなるのか、気になりますねぇ!逃げ切るのか、二人で終わりを選ぶのか、それとも紗雪さんを止めるのか? それとも……、実に想像を掻き立てられますねぇ^^
そろそろ作品が動き出す予感ですので、この機会に楽しまれてはいかがでしょうか?
陽葵と紗雪は双子の姉妹である。純真で可憐な妹・紗雪を陽葵は心から愛していた。妹のためならばなんでもできる、を地で行く姉。狂い始めたのは、紗雪が人を殺さなければ生きていけないという「特異性」に目覚めてからだった。自ら手にかけ、流れる赤を見なければ死んでしまう。紗雪のためにと陽葵が選んだのは、共犯者の道だった。
殺人担当の紗雪と隠蔽担当の陽葵。それぞれが持つイメージとは真逆の役割が、この物語をいっそう狂気じみたものにしています。
特にぞっとするのが紗雪の純真無垢さ。人を殺め続けているのに、描かれるのはどこまでもまっさらな紗雪の姿です。赤く手を染めても、紗雪は「何も知らない可憐な少女」であり続けます。実際は葛藤している陽葵以上に残酷なことをしているのに。陽葵が「自分は地獄に落ちるだろうが、紗雪に罪はないから天国に行くだろう」と信じているあたりも、歪んだ価値観を如実に表しています。
殺人担当の紗雪と隠蔽担当の陽葵。それぞれが持つイメージとは真逆の役割が、この物語をいっそう狂気じみたものにしています。
特にぞっとするのが紗雪の純真無垢さ。人を殺め続けているのに、描かれるのはどこまでもまっさらな紗雪の姿です。赤く手を染めても、紗雪は「何も知らない可憐な少女」であり続けます。実際は葛藤している陽葵以上に残酷なことをしているのに。陽葵が「自分は地獄に落ちるだろうが、紗雪に罪はないから天国に行くだろう」と信じているあたりも、歪んだ価値観を如実に表しています。
繊細な文章によって綴られる、姉妹の罪と罰
- 投稿者: KisaragiHaduki [2018年 12月 08日 09時 16分]
双子の姉妹、紗雪と陽葵は、互いの事が大好き。
けれど、妹の紗雪は『血を見なければ死んでしまう』病であり、その為には人間一人分の血液が毎月、必要となる。
姉の陽葵は、そんな紗雪を救う為に、殺人という禁忌に身を染める。が、妹の為に人を殺す彼女に待っていたのは、『決して途絶えることのない罪悪感』という罰だった。
決して許されることのない紗雪と陽葵の罪。
罰に足掻き、苦しむ陽葵の心象。
それが、筆者・天童氏の豊富な語彙と、繊細な文章によって表されている。断言しよう。これは、なろう文学最高傑作である。
けれど、妹の紗雪は『血を見なければ死んでしまう』病であり、その為には人間一人分の血液が毎月、必要となる。
姉の陽葵は、そんな紗雪を救う為に、殺人という禁忌に身を染める。が、妹の為に人を殺す彼女に待っていたのは、『決して途絶えることのない罪悪感』という罰だった。
決して許されることのない紗雪と陽葵の罪。
罰に足掻き、苦しむ陽葵の心象。
それが、筆者・天童氏の豊富な語彙と、繊細な文章によって表されている。断言しよう。これは、なろう文学最高傑作である。
【それは現代の吸血鬼カーミラの物語】罪を知らぬ無垢なる妹と、罪を知り地獄の業火に怯える姉【罪なき命を喰らう、逃れられぬ運命に囚われた双子の少女の物語】
★吸血鬼文学と言えるジャンルがある
★古くは吸血鬼ドラキュラ、女吸血鬼カーミラなどから始まる〝夜の住人〟を題材にした作品群だ
★日本の漫画でも〝闇のパープルアイ〟〝寄生獣〟など、ひとならざる異界・異形の存在であるが故に人間世界に身の置き場のない、そして、生き残ることすらも苦渋を味わう悲劇の者たちのドラマが世は溢れている
★己の存在自体が罪である――それを自覚しているゆえに彼らは悩み苦しみ、そしてまた罪を重ね、正体が露見する恐怖に怯えるのだ
★本作に登場する主人公姉妹、妹・紗雪と姉・陽葵。二人は人間であり吸血鬼ではない。だが――
★人の血と死を見ねば発作を起こし死んでしまうが故に殺人を続ける妹と、その妹を愛しているが故に彼女を生かそうと策謀をめぐらし犯罪を隠蔽しようとする姉
★その行動と動機とその運命はまさに〝夜の住人〟と呼ぶのにふさわしい。悲しみを持って見守らずにはいられないのである
★古くは吸血鬼ドラキュラ、女吸血鬼カーミラなどから始まる〝夜の住人〟を題材にした作品群だ
★日本の漫画でも〝闇のパープルアイ〟〝寄生獣〟など、ひとならざる異界・異形の存在であるが故に人間世界に身の置き場のない、そして、生き残ることすらも苦渋を味わう悲劇の者たちのドラマが世は溢れている
★己の存在自体が罪である――それを自覚しているゆえに彼らは悩み苦しみ、そしてまた罪を重ね、正体が露見する恐怖に怯えるのだ
★本作に登場する主人公姉妹、妹・紗雪と姉・陽葵。二人は人間であり吸血鬼ではない。だが――
★人の血と死を見ねば発作を起こし死んでしまうが故に殺人を続ける妹と、その妹を愛しているが故に彼女を生かそうと策謀をめぐらし犯罪を隠蔽しようとする姉
★その行動と動機とその運命はまさに〝夜の住人〟と呼ぶのにふさわしい。悲しみを持って見守らずにはいられないのである
この作品は、殺人を繰り返す姉妹の歪んだ愛の物語です。
間違いなく名作といえるでしょう。
妹の紗雪は血を見なければ、発作を起こして命を落としてしまいます。妹のため、姉の陽葵は定期的に人間の血を用意します。
可憐な姉妹の、破滅的な狂気です。
主人公である陽葵は、妹のために淡々と殺人を繰り返します。
しかし、だんだんと正常な精神を損なってゆきます。
読者もまた息苦しくなるように、次第に追い詰められます。
救いを渇望しても光明がみえません。その深淵が見事に表現されています。
また、特筆すべきは、その高い文章力。
紡ぐ言葉は、読む者を迷わせずに、惑わせます。
あなたは「ポタリと赤い雫が落ち、着地した球が潰れる、その一瞬だけできる王冠」を美しいと感じるでしょうか。
間違いなく名作といえるでしょう。
妹の紗雪は血を見なければ、発作を起こして命を落としてしまいます。妹のため、姉の陽葵は定期的に人間の血を用意します。
可憐な姉妹の、破滅的な狂気です。
主人公である陽葵は、妹のために淡々と殺人を繰り返します。
しかし、だんだんと正常な精神を損なってゆきます。
読者もまた息苦しくなるように、次第に追い詰められます。
救いを渇望しても光明がみえません。その深淵が見事に表現されています。
また、特筆すべきは、その高い文章力。
紡ぐ言葉は、読む者を迷わせずに、惑わせます。
あなたは「ポタリと赤い雫が落ち、着地した球が潰れる、その一瞬だけできる王冠」を美しいと感じるでしょうか。
純白と花に、鮮血の赤と、漆黒の炎とそれからそれから。
- 投稿者: 退会済み [2018年 06月 11日 22時 15分]
管理
生きるために人を殺すことは、悪だろうか。
殺人鬼の姉妹の群像劇は、姉の視点によって描かれる。姉は狂っている妹を愛し、そして愛されて、妹のように狂おうとする。妹は殺人がなければ死んでしまうけれど、姉は殺人がなくても生きていけるからだ。けれどもそんな姉が妹と共に生きていくには、妹のように狂うしかない。でなければ灼熱の炎が待っているからである。
この物語は無垢な妹を愛するがために地獄の業火に身を焼く姉の物語だ。だからこの物語は、苦しむ姉の視点によって描かれる。
それゆえに、私たち読者は試される。姉が信じ守ろうとする妹の心は伺い知ることはできない。だからこそのその光の照らす向こうに、底知れない闇が広がっている気がするのである。
殺人鬼の姉妹の群像劇は、姉の視点によって描かれる。姉は狂っている妹を愛し、そして愛されて、妹のように狂おうとする。妹は殺人がなければ死んでしまうけれど、姉は殺人がなくても生きていけるからだ。けれどもそんな姉が妹と共に生きていくには、妹のように狂うしかない。でなければ灼熱の炎が待っているからである。
この物語は無垢な妹を愛するがために地獄の業火に身を焼く姉の物語だ。だからこの物語は、苦しむ姉の視点によって描かれる。
それゆえに、私たち読者は試される。姉が信じ守ろうとする妹の心は伺い知ることはできない。だからこそのその光の照らす向こうに、底知れない闇が広がっている気がするのである。
本当に一話一話めくるごとに面白い
- 投稿者: 退会済み [2018年 05月 19日 10時 17分]
管理
まず、空気感が違う。
戦慄と狂気に満たされた文体。
姉妹の狂った愛情。
殺さなければ生きられない。
このスノーホワイトルナティックってタイトルからしても、伊達じゃないです。
まさに雪の中の血だまりのような作品。
読んでみてください。読んだら100%面白いのがわかります。あきらかに才能が有ります。すごいです・・・
戦慄と狂気に満たされた文体。
姉妹の狂った愛情。
殺さなければ生きられない。
このスノーホワイトルナティックってタイトルからしても、伊達じゃないです。
まさに雪の中の血だまりのような作品。
読んでみてください。読んだら100%面白いのがわかります。あきらかに才能が有ります。すごいです・・・
戦慄すら覚える狂愛
- 投稿者: 退会済み [2018年 05月 13日 12時 52分]
管理
生きるためには殺すしかなかった。
小説家になろうの作品の中で唯一ページを捲ることに恐怖を感じた作品です。
今思い返しても、自分が読みたかったのか読みたくなかったのか分かりません。ただ読まねばならないという気持ちだけがありました。
白い原稿用紙の中に敷き詰められた黒い表現の数々…普通なら、その表現性から素直に”畏敬の念"を覚えたはずです。しかし僕が覚えたのは”畏怖の念"でした。
老若男女全てにオススメ出来るとは言えません。
覚悟がある人だけ読んでください。
もし読み切ることが出来たのなら
あなたは自分の殻を一つ破ることができるでしょう。
小説家になろうの作品の中で唯一ページを捲ることに恐怖を感じた作品です。
今思い返しても、自分が読みたかったのか読みたくなかったのか分かりません。ただ読まねばならないという気持ちだけがありました。
白い原稿用紙の中に敷き詰められた黒い表現の数々…普通なら、その表現性から素直に”畏敬の念"を覚えたはずです。しかし僕が覚えたのは”畏怖の念"でした。
老若男女全てにオススメ出来るとは言えません。
覚悟がある人だけ読んでください。
もし読み切ることが出来たのなら
あなたは自分の殻を一つ破ることができるでしょう。
狂愛。この物語のテーマとしては、まさにそんな言葉が似合うのではないだろうか。
妹のために全てを捨てる覚悟で、彼女は非情な殺人鬼となった。それでも完全に狂うことはできず、もがき苦しむ姉、陽葵。
どこまでも人間らしい陽葵とは反対に、どこか人間離れした「汚れを知らぬ天使」のような妹、沙雪。
二人を繋ぐのは、姉妹愛と一言では片付けられない、まるで「呪い」のような絆。
愛の名のもとに罪を重ねる双子。その先に待つものは果たして何なのか?
愛とは何か。小説好きなすべての人に送る、サイコホラー恋愛小説!
妹のために全てを捨てる覚悟で、彼女は非情な殺人鬼となった。それでも完全に狂うことはできず、もがき苦しむ姉、陽葵。
どこまでも人間らしい陽葵とは反対に、どこか人間離れした「汚れを知らぬ天使」のような妹、沙雪。
二人を繋ぐのは、姉妹愛と一言では片付けられない、まるで「呪い」のような絆。
愛の名のもとに罪を重ねる双子。その先に待つものは果たして何なのか?
愛とは何か。小説好きなすべての人に送る、サイコホラー恋愛小説!
彼女は私の最愛の妹、そしてこの世で最も狂った生き物
- 投稿者: 退会済み [2018年 02月 06日 04時 53分]
管理
双子ながら陽葵と紗雪という、正反対の名前を持つ姉妹の物語です。
姉の陽葵の視点で物語は進行していきます。
純真で天使のような妹の紗雪はある病を抱えていました。
陽葵は彼女のために全てを捧げることを誓います。
陽葵の心情である地の文の端々に、自分を卑下する言葉がちりばめられており、
この子、周りからろくに愛してもらえなかったのだろうなと人生がにじみ出ております。
紗雪だけでなく、彼女もまた歪んでいるのです。
紗雪から与えられる純粋な愛情は、彼女にとってそれこそ麻薬のようなものだったのでしょう。
幸福はどこまでも美しく、絶望はどこまでも残酷に。
天国と地獄を行ったり来たりして、磨耗していく陽葵が見ていられません。
続きも楽しみにしております!
姉の陽葵の視点で物語は進行していきます。
純真で天使のような妹の紗雪はある病を抱えていました。
陽葵は彼女のために全てを捧げることを誓います。
陽葵の心情である地の文の端々に、自分を卑下する言葉がちりばめられており、
この子、周りからろくに愛してもらえなかったのだろうなと人生がにじみ出ております。
紗雪だけでなく、彼女もまた歪んでいるのです。
紗雪から与えられる純粋な愛情は、彼女にとってそれこそ麻薬のようなものだったのでしょう。
幸福はどこまでも美しく、絶望はどこまでも残酷に。
天国と地獄を行ったり来たりして、磨耗していく陽葵が見ていられません。
続きも楽しみにしております!
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