イチオシレビュー一覧

リアルな描写、そしてストーリーが見事に私の心を鷲掴みにして離さない。いや、離してくれない。そんな力をこの作品持っている。ただ切ないだけでなく、なんというか、唇を噛み切りたくなるような切なさを感じた。タイトル通り、苦い作品だ。そして、私はこの苦さを知っている。それを思い出させられレビューを書きながら苦い顔をしている。私にそんな表情させたこの作品は良作と呼ぶに相応しいだろう。
自主制作映画の脚本だったというが、もしこれが映像化するならば一番に見てみたいと思った。願わくは、映像化されることを心の底から期待している。

あまり恋愛ものは読まないのですが、久しぶりに読んでみました。なんというか、胸がぎゅっと締め付けられるような作品でしたね。

大切にしていた関係も心のなかで温めていた想いも、儚く、そして簡単に崩れてしまう。そういったメッセージがこの作品に込められていると感じました。

ちょっぴり苦くて切なくなる、でもどこか懐かしいような恋の物語。あなたも読んでみませんか？

輝は、ビターチョコレートが苦手だった。
いくら薦められて口にしても、飲み込むことさえできずに終わってしまう。
それでも「嫌い」を克服すれば、いつか「何でもできる」人になれるような気がして。……そう思っていたのも、昔の話。
今は、もう取り返しのつかないところへ、「嫌いな人」との関係は行ってしまったから──。


チョコレートという緩衝材を間に挟んで、この物語は主人公・輝の周りを取り巻く人間関係の一部を描いています。
誰にでもよくある、取るに足らない人と人との関係の変化。けれど、その象徴に据えられているものに気づいた時、きっとあなたは思うでしょう。
あの時、なぜチョコを飲み込むことができなかったんだろう。
なぜ、こんなに苦く感じるんだろう──と。

当たり前に日々を生きていけば、上手くいかなくて苦味を覚えることばかり。
そんな時は、ここで輝と一緒に、切なくてビターな感情を味わってみませんか。